【世陸ドーハ】大会のまとめ

2019年ドーハ大会

気が付けば終わってしまった世界陸上ドーハ大会。
今大会もいろいろあってかなり楽しめました。夜中の放送っていうのがしんどかったのですが、慣れてしまえば睡眠不足もなんとかなるもの。
今大会、陸上界にとっては節目になる大会になったと思います。

今回は
世陸2019ドーハの出来事まとめ
をご紹介。

 

 

世陸ドーハはこんな大会だった

初の中東開催となった世陸ドーハ。
日中は50度という信じられない暑さの国ですが、オイルマネーがじゃぶじゃぶなので、会場となったスタジアムは開放なのに冷房完備というとんでもないところでした。
結果として、心配されていた暑さによる不調はなく、世界記録は1つだけにとどまりましたが、好記録が連発する大会になりました。

各種目の有力選手がだいたい順当に勝った!!

本来オフシーズンに入る9月末からのの開催、連日40度超えとなる猛烈な暑さといういつもとは違う状況で行われた世陸ドーハ。
大会前は波乱がおこるんじゃないかと思っていましたが、フタを開けてみれば各種目有力選手が力通りの結果を出した大会になりました。

ランキング1位が優勝したのは個人44種目中21種目

世界陸上はトラック10種目、フィールド8種目、競歩2種目に混成とマラソンの22種目×2(男女)の計44種目の個人種目が行われました
このうち、シーズンランキング1位で臨んだ選手が優勝した種目をご紹介します。
男子は8種目(22種目中)
・100mのコールマン
・200mのライルズ
・110mHのホロウェイ
・400mHのワーホルム
・棒高跳のケンドリクス
・円盤投のスタール
・1500のチェルイヨト
・20kmWの山西

女子は13種目(22種目中)
・100mのフレイザープレイス
・400mのショーナミラー
・3000mSCのチェプコエチ
・砲丸投の鞏立姣
・ハンマー投のプライス
・1500mのハッサン
・5000mのオビリ
・400mHのムハンマド
・走高跳のラシツケネ
・走幅跳のムハンボ
・三段跳のロハス
・円盤投のペレス
・マラソンのチェプンゲティッチ

44種目のうち半数弱の21種目でランキング1位の選手が優勝したことになります。世界陸上に向けてピーキングをするとはいえ、優勝するような選手は1発だけではなくシーズン中にどこか他のところでももう1度ピークがあるようです。

ランキング1位ではない優勝候補が勝ったのは14種目

SBでは1番でなくても優勝候補として注目され、確実に力を発揮して優勝した種目が12種目あります。

  • 三段跳のテイラーはランキング2番ながら優勝して北京、ロンドンから3連覇。テグを含め4度目の世陸優勝。
  • 男子5000mのエドリス2連覇
  • 男子400mのガーディナーが前回2位に続いて初優勝。
  • 男子ハンマー投げのファイデク4連覇
  • 男子走高跳のバーシムは高跳史上初の2連覇
  • 男子砲丸投はコバクスが世陸北京以来の優勝。
  • 男子10000mのチェプテゲイは前回大会2位だった選手。
  • 男子3000mSCのキプルト2連覇。世陸4個目のメダル獲得(金2銀2)。
  • 男子50kmWの鈴木は元世界記録保持者。
  • 女子200mのアッシャースミスはランキング3番ながら上位の2人である、トンプソンの棄権、オカグバレの失格があり実質1番手で臨んでイギリス新記録で世陸初優勝。
  • 女子棒高のシドロワはランキング2番から世陸初優勝。
  • 女子やり投げのバーバーはランキング2番から世陸初優勝。
  • 七種のトンプソンはランキング2番から世陸初優勝。
  • 女子100mHはリオ五輪2位のアリが初優勝。

ランキング1位が勝った21種目と、それ以外の優勝候補が勝った14種目を合わせて35種目で波乱のない結果となったことがわかります

ダークホースが勝ったのは9種目

優勝候補が勝つケースが目立ち、番狂わせはちょっとだけ。

  • 走幅跳のゲイルはランキング6番目ながら今季世界最高で全出場選手のPBを上回る8m69で優勝。
  • 男子800mでブレイザーがCRで優勝。
  • 十種では21歳のカウルが優勝。世界記録保持者のメイヤーが怪我で離脱したなかでの最年少優勝です。
  • 女子800mはナカイがNRで優勝。
  • 女子10000mではハッサンがまさかの優勝。本業の1500mとダブルエントリーという偉業です。
  • 男子やり投優勝のピータースはグレナダ初のフィールドのメダル獲得。
  • 男子マラソンと女子競歩2つ

のこるこの9種目は番狂わせと言えるかもしれません。
ただ、ブレーザーは世界歴代9位の記録を持っているし、ハッサンは中距離のチャンピオンなので、実際の波乱は幅跳のゲイルとやり投のピータースの2人でしょうか
マラソンと競歩はよくわかりません。

世陸ドーハの好記録・好勝負

過酷な環境と開催時期で低いレベルの記録が多くなると思っていましたが、トップ選手達の集中力とピーキング能力はとんでもなかった。

男子棒高跳

ケンドリクスデュプランティスリセクの6mジャンパー3人が5m80を1回でクリアしてメダルを確定させるとそこからが凄かった。
シーソーゲームを続けてケンドリクスとデュプランティスが3回目で5m97をクリア。6m02は誰も跳べなかったものの、ギリギリ追い込まれた所で最高のパフォーマンスを発揮するレベルの高い試合になりました。

男子走幅跳

大会前のPBが8m32(世界歴代115位)だったジャマイカのゲイルは8m69(世界歴代10位)を跳んで優勝。この記録は優勝候補筆頭だったエチェバリアのPBである8m68を上回っており、2010年以降の世界最高記録です。

男子砲丸投げ

過去の全種目を通じて世界最高の戦いと言っても過言ではないかもしれません。
1投目に前回大会優勝のウォルシュがCRとなる22m90(この時点で世界歴代4位)をマークして優勝はほぼ確実だと思われたが、6投目にヤコブスが22m91を投げて1センチ差で逆転。
そしてその直後にクルーザーが22m90を投げてセカンド記録の差でウォルシュを逆転して2位に。
世界陸上で22mオーバーを複数人がマークしたのは初めてのこと。上位3選手がPB、AR、CRを更新し、世界歴代3位タイと5位タイに入る超ハイレベルな試合になった。今後これだけハイレベルな試合見られないでしょう。

男子400mH

ワーホルムベンジャミンサンバの3選手が46秒台という未だかつてないスタートリストとなり、その3名がメダル獲得となりました。
結局ワーホルムが大会2連覇。

男子800m

1周目を48秒99のハイペースで回ると、500m付近からブレイザーがギアを上げて抜け出す展開。そのまま失速することなく世界歴代9位となる1分42秒34の大会新記録で優勝。
この種目アメリカ初の金メダルとなりました。

男子3000mSC

まさかの0.01秒差決着となったサンショー。
ギルマが最後の障害を越えてもトップで逃げるが、ラスト20mでリオでも優勝しているディフェンディングチャンピオンのキプルトが一気に追いついてほぼ同時にゴール。
8分間走っていながらわずか100分の1秒差で連覇となった。

女子400mH

全米選手権でウェットの状態で52秒20の世界新記録をマークしたムハンマドと、52秒75の世界歴代9位の記録をもつ20歳のマクローフリンのアメリカ同士のハイレベルな争い。
決勝ではムハンマドが自身のの世界記録を更新する52秒16をマークして優勝。マクローフリンは世界パフォーマンス歴代3位となる52秒23で走りながらも銀メダルに終わった。
ムハンマドマクローフリンの2人はマイルリレーの決勝にも出場し、みごと金メダルを獲得しています。

女子三段跳

1995年にマークされ24年間破られていない15m50というウクライナ選手の怪しい世界記録が残る女子三段跳。
ロンドン大会優勝者で大会直前の9月6日にその世界記録にあと9cmと迫る15m46をマークしているロハスが登場。
今大会でも桁違いの跳躍をみせ、2本目にゆるく着地しながらも15m37をマークし、世界記録更新に期待がかかりました。3本目にはWRラインを越える跳躍をするもののファールとなりました。
ロハスが世界記録を更新するのは時間の問題。東京五輪では確実に優勝します

 

 

世陸ドーハで起こった出来事

世陸ドーハの象徴的な出来事をご紹介。

男子短距離はアメリカの時代に突入

100mはコールマン、200mはライルズが優勝し、リレーも4継とマイルの両種目と混合リレーを制しました。アメリカが4継で優勝したのは2007年の大阪大会以来となります。
ボルトの引退とともに時代はまたアメリカを中心としたものに変わったようです

アメリカが獲得した男子短距離のメダル金メダル
・100m(コールマン)

・200m(ライルズ)
・110mH(ホロウェイ)
・4×100mR
・4×400mR
・4×400mR(混合)
銀メダル
・100m(ガトリン)
・400mH(ベンジャミン)
銅メダル
・400m(カーリー)
合計9個

注目のノーマンは怪我

100mのコールマン、200mのライルズと並ぶアメリカの次世代スター、マイケル・ノーマンは期待されながらも400m準決勝で敗退となりました。
走り切ったもののその動きは明らかにスロー。スピードを落として流したレースとなりました。
後のリレーにも出場することはなく、苦い世陸デビューとなりました。

日本が4×100mリレーで銅メダル獲得!!

4継は概ね下馬評通りといえる結果となりました。
やはりアメリカの力がずば抜けており、イギリスも力がありました。
世界リレーで優勝したブラジルが南アフリカに競り勝ち、中国は本調子ではない感じ。ジャマイカは予選で消えました。
1位アメリカ(37秒10)
2位イギリス(37秒36)
3位日本(37秒43)
4位ブラジル(37秒72)
5位南アフリカ(37秒73)
6位中国(38秒07)
オランダ失格
フランス途中棄権

日本はアジア新記録で銅メダル!!

決勝のオーダーは多田白石桐生サニブラウンで、予選の小池から1走を変えました。
アメリカ1走のコールマンにはかなわないもののやはり多田選手のスタートはバツグンで、2位争いで並んで2走へ。
白石選手がちょっと物足りない感じもありましたが、桐生選手が世界トップクラスのコーナーリングをみせて2位でアンカーへ。
サニブラウン選手がイギリスのミッチェル・ブレークにかわされるものの、4位のブラジルに大きな差をつけての日本新、アジア新での3着となりました

ハッサンがまさかの1500mと10000mの2冠

いままで5000mと10000mの2冠はあります。っていうかこの2種目はだいたい同じようなもんだと思っています。
オランダのハッサンが1500mと10000mの2冠というよく分からない偉業を達成しました。
世陸北京1500mの銅メダリストで、世陸ロンドンでは1500m5位、5000m銅メダルだったハッサンが今回はなんと1500mと10000mに出場しました。
2日目に行われた10000mではアヤナチェルイヨトといった有力選手が不在のなか見事優勝。
大会6日目に予選、7日目に準決、9日目の日程で行われた1500mではさすがに疲れて無理だろうという心配をよそに1周目から先頭に立ち、そのまま逃げ切って優勝。

 

変な時期の熱いなかでの大会になりましたが、好記録・好勝負の多い大会だったように思えます。
また、ボルト引退から20代前半の若手選手の活躍が目立ちました。
次回はアメリカのユージーンでの開催ということもあり、アメリカチームは強化をしてくることが見込まれます。東京五輪、世陸ユージーンとアメリカの選手にはさらなる活躍が期待できるかも。
ユージーンでのボルト越えがあるのか、注目しながら2年間を過ごしましょう。






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