知れば10倍楽しい陸上知識!! 跳躍編

跳躍編

知ってるようで知らない陸上競技の世界。

陸上は選手をちょっと知ってるだけで10倍面白くなる!!

ってことで、短距離編に続いて第二弾は跳躍編
跳躍を知っていればもはや陸上通と言っても過言ではないでしょう。
今回も長いので男子のお話です。

 

 

跳躍界の情勢

サッカーで言えばゴールキーパー的な、人と違う事がかっこいいみたいな感じがありながらも陸上のなかでは派手な競技。オリンピック・世界陸上共に走幅跳、三段跳、走高跳、棒高跳の4種目が種目として採用されています。

各種目に世界記録を狙える選手がいる!!

実は、現在の跳躍の選手層は非常に厚く、幅跳びを除く3種目では近いうちに世界記録が更新される可能性が高いのです。
走高跳はバーシム、棒高跳はラビレニという超人がいる。
そしてなんといっても三段跳だ。なんと3名もビッグジャンパーが揃っており、アメリカのクリスチャン・テイラーとウィル・クレイにキューバのピチャルの誰が世界記録を出してもおかしくない状況。

跳躍はとにかく観てて面白い!!

情勢とは関係ないっちゃないんですが、跳躍種目は試技がバーを3回連続で落とすまでか6回あるため、競技時間が長いのが特徴。つまり、テレビの前で他のスポーツ観戦と同じ感覚で観られるのです。
有力選手が揃っている現在の跳躍はハイレベルでのシーソーゲームが非常に面白い。特に三段跳は過去に例のないようなレベルでのシーソーゲームが展開されることもあり、10秒で終わってしまう短距離とはまた違った面白さがあるのです。
2015年のダイヤモンドリーグドーハ大会でのテイラーとピチャルドの18mオーバー対決は陸上の歴史に残る名勝負。現役の彼らを観られる現代人は幸せと言えるでしょう。

 

 

跳躍の押さえておきたい選手

走幅跳

跳躍の花形は幅跳びでしょう。誰しもが学校の授業で一度は経験しているだけに、そのすごさが分かるはず。
世界記録は1991年の世陸東京でマイク・パウエルがマークした8m95。この時のカール・ルイス(8m87で2位!!)との対決は陸上史上1番の名勝負だと思います。
で、歴代2位にはボブ・ビーモンという人が高地であるメキシコで1968年に出した8m90という記録が残っています。これは高地で空気が薄いから空気抵抗が少なくて…とかいろいろ言われていますが、20年以上世界記録として残り、今でもオリンピック記録として残っている陸上界の偉大な記録のひとつです。
そんな9mレベルの記録から比べると、2010年以降の最高記録は8m68とちょっと控えめに見えますが、これはカールルイス達がすごすぎるだけ。

助走や空中動作だけで誰だかわかるようになればかなりの通。

フアン・ミゲル・エチェバリア(CUB)

自己ベスト:8.68
1998年生まれ

2018年に出したベストの8.68は世界歴代10位で、2010年以降では世界最高の記録。彼を一躍有名にしたのはこれも2018年にダイヤモンドリーグで8.83(+2.1)の追参世界歴代3位の記録をマークした試合。もうちょっとだけ風が弱ければ…1998年生まれでここから先10年の幅跳び界のトップ候補となる選手だけに、数年以内に9mジャンプがみられるかもしれない。
キューバ人らしい体を揺らしながらの助走と長い手足を使ったまとまりある綺麗なジャンプが特徴。真似をするなら彼がいいと思う。

 

ルヴォ・マニョンガ(RSA)

自己ベスト:8.65
1991年生

ドーピングにも引っかかっているが、これは競技目的ではなくドラッグの使用。薬物依存で2012年から4年間陸上競技を離れていたが、コーチの事故死や彼の才能を救いたいという人達の尽力でカムバックした。
世陸ロンドンでは優勝、リオ五輪では1cm差でジェフ・ヘンダーソンに敗れ銀メダルとなった。
跳躍選手の中でも特にバネが効いた動きが特徴で、弾んでる感じは他のどの選手よりも強い。技術よりも才能が大切だと思い知らせてくれる跳躍スタイル。

ルシュヴァール・サマーイ(RSA)

自己ベスト:8.49
1991年生

マニョンガと同じく1991年生まれの南アフリカの選手。マニョンガとは対照的な超スピーディな助走と跳躍が特徴。さながら短距離選手のような助走をする。っていうかルーティンでクラウチングのように手を突くのでほぼ短距離選手の動き。
マニョンガが優勝した世陸ロンドンで銅メダルを獲得しており、世陸ドーハ、東京五輪でも南アフリカの上位独占がありうる。

ジェフ・ヘンダーソン(USA)

自己ベスト:8.52
1989年生

 

世陸ロンドンでは優勝候補ながら予選落ちするなどアメリカ人らしくムラっ気があるが、ハマれば跳ぶ。彼とマニョンガのリオ五輪での戦いは必見。
スムーズなリズムアップから駆け登る様に踏み切る動きが特徴。ダイナミックに見えながらも彼の助走は誰よりも教科書のようにまとまっていると思う。
他の選手は
がほぼ市販型のスパイクを使用しているのに対し、彼は短距離っぽいアッパーと短距離っぽいプレートが短くカットされた独特なスパイクを履いている。

ジャリオン・ローソン(USA)

自己ベスト:8.58
1994年生

 

幅跳び大国アメリカの若手のエース。100mでも10.03の記録を持つスピードスター。大学時代は今や世界王者筆頭候補であるコールマンに100,200で勝ち、アメリカ版全カレで幅と合わせて3冠した実績を持つ。2018年に大阪で開催されたゴールデングランプリではなぜか幅には出ずに200mにエントリーし、21.02という残念な記録でビリになっている。
体を反って脇の下から前を見るような出にくそうなルーティンからスピードがありながらも1歩1歩が力強い助走をする。
なぜかアシックスと契約をしており、スパイクがダサい。
2018年夏にドーピングに引っ掛かっており、今度どうなるかはわからない。

アレクサンドル・メンコフ(RUS)

自己ベスト:8.56
1990年生

世界陸上は2011年のテグからロンドンまで4連続入賞、モスクワでは金メダルを採っていて非常に安定感がある選手。トップ選手では珍しい1.5回転のはさみ跳びが特徴で、その跳躍はものすごい高さがある様に見える。6mジャンパーでもそのままの空中フォームを使えるので、中学高校生でも参考にできるジャンパーの一人。2019年シーズンも冬からそれなりに調子良く、室内のランキングは8m30でトップ。

中国の6選手(王嘉男、石雨豪、高興龍、ジャン、黄常洲、李金哲)

中国の育成にはものすごい勢いがあります。幅跳びでも4人ものトップジャンパーを揃える実は超強豪です。層の厚さは間違いなく世界一。
正直言ってみんな同じような髪型で名前も読めないので誰が誰だかわかりません。が、世界大会では必ず決勝に誰かがいる。誰がいるのかはわからない。そのうちの誰かが世陸か五輪で金を採る日は遠くない将来来るはず。
王嘉男の登場頻度が高い気がします。

 

 

三段跳

陸上は好きでも三段跳なんか観たことない人がほとんどだと思いますが、パフォーマンスの超人感で言えば全スポーツの中でもトップクラスだと思います。全力で走ってケンケンするなんて、そもそもその動き自体が三段跳び選手以外には出来ないと思います。なのに18mも跳ぶんですからたいしたもん。
1995年にイギリス人のジョナサン・エドワーズが出した18.29が今でも世界記録として残っていますが、現在の三段跳には3人もの世界記録更新候補者がいます。

クリスチャン・テイラー(USA)

自己ベスト:18.21
1990年生

なんといってもテイラー。現代の陸上界を語る上で絶対に外せない選手の一人。幅跳びベストが8.19、そしてなぜか400mを45.07で走る事が出来る本当の超人。45.07はアメリカ歴代140位、2010年以降アメリカ40位。全然ピンとこないが、日本記録よりは速い。もしかすると横浜の世界リレーでもマイルを走るかも?
本職の三段跳では2011年に17.96を跳びテグ世陸で優勝、2015年に18m21、2017年に18m11を跳び、もういつ世界記録を出すかという状況。
世陸はテグ、北京、ロンドンで金、オリンピックはロンドン、リオで金を採っているほぼ無敵な選手。
常識では考えられない加速するように伸びて行くステップが特徴。失敗してホップが短くなったのかな?と思ったところから18m付近までもってくる跳躍はもはやCG。

ペドロ・パブロ・ピチャルド(POR)

自己ベスト:18.08
1993年生

テイラーに泥を付けることのできる数少ない選手。2015年に18.08を跳び、2018年は17.95で世界ランクトップになっている。テイラーが不発でチャンスだった世陸モスクワではフランスのタムゴーが18.04を跳んだことで2位に終わっている。
元はキューバ人だったが2017年にポルトガルに市民権を移したことで世陸ロンドンには出られずに、2019年からはポルトガル代表になる。
カリブらしい長い手足をつかったバネのある跳躍が特徴。

ウィル・クレイ(USA)

自己ベスト:17.91
1991年生

幅跳びの選手としても活躍しており、ロンドン五輪では銅メダルを獲得している。
三段跳びではロンドン五輪、リオ五輪でテイラーに続く銀メダル、世陸テグ、世陸モスクワでは銅、世陸ロンドンでは銀を採るなど実績は十分だが、いつもテイラーの二番手になってしまっている。
ヒップホップのプロ歌手でもある。

走高跳

バーシム無しには語れないが、ルイセンコ(ロシア)、タンベリ(イタリア)、張国偉(中国)など外せない選手も多い。日本の戸邉直人選手も2.34の日本記録保持者であり、上位入賞候補だ。

ムタズ・エサ・バルシム(QAT)

自己ベスト:2.43
1991年生

世界歴代2位の記録を持つ選手で、2013年から2018年まで全ての年で2.40をクリアしている超人。実力がありながら世陸、五輪に弱く、金メダルを採ったのは世陸ロンドンだけ。2.40以上を11回も跳んでいおり、毎回世界記録更新の期待を背負って跳んでいる。

ダニイル・ルイセンコ(RUS,ANA)

自己ベスト:2.40
1997年生まれ

世陸ロンドンでバーシムに次ぐ2位を獲得した若手。ロシアの組織的ドーピング問題を受け、中立選手として大会に出場しているが、2018年に居場所の申告をミスって怒られたためどうなるかはわからないが、普通に競技が続けられればこれからの高跳界を引っ張るどころか世界記録の更新にも期待がかかる。

ジャンマルコ・タンベリ(ITA)

自己ベスト:2.39
1992年生

イタリア人らしくロン毛な選手。イケメン特集みたいなのにはだいたい出て来る。2016年のリオの前に怪我をして欠場しているが、もし出ていればメダルに絡んだであろうと思われる。右半分だけ剃った半ヒゲ状態のスタイルが話題になった。

張国偉(中国)

自己ベスト:2.38
1991年生

世陸北京で銀メダルを採ったが、リオ五輪と世陸ロンドンではなぜか予選落ち2.22しか跳べずに予選落ちするムラっ気を持つ選手。跳躍を成功させるとマットの上で踊ると言うかパフォーマンスをするが、まわりがちょっと引いてる感じが画面からも伝わる。

デレック・ドルイン(CAN)

自己ベスト:2.40
1990年生

 

世陸北京とリオ五輪で金メダルを採った選手。バーシムのように派手ではないが、非常に強い。バウンディングのような超ゆっくりした助走からダブルアームでポーンと跳んでいく独特な跳躍をする。
2017年には10種競技に出て7150点という何とも言えない記録を出している。その時の100mは11.42。遅い。
怪我さえなければまだまだ優勝を狙えるかも。

ボーダン・ボンダレンコ(UKR)

自己ベスト:2.42
1989年生

バーシムと並ぶ超人。2.42のベストをもち、世陸モスクワでは2.41もの高さを跳んで優勝しているにもかかわらず世陸ロンドンでは予選落ちしたつわもの。五輪はリオの銅が最高位のため、東京では優勝を狙ってくるはず。バーシム対ボルダレンコが東京で観られるならば高跳びファンは震えるはず。

 

 

棒高跳

ポールといえば長い事ラビレニの時代でした。6.10を超えたことがあるのは人間は、鳥人ブブカとビレニだけ。そんなラビレニを打ち負かす選手があらわれました。世はまさにラビレニ時代からデュプランティス時代に移り変わろうとしているのです。

 

ルノー・ラビレニ(FRA)

自己ベスト:6.05(室内6.16)
1986年生

室内では6.16を跳んだこともあるが、屋外のベストは6m05。屋外でのブブカ越えは年齢的にちょっときびしそう。世界陸上には2008年のベルリンから出場しているが、モスクワが2位、それ以外が全て3位と一度も勝てたことがない。五輪でもロンドンで優勝したがリオでは2位になっている。実力は抜けていても勝負になるとなかなか勝てない事も多い選手だが、ドーハ・東京で連続優勝して引退前にひと花咲かせてくれるかどうか期待。まちがいなくメダル争いには関わる選手。

アルマンド・デュプランティス(SWE)

自己ベスト:6.05
1999年生

お父さんも5m80を跳んだアメリカの棒高跳選手だった彼は2018年のヨーロッパ選手権で6m05を跳んでラビレニに勝った期待の若手選手。屋外での6m05はラビレニらと並んで世界歴代2位タイの記録。つまり、この若さにしてもはやラビレニと同等の選手になったということ。100m10.69の俊足を生かした助走からの跳躍は非常にスムーズ。ドーハ・東京でおおばけして世界記録更新もなくはない!!

 

 

 

っと、跳躍選手もいっぱいいますね。
跳躍がわかればかなり陸上が楽しくなるはず。






Twitterで更新をお知らせしています↓