【レビュー】中級者に最適!サイバーブレードは別格の扱いやすさでどんな人にもおすすめ出来る名作スパイクだ!!

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日本を代表するスポーツブランドであり、みんな大好きアシックス。
アシックスと言えば、日本人の足にフィットするシューズをつくるメーカーで、最近では市民ランナーからの厚い支持を得ています。
最近はナイキ・アディダス・プーマの3強に押されていて世界レベルでアシックスのスパイクを履く選手は多くはありませんが、かつては100mのチャンピオンをカール・ルイスと争ったリロイ・バレル(アメリカ)もアシックスのスパイクを履くほどでした。
今でも世陸のメインスポンサーとして存在感はありますね。

アシックスのスパイクといえばピンレスフラット構造といった先進的なモデルが代表的ですが、しかしその一方で中級者向けは『SPブレード・サイバーブレード』という昔ながらの実質1モデルだけで勝負しているのです。
そしてこれが中学・高校の部活生に大人気…

ってことで今回は
中級者向けモデルのド定番『サイバーブレード』をレビュー!!
SPブレードとサイバーブレードはアッパー違いで実質同じと考えて大丈夫。

ブレードは中級者向けモデルとして不動の人気を誇る定番モデルであり、「初めての専用スパイク」から日本選手権までこれ1足でどんなレベルにも対応出来てしまう名作スパイク。

 

 

そもそも『サイバーブレード』はどんなスパイク?

最初にザックリと今回の主役『サイバーブレード』の生い立ちと現在の立ち位置についてご紹介。

『サイバーゼロ』から派生した超ロングセラーモデル

現代のアシックスは『メタスプリント』を頂点に、その下には設計思想を引き継いだ『ジェットスプリント』『ソニックスプリントエリート2』がラインナップされています。
そして、かつてのアシックスには『サイバーゼロ』というフラッグシップモデルがあったのです…これが1997年とかで、サイバーブレードの誕生につながります。



ゼロ
ってのは当時アシックスが提唱していた『スピードロスを極限まで減らすことで速く走る』っていう『ゼロ理論』のゼロ。伊東浩司さんが黄色いサイバーゼロを履いて10.00の当時の日本記録を樹立しています!!
サイバーゼロは日本陸上史に残る伝説のスパイクなのです…

サイバーゼロは当時のトップモデルとしては傾斜が緩いのが特徴で、いわゆる『フラットスパイク』のはしりだったのですが、もう一つの特徴が靴紐ではなくベルトフィッティング(マジックテープ)が採用されていたこと。
このサイバーフィットと呼ばれるベルト構造は当時の下位モデルにも派生することになり、ゼロ理論のスパイクを引き継いでいながらハードルまで使えるオールラウンダーとして誕生したのが今回ご紹介する『サイバーブレード』なのです。

ってことで、おそらく2001年くらいに初代サイバーブレードが発売され、そこからアッパーやプレートに改良を入れながら、たぶん、2015年の『サイバーブレードHF』で今の形になりました(2020年の『サイバーブレード16』でアッパー素材が変更されましたが形状は変わらず)。
サイバーブレードというブランドは20年以上も続く超ロングセラーモデルなのです!
ちなみに当時は紐バージョンの「SPタスク」ってのがあって、「SPブレード」という名前になるのは2010だか2011年から。

他の「サイバー○○」は絶滅!オールラウンドのブレードだけが生き残る…

2000年代のアシックスはサイバーフィットと呼ばれるベルトフィッティングを多くのスパイクに採用していて、そんなスパイクには『サイバー』の名が与えられていました。
『サイバーステルス』、『サイバーレイ』、『サイバーオーラ』、『サイバーゴールド』『サイバーオルビット』、『サイバージャパン』(まだある?)

アシックスはサイバーゼロ以降これだけ多くの「サイバー○○」をリリースしていたんです。これらは見た目は似ていても硬さや軽さが色々あって、いわばサイバーブレードの兄弟とも言えるモデル達。この兄弟たち中にあってはブレードは末っ子って感じであんまり特徴がなくて目立たない存在だったんです。
400m向けには『トップギア』てのもあったから…
しかし、サイバー兄弟は絶滅!!

当時は『オールラウンド』の位置付けだったサイバーブレードだけがなぜか生き延び今となってはアシックスはこのサイバーブレード(と紐タイプのSPブレード)だけで100mから400mHまで全てをカバーしています!
個性的だった他のサイバーが絶滅し、オールラウンドで個性の薄いブレードだけが淘汰されずに生き続けたんですねぇ。

そして『ロングスプリント』のド定番へ

こうしてアシックスの中級者向けはブレードだけが残ったわけですが、一方でミズノは中級者向けとして『ジオシリーズ』を展開。
ミズノはショートスプリント向けの『ジオスパーク』『ジオスプリント』や、ロングスプリント向けの『ジオスナイパー』などをラインナップしていったのです(『ジオサイレンサー』は最初はショートスプリント向けで、後にロングスプリント向けに変わりました)。
ミズノのショートスプリント向けが硬めのプレートを採用した結果、相対的にサイバーブレードは「軟らかいスパイク」となり、直接のライバルはロングスプリント向けの『(後期の)ジオサイレンサー』となりました。
ちなみに、かつてはミズノもベルトを採用していたことがあるんです(完全な黒歴史)。管理人もフィット性なんて皆無のジオスパークを履いていたこともあり、サイレンサーはもちろん、あのインクスですらベルトだった時期があったんですねぇ…

2022年現在の状況をみても、サイバーブレードの直接のライバルはロングスプリント向けの『エックスレーザーネクスト』と言えます。
そんなことで、オールラウンドではあるものの、軟らかくてクッション性が高いからロングスプリント向きっという立ち位置に落ち付き今に至るのがサイバーブレード。そのため今でも400mHの選手には特に人気がありますね。

サイバーブレードとSPブレードの違いは?

サイバーフィットのベルト構造なのが『サイバーブレード』

紐アッパーなのが『SPブレード』

プレートは全く同じのため、サイバーとSPの違いはアッパーだけです!!
ただ、SPブレードの方がアッパーが曲がりにくいので反発感があるっていう人もいます。(気のせいじゃん?)
アッパーしか違わないといえばそれまでですが、アッパーが違うと履き心地が違い、グっと力をかけたときやハードルの着地ではSPブレードの方がブレが少ないのは間違いありません。
実際、ブレードは紐式のようなガッチリ感はないため、ブレが気になる人もいます

じゃあ、どっちがいいの?っていうとそれはもう好みの問題。
一応、サイバーフィットもベルトによってフィット性を良くしているっていう触れ込みで、前足、中足、足首をそれぞれ別パーツで締めつけるため多くの足型に対応できるとされていますし、脱げるようなことはないです。
100mのレースで使うならやっぱりSPブレードの方がいいとは思いますが、ベルトにはベルトの良さがある。

サイバーブレードのメリットは脱ぎ履きのしやすさ!!


サイバーブレードは希少なベルトモデルであったがゆえにロングセラーモデルとなり得た
のです。
SPブレードが良いってのはわかりますが、紐なら他にもいろいろ選択肢があるのでここまでのロングセラーにはならなかったでしょう。
ベルトフィッティングには賛否ありますが、個人的にはトイレに行く時にすぐ脱げるのが最大のメリットだと思ってます。
これだけでサイバーブレードを選ぶ理由になる!!
現状、ベルト式が欲しければ世界中でサイバーブレードしかないためこれ一択。ベルトが欲しけりゃサイバーブレードを買うしかないという、ニッチな需要を満たす魅力があるのです。
管理人は幅跳びのアップとかで履くからベルトが楽で好き。また、走ったら後すぐにスパイク脱ぎたい派なら練習用にはベルトが最適です。管理人も試合じゃ使わないけど練習ではサイバーブレードの頻度がかなり高い。

長い前置きでしたが、いよいよインプレッションです!!

 

 

サイバーブレードは買って損なし!
走りやすくて誰が履いても満足出来るはず!!


10足以上のスパイクを買って履いている管理人が、実際にサイバーブレードを他のスパイクと比較してどんな感じなのかをレビュー!!
ザックリ言えば…
「扱いやすさ」で選べばこれがベスト!中級者ならこれ以外買う必要ある!?
っていうくらい汎用性が高く、初心者から上級者まで誰が履いても満足出来るスパイクです!
とにかく扱いやすいので技術がない選手が履いてもしっかり速く走れるし、足への負担が少ないので上級者でも練習用に最適なスパイクになりえます。

「昔ながらのピン配置」と「それなりの傾斜」で誰でも速く走れる!?

サイバーブレードが「扱いやすい」理由は大きく2つ。
①拇指球で押しやすいピン配置
②適度な傾斜がついている
これによって、高いスプリント技術がなくてもパワーをかけやすく、かけたパワーを地面に伝えやすいという特性、つまり扱いやすいスパイクになっています。

ピン配置は昔ながらの拇指球で押すタイプ


まず、昔懐かしい「ピンで押す」系のピン配置がけっこう重要な役割を果たしています。
そんなにわからないかもしれませんが、
いわゆる『後列4本』で、拇指球で地面をグっと掴んで力をかけやすいのが特徴のピン配置。
後列の前は固定ピンを採用して屈曲を良くしてあり、つま先にはハイパーピン装着可能な1本を備えて最後まで蹴り出せる構造です。
プレート自体の軟らかさと拇指球で押し感じが相まって、走り心地はランシューに近いというか、自分の力を使って走る感覚があります。
最近は短い接地で地面を軽く触るような走りが主流になりつつあるため、スパイクもそれに合わせてピンが少なくなったり、もっと足裏全体で踏んで重心移動するようなピン配置が増えました。ライバルであるミズノのエックスブラスト・エックスレーザーも6本ピンで後列は3本だけ。
一方のサイバーブレードは8本ものピンで地面をガッと掴んで蹴りだす構造です。
「重心移動」よりも「蹴り出しの強さ」で進むタイプのスパイクのため、あまり考えずにただ頑張って走れば地面を強く蹴りだすことが出来ます!つまり、扱いやすい。
力が入れやすいので踏めば踏むだけスピードが出るので技術がなくても走りやすく、特にブレードは拇指球に2本のピンが配置されているおかげで筋力がなくてもパワフルな走りが可能です!

イマドキとしては強めの傾斜で走りやすい!


傾斜がそれなりにある!っていうのもイマドキのスパイクとしては珍しいサイバーブレードの特徴です。設計の古さがが滲み出ていますね。
アディダスに比べれば大した傾斜ではないのですが、メタスプリントやジェットスプリントのような「超フラット」を売りにしているアシックスにあってはサイバーブレードのこの傾斜相当キツい。
そしてこの傾斜は『速く走る時はつま先で走るんだよ!!』っていう小学生の徒競争的な原点に立ち返らせてくれます。
実際、このスパイクはフラットで使うよりもスパイクなりにフォアで着いてガンガン蹴って走る方がスピードが出ます。軟らかいのでフラットでも使えますが、フォア寄りなスパイクです。
フラットなソールのスパイクは技術があるなら速く走ることも出来ますが、結局、中級者レベルならこれくらい傾斜が付いてた方が速く走れます。多分。

 

『軟らかいプレート』+『強めのクッション』=中級者に最適!!

サイバーブレードの特徴として軟らかいプレート強めのクッションが上げられます。
これがこのスパイクの性格を決めていて、クッションがしっかりしていながらもショートスプリントにも対応できるレベルの反発があります
反発性とクッション性のバランスが良く扱いやすいスパイクになっているため、どんなレベルの選手がどの距離で使ってもマッチする汎用性の高さは特筆もの。
練習から試合まで1足でいろんな距離を走る中級者には最適なスパイク特性だと思います。

「軟らかいプレート」は曲がりやすくて反発を受けやすい!


中足部がハシゴ状に補強されてちょっと硬くなっていますが、そこ以外は軟らかい!!

この「軟らかいプレート」もサイバーブレードの特徴で、スプリントスパイクのなかではかなり軟らかい部類です。
一般的に硬いプレートは反発が大きい半面扱うのが難しいのですが、サイバーブレードのプレートはフニャフニャと言って差し支えない程の柔軟性があります。
ただ、手で曲げるくらいだとバイン!ってなるのでそれなりの硬さはちゃんとある。
そのため、体重が軽かったり筋力が弱い選手であってもプレートを曲げることができ反発を受けやすい!!
絶対的な反発は多くはないものの、『扱い切れる反発』なので中級者ならこれくらいの硬さの方がタイムが出るはずです。
男子選手が100m10秒台で使うには物足りなさを感じとは思いますが、400mなら男子でも不満なく使えるだろうし、女子ならトップ選手まで使える。っていうか使われてる。

強めのクッションは安心感がバツグン


かかとにクッションが入っているのもサイバーブレードの特徴!

近年の『厚底』とは違って反発のためではなく、クッションのためのミッドソールなの軟らかいスポンジみたいなクッションが入っています。これによって接地の衝撃が和らぐので足への負担が非常に軽くなり、ふくらはぎやハムへのダメージがかなり少ない!!
筋力が少ない選手でもこれならケガのリスクを減らせるし、足が疲れてかかとが落ち込んできてもダメージが少ないので、練習を積むスパイクとして最適。これもサイバーブレードが中級者に人気な理由のひとつでしょう。
専用スパイクとしてはクッションが強いため安心感があり、兼用スパイクからのステップアップでも不安なく使えるはず。

ちなみに管理人のは旧型の「サイバーブレードHF」ですが、2021年モデルの「サイバーブレード16」ではアッパーのかかと周りのクッションが増えています(履き比べてもあんまり違いはないです…)。

 

サイバーブレードの悪いところはどんなとこ?

サイバーブレードは中級者に最適なスパイクのひとつだと思います。
そして、日本選手権レベルの選手でも使えるほどの性能を持っています。ただ、男子100mではシェアがあんまり多くないってのは何か理由があるんですよね。
ってことで、サイバーブレードの悪いところもご紹介しましょう!

『反発』は強くない!っていうか弱い!!

そもそもの成り立ちからして、サイバーブレードは高反発を狙ったスパイクではありません!!
ここを間違えると失敗する可能性はあります。高反発なのが好きなら他のスパイクを選ぶべし!!

プレートの設計も10年くらいは経つのですが、当時でも反発は弱い方でした。さらに最近は海外メーカーのスパイクが手に入りやすくなったことで高反発なスパイクが増えましたよね。2020年代の尺度でいえば反発は「弱い」と言えます。
っとはいえ、短距離用スパイクなのでそれなりの反発はあって、100m11秒中盤くらいまでなら特に不満なく使えるでしょう。むしろ中級者にはちょうどいい反発です。ただ、オールラウンダーとしての扱いやすさがこのスパイクの主戦場!
ブレードは練習であれば短い距離で使っても不満はないのですが、試合でトップスピードを出した時には頼りない感じは否めない。他のスパイクと比較するとやっぱり反発の弱さは弱点だと思います。

ブレやすい!フィット感はあんまりない!?

ブレやすいのはけっこう致命的な欠点かも。

サイバーブレード最大の特徴であるサイバーフィット(ベルト構造)はけっこう酷いです!!
感覚的にはスリッパっていうか、サンダルの裏に板を付けたかのようなフィット感。
ベルトはそもそもギューっと締めても痛くなるだけで全然フィットしないので、サイバーブレードはちょっと緩めに締めて履くのが流儀です(笑)
ちなみに、3か所ベルトがありますが管理人は一番前のベルト着けっぱなしです。

フィット性が悪いからといってズレたり脱げたりすることはないのですが、一方のSPブレード(特にHL-0メッシュになってから)がかなりピッチリとフィットするアッパーなので比較するとかなりの差があります。
特に気になるのはスタートからの加速、トップスピード付近での踏み込み、あとコーナーといった局面で、大きな力がかかる瞬間にはけっこうブレる感覚があって「もうちょっと締めとけばよかったかなぁ」なんて頭によぎる。
人によってはサイバーフィットがピッタリって場合もあるのかもしれませんが、フィット感で選ぶ人は見たことない…まわりではフィット感なんか気にしたことなかったり、履きやすいからって理由で選ぶ人が多いです。

じゃあ、サイバーフィットがダメか?っていうと全然問題なし!!
多少ブレてもスピードにはほぼ影響ないし、むしろ2秒で脱げるメリットは計り知れません!!あと、でっかい穴が空いてるので通気性が良くてムレないのも地味にメリットですね。
そもそもブレを気にしない人にとってはデメリットにすらならないですし、軟らかいスパイクなんだからパワーをかけたらブレるのは当然です。
管理人は昔ジオスパークっていうもっとブレまくるベルトのスパイクを履いていたのでこれくらいのブレなら全然許容範囲。
むしろ、エックスブラストネクストの完成度の低いアッパーの方がヤバい。アッパーで選ぶならこっち。

 

サイバーブレードの総評は…
誰が履いても速く走れる『理想の中級者モデル』だ!!

まとめです。サイバーブレードの評価は…
誰にでも履きこなせる理想的な中級者向けモデル!!
中級者ならこれ買っておけば損なし!!
ロングスプリント用スパイクとしても非常に高い完成度を誇ります!

サイバーブレードの最大の特徴は『扱いやすさ』で、レベルや種目を問わず使えるオールラウンダーとしての汎用性の高さは別格です。
「拇指球で力をかけやすいピン配置」「適度な傾斜」によって高い技術がなくても地面を強く蹴り出すことが可能で、初めての専用スパイクとして選んでも期待通りに速く走ることが出来ると思います。
また、「軟らかいプレート」は足への負担が軽いため、筋力が少ない選手やロングスプリンターでも反発を扱い切れる。
「高いクッション性」は練習での使用でも効果的で、疲れたときにも足への負担を抑えてケガ防止にもなります。

反発性は高くないものの、
欠点としては「反発が弱い」、「フィット感がイマイチ」というのは否めない。
ただ、そもそも高反発スパイクではないので、反発重視ならミズノの「エックスブラストネクスト」を買えばいいし、フィット感が悪いって言ってもアッパーはエックスブラストネクストの方がダメです。

ってことで、サイバーブレードは中級者向けスパイクとして理想的な性能を持っています!
技術や筋力が未熟な選手でもサイバーブレードなら扱いやすくて頑張ればそれだけで速く走れるはず。

 

ミズノの中級者向けモデル『エックスブラストネクスト』とどっちを選べばいい?
ってのは別記事で紹介してますので詳しくはそちらもどうぞ↓

 

 

 






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