福井で日本記録続出!!幅跳で8m40の大記録!!110mHで13秒25!!
2019年8月17日、福井県の9.98スタジアムで行われた『Athlete Night Games in FUKUI』がとんでもない大会になりました。
結果から言えばこの大会で生まれたのは
日本記録3つと日本タイ記録1つ
というとんでもないリザルト。
2017年9月に男子100mで桐生選手が当時日本新で日本人初の9秒台となる9.98をマークした会場であることから『9.98スタジアム』という愛称がつけられた福井県営陸上競技場で行われたこの大会ですが、トップ選手を集めるための資金集めをクラウドファンディングで行うなど、先進的な取り組みによって開催されたことも注目を集めていました。
今回は、この『Athlete Night Games in FUKUI』で生まれた日本記録についてご紹介します。
3つの日本新と1つの日本タイ記録が誕生!!
日本選手権バリにトップ選手が集った今大会ですが、良い風が吹きやすいとされている9.98スタジアムの特徴を生かすために、風が競技に与える影響の大きい種目が選定されて開催されました。
特に、男子の200mと走幅跳は『ナショナルレコードチャレンジ』の部と称されての開催でした。
もともと好記録を期待されていた大会ということになりますが、まさかこれほどまで好記録が連発するとは誰が思っていたでしょう。
特に走り幅跳びは世界トップレベルのリザルトの大会になったと思います。
走幅跳で世界大会レベルの好記録が続出
男子の短距離種目に注目が集まるのは当然のことですが、今大会は走幅跳が話題をかっさらいました。
まずは日本歴代2位の8m22のPBをもつ橋岡優輝選手が1回目に8m32(+1.6)をマーク。
1992年にマークされた従来の日本記録(8m25)を27年ぶりに更新しました。
さらに津波響樹選手も1回目で8m21の大跳躍。津波選手は2回目の試技で8m23と記録を伸ばします。
ふつうならこれでおしまいなのですが、今大会はこのあとがすごい。
3回目の試技で城山正太郎選手が8m40(+1.5)をマークしたのです。
これ、大記録なんてもんじゃあない。
8m40は世界歴代58位タイで、2010年以降では世界19位の記録です。
その後6回目には橋岡選手が8m27(+2.1)と従来の日本記録を上回る記録をマークしました。
トップ3の結果は以下です。
選手 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 |
城山 正太郎 (ゼンリン) |
7m84 +1.4 |
7m95 +1.6 |
8m40 +1.5 NR |
– | – | – |
橋岡 優輝 (日大) |
8m32 +1.6 NR |
8m12 +0.6 |
8m21 +1.7 |
8m16 +1.3 |
7m64 +1.6 |
8m27 +2.1 |
津波 響樹 (東洋大) |
8m21 +2.0 |
8m23 +0.6 |
– | – | – | – |
結果を見てみると、城山選手の大跳躍はもちろんすごいのですが、橋岡選手のアベレージの高さも地力を感じます。
これだけの記録を毎回揃えることができれば、ダイヤモンドリーグでも十分通用するでしょうし、世陸、五輪での上位入賞やメダルも十分に手が届く範囲です。
また、参加標準記録については世陸ドーハが8m17、東京五輪が8m22ですので、今大会で一気に3選手が両方の標準を突破したことになります。
日本から幅跳で3人もの代表が出るという夢のような状況になる可能性があります。
今大会の幅跳の記録は本当にすごい!!
今大会は8m40、8m35、8m23というのが上位3選手の記録です。
これ、分かりにくいと思いますが、
8m40については
100mで9秒85で走るくらいすごい
と思っています。
そこで、過去の世陸の表彰台の記録をみてみると以下の通り。
ロンドン大会(2017) | ||
1位 | 8m48 | マニョンガ |
2位 | 8m44 | ローソン |
3位 | 8m32 | サマーイ |
北京大会(2015) | ||
1位 | 8m41 | ラザフォード |
2位 | 8m24 | ラピエレ |
3位 | 8m18 | 王 |
モスクワ大会(2013) | ||
1位 | 8m56 | メンコフ |
2位 | 8m29 | ガイサ |
3位 | 8m27 | リベラ |
8m40を世陸の決勝で跳べばほぼ確実にメダルを取れます。それどころか、状況によっては優勝もあり得る記録。
それどころか、3選手共に上位入賞の可能性があります。ダイヤモンドリーグの上位記録と比べても今回の3選手の記録は遜色ないどころかちょっと上回っているくらい。
本当にすごい。
男女のハードルでも日本新と日本タイ!!
にわかに盛り上がりを見せているハードル界。今大会でもやってくれました。
まずは男子ですが、7月27日に13秒30という日本新記録をマーク(その時の記事はこちら)した高山選手が、早くもその記録を上回る13秒25(+1.1)という日本新記録を樹立しました。
13秒25と言う記録は世界歴代99位タイ、2010年以降世界45位タイという記録です。ピンとこないかもしれませんが、100mで言うと9秒96とかそれくらいに該当する記録だと思っていいでしょう。
この記録を世陸ロンドンの決勝で出せば銅メダルが取れます。
本当に日本人選手が110mHでメダリストになる日は遠くないかもしれません。この先数年は100mと同じように最注目の種目でしょう。
また、女子ハードルでもついに日本新かというところまで来ました。
寺田明日香選手が13秒00(+1.6)をマークし、2000年にマークされた100mHの日本記録に並びました。
寺田選手は私の世代ではスター選手の一人で、ラグビーに挑戦したり、出産を経験したりと紆余曲折の競技人生の末、今にいたるという選手です。
おそらくこれからメディアの露出も増えることでしょう。
男子200mでも好記録
日本新とはなりませんでしたが、男子200mでも3選手が世陸ドーハの標準である20秒40を切るレースとなりました。
結果は以下です
順位 | 氏名 | 記録 |
---|---|---|
1 | 白石 黄良々 (セレスポ) |
20.27 |
2 | 飯塚 翔太 (ミズノ) |
20.39 |
3 | 山下 潤 (筑波大) |
20.40 |
これだけの好記録が連発される大会は過去にありませんでした。
クラウドファンディングなど、他の大会と成り立ちが違う大会でしたが、これからの陸上界になにかしらの影響を与えることは間違いないと思われます。
次回以降も注目の大会となるかも。
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