2020年スパイク事情 アシックス編

スパイク, 2020年スパイク事情

東京オリンピックが開催されるはずだった2020年。ナイキのヴェイパーフライ騒動の余波によって特注スパイクの使用が制限されるなど騒然としているスパイク業界ですが、世陸の公式スポンサーになるなどしてその存在感を世界でアピールしたいアシックスはとんでもないスパイクを一般発売したのです。

ってことで、今回は
2020年スパイク事情アシックス編
をご紹介。
ピンなしスパイクに跳躍スパイクなど、ラインナップを一新したアシックスにとって飛躍の年になるのか!?

 

 

アシックスの2020年短距離スパイク事情

2020年のスパイク情勢はかなりややこしいことになっています。
2019年の世界陸上ドーハ大会で桐生選手、ウォルシュ選手が履いて話題となったいわゆる『ピンなしスパイク』メタスプリントという名称で一般向けに発売されました。それに伴ってアシックスのフラッグシップモデルであったソニックスプリントもフルモデルチェンジ。さらにもともと桐生モデルの市販品として販売されていた超フラットなジェットスプリントもマイナーチェンジを受けて継続されることに。

そんなこんなでアシックスは、メタスプリント・ソニックスプリントエリート2・ジェットスプリントの3トップ体制のラインナップになっています。
どれを選べばいいかわからない!!
でも、よくみるとこの3つのスパイクはそれぞれ超個性派なので自分の好みさえしっかりしていればそれほど迷わず選ぶことができるかも?

短距離フラッグシップ

前述の通り、新発売のピンなし『メタスプリント』、メタスプリントのピンあり版『ソニックスプリントエリート2』、桐生モデル『ジェットスプリント』の3つが短距離のフラッグシップモデルとしてラインナップされています。
新作に投入されたテクノロジーで注目なのは、『HL-0メッシュ』『DYNA WRAP』の2つ。
アッパーに採用されているHL-0メッシュは、やわらかくてフィット感の良い素材で足を包み込むようにフィットするもの。従来のアシックスの欠点だったフィット感の悪さがこれで解消されています。
また、ダイナラップ(DYNA WRAP)というベルトがアッパー内側に装備されるようになり、インクス等のように紐の締め付けを使ってベルトが締まることによってブレを抑制することに成功しています。
従来のスパイクとは履き心地が全くことなるためこれまでのアシックスとはもはや別物。サイズ感も変わっているので新調するなら試着は必須です。

メタスプリント

¥ 39,600 (税込)

画像:https://www.asics.com/jp
2020年のスパイク事情で一番のニュースはこの
メタスプリントが発売されたことでしょう。コンセプトモデルとして桐生選手らが世陸ドーハで着用していたピンなしスパイクが一般市場に売り出されたことで、スパイクは完全に新時代のフェーズに移りました。
ピンのロスの低減と接地時間を短縮するというコンセプトを突き詰めすぎてピンがなくなってしまったこのシューズはスパイクと呼んでいいのか微妙なところですが、一応スパイクとして認められています。
ピンをなくしたことでピンの抜き差しの抵抗によるロスがなくなっただけでなく、それまでどうしても必要だったピンの台座』がなくなったことによるプレート特性の変化ももたらしました。

台座がなくなったことで中足の屈曲を使えるようになったため、プレートはより高反発な特性を持つようになっています。
ってことで、特徴は以下の2つです。
①ピンレスによって抵抗が極限まで少なくなった
②複雑な造形の軽くて硬い(従来の5倍!!)プレートを実現
ピンがないことも大きな特徴ですが、ピンがないことよりもそれによってプレートを有効に使うというのが本当のコンセプトなんだと思います。ピンをなくすことによってこれまでの一般的なスパイクよりも5倍軽くて硬いプレートを採用しているというのがこのスパイクのすごいところ
プレートもすごいけど値段もすごい。スパイクに4万も出せるのはブルジョア。
金が出せて新しいもの好きなら買いだ!!

ソニックスプリントエリート2

定価¥ 27,500 (税込)

メタスプリントのコンセプトを一般的なスパイクに落とし込んだのがソニックスプリントエリート2。ピンは5mmの取り換え式のものが4本だけついており、メタスプリント同様にソールの凹凸でグリップを発揮し、ピンによる抵抗を軽減しているのが特徴。トップアスリート以外でも扱えるようにピンがついてはいるものの、メタスプリントの市販版として考えれば良いと思います。
ソニックスプリントエリート2の特徴は
ソールを使ってグリップを発揮する新しいタイプのスパイク
ある程度の傾斜のあるプレート

従来のソニックスプリントはかつてのフラッグシップである『サイバーゼロ』の流れを強く汲んでいたため、傾斜が強くてガシガシ走る系のもっと一般的なパワースプリントスパイクだったものの、今回はコンセプトをガラっと変えてちょっとフラットなスパイクとして出てきた。この変更によってアシックスはこれからの10年をフラット系にこだわっていくことが決まったようなもの。
反発はありつつもプレートが結構やわらかくなっているため、硬いスパイクにありがちな扱いきれない感じではないのもいいところ。
現在はナイキ・アディダスが高傾斜で硬いプレートのスパイクで世界を席巻していますが、フラットなスパイクを求める世界のランナーがアシックスに一気に流れてくることが予想されます。もしかすると次のパリ五輪あたりではアシックスのシェアが爆発的に伸びているかも?
とはいえ、メタスプリントやジェットスプリントと比べるとそれなりに傾斜がつけられているので従来のスパイクから移行してもそれほど違和感なく履けるはず。
フラットへのこだわりがそれほど強くないのであればこのシューズが買いだ!!

ジェットスプリント2

定価 ¥ 25,300 (税込)

桐生モデルの超フラットスパイクとして販売されているジェットスプリントもモデルチェンジが行われてアッパー、ソールともに新しいものになりました。同じくHL-0メッシュを採用しているソニックスプリントと見比べるとそのフラットさは別次元。
重心移動系スパイクとしての地位は今回の変更でより確固たるものになったことは間違いなし!!
モデルチェンジで大きく変わったのは
①プレートが変わってピンが4本になった
②アッパーが変わってフィット性がアップ
ソールは全体に凹凸が刻まれていてピンだけに頼らずにソール全体でグリップを発揮する構造なのはメタスプリントと共通したコンセプトが見られます。ピンは5mmの固定ピンが4本のみ(従来品は7mm固定3本取り換え3本の6本ピンだった)となり、フラットでの接地をよりスムーズにロスなく行えるようになっている。
とにかくフラットにこだわるのであれば買いだ!!

短距離向けモデル

上記の3つを除くとアシックスのオールウェザー専用の短距離向けモデルはブレード系しかありません。SPブレードはシューレースバージョン、サイバーブレードはベルトフィットバージョンで、基本的には同じです。アッパーが違うことによって若干のちがいはあるもののプレートは同じなので両者に大差はありません。履いてみてフィット感がしっくりくるほうを選べばいいと思います。

SPブレードSF2

定価 ¥ 19,800 (税込)
SPブレードは短距離種目からハードルまで何にでも使えるオールランドな1足。そこそこの反発がありながらクッション性が高くてフィット感も悪くない。しかも安い!!
試合から練習まで1足で全部やる学生にはこれ以上にないスパイクと言っても過言ではないでしょう。サイバーブレードの欠点であるフィット感をシューレース式を採用することによって解消しており、筋力の弱い選手や女子選手であれば100mで使っても不満はないはず。
何を買えばいいのかわからなかったらこれを買っておけば間違いなし!!

サイバーブレードHF

定価¥ 19,800 (税込)

サイバーブレードはレビューを書いています↓

アシックスといえばサイバーブレード。そんな時代がありました。いつまで売るつもりなのかわかりませんが、フラットやらピンが邪魔やら言っているくせにこの古臭いスパイクをラインナップに残しているアシックスはいったいどういうつもりなのでしょうか?
中列だけ固定ピンというのも時代を感じますが、さすがにそろそろモデルチェンジかな?
8本ピンに分厚いプレートのこのスパイクは古臭いといわれるかもしれませんが、どんな走りをしてもちゃんとそれなりに走らせてくれる懐の深さを持っています。高いクッション性能で長い距離でもしっかりと使え、練習から試合まで1足でなんでもできる非常にバランスのとれたスパイク。最新技術はないものの、完成度が高く誰が履いても満足できるスパイクだと思います。
ベルトなのでトイレに行きたくなったら5秒で脱げるのも良いところ。
安心して履けるスパイクが欲しい人にはおすすめ!!
練習用に1足欲しいという人にはこれがベスト!!

 

跳躍モデル

今回のモデルチェンジでは跳躍用スパイクに大きな変更が入ったこともトピックスです。いよいよフラットの波が跳躍スパイクにも押し寄せてきました。

ロングジャンププロ2

定価¥24,200 (税込)

幅跳びスパイクまでもがついにフラットになりました。もともとアシックスの幅スパは助走重視で結構走りやすかったのですが、今回のモデルチェンジでさらに助走重視になったようです。ある程度つま先が上がっていないと踏み切りでの重心移動がやりにくいような気がするのですがそのあたりは気になるところ。
助走をもっと走りたい人は是非買ってみたほうがいい!!

トリプルジャンププロ2

定価¥24,200 (税込)

幅跳び用よりミッドソールが厚くなったモデル。ナイキの三段スパイクは非常にフラットなため、三段用ではフラットがより効果を発揮するかも。

ハイジャンププロ2

定価¥26,400 (税込)

さすがに高用はそれほど革新的な変更はありません。アッパーはよくなってる。

 

初心者向けモデル(短距離)

アシックスの初心者向けモデルは妙に充実していて、同じようなスパイクが3種類(ヒートスプリント、ヒートフラット、エフォート)もあるのです
正直言って2種類(ヒートスプリントとハイパースプリント)だけあれば良いと思うのですが、一応紹介します。アンツーカ(土)での使用ができるモデルで、それに伴って耐久性が高められていたりクッションを強くするために重たくなっていることもあり、試合での使用はあんまりおすすめしません。

ヒートスプリントFR8

¥ 15,400 (税込)

アンツーカ兼用でありながらスプリント向きにかかとが丸くなっているモデル。スプリント向きとはいうものの、プレートは突き上げ防止のためにただ硬いだけの反発もないものがついている。ハイパースプリントがあるいま、これを選ぶメリットはあんまりないと思う。

ハイパースプリント7

¥ 15,180 (税込)

兼用モデルでありながらも見た目はほぼSPブレードで、プレートもそれっぽい形をしているのでかっこいい。ピンは5本しかなく、プレートの屈曲が非常に良いため他の初心者向けとは一線を画す。
ただし、プレートはぐにゃぐにゃなので反発はほぼなく、専用スパイクと比べると良いところはクッション性くらい。練習用に向いているという見方もできるが、ブレード系でも十分なクッションがあるのでアンツーカでの使用をしないのであればブレードのほうがおすすめ。
土で使用したいのであればこれを買うべき!!

ヒートフラットFR7

定価¥ 13,750 (税込)
ヒートフラットのかかとが平らになっているバージョン。いわゆるオールラウンドモデルで、やろうと思えば1足で跳躍種目までできる。ただし、反発はないし重たいのでスパイクの性能としては最低限しかない。跳躍をやりたいのであれば跳躍スパイクを買うべし。

エフォートMK

定価¥ 7,040 (税込)

誰もが最初はエフォートから始まると言っても過言ではないでしょう。ザ・初心者用スパイクで、初心者用として求められる要素がすべて入っているスパイク。初心者向けのスパイクを買うならエフォートがおすすめ。
最初の1足を探しているならエフォートで決まり!!

 

中・長距離用

このブログは短距離系なので中・長はよくわかりません。ざっくりラインナップをご紹介。

コスモレーサーLD2

定価 ¥ 19,800 (税込)

1500~10000m向けの長距離用のフラッグシップ。4mm固定ピンが4本。

コスモレーサーMD2

定価¥ 19,800 (税込)

400~1500m向けの中距離スパイク。中距離向きでありながらプレートが長いのが特徴。取り返式の5本ピン。

ガンラップ2

定価¥ 16,500 (税込)

3000mSCのために開発されたスパイクで、アッパーに排水用の穴があいている珍しいスパイク。800~5000mにも対応している。

ハイパーLD6

定価¥15,180 (税込)

初心者向けでありながらなぜかオールウェザー専用の長距離向けのハイパーシリーズ。初心者や小学生が履けるように足に優しい設計がされているので、スパイクが不安という人はこれを買うのもありかも。

ハイパーMD7

定価¥15,180 (税込)

こっちはLDと違ってアンツーカ兼用モデル。かかとがフラットなので跳躍にも使えるとか。

 

投擲用

投擲用は省略で!!

 

 

アシックスはかなり力を入れてスパイクの開発をしているようです。
今までの欠点であったアッパーに新技術のHL-0メッシュを投入し、もはや死角はなくなった?2021年に予定されていた(2022年に延期)世陸ユージーン大会でも公式スポンサーとして一番大きく看板がでるだけに、アシックスの陸上への力の入れ方はミズノの比ではない。
個人的にはミズノにももうちょっと頑張ってもらいたいところだけど、アシックスが流行るのはそれは嬉しい。

 

 

 

 

 

 

 

 






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