【レビュー】アシックス|ソニックスカイプロ 厚底なのに跳びやすい!メリット・デメリット

【需要なお知らせ】
ソニックスカイプロはリコールが出ました。(詳細はアシックスHPをご確認ください)
簡単に言うと、「カーボン」を謡っていたプレートが実際にはカーボンではありませんでした。以降は「樹脂プレート」として販売されています。
本記事は、リコール前に執筆したものであるため、カーボンの記述が残っております。
2024年にアシックスはスパイクラインナップを『メタスピードSP』を頂点とした厚底モデルに一新。
その流れは跳躍種目にも及び、従来モデルから大幅刷新された新型がソニックスカイプロです。
ってことで今回は
【レビュー】アシックス『ソニックスカイプロ』
跳び出しスピードが速い!厚底でも扱いやすく、欠点はないのか?
をテーマにご紹介。
ソニックスカイプロは、結論から言うと、
厚底でもクセが少なく、助走から踏み切りまで非常に扱いやすい幅跳びスパイクです。
厚底らしい派手な反発はありませんが、そのぶん違和感なく履けるため、多くの選手におすすめできます。管理人としては現時点でフィールドジオと並ぶトップクラスのスパイクでした。
この記事では
- スパイクの特徴
- 実際に履いた感想
- メリット・デメリット
- フィールドジオとの違い
- おすすめできる選手
を詳しくレビューします。
注:この記事は発売後に執筆したものです。1シーズン使用後のレビューも別記事で書いておりますのでそちらもどうぞ↓
アシックスが幅跳びスパイクを全面刷新
ソニックスカイプロは、従来のアシックスの幅跳びスパイクとはまったく別物と言っていいモデルです。
以前のアシックスは「フラット」に強いこだわりがあり、2021年には極端にフラットなLJプロ3を発売しました。
しかしLJプロ3は扱いが難しく人気は伸びず、わずか数年で姿を消すことになります。
三段跳び用のTJプロ3も、ルール変更によって使用できない大会が出てしまうなど、決して成功したシリーズとは言えませんでした。
『LJプロ3』(旧型)のレビューはこちら↓
そこで登場したのが、このソニックスカイプロです。
厚底ミッドソールを採用し、プレート設計も一新。
見た目も履き味も、従来モデルとはまったく違うスパイクへと生まれ変わっています。
ソニックスカイプロはどんなスパイク?

一言で表現すると、
「メタスピードSPの思想を、幅跳び用に落とし込んだモデル」
です。
搭載されているのは
- FF BLAST(厚底ミッドソール)
- カーボン樹脂プレート(※実際にはカーボンではありません)
という組み合わせ。
メタスピードSPは『FF BLAST TURBO』、『カーボンプレート』を採用しているので、素材は下位モデルのソニックスプリント3、ジェットスプリント3と共通です。ただ、構造や設計思想はSPと共通しています。
『カーボン樹脂』ってなんやねん…※
実際に履いた印象としては
「カーボンほどガチガチではないけれど、普通の樹脂プレートよりはしっかり反発する。」
そんなプレートです。
『カーボン樹脂』ってなんやねん…て感じなので、管理人は発売直後にメーカーに問い合わせています。
曰く、これはいわゆる炭素強化プラスチックてやつだそうで、メタSP/MDの『カーボン』とは別モノとのこと。
だそうです。
よくわからないけど、
カーボンより扱いやすいけど普通の樹脂より強度があるプレート
ってことでしょう。
硬さのイメージは
アディゼロLJ > フィールドジオ > ソニックスカイプロ > 旧Zoom LJ
くらい。
履いてみても「カーボンらしい暴力的な反発」はありません。その代わりクセが少なく、多くの選手が扱いやすい硬さに仕上がっています。
※のちにリコールが出て「カーボン樹脂」なんてものはないものになりました。いったい何だったのでしょう…
アシックス初の厚底幅跳びスパイク。気になっていたデメリットは…

画像:20mmギリギリまでミッドソールを挟んだ『厚底スパイク』!
ソニックスカイプロの最大のポイントは、アシックス初となる本格的な厚底幅跳びスパイクであることです。
そして、管理人が一番心配だったのも、この『厚底』というところでした。
結論から言うと、
厚底によるデメリットはほとんど感じませんでした。
厚底だからといって、接地が遅れることもなく、踏み切りでブレることもない。薄底スパイクほぼ同じように跳べます。
一方で、メタスピードSPのような「履いた瞬間に分かる爆発的な反発」があるわけでもありません。
つまり、厚底らしいクセもなければ、厚底ならではの劇的なメリットもない。これがファーストインプレッションでした。
FF BLASTは比較的硬めのフォームなので、沈み込みやラグが少なく、厚底特有の「ブニッ」とした感覚もそれほどはありません。そのため、厚底でありながら従来の幅跳びスパイクから違和感なく履き替えられる一足に仕上がっています。
詳しい使用感については後ほど詳しく紹介します。
『かかとの厚み』があるけど踏み切り動作への悪影響は感じない

画像:かかとまで均一に厚みのあるミッドソール
幅跳びスパイクはルール上、スプリントスパイクのように前足部だけを厚底にすることができません(かかとが前足部より薄いのはNG)。そのためソニックスカイプロは、前足部だけでなく、かかと部分までFF BLASTが入っています。
発売前、管理人が一番心配していたのがこの「かかとの厚み」でした。
少し専門的な話になるのですが、管理人の場合は、踏み切り足を地面すれすれをスーっと運んで接地する感覚を大事にしています。
そのため、かかとに厚みがあると、低い位置を通せずに上から叩く踏み切りなってしまうのでは?っと考えていました。
叩く踏み切りになると、接地初期の衝撃が大きくなるので踏み切りは弱くなってしまいます。
スピードタイプの選手であればいいのですが、踏み切りタイプの選手にとってこれは致命的な問題となりえます。
結論としては、
かかとの厚みは踏み切り動作のなかで気にならず、従来のスパイクと同じように自然な踏み切りができます。
かかとが極薄のフィールドジオLJのほうが踏み切りに入りやすいのは間違いないのですが、動きが変わるほどの影響はありません。
とはいえ、
「かかとが厚いからクッション性が上がって跳びやすくなった!」というような恩恵も特には感じません。
ルール上、前足部を厚くするためにかかとも一緒に厚くなった、という印象が強く、幅跳び専用として考えると、この「かかとの厚み」がメリットになるとは感じませんでした。
逆に、三段跳び用として考えるとクッションが薄すぎる!これは三段用としてはデメリットだと思います。
ソニックスカイプロは、幅・三段の両方を対応種目にしているのですが、幅跳びでは扱いやすい一方で、三段跳び用と考えるとかなり上級者向けだと思います。
確かにスピード感は高いのですが、三段跳だともっとクッションが欲しいです。衝撃をうまくかわす技術がないと三段では厳しいと思います。
カーボン樹脂※のプレートは「そこそこの硬さ」が魅力

画像:足裏直下のミッドソール内部に樹脂プレートを搭載
『厚底』と並んでソニックスカイプロのポイントが『カーボン樹脂プレート※』です。
ソニックスカイプロのプレートはそこそこ硬くてけっこう高反発です!
良くも悪くも、「そこそこ硬い」というのがソニックスカイプロの特徴。
管理人としては、初の幅跳び用カーボンスパイク体験だったので、カーボン特有の『硬さ』と『反発』がどう跳躍につながるのかとかなり期待していたのですが、いろんな意味で裏切られました。
※結果的にカーボンではなかったので、裏切られたのも当然っちゃ当然!!
プレートの感想としては
- 最強クラスとまではいかないけど、跳躍スパイクとして十分な硬さ
- 「カーボン」と聞いて期待するようなガチガチの硬さや別格の反発はない
- むしろ前作の方が硬くて反発は強かったのでは?
- 反発は上向きで跳躍スパイクとしてはスタンダード
- 見た目から想像していたよりスピードは出しにくい
反発は十分に強いです。ただ、カーボンに期待するようなどこまでも踏めるような頼もしさや、強烈な反発はありませんでした。(それもそのはず。カーボンじゃないからね!)
あくまで、従来のプレートの感覚の範疇ですね。期待を上回るような反発力はなく、ちょっとガッカリ。
反発は上向きで幅スパとしてはスタンダード。だけど見た目と違ってスピードは出にくい
見た目はスプリントスパイクである『メタスプリントSP』とほぼ同じなのですが、実際に走ると反発感は別物。
「ソニックスカイプロは見た目がほぼスプリントスパイクだから、100mでも使えるのでは?」
っと期待している人がいるなら、やめた方がいいです。中盤以降は全然伸びません。
何が違うかっていうと、ソニックスカイプロは反発の方向がかなり上向きです。
これは幅跳びスパイクとしてはスタンダードで、フィールドジオLJや旧型のナイキズームLJなんかもほぼこれと同じの反発感でした。フラットに踏めば上に弾むような反発感のおかげで、踏み切りで大きく跳ね上がることができます。
唯一、アディダスのアディゼロLJだけがプレートの硬さで前向きに押し出してくれるようなスプリントスパイクに近い反発感を持っています。
ソニックスカイプロはアッパーだけでなくプレート形状もスプリントスパイクと共通で細いこともあり、一見するとスピードが出せそうに思えるのですが…見た目と違って反発感は【幅跳びスパイク】そのものです。
幅跳びスパイクとしては、やや柔らかめ
他モデルと比べると、プレートの硬さはこんなイメージです。
アディゼロLJ ≒ LJプロ3
↓
フィールドジオLJ
↓
ソニックスカイプロ
↓
旧Zoom LJ
フィールドジオほどの剛性感はありませんが、柔らかすぎるほどではありません。
厚底ミッドソールを挟んでいることもあり、体感的には実際の硬さ以上にマイルドに感じます。それでも足裏にプレートが入っていることもあって、長時間履けば足底が疲れるので硬さ自体は結構あると思います。
よく言えば、扱いやすい。
悪く言えば、反発が弱い。
幅跳びスパイクとして見ると若干柔らかいように感じますが、
「硬さだけに頼らず、扱いやすさとのバランスを重視したセッティング」
という印象でした。
これはこれで、良い。
重量は236g。幅跳びスパイクとしては軽量

画像:28cm実測で236g
メタスプリントSPが約180gなので、スプリントスパイクと比べるともちろん重いですが、幅跳びスパイクとしては軽い部類です。
| 他モデルとの重量比較 |
||
| モデル | 重量 | サイズ |
| ソニックスカイプロ | 236g | 28.0 |
| フィールドジオLJ | 243g | 27.0 |
| フィールドジオAJ | 270g | 29.0 |
| LJプロ3 | 243g | 28.5 |
| アディゼロLJ | 252g | 27.5 |
| zoomLJ(旧) | 249g | 28.0 |
| zoomTJエリート | 248g | 28.0 |
| エフォート13 | 211g | 28.0 |
| Xブラストネオ1 | 194g | 28.0 |
| アンビション | 178g | 28.5 |
| メタスプリント | 144g | 28.5 |
(※サイズが異なるため参考値です。)
厚底モデルでありながら、この重量はかなり優秀だと思います。旧型のLJ3(一応薄底)より軽くなっているので合格でしょう。
ただし、スプリントスパイクと比較すると超重量級です。
そのため、
ソニックスプリント3に似ているから短距離でも使おう
というのはおすすめしません。
実際に走ってみても、60m付近でトップスピードに入ると重量感ははっきり感じます。幅跳びでは多少重くても反発の強さが重要ですが、スプリントは軽さが武器。短距離専用として使うなら、素直にスプリントスパイクを選んだ方が速く走れます。
2-2-4のオーソドックスなピン配置。アシックスが原点回帰

画像:幅跳用として最適解のひとつであろう2-2-4のピン配置が復活だ!
個人的にソニックスカイプロのうれしいポイントのひとつが、この2-2-4ピン配置です。
『ピン配置』ってどうでもよさそうだけど、幅スパではかなり重要なんです。
このピン配置を見た時点で
「カーボンで2-2-4のスパイクなら跳べない要素なくない?」
と思って即ポチ。(まあ、実際はカーボンじゃなくて裏切られたわけですが…)
上の写真で見てもらうとわかるように、ソニックスカイプロは非常にオーソドックスなピン配置になっています。
クセがなく、多くの選手が扱いやすいレイアウトです。詳しい使用感は後半で紹介しますが、踏み切りまでの重心移動が自然で、誰が飛んでも跳びやすいと思います。
「他メーカーの良い部分をうまく取り入れた配置」という印象でした。
タイガーパウ時代のアシックスも2-2-4だった
写真もないので説明しにくいですが、昔のアシックスには『タイガーパウ』っていうサブネームがついいました。
その頃のピン配置は2-2-4で、当時はミズノかアシックスかは完全に好みの問題。
ところがアシックスは途中から1-3-5系の独特な配置へ変更したことで、重心移動が難しくなり、個人的にはフィールドジオに差を付けられた印象があります。
今回2-2-4へ戻したことで、ようやく普通のスパイクに戻ったと感じました。
アッパーは『モーションラップアッパー』。ただのメッシュ

画像:ただのメッシュアッパーで中身が透ける薄さ(手の指が透けてる!)
厚底やらカーボンやらと新型ならではの現代的要素の詰まったスパイクですが
アッパーは「普通」すぎて特にこれといって言うことありません。
良くもなければ悪くもない。普通。「耐久性が心配です」以外の感想はないかな。あえていうとすれば、足あたりが悪いです。
でも別に気になるほどではないし、軽いならこんなものでしょという感じ。
たしかに、こんなに薄くてそこそこ耐久性のありそうな素材って、10年前にはなかったと思います。でも、だからどうとも思わない。
メタスピードSP系と同じモーションラップアッパーですが、個人的には「名前ほど特別感はない」という評価です。
履き心地は前作の方が良かった

画像:前作と並べるとメッシュアッパーがちゃちい…
機にすれば気になってくるのは足当たり。
アッパー自体は特別悪いわけではないのですが、長時間履いていると、指先が少し痛くなります。
幅跳びスパイクは全体的に履き心地が良いジャンルではありませんが、前作の『HL-0メッシュ』はそのなかでも足当たりが良くて企業努力を感じました。前作のと比べると、ソニックスカイプロの履き心地は明らかに後退しています。
なんにしても、あれだけHL-0メッシュを推してたのに突然全部投げ捨てるなんて、人の心がないぞ!アシックス!
ヒールカップはアシックスらしいガッチリ感

画像:アシックス特有のドでかヒールカップは健在!
アシックスといえば、ドデカいヒールカップ!!
海外メーカーだと足首周りがゆるくて脱げそうな感覚すらあったりしますが、アシックスのヒールカップは他のメーカーとは格の違うガッチリ感をもっています。
ソニックスカイプロも例にもれずかなりのしっかりしたホールド感で、好きな人にはたまらないでしょう。
個人的にはもう少し自由度があったほうがいい気もしますが、アシックスらしいホールド感です。
ベルトもしっかりホールドしてくれる

画像:ベルトは足底から持ち上げるタイプ
アッパーの特筆点としては、かかとから出て足首回りまでカバーするごっついベルトを採用しています。
段跳びとの兼用モデルだけあって、足首の固定力はかなり高め。前作よりも構造はシンプルになりましたが、ホールド感は十分です。
締め付けにムラもなく、踏み切りで不安を感じることはありませんでした。ベルトは結構いいと思います。
一方で、ベルトによって足首の動きが制限されるので、助走スピードだけを重視するなら、ベルトのないアディゼロLJの方が自由度は高いでしょう。
っとまあ、ここまではざっくりしたスパイクの概要紹介です。まだ序章。
ここからは、管理人が実際に履いて感じたレビューを詳しくご紹介!!
長いですが、思うところは概ね書いたと思います。
ソニックスカイプロ、実際に履いて感じた最大の特徴は"スピード感"
ここからは実際に履いて感じた印象をご紹介します。
一言で表すなら、
「助走のスピードをうまく跳躍につなげられるスパイク」
これがソニックスカイプロ最大の特徴です。
踏み切りの強さだけならフィールドジオに軍配が上がります。しかし、助走の勢いをそのまま跳躍へつなげるスムーズさはソニックスカイプロの方が上。スピードタイプの選手なら気に入ると思います。
フィールドジオほどの"止める"感覚はありませんが、そのぶん減速が少なく、スピードを生かした跳躍ができます。
しかも、
踏み切り前半から安定感が高く、踏み切り版にパワーを伝えやすい感覚があります。
アディダスのようなスピード全振りではなく、フィールドジオのような踏み切りの安心感がちゃんとあります。
そんな感じで、全体でみるとかなりイイ感じ!!
致命的な欠点やここがダメってのがないため、どの局面でもすごくイイ感じです。
ずば抜けていいポイントもないのですが、何か劣っているところもなく、扱いやすくて跳びやすいスパイクになっていると思います。
【全体】2-2-4のピン配置が絶妙。跳び出しまでがとにかくスムーズ

画像:中列に空間があるピン配置だから重心移動がしやすい!
全体として管理人が一番感じたのは
踏み切り中盤から飛び出しまでの流れがかなりスムーズということ。
スピード感の高い跳躍ができます。
接地して体が踏み切り板の上を通過し、そのまま跳び出していく一連の流れに引っ掛かりがありません。
感覚としては、フィールドジオの前半とアディゼロLJの後半をくっつけたような踏み切り感覚です。
フィールドジオは強く止めて高く跳びやすい反面、減速もしやすい。一方アディゼロLJはスピードを残しやすい代わりに、踏み切りが流れやすい。
ソニックスカイプロはその中間で、減速を抑えながら十分な踏み切りができるため、助走スピードを跳躍につなげやすいスパイクになっています。
踏み切り感覚はフィールドジオから履き替えても違和感は少なく、多くの選手が好印象を持つと思います。
【助走】リズムが作りやすく、コントロール性は非常に高い

画像:多少の反りはあるけど他のスパイクとほぼ変わらず『普通にフラット』
プレート形状はフィールドジオやZoom LJに近い、ごく自然なロッカー形状。極端な反りはなく、フラットに踏み込めます。
そのため、助走では非常にリズムを作りやすく、自然にピッチを上げていけます。
前作LJプロ3はフラットすぎて自分で前へ運ぶ必要がありましたが、ソニックスカイプロでは踏むだけで自然に前へ進む感覚があるので、リズミカルな助走で一歩一歩を踏み込みながらスムーズに踏み切りに入ることができます。
厚底特有のラグも感じず、助走開始から最後の捌きまで非常にコントロールしやすい印象で、フィールドジオと並んでトップクラスに扱いやすいスパイクだと思います。
高速域ではもう少し反発が欲しい
唯一気になったのは、
トップスピード付近で反発が足りなくて伸びきらない感じがします。
助走はリズムを作りやすいのですが、後半でリズムが上がり切ったところから反発によるもう一押しがありません。
ラストでスピードを上げながら踏み切りに入りたい局面で、頭打ちになる感覚があります。もうちょっと反発が欲しいところ。FFブラストとプレートは扱いやすさを重視した設計になっているので仕方がないのですが、高速域では薄底プレートのフィールドジオのほうが力強さがあります。
もしかすると、平行ピンをニードルピンに変えれば足が回しやすくなって後半の失速も解消するかも…?
【踏み切り】どの局面でもイイ!扱いやすくて跳びやすい

画像:後列4本ピンによる踏み切りやすさはさすが!
ソニックスカイプロ最大の魅力は、「踏み切り全体」が上手くまとまることです。
一発の反発感はフィールドジオのほうがあるし、スピードもアディゼロLJのほうが上ですが、踏み切りのまとめやすさはソニックスカイプロのほうが上です。
踏み切り前半の安定感と、中盤以降のスピード感ある高い跳びだしは、ソニックスカイプロを使う理由になります。
具体的には、
- 接地では後列4本ピンが助走スピードをしっかり受け止める
- 中盤では2-2-4配置のおかげで重心移動がスムーズ
- 跳び出しではプレートが自然に反発してくれる
この流れが非常に自然。引っ掛かるところがありません。
どこか一部分だけが突出しているのではなく、踏み切り全体がきれいにつながるため、跳躍をまとめやすいです。
フィールドジオほどの爆発力はありませんが、クセがなく、多くの選手が力を引き出しやすい設計です。
管理人はフィールドジオで育ったのでフィールドジオのガッチリ感こそ至高だと思っていますが、それでもこの踏み切り感覚なら文句はありません。
厚底なのにクセがない。良くも悪くもそれが最大の特徴

画像:均一にミッドソールが入っていてXブラストネオと感触が似てる
気になる「幅で厚底ってどうなの?」ってところでは、管理人の印象としては2つ
- 厚底特有のクセはない。
- 厚底特有の「めっちゃ跳ねる!」とかもない
ソニックスカイプロは、良くも悪くも普通です。厚底に期待するようなインパクトはないかな。
メタSPを初めて履いた時の「めっちゃ跳ねる!!」みたいなを感動体験を期待するとガッカリするかもしれません。
ミッドソールの高反発材はあえて下位素材を使って反発より安定性を重視していて、全体に均一に入っているため、厚底特有の「ここで踏まなきゃダメ!」っていうクセはありません。
プレートも比較的柔らかいのでどうやって踏んでも普通に反発してくれます。
結果的に、
ソニックスカイプロは厚底としては中途半端だけど、変なクセがなくて扱いやすいスパイク
になっています。
よく言えば、厚底だけどクセがなくて扱いやすい。
悪く言えば、厚底なのにあんまり反発がない。
これなら薄底でもいいんじゃない?
っというのは感じるところですが、初めての厚底幅跳びスパイクとしてはこれくらいでいいんだと思います。
ただ、『プロ』を名乗るならもっと強烈なインパクトが欲しかった!
ソニックスカイ『LJ』とか『エリート』って名前のほうがふさわしいと思う。ノーマルバージョンと、強烈バージョンで2タイプ出すとかすればもうちょっと魅力的だったかもしれませんね。
もしもミッドソールがヘタったら…?
『厚底』のメリットがあんまりないとはいうものの、構造的にミッドソールは重要な役割を発揮しているはずで、反発感のなかにはFFブラストの反発も少なからずあるでしょう。
これ、ミッドソールがヘタってきたらどうなるんだろう…?
スプリントスパイクならソールがヘタるなんてことはめったにないと思いますけど、跳躍でソールをぶっ潰しまくってたら耐久性は大丈夫なんですかね?
さすがに1シーズン使ったくらいじゃ致命的なヘタり方はしないと思いますが、使い込んだ時の性能悪化は薄底よりも顕著に出そう。
フィールドジオとソニックスカイプロ、どっちを選ぶべき?

画像:比べるとフィールドジオはしっかり感がある
結論から言えば、
好みで選んで問題ありません!
そりゃそうだ。でもそれじゃあつまらんよね。
ってことで、もうちょっと『どっちがおすすめ』っていう視点でお話します。
どっちがいいか?基準はこれ↓
- スピード感やスムーズさを重視するならソニックスカイプロ
- 強い踏み切りや反発感を求めるならフィールドジオ
ポーンと跳びたいならフィールドジオのほうが良いと思いますが、ポーンが良くわからない選手ならソニックスカイプロのほうがたぶん跳べます。
ソニックスカイプロにズバ抜けたものはないが、それがいいところ
ソニックスカイプロはすごくイイんだけど、
フィールドジオと比べて特に何かいいところがあるのかっていうと、別に...
結局、
厚底になったものの、ソニックスカイプロには『好みの問題』を超えるだけのインパクトはありません。
マックスフライのように革命を起こすようなものではなくて、多くのスパイクの中に埋もれていつしか忘れられていく1足でしょうね…陸上博物館に展示するほどの『何か』はないです。
でもそれが悪いかっていうとそうでもなくて、何も気にならないくらい扱いやすいというのはソニックスカイプロだけの特徴です。
他の幅跳びスパイクはどれも個性がありすぎるので、合う合わないが結構あります。でも、ソニックスカイプロなら誰が履いても普通に跳べる。これほど何も考えずにスムーズな跳躍ができるスパイクは他にありません。
越えられない『質感』の違いはある…

画像:細かい作りこみは間違いなくフィールドジオの方が断然優れてる
どっちがいい悪い以前に、間違いなく言えるのは…
ソニックスカイプロは質感が高くない!
対してフィールドジオは足を入れた瞬間にわかる質の良さがある!
具体的に言うとメッシュの質感とかなのですが、フィールドジオのほうが全体に金がかかってる感じがします。
手で持った瞬間に『良いモノ感』があって、実際に履いても明らかに履き心地が良いのはフィールドジオ。ミズノのメイドインジャパンは世界随一の質感を誇ります。
兼用スパイクから履き替えて感動するのはフィールドジオでしょう。管理人でもいまだにフィールドジオを履くと「これいいなぁ…」ってなるくらいに高品質です。
ソニックスカイプロはアッパーの項目でも書いたように、『普通』です。
アッパーはただ薄いだけで何も良さがわからないですし、どこにも「質の良さを感じるポイント」はありません。
何が違うのか?っていうとよくわかりませんが、やっぱりベトナム生産では越えられない壁があると思うんです。
先入観と言われればそうなのかもしれませんが、それでも感じる質感の違いはあります。
で、質感の違いはフィールドジオを買う理由になり得るほどの差があると管理人は思っています。
記録への影響はほぼないと思いますが、手に取った瞬間に感じるフィールドジオの質感は別格です。
【まとめ】ソニックスカイプロは「誰でも扱いやすい」幅跳びスパイク!
今回は
アシックス初の『厚底』幅跳び用スパイクであるソニックスカイプロのレビュー
をご紹介しました。
結論から言えば、
フィールドジオに匹敵する性能の、今買うべきスパイクの一つ
です。
厚底ということで、クセの強いスパイクを想像していましたが、実際に履いてみると違和感はほとんどなく、助走から踏み切りまで非常スムーズでかなり跳びやすいスパイクでした。
厚底ならではの爆発的な反発こそありませんが、
- 助走のコントロール性
- 踏み切りの安定感
- 跳び出しのスピード感
この3つのバランスが非常に高く、どんなレベルの選手でも扱いやすい仕上がりになっています。
一方で、厚底に期待する「強烈な反発」がないことはガッカリポイントです。
薄底のフィールドジオと比べても、反発に差があるとは思えません。実際に跳躍してみても、フィールドジオのほうがガツンと止まってポーンと投げ出される感覚があります。
しかし、
助走から踏み切りまでの跳躍全体の流れを総合すると、現状ではトップクラス。
メーカーが扱いやすさを重視したといっているだけあって、かなり跳びやすいスパイクになっています。
「厚底だからマックスフライのような革命的な反発がある」という期待をすると少し肩透かしかもしれません。
ソニックスカイプロは革命ではなく、
従来の幅跳びスパイクを正常進化させた、バランス重視のスパイク
という表現が一番しっくりきます。
管理人の評価
★★★★☆ 4.8 / 5.0
おすすめする選手
- 初めての幅跳び専用スパイクを探している
- 助走スピードを生かした跳躍がしたい
- 変なクセがないスパイクがいい
- 踏み切り技術にそれほど自信がない
癖がないので、基本的にはどんな選手が履いても気に入るスパイクだと思います。こだわりがないならソニックスカイプロは最有力候補でしょう。
逆に、「とにかく踏み切りに応えてくれる反発が欲しい!」というようにスパイクに何かを求めるのであれば、フィールドジオLJやアディゼロLJの方が好みに合う可能性があります。
それでも助走・踏み切り・扱いやすさを総合して見れば、ソニックスカイプロは間違いなくトップクラス。
今、幅跳びスパイクを1足だけ選ぶなら、最初に検討すべきモデルの一つと言えるでしょう。
1シーズン使用後のレビューもどうぞ↓








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