初心者のランニングシューズ選び その3陸上初心者編

その3 陸上初心者編

近年のランニングブームよって、ランニングシューズのラインナップも非常に充実しています。
一昔前まではとりあえずお店で初心者用がどれか聞いてそれを買えば良かったのですが、今は初心者用のなかでも各メーカーいろいろと特色を出しているため、どれを買っていいものか悩む人も多いはず。
初心者の方がどのようにランニングシューズを選べば良いのか、陸上競技者目線でご紹介します

その1:基礎編
その2:市民ランナー編
その3:陸上競技者編

今回は陸上競技者編。
陸上競技を始めようという初心者がどうやってシューズを選んべばいいのかをご紹介。

シューズ自体の紹介は別の記事でまとめています。
2019年(ミズノアシックス
2018年(ミズノ・アシックス
2017年(ミズノ・アシックス・海外メーカー

スパイクの事情はこちら
2019年(ミズノアシックス
2018年(ミズノアシックス
2017年(ミズノアシックスナイキアディダス
2016年(ミズノアシックスナイキアディダスその他
初心者(初心者のスパイク

 

 

練習が積めるシューズを選ぼう!!

陸上競技に必要な道具はシューズとウェアだけです。
大学生など、ある程度のレベルになれば毎日タータンで走れる環境もあるのですが、たいていの場合は学校のグラウンドで練習すると思います。
学校でもスパイクを履けることもあるかもしれませんが、初心者のうちはシューズで走ることが多いはずです。
陸上競技初心者は、練習でガンガン使えるシューズを選ぶといいでしょう

陸上競技に向いたシューズとは?

陸上をやっているとだんだんとシューズに詳しくなっていくのですが、初心者のうちはどれがどれだかわからないと思います。
初心者向けのシューズとして売られているのはランニング初心者向けのシューズですので、陸上競技初心者向けとはちょっと意味合いが違います。そのへんを中心に解説します。
ロードを走るかどうかとスピードを出すかどうかの2点が市民ランナーとの違いです。

陸上ではほとんどロードを走らない!!

中・長距離の選手なら当然走りますが、短距離・跳躍の選手はロードを走ることはほとんどありません。走ったとしてもアップで1kmとか気分転換にロングジョグとかそれくらいだと思います。
初心者向けのシューズはロードで走ることが前提の構造であるため、クッションが多くて厚みもありすぎます。こういうシューズは陸上競技として考えると無駄が多すぎます。
土やタータンでの使用がほとんどだと考えればクッション性はあまり必要ありませんので、薄めのシューズの方が陸上には向いていると言えます。

スピードが出るシューズが必要

市民ランナーや長距離選手の言うところの『スピード練』と、陸上競技でいう『スピード練』は全く意味が違います。
ランナーのスピード練っていうのは、1kmとかの距離をキロ3分台とかで走るような練習のことで、実際のスピードはあまり高くありません。
陸上のスピード練っていのは短ダッシュのことで、無酸素です。
シューズ売り場にある『スピード練習にも対応』っていうのは、ランナーでいうスピード練習のことですので当てにしてはいけません。
本来、スピード練習はスパイクを履いて行うものですが、初心者のうちは怪我のリスクを避けるためにシューズでやることが多いと思いますので、短ダッシュでも使えるシューズを選ぶと良いでしょう。

走りを邪魔しないシューズを選ぼう

大会ではスパイクを履きます。シューズとスパイクの感覚が違いすぎると走りも変わってしまいます。極端なクッションがあったり変な構造のシューズになれてしまうとスパイクを履いた時に違和感が出る可能性があります。
気持ち良く走れるシューズを選ぶようにしましょう。

 

陸上で使うシューズの寿命

ランニングシューズの裏はゴムであったりツブツブであったり様々です。ツブツブソールをロードで使うとあっと言う間に削れてしまうのですが、陸上で使った場合はその寿命は全く違います。陸上シューズの耐久性について考えます。

薄めのシューズでも1年1足くらいもつ

何を基準に退役させるかは人それぞれですが、経験上、周りの選手をみていても、シューズや使い方にもよりますが、毎日練習する学生で1年に1足から1.5足くらいがシューズの買い替え頻度だと思います。シーズンインに合わせて毎年買い替えくらいの人も多いです。
まず、土やタータンで使っている限りではゴムソールがなくなることはありません。限界を迎えるころにはツブツブソールだとほとんどなくなっていますが、たいていはアッパーに穴が開くかクッションがペッタンコになるか汚れがひどくなって買い換えとなります。
ウェーブライダーあたりをの耐久性だと過剰ですので、もっと耐久性の低いモデルを選んで良いと思います。

移動でもシューズが削れていく!!

練習用と移動用のシューズを分けている人はほとんどいません。部活であれば制服の時とジャージの時で履きかえるでしょうが、大会の移動などはふつうは練習で使うシューズを使います。
歩いていればだんだんとかかとが斜めに減っていったり小指のところが破れたりしますが、こんなことを考えて移動するのは嫌だと思うので、移動で履いても壊れないくらいの耐久性は欲しいところです。

 

ケース別おすすめのシューズ

グラウンドあるいはタータンで走りやすいシューズを選ぶのが基本だと思います。
どのシューズが走りやすいかは人それぞれですので、ケース別にこういうシューズを選んでおけばいいのではないかというシューズをご紹介します。他メーカーの似たようなシューズでもいいと思います。
基本的には、軽さと薄さと耐久性のバランスを考えましょう。

運動経験がない場合
雑に扱っても大丈夫!中学生向けのシューズがある!!

中学入学で陸上部に入るからシューズを買おうかと言う方はこういうシューズがおすすめ。
実はランニングシューズのラインナップには部活生に向けたシューズがあるのです。上級者からすればなんか物足りない感じではあるものの、中学生が履くのに適した作りになっています。
雑に扱ってもあまり歪まないシューズで、そういう意味での耐久性がちゃんと確保されている。それでいて軽くて走りやすい。

①ウェーブソニック

 
[ミズノ] ウェーブ ソニック

定価8,900円+税、210g
軟らかいクッションが薄めにフラットに入っていて、ミズノが部活生向けとしてラインナップしているシューズ。ランナーの初心者向けシューズと違って、ロードでガンガン使う事は想定していないので、クッションが必要にして十分な量に押さえられている。結果的に軽量に仕上がっており、土やタータンで走るのに適したシューズになっている。
ソールが広めにつくられているため、安定性が非常に高いのも特徴。
ドロップが低くてフラットなシューズであるため、部活だけでなく体育でも使えるはず。
何よりも実売価格で5,000円前後と安いため、斜めに擦り減ったりした時にすぐに買い替える事が出来る。

②ソニックラッシュ

 
[ミズノ] ソニックラッシュ

定価6,900円+税、205g
かつてはラッシュアップと言う名前で売られていたシューズ。これも部活生向けにラインナップされているシューズで、ウェーブソニックの下位互換と考えていい。軽さは中級のランニングシューズに匹敵するものの、アッパーの出来は値段なり。ちょっとクッションが厚いかも。

③ライトレーサーTS

 
[アシックス] LYTERACER TS

定価10,584円
上の2モデルほどではないけどアシックスのなかでは部活での使用も考えられているであろうモデル。全ての要素をそれなりにまとめてあり、使い倒す用のシューズとして考えると良く出来ている。ライトレーサーにはRSというもっと上級モデルもあるので間違えないように注意。ちょっとマラソン寄りではあるものの、安くこれだけのシューズが買えるのであればコスパは良い。

 

それなりに運動できる人の場合
エントリーモデルのシューズを選ぼう!!

高校生や、他のスポーツをやっていたなどでそれなりに運動が得意な人はそれなりのランニングシューズから入っていいと思います。
軽いシューズは非常に走りやすく、1年練習してレベルアップした後でも不満のないシューズです。

①ウェーブエンペラーTR

 
[ミズノ] ウエーブエンペラーTR 2

定価9,900円+税、190g
ミズノの上級モデルである『ウェーブエンペラー』と同じ名前のシューズ。ウェーブエンペラーを安くしたバージョンだと思っていいと思います。ソールはゴム底になっていて非常に耐久性が高く、それでいて軽量に仕上がっています。軽量のランニングシューズとして必要な要素はカバーされており、スピード練習に対応できるレベルのシューズとしておすすめできる。
コスパという点では優秀

②ウエーブエアロ

 
[ミズノ] ウエーブエアロ 17

定価13,500円+税、230g
ミズノの超定番シューズ。部活向けのラインナップ以外ではこのシューズからが陸上に向いているシューズだと言えると思います。
必要よりちょっと多めのクッション、それなりにフィットするアッパー、それなりにグリップするソールなど、初心者がランニングシューズに必要とする要素がちゃんとクリアされているなかなか良いシューズ。このシューズは1年履いても大丈夫な部類ですが、それなりに大事に扱わないと歪みますのでかかとを踏んだりするのはやめましょう。

③ライトレーサーRS

 
[アシックス] LYTERACER RS 5

定価10,800円
アシックスの定番シューズ。ソールが厚めなわりに接地感は悪くなく、これもウェーブエアロと大体同じような良さがあるシューズ。ターサーシリーズでないからか人気がないため、実売価格5,000円位で出回っているのでコスパはかなり良い。

 

上級者向けシューズではダメなのか?

これまで紹介したシューズは中級者向けに分類されるシューズです。
中級者向けシューズと上級者向けシューズの違いは、その1で紹介しているので省略しますが、ザックリ言えば、軽量性を突きつめたのが上級者向けシューズです。
陸上競技初心者が上級者向けを買ってはいけないのか?というと、上級者向けでも全く問題ありません!!
それでもなぜ中級者向けを勧めるのか、それにもまた理由があります。

上級者向けのメリットデメリット

上級者向けのシューズとは、上級者がスピードを出して走るのに合わせて作られてシューズ群のことです。
一般的には軽くて軟らかくてクッションがないシューズのことなのですが、見分け方としてはソールが極端に薄いモデルは上級者向けと考えていいでしょう。上級者向けは速く走ることに特化しているだけに良いところがあれば悪いところもあるのです。

最大のメリットは履き心地とスピード

上級者向けをこのんで履いている選手は、履き心地か軽さが気に入っているから選んでるだと思います。
履き心地というと抽象的すぎますが上級者向けのシューズの軟らかくて薄いアッパーは足にぴったりをフィットする為、スパイクを履いているような感覚で履くことが出来ます。足に吸いついてくれるおかげで、実際の軽さよりも軽く感じます。
また、非常に軽くできているので、スピードは非常に出ます

デメリットは耐久性の低さ

陸上競技で使う上では耐久性はそれほど要りませんが、それにしたって耐久性の足りないモデルはあります。ミズノのウェーブクルーズやアシックスのソーティマジックRPのようなロードレース向けの上級モデルは陸上的な使い方でも半年くらいでダメになると思います。
使えないことはありませんが、お金がかかって仕方ない
ただ、耐久性さえクリアできれば上級モデルは最高。

上級者向けでも使えるモデルもある

上級者向けモデルが全部使えないかというと、そんなことはありません。マラソンチャートでいうサブスリーのモデルは、薄くて軽くて良いアッパーがついているにもかかわらずクッションがちゃんとしているモデルがあります。

こういうモデルは陸上競技にも最適

端的に言えば、ウェーブエンペラージャパンターサージャパンは非常にいいです。

 
[ミズノ] ウエーブエンペラー ジャパン 3

ウェーブエンペラージャパンはミズノのサブスリーモデルで、アッパー性能に関しては最上級。前足部のクッションは薄く、グリップのあるツブツブソールですが、中足部にはシャンクといわれるプラスチックがあるセパレートタイプのシューズです。薄くて軽いのにねじれ剛性があり、かかとがしっかりしているので寿命も長いため、陸上競技に使うにはピッタリ。耐久性もそれなりにあります。
エンペラーは3種類あって、上で紹介した練習用のTR、廉価モデルのエンペラー、そして日本で職人が作っているジャパンです。まあ、ジャパンまでは必要ないっちゃないけどやっぱり履き心地は別格。これがあれば履き心地を求めてわざわざオーダーでシューズを作る必要がないくらい。

 
[アシックス] TARTHER JAPAN

ミズノのエンペラーと対をなすアシックスのモデルはターサージャパンです。超ロングセラーであるこのモデルは、古くからのファンも多い名作。メリットもエンペラーと同じで、軽くて造りが良くて耐久性もあるという良いことずくめのシューズ。個人的にはかかとのクッションのグラつきに関してエンペラーに分があると思っているのでエンペラー派ですが、アシックス派ならこれを履かずにアシックスを語れはしない。

エンペラーとターサージャパンに関して言えば、マラソン上級者向けにラインナップされてはいますが短距離向けモデルだと言っても過言ではありません
特にフィット感は安物のランニングシューズとは比べ物にならないので、フィット感だけで上級モデルを選んでいいレベルです。耐久性もなんとかなります。私は高校時代にエンペラーの前のモデルのウェーブスペーサーってのを履いていて1年くらいはギリギリ使えてました。
初心者が1足目に買うにはオーバースペックだとは思いますが、2足目以降はこういうモデルでもいいと思います。

 

ナイキとアディダスじゃダメなのか?

古典的な陸上的感覚で言うと、ダメです。
実際は全然ダメじゃないんですが、陸上界では長い事ミズノとアシックスの2強だったため、海外メーカーは色ものとして扱われていました。
私も最初に履いた軽量ランニングシューはアディダスでしたし、高校入って一番最初に自分で買ったシューズはナイキでしたが、当時のシューズはかなり微妙で、その後履いたミズノの履き心地に衝撃を受けるほどの違いがありました。その影響で今でも海外メーカーには偏見があります。
他のスポーツ、特にサッカーをやっているとアディダスが多いので、その感覚のままでアディダスやナイキを買うと微妙な感じになるかもしれません。私のように。

薄底シューズは日本にしかないらしいっす

実際のところは良く知りませんが、薄底シューズを履いているのは日本人だけらしいですよ。たしかに、昔テレビで観ていた陸上選手たちはやけに分厚いシューズ履いていましたし、youtubeで観れるような海外の選手達の動画もみんな分厚いシューズ履いてます。当時は何でこの人達こんなダサいシューズ履いてんだろうとしか思っていませんでしたが、どうやら海外には薄底のスタイリッシュなシューズってあんまりないらしいです。
で、それが海外メーカーじゃダメかって話にどう繋がるのかと言うと、薄底シューズ作りは日本メーカーの方が得意と言えるのです。
薄底である必要ってほとんどないのですが、上でオススメしたモデルは全部薄底です。なんとなく薄底の方がスピードが出しやすかったり接地感覚が良かったりする気がするので、私が勧めるなら薄底ですが、それももう古い考えになりつつあるかもしれません。

海外メーカーはどれがどれだかわからない

ナイキのラインナップをみてどれを買ったらいいのかわかりますか?
私には分かりません。ナイキは最初に買ったメーカーっていうのもあってずっとフォローはしているのですが、もう最近のラインナップは意味不明です。見た目が全部一緒だし、特徴もどれも同じにしか思えない。
あなたもわからないからいろいろ調べてるんだと思いますが、ネットにある情報なんて素人が偏見で書いてるだけなので当てになりません。
youtubeで比較動画みてもなんだかよくわからないし、実際にお店で履いてみたところで全然わかりません。結局値段で選ぶ感じになると思います。
わかる人にはいいんでしょうし、良いモデルは本当にいいんでしょうが、初心者が海外メーカーに手を出すと失敗します。私のように。

国内メーカーのシューズは本当に良く出来てる

学生時代からいままでいろんなシューズを買ってきて思うことは、やっぱり海外メーカーと日本のメーカーの製品には明らかに違いがあるということ。
それは気持ち的なものではなく、日本メーカーの商品ってすごく細かいところまで作り込まれているものが多い。日本メーカーでも製造はほとんどが海外なんだけど、それでも縫い目だったり接着剤のつけ方がちゃんとしてる。
海外メーカーの商品もいいんだけど、妙にアッパーにシワがあったり、縫い目が曲がってたりすることは割とある。製品の精度管理みたいなのはやっぱり日本のメーカーに分があるんじゃなかろうか。
ミズノ・アシックスのシューズは造りも含めて本当に良く出来ている。軽量なのにアッパーは全然破れないし、クッションの寿命も長いし、ソールが剥がれるなんてこともない。
モデルごとの比較はもちろんあるけども、初心者に必要なシューズと考えると、海外メーカーよりも日本のメーカーを選んだほうがいいと思います。

 

 

ってことで初心者のランニングシューズ選びおしまいです。
市民ランナーであればウェーブライダーとゲルカヤノを買っておけば間違いない。
陸上初心者であればミズノかアシックスの中級モデルを買っておけば大丈夫。
海外メーカーのシューズもいいんだけど、最初の1足にはやめておくことをオススメします。






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