2019年シーズン振り返る!2019年は世陸と日本記録の年!!

シーズンまとめ

一部ではまだ大会が開かれていますが、2019年シーズン終了が概ね終了しました。
戸邉選手のインドアでの2m35に始まり、ドーハで終わった2019年。オリンピックを控えて今までになく盛り上がった年となり、日本人選手によって多くの好記録が生まれました。

今回は
2019年陸上シーズンを振り返る
として、2019年の出来事を振り返ってみたいと思います。

 

 

日本ではなぜか好記録が連発!?
謎のシーズン

2019年は特異な年になりました。なんと、10種目で日本記録が生まれたのです!!(メイン種目で。)

2019年に日本新記録が生まれた種目

2019年に生まれた日本新記録をまとめました。
主な種目では男子6種目、女子3種目、混合1種目の計10種目で日本新記録が生まれ、従来の日本記録を上回るかタイの記録が23もマークされました。
また、マイナー種目では男子で1マイル、4×200mR、4×800mR。女子で4×200mR、4×800mR、5,000mWで日本新記録が生まれています。
また、室内では60mでサニブラウン選手と川上選手が共に6秒54の日本新記録をマークしています

性別 種目 従来記録 記録 選手 記録日
男子 100m 9.98 9.97 S.A.ハキーム 6月7日
9.98 小池祐貴 7月20日
110mH 13.36 13.25 高山峻野 8月17日
13.29 9月1日
13.30 7月27日
13.32 9月30日
13.36 6月2日
6月30日
泉谷 駿介 6月30日
走高跳 2m33 2m35
(室内)
戸邉直人 2月2日
走幅跳 8m25 8m40 城山正太郎 8月17日
8m32 橋岡 優輝
50kmW 3:39:47 3:36:45 川野将虎 10月27日
3:39:24 4月14日
3:37:39 丸尾和司 10月27日
3:39:07 鈴木雄介  4月14日
4×100mR 37.60 37.43 多田修平
白石黄良々
桐生祥秀
S.A.ハキーム
10月5日
女子 100mH 13.00 12.97 寺田明日香 9月1日
13.00 8月17日
円盤投 58m62 59m03 郡菜々佳 3月23日
やり投 63m80 66m00 北口榛花 10月27日
64m36 3月6日
混合 4×400mR 3:18.77 青山聖佳
若林康太
田村朋也
髙島咲季
9月28日

2018年までの日本記録を従来の記録として載せています。2019年に従来の記録を複数回上回っているのは男子100m、110mH、走幅跳、50kmWそして女子やり投です。

 

なぜか好記録が連発したシーズンだった

2018年までの日本記録を上回る記録が20個出ていると言うだけでも凄いのですが、日本記録までは届かないまでもそれに近い好記録も連発されました。

2019年の主な好記録をまとめました。

性別 種目 記録 選手 パフォーマンス
歴代
記録日
男子 100m 9.99 S.A.ハキーム 4位 3月11日
10.01 桐生祥秀 8位 3月19日
10.02 S.A.ハキーム 12位 6月28日
10.04 小池祐貴 16位 3月19日
桐生祥秀 8月25日
6月2日
10.05 21位 6月2日
8月17日
S.A.ハキーム 6月27日
8月25日
200m 20.08 S.A.ハキーム 2位 6月7日
20.13 4位 3月25日
400m 45.13 W.ジュリアン 10位 10月2日
45.14 11位 10月1日
走高跳 2m30 衛藤昂 7位 3月3日
棒高跳 5m71 江島 雅紀 12位 8月18日
澤野大地
走幅跳 8m23 津波響樹 4位 8月17日
8m22 橋岡優輝 5位 4月24日
8m12 藤原 孝輝 12位
(高校新)
8月5日
女子 やり投 62m88 森友佳 5位 6月28日
61m94 北口榛花 11位 8月30日

パフォーマンスの日本歴代記録を記載しました。パフォーマンス歴代は今シーズン終了時点のものです。
驚くのは100mの10秒05がパフォーマンスでは21位であること。ついこの間(?)まで末續さんの10秒03で驚いていたのに、今ではその記録ではパフォーンス歴代14位になってしまいます。
2010年代に入って男子短距離のレベルアップは著しいものがあります。
そしてなんといっても世陸ドーハでは2人が決勝に進出するという快挙が記憶に新しい男子の走幅跳。世陸8位入賞の橋岡選手を筆頭に一気にレベルが上がっています。
また、女子やり投では先日66m00をマークして自身の日本記録をさらに更新した北口選手だけでなく、森(佐藤)選手も62m88という記録をマークしています。男子短距離の次は女子投擲が注目されるのかもしれません。

8月17日福井という謎のスポット

8月17日に福井県福井市の9.98スタジアムで行われた「Athlete Night Games in FUKUI(アスリート・ナイト・ゲームズ・イン・フクイ)」というナイターゲームで珍事が起こりました。9.98スタジアムは桐生選手が日本人初の9秒台となる9秒98をマークした競技場で、このAthlete Night Games in FUKUIも日本記録挑戦記録会的な位置づけで開催された大会です。クラウドファンディングを使用して資金を集めるなどしてトップアスリートが集まった非常に前衛的な大会としても注目されていました。
この大会で、なんと3つもの日本新、1つの日本タイ記録が生まれたのです。
内訳は男子走り幅跳びの城山選手(8m40)と橋岡選手(8m32)、男子110mHの高山選手(13秒25)が日本新記録、女子100mHの寺田明日香選手(13秒00)が日本タイ記録。
1つの大会でこれだけ日本新記録が出ることは異例。特に幅跳では世界ランキングトップクラスの記録が出ました。

 

 

楽しかった『世陸ドーハ』

2019年最大の陸上イベントは世界陸上ドーハ大会でした。
陸上に興味のない人からしたら過酷なマラソンがあった大会としか認識されていないかもしれませんが、ボルト引退後初の世界陸上ということで男子100mの次世代スターが生まれる大会として注目されていました。

陸上大国アメリカが復活

アメリカの次世代エースといえばコールマン、ライルズ、ノーマンの3選手です。ドーハではコールマンが100m、ライルズが200m、ノーマンが400mと種目を分散して出場したため、直接対決を見ることは出来ませんでした

男子100mはコールマンが優勝

大会直前にドーピング検査をすっぽかして出場停止の危機もあったコールマンですが、おおかたの予想通りというか期待通りにドーハの100mを制しました。
決勝でマークした9秒76は自己ベストで世界歴代6位、アメリカ歴代3位の好記録です。

 

200mはライルズがなんとか優勝

コールマンの快走もあり、優勝候補筆頭だったライルズにも大きな期待がかかる男子200m。ぶっちぎるレースになってもおかしくない持ち記録をもつライルズでしたが、コーナーでは抜け出せず、得意の直線に入った120mあたりから先頭に立ち、なんとか優勝を果たしました。
あんまり調子良くない?って言う感じの意外なレースでした。

400mはノーマンがまさかの絶不調

男子100,200mをアメリカの若手が制し、400mも勝てば短距離制覇となるアメリカでしたが、世界歴代4位の43秒45を持つノーマンが明らかに流したレースでまさかの準決勝敗退。調子が悪くてゆっくり走ったそうです。
ノーマンに変わって期待のかかるカーリーは前回大会のマイルでやらかした選手。今大会でもバハマのガーディナー、グレナダのジェームスに太刀打ちできずにアメリカの400mは3着となりました。

アメリカの4継はドリームチーム!!

男子4×100mRは、日本チームに注目が集まりましたがアメリカが凄かった。37秒10の世界歴代2位の記録でゴールしたそのメンバーは1走コールマン2走ガトリン3走ロジャース4走ライルズという夢のチーム。
もしノーマンが本調子だったら?と考えてしまうところですが、コールマンとライルズがピークで迎えるであろう東京五輪では、38秒84の世界記録を更新することも可能かも。

ドーハは歴代最高レベルの種目が多かった

世陸ドーハは歴代最高ともいえるレベルだった種目が多かったため、100m以外の種目も目が離せませんでした。
男子走高跳では3人の6mジャンパー名勝負をみせ、男子400mHでは46秒台の3人がしのぎを削り、男子3000mSCたった0.01秒差で決着が付き、女子三段跳ではロハスが別次元の跳躍をし、女子400mHでは世界記録決着となりました。
なかでも男子砲丸投げは1投目から大会新記録が生まれ、その記録を6投目に2人が上回るというとんでもない試合に。暑さが心配されましたが、終わってみれば見所の多い大会良い大会でした。

ドーハで日本選手が活躍

9秒台こそ出なかったものの、日本選手が活躍した大会になったと思います。獲得したメダルは3つ(競歩2、リレー1)で参加国中8番目の多さ。入賞は8人でポントランキング11位というのが日本選手団の成績です。

100mでは参加3選手全員が準決勝進出

サニブラウン、桐生、小池の3選手が個人で100mに出場しました。
予選ではサニブラウン選手が組3着で着順で、桐生選手と小池選手はタイムで拾われて準決勝に進出しました。
10秒11が決勝進出ラインとなった準決勝では3選手とも敗退となりましたが、サニブラウン選手の10秒15はリアクションタイムが0.206という驚きの遅さ。もうちょっとちゃんと出ていれば決勝進出もあり得ただけに残念でした。
ちなみに、10秒11で決勝に残ったトルトゥ(イタリア)のリアクションタイムは0.217という驚愕の遅さだけに、走りで言えばトルトゥの方が良かったので順当とも言えます。

走幅跳では2選手が決勝進出の快挙

城山選手、橋岡選手、津波選手の3名が出場した男子走幅では橋岡選手が8m07の全体3位、城山選手が7m94の全体8位で、2選手が決勝に進出しました。
全体で12名が出場した決勝では城山選手は7m77で11位、橋岡選手が7m97で8位入賞の快挙を成し遂げました。
東京五輪では幅跳びにも注目。

110mHで高山選手が準決勝進出

高山、金井、泉谷という日本記録保持経験者3名がエントリーした110mHでしたが、泉谷選手はケガのため欠場となりました。
高山選手が予選で13秒32という2018年までの日本記録を上回る記録をマークして組2着で予選通過、金井選手は13秒74で予選敗退となりました。
高山選手は13秒58で準決勝敗退となりましたが、決勝進出ラインは13秒36でした。この種目も東京五輪では決勝進出の可能性があります

競歩がすごかった

男子20kmWで山西選手が優勝、池田選手が6位入賞。
男子50kmWで鈴木選手が優勝。
女子20kmWで岡田選手が6位、藤井選手が7位に入賞しました。
50kmWはおそらく今大会で最後になると思われますが、最後に金メダルを獲得。

39歳澤野大地選手が世陸に出場!!

日大出身で富士通所属、2005年の世陸ヘルシンキ大会で8位に入賞した実績を持ち2000年代の日本陸上界を代表する選手である澤野選手が、39歳と言う年齢で世界陸上に出場しました。
代表は山本聖途選手(トヨタ自動車)、江島雅紀選手(日大)の計3名でしたが、江島選手は20歳でその年の差は19。日本大学での師弟がそろって世界陸上に出場しました。
結果は3選手とも予選敗退。

日本のリレーはやっぱり強い!!

連続メダルに期待のかかった4×100mリレーですは見事銅メダルを獲得しました。1走多田、2走白石、3走桐生、4走サニブラウンというオーダーで、37秒43のアジアレコードをマーク。この記録は国別世界歴代4位、パフォーマンス世界歴代14位となる好記録です
リオ五輪、世陸ロンドンに続いて連続でのメダル獲得となり、リレー強豪国としてその地位は確かなものになっています。

右代選手が出場が危ぶまれた

参加標準をクリアしていないものの、アジア選手権で優勝したことで世陸ドーハの代表に内定していた右代選手でしたが、日本陸連から国際陸連へのエントリーの際にはじかれてしまい、出場できない可能性がありました。


標準記録を突破していないエリア選手権優勝による参加については参加人数などによって制限されることもあるというのが国際陸連からの参加要項だったのですが、ここをすっ飛ばして日本陸連が内定を出してしまったために、右代選手は代表壮行会直前に参加出来ない事を知らされたのでした。
いわば誤内定。
結局は追加招集で参加が認められたため事なきを得、16位で世界陸上を終えました。

 

 

日本選手権もおもしろかった

サニブラウン選手が9秒99、そして9秒97を出して迎えた日本選手権では、夢の9秒台対決も期待されまし。直前に山縣選手が気胸で欠場を発表され、有力選手がひとりいないなか、大会は雨のコンディションで行われました。

今大会ではNHKでの放送がトランプ大統領の北朝鮮との会談と言うニュースのために一部中止されてしまったりもしました。

サニブラウン選手が10秒02の大会新記録

サニブラウン選手は9秒97の日本記録保持者として望んだ日本選手権。同じく9秒台をもつ桐生選手、のちに9秒台を出すことになる小池選手、そして前回優勝の山縣選手という最高のメンツが顔を揃えるレースで9秒台決着も観られるかと期待が集まった男子100mでしたが、山縣選手の欠場と雨というコンディションもあったためか9秒台は出ませんでした。
サニブラウン選手が従来の大会記録(10秒05)を上回る10秒02をマークして優勝。以下は桐生(10秒16)、小池(10秒19)、飯塚(10秒24)、多田(10秒29)と、日本を代表するスプリンターが実力を発揮しました。

サニブラウン選手『なんともいえない』

レース後、10秒02という結果についてサニブラウン選手は『何とも言えない』と発言。9秒台を狙っていただけに満足行く結果ではなかったということながら、この記録で何とも言えないというビックマウス。来年以降にも期待です。

110mHで日本記録同タイム決着!!

同タイム決着といえば、2006年の関東インカレの高平選手と塚原選手が100mでは1000分の1秒差の同タイム着差あり、200mでは1000分の5秒差の同タイム着差有りという、同大会2種目での同タイム決着という珍事がありました(共に高平選手の勝ち)。
雨の中行われた2019年の日本選手権110mHもそれに負けないインパクトのある決着でした

13秒36で3名が同時に日本記録保持者に!!

従来の日本記録は2018年に金井選手がマークした13秒36でした。金井選手が準決勝でフライングを犯してしまいまさかの失格となって迎えた決勝レース。下馬評通り高山選手と泉谷選手の勝負となりました。
高山選手と泉谷選手の記録は共に13秒36。着差ありで高山選手が優勝となりましたが、これで高山、泉谷、金井の3選手が13秒36で並び、同時に日本記録保持者となりました。

日本選手権で次世代選手が高校生ながら優勝

東京五輪より後の世代となる高校生が優勝した種目が2つ。男子800mと女子100mです。

男子800mはクレイアーロンが圧巻の走り

男子800mでは、世界リレーで銅メダルを採ったクレイアーロン竜波選手が日本記録保持者の川元奨選手を押さえて優勝。タイムも1分46秒59と、大会記録(1分46秒21)に迫る素晴らしいものでした。
この記録は日本歴代6位で、U20,U18の日本新記録、当然ながら高校記録新です。

女子100mで御家瀬緑が優勝

女子100mでは高校生の御家瀬緑(恵庭北高)が優勝しました。日本記録保持者の福島選手がアキレス腱の怪我で欠場、前回優勝の市川華菜選手がまさかの予選敗退という絶好のチャンスをものにしたのは高校生。女子100mで高校生が優勝するのはなんと29年ぶりだそうです。

また、3位には大阪高校の青山華依選手が、5位には柴田高校の三浦由奈選手が、8位には立命館慶祥高の石堂陽奈選手が入り、女子100mでは4人もの高校生が入賞しました。

 

ちなみに2020年の日本選手権はなぜか長居です。
新国立でやれよ!!笑

 

2019年の出来事いろいろ

世界陸上や日本選手権といった大会以外にも色々あった年ではありました。

世界リレーが横浜で開催。まさかのブラジルが優勝

世界リレーとかいう誰も知らない大会が横浜で開催されました。世界選手権のリレー出場権がかかった大会だけに、参加選手は超豪華。私も現地観戦しましたが、シンビネなどの超一流アスリートを間近で観ることが出来ました。
ごく一部の陸上ファン以外には知られていない大会だけに、会場は空いていて、アップゾーンも良く見えるマニアにはたまらないであろう大会でした。
男子4×100mリレーでは、3~4走でバトンミスをして日本チームが失格になったり、4×200mリレーで白石選手が怪我をしながらもギリギリバトンを繋いで決勝に残ったりと何とも言えない大会でした。
なかでも最大のサプライズはブラジルの4×100mリレー優勝

ブラジルの力は本物だ!!

サプライズだったブラジルの優勝ですが、タイムも38秒05と、リオ五輪前までの日本記録(38秒03)に迫る記録での優勝です。その後、ブラジルは世陸ドーハでも37秒72で4位に入りました。これはもうリレー強豪国と言っても間違いではない力を付けています。
そしてなんといっても世界リレーではアメリカとイギリスに勝って優勝しているという事実。
しかもアメリカは1走ロジャース、2走ガトリン、3走ヤング、4走ライルズというほぼベストメンバー。世陸ではヤングの代わりにコールマンが入って走順が変わっただけです。
イギリスもドーハメンバーのうちジェミリとミチェルブレイクの2人が入った悪くないメンバー。
このアメリカとイギリスに勝ち、さらにはドーハで4位に入ったブラジルの力は間違いなく本物。

混合2×2×400mリレーとかいう謎の種目で日本が銅メダル

2人が400mを2本ずつ走るというエンドレスリレー的な種目が世界リレーで行われ、日本からは塩見綾乃選手とクレイアーロン選手が出場し、見事3位にはいったのですが…
ゴール直前でTBSの放送が終わったのでゴールの瞬間は放送されませんでした。っていうか、ゴール後のことも放送されていないので銅メダルを採ったかどうかはテレビを見ている人にはわかりませんでした。
残念。
ちなみにこの時に優勝したアメリカのブレイザーは世陸ドーハの800mでアメリカ初の金メダルを獲得しました。

 

 

 

 

他にもなんかあった気がする!!
けどこんなもんだった気もします。思い出したら追記しましょう。
2020年はいよいよ東京五輪。世界陸上ドーハ大会では3選手が予選を突破し、リレーで銅メダルを獲得した日本選手団。東京五輪では悲願の決勝進出、そしてリレーでの金メダルはあるのでしょうか!?

オフシーズンは暇だなぁ…なに書こう…

 






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