<幅跳びのポイント>第5回:6m跳ぶための走り幅跳びの練習のやりかた

練習いろいろ, 幅跳びのポイント, 幅跳びの練習方法

短距離の練習にはいろんな種類がありますが、幅跳びの練習にもいろいろあります。
走る系の練習であれば距離やレストを変えれば簡単にターゲットとする練習が組めそうなものですが、幅跳びの練習ってなにをやったらいいのでしょうか?
自分を思い返せば、中学のころはただひたすら全助走で跳んでいましたし、高校に入っても基本的にはそんな感じで練習をしていました。
専門の先生がいたり、伝統的に先輩が練習を教えてくれるような学校でなければ私と同じように『ただひたすら走って跳ぶ』という練習をしている選手は結構いるように思います。

今はネットで調べればある程度の練習方法がわかる時代にはなりましたが、幅跳びの練習ってのは調べてもほとんど出て来ません。
ってことで今回は
幅跳びの練習方法についてご紹介します!!

基本的なことからちょっと専門的なことまで。このページだけ見ておけばある程度の練習が出来るようになるよう、いつものように情報過多な内容でご紹介したいところです。
今回も初心者~中級者、6mを目指す高校生くらいまでのレベルを前提にしています。

 

 

幅跳び練習の超基本的な考え方!!技術練習は4種類

まずは、幅跳の練習の超基本的な考え方をご紹介します。
幅跳びの練習には大きく分けて2つ、『スプリント練習』『技術練習』があります。
今日何やる?
ってなったときに「今日は走るわ」ってなればスプリント。「今日は跳ぶわ」ってなれば技術練です。
走る練習は基本的には短距離選手に混じって走るのであんまり細かく紹介しません。ここでは、幅跳びの専門練習である『技術練習』について、その考え方についてご紹介します。それぞれの詳しい練習方法はもうちょっと先で。

技術練習はシチュエーションを区切ってやるべき

技術練習をしようと思ったら、普通のなにも知識がない人であれば『全助走で踏み切って着地までやる練習』をするはずです。毎回計測して、試合形式の跳躍を練習として行うでしょう。
まあこれはこれで間違ってはいません。中学生くらいであればこれだけやっておけばレベルアップできますし、そこそこセンスがあれば何も考えなくても体が勝手に幅跳びの技術を習得してくれます。この練習だけでもある程度それっぽい跳躍ができるようになるでしょう。
しかし、専門的に幅跳びをやっていこうと思ったらもっと高度な技術が必要です。
高度な技術をみにつけるためにはシチュエーションを区切った練習をするべきです

ポイントを絞って効率アップ

試合形式の練習では、どこか1ヶ所だけを強く意識することは難しくなります。
踏み切りの足の角度をちょっと変えたいと思っても、毎回全助走をしていたのでは時間がかかるし体力的にもそれほど多くの本数をこなせません。
踏み切りについて意識をしたいのであれば、短い助走で跳び出すところまでだけをやればいいはずです。
技術練習では意識するポイントを絞って、そのポイントに合わせた練習をすることで練習の効率があがります

練習はシチュエーションで4種類に分けよう

幅跳びには3つの局面があります。それは助走踏み切り着地です。着地を空中と着地に分けることもありますが、ここではまとめて着地とします。
技術練習は、この3つの局面それぞれの練習と、それを組み合わせた試合形式の全体練習の全部で4種類に分けられます。
もちろん組み合わせて「助走から踏み切りまで」とか、「踏み切りから着地まで」とかっていう組み合わせもしますが、基本の基本としては4つです。

①試合形式(全助走)

いわゆる全助走の練習です。私も何も知らない時は毎日これをやっていました。これだけしかやっていなくても6mくらいなら跳べるようになりますし、結局はこの形式で6mを跳べなければ他の練習は無意味です。ただそれだとセンス頼りです。この練習だけじゃあセンスがなきゃ6mは跳べません。
長所は幅跳びの全てのスキルが身につくこと。短所は1つ1つのスキルが洗練されないこと。つまり、効率が良くない練習です。
また、連続すると疲労も溜まりやすい練習でもあります。

②助走練習

幅跳びはスピードがなければ跳べません。独自の調査では6mを跳ぶには100mで12秒98で走れる走力が必要だとわかりました。

ただ、難しいものでトラックでは速く走れても踏切板に向かって走ると遅くなってしまう人がけっこういます。また、トップ選手でも幅跳びの助走スピードは100mの時の90~95%程度になってしまいます。
助走練習は、スプリントのスピードを助走に昇華する練習でもあります。何より大事なのが安定したストライドでリズムを作って走れるようになることです
幅跳びは速く走る競技ではなく、遠くに跳ぶ競技
助走はあくまでも遠くに跳ぶための助走です。スピードを出す為の練習ではなく、遠くに跳ぶための助走技術を磨く練習が助走練習です。

③踏み切り練習

これまた独自調査では0.5秒分遅く走っても5度高く跳び出せば跳躍距離は変わらないということがわかりました。


また、幅跳びで6mを跳ぶために一番大事なのは踏み切りだと思っています。
踏み切りの技術についてはこの記事で紹介していますので参照してください。
踏み切り練習では、文字通り踏み切りの練習をします。踏み切り練習こそが幅跳びの本質的な練習だと言っても過言ではないでしょう
基本的には短~中助走を使い、跳び出してブロックするところまでの練習となります。
踏み切り練習でゆっくりとしたスピードでバチっとフォームを固め、そのフォームを崩すことなく全助走のスピードでも再現出来るようになるのがこの練習の目的です。
また、重心の動かし方などもこの練習で身に付けます。

④着地練習

正直どうだっていい練習です。ほぼレクリエーション。サッカーで言うリフティングみたいなもんでしょうか。
初心者のうちは着地練習をたくさんやりがちです。私もそうでした。派手だし汚れるし疲れないし、なんか練習した感が一番でるのがこの着地練習です。
しかし、着地なんてものは高く跳べるようになって滞空時間が長くなればなんとでもなります。跳躍距離が伸びれば着地に必要なフォームも変わってくるので、初心者のうちの着地練習はほぼムダでしょう
最低限の、『足から着地しないでお尻で着地できるようになる』くらいの練習は必要ですが、補強程度で十分です。
っていうか、跳躍距離は跳び出した瞬間に決まるので、着地がどんなにうまくても記録は20cmくらいしか変わりません。

スプリントの練習は技術練習とは別で必要

幅跳びで6mを跳ぶには12秒台で走れるくらいの走力が最低限必要です。6mを目指すからと言って毎日技術練習ばかりをやっていても、13秒台でしか走れなければいつまでたっても6mは跳べるようになりません。
6mを目指すなら12秒中盤、7mを目指すなら11秒中盤では走れるスプリント能力がほしいところ。
幅跳びはスプリント力と技術力が半々くらいで必要な種目です。練習日のうち半分くらいは短距離の連中に混じってスプリント練習をするようにしましょう
足が遅いとある程度の所で記録が止まって抜け出せないまま引退を迎えることになります。

 

っとまあこんな感じの考え方が幅跳びの練習では基本になります。
とにかく全助走で跳びまくるというのも悪いわけではありませんが、細かい技術を身に付けたいのであればその技術に特化した練習を取り入れた方が効率的です。
ここからは、技術練習についてそれぞれもっと詳しくご紹介して行きます。

 

 

助走練習とは?

上でも書きましたが、幅跳びは速く走る競技ではなくて遠くに跳ぶ競技です。そこをわかっていないと助走練習も意味が半減します。つまり、助走は踏切りのためにするものだということです。
それを前提として、助走練習についていろいろご紹介。
幅跳びシリーズでも紹介していますので、専門技術的なことはそちらもご参照ください。

助走練習で大切な事

助走は単純に『跳び出しのスピードをアップさせる目的』と、『強くて正確な踏切りをする目的』の2つの役割があります。
絶対的なスピードについてはもうこれは頑張って走って下さい。技術でどうこうなる問題ではありません。
助走練習で最も大切にすること、それはリズムです!!

助走はリズム!!

助走はただ走ればいいと思っていたら大間違いだ!!
どんな距離の助走であってもその人特有のリズムがあります。不思議なもので、なんだかシックリくるリズムってのがあるんです。最初のうちはよくわからないと思いますが、何回もピットを走っていればだんだんとシックリくる感じがあると思います。
っていうフィーリングの話が半分、もっと専門的な技術な話が半分です。フィーリングはシックリでいいのですが、そのシックリは技術で作ります。
具体的には『最初大股、だんだん小股』で走るのが正しいリズムの作り方です。幅跳びの助走はこれさえ出来ていればほぼ100点です。詳しいことは『<幅跳びのポイント>第2回:幅跳びで6m跳ぶ方法(助走の基本編)』で紹介していますのでここでは省略します。
助走はストライド一定でピッチアップでスピードをコントロール!!これを常に意識しましょう。

ルーティンもリズムだぞ

あほみたいに反ってから助走をスタートする選手、いますよね。手や足をぶらぶらしてスタートする選手もいますよね。つま先をトントン引きずってスタートする選手もいますよね。
あれは全部ルーティンと呼ばれる動作です。あんなんやろうがやるまいが跳躍自体には直接的な影響はありませんが、なぜやるのか知っていますか?
答えはあれをやるといつも同じ動作ができるからです。
最近ではラグビーのキッカーがやっている動作、五郎丸ポーズ。あれなんか幅跳びの最初に反るのと同じ意味です。
大げさな動きっていうのは毎回ほぼ一定の動きをするので、ルーティンを挟んでから動作に入るとその後の動きも一定になりやすいんです。
中股で10歩歩くのと大股で10歩歩くのとでは、大股の方が1歩1歩の歩幅のばらつきが小さくなるんです。
決してかっこつけてやっているわけではない!!(最初はかっこつけてはじめますが)

毎回同じリズムで走るんだよ

幅跳びってのは脚が合わないとファールで記録なしです。毎回同じところからスタートするのにファールしたり足が合ったりするのって不思議ですよね。
脚が合わないのは風が吹いてるからかもしれません。でも無風でもファールするんですよね。不思議!!
少しでもファールをしないために、幅跳びの助走は毎回同じリズムで走る必要があります。まあそれでもファールはするんですがね…

足の裏が前から見える走りを心がけよう

助走はフラットに接地して走りましょう。
最近流行りのフラットですが、跳躍種目の助走は昔からフラットなんです!!
フラットで走るべき理由は、フラットだと大きな筋肉を使えるので1歩1歩のブレが小さくなって助走が安定するというもの。ふくらはぎなどの小さい筋肉を使ってしまうと歩幅のブレが大きくなるのでファールし易くなります。
また、助走距離は好きなだけとれるので、助走では急加速する必要がありません。40mかけてゆっくりとトップスピードにもっていけばいいため、100mのスタートのようにつま先で蹴る必要はありませんし、加速に余裕があるのでフラットで走ることの難易度もそれほど高くありません。
っていってもフラットに走るのは難しい。簡単なやり方は『足の裏が前から見えるように走る』ことです。
こうするとつま先が上がったトゥアップのフォームで走ることができ、結果的にフラットな接地ができます。幅跳びの助走では、力強いフラットなフォームを心がけましょう

そもそも普通に走れてる?

助走練習とか言う前に、普通に走れていますか?
素人じゃないのでそれなりのフォームで走れるようにはしておきましょう。
顎が上がっていたり、状態が反っていたり、腕を全く振っていなかったり、脚がめちゃくちゃ流れていた、妙にチョコチョコ走っていたりしませんか?
まずは普通に走れるようにしましょう。跳躍の技術はその後です。今の世の中、誰でもビデオが撮れるので自分の走りを録画してちゃんと観ましょう。自分でわからなければyoutubeとかツイッターとかに乗せればフォーム警察がチェックしてくれるはずです。

助走練習のバリエーション

具体的な助走練習のやりかたをご紹介。速く走る練習ではなく、助走技術の練習です。

ギャロップ

いわゆるギャロップ走と呼ばれるリズムで、幅跳びのリズムの基本となる動きです。
タターンタターンタターンというリズムで助走路を走ります。スピードは出ませんが、足の裏全体で地面を押していく感覚と、ブレーキングの少ない接地動作が身に尽きます。
タタタタターンタタタタターンというように、ギャロップの間に数歩普通の走りを混ぜて行くなど、リズムを変えることでバリエーションが増えます。
ギャロップがなにかわからないひとはドリル記事のなかにありますのでそっちで確認してください。

フローティング走

軽い接地でブレーキをかけない走りです。ある程度まで加速したら、そこから極力短い接地時間でブレーキをかけないようにして走ります。ここでもあくまでフラットで接地し、それでいてハイスピードを維持しましょう。
イメージは助走の中間疾走です。余裕を持って走って踏み切りの準備をしながらも高いスピードを維持するための練習です。これができるようになると助走が安定するだけでなく、助走スピードも上がります
ピットでやる場合はちょっと長めに距離を取って、8歩くらいで加速してそこから砂場までは軽い接地で走ります。

重心の上げ下げ

5~7割くらいの力感で走って、スピードを変えずに重心を上げたり下げたりする練習です。上半身はそのままで、下半身を使って重心を上下させるような感じ。
あくまでスピードを変えずに行うのがポイント。これは踏切りの準備動作に直接つながる動きで、これがスムーズに出来るようになると高い跳躍ができるようになります
基本的には腰を高くして走るフォームが良いフォームですが、幅跳びの場合は踏み切りに向けていったん重心を下げる必要がありますので、重心を上下させる感覚を磨きましょう。

マーク走

一番実際の助走に近い助走練習になります。
任意の位置にマークを置いてそれを踏んだり、等間隔で置いたマークに合わせてストライドを調整して走る練習です。
一番基本なのはマークを2つ置いて『加速』『維持』『踏み切り準備』の3段階に助走を分ける方法。これはほぼ全助走になりますので、試合に近い感覚の練習になります。
あとは10mくらいの加速区間の後に1.6mとかの等間隔でマークを10個くらい置いて走る方法。これではスピードが上がるにつれてだんだんとピッチを上げて走る感覚が身に付きます。最後の数歩分だけ幅を狭めれば踏み切り前のリズムアップの練習にもなります。
マークはちょっと狭目に置いた方が疲れにくくて良いような気がします。
また、マークを踏んでいるつもりでも外から見ると踏めていなかったりする場合もあるので、単純にマークを踏む練習も有効です。ストライドを自在にコントロールできるようになると跳躍の幅がひろがります。
幅跳びの助走はスプリントよりももっと一歩一歩をしっかり押して走る必要があります。マーク走をやることで一歩一歩を大切にして走れるようになるでしょう。

 

踏み切り練習とは?

幅跳びで一番大切な局面である踏み切り。どんなに速い助走をしても踏み切りが潰れれば5mしか飛べません。12秒台で走れればキッチリと踏み切るだけで6mを跳ぶことも可能です。
地味な練習なのでおろそかにしがちな踏み切り練習ですが、全ての練習のなかで最も優先度の高い練習です。
ちなみにリードレッグを上げてブロックをした姿勢はテレマーク姿勢と言います。スキージャンプの着地の時の形です。

踏み切り練習で大切な事

良い踏み切りとはどんな踏み切りなのかを考えて練習することが大切です。
自分の理想とする踏み切りをしっかりとイメージして、その動きができるように練習するのが踏み切り練習です。
踏み切り練習とは、踏み切り準備動作~跳び出してブロックするまでの動きの練習です。このうちのどこにスポットを当てるのかによってやることも変わります。下半身だけではなく上半身の使い方も変える必要があるため、練習の難易度はかなり高い
また、強度も高いため、むやみに跳び続けると疲労骨折などの原因にもなります。集中して少ない本数で効果を得られるように工夫して練習しましょう。

こんな感じでしっかり押し切る踏み切りができると理想的ですね。

踏み切りは3局面

これも<幅跳びのポイント>第1回:幅跳びで6m跳ぶ方法(踏切が大事編)で紹介しているので詳しいことは省略しますが、たった一瞬の踏み切りは接地ローリング跳び出しの局面は3つに分けられます。ただ頑張って踏み切るのではなく、3局面を意識することで精度の高い踏み切り動作を身に付けることが大切です。

必ずブロック!!

最初のうちは、どんなに小さい踏み切り動作であっても必ずブロックをするようにしましょう。ブロックというのは跳び出した後に体をバチっと固めること
このクセを付けないと、全助走でスピードが乗った状態ではすぐに着地に入ってしまって高い飛び出しが出来なくなります。また、足を巻いてしまうクセがつくと一生抜けません。

上半身もフル稼働

踏み切りは足に意識が行きがちですが、幅跳びは結局は重心の移動で、重心は上半身を使えないと上に跳ばせません。
上半身が開いてしまうと踏切の力が逃げてしまい体に伝わりません。本当は肩を入れるようにすると良いのですが、難しければ開かないようにだけ注意しましょう。跳んだ瞬間に後ろの手の肘が伸びているようだと上半身月変えていません。肘は90度に固定するくらいのつもりでいましょう。
上半身は前後ではなくてギュっと上下に動かすようにすると良いと思います。

踏み切り練習のバリエーション

具体的な助走練習のやりかたをご紹介。

基本的には短~中助走で

短い助走である程度のスピードを出して踏み切る練習で、全ての踏み切り練習の基本になります。スピードが遅いので意識がしやすく、怪我のリスクも減ります。
基本的に踏み切りの練習は全助走ではなくて短めの助走でやるようにしましょう
また、着地動作は基本的には行いません。踏み切り動作に集中する、ブロック動作を身に付けるためにもテレマーク姿勢で着地するようにしましょう。

踏み切り準備動作

良い踏み切りのための準備動作の練習です。ただ走って跳ぶだけでは良い跳躍は出来ません。準備動作はタンタターンのリズムを基本とします。
初めのうちは単純にリズムを作る練習から始めて、オートマチックでタンタターンができるようになってからは『重心を下げる』練習をしましょう。

連続踏み切り

ピットや直線を使って連続的に踏み切りを繰り返す練習です。
スピードはジョグぐらいで、タターンタタタタタターンタタタタターンみたいな感じで、軽く踏み切って走ってを繰り返します。
ブロックの手前までの接地~ローリングまでの間隔を鍛える練習になりますので、ブロックは一瞬だけ固めれば十分です。高く跳ぶのではなく地面からの反発で体が弾かれて浮き上がる感覚が得られれば成功です。
高く跳び上がるような意識はダメで、膝を伸ばした接地潰れないローリングだけで重心を浮かすように意識しましょう。

ローリング

私はずっとローリングって言っていますが、もしかするとローリングっていうのは一般的な呼び方じゃないのかもしれません。

接地してから足の裏を重心がグリンと移動する様子をローリングって言ってます。
幅跳びの踏み切りは膝を伸ばしてかかとから接地して、跳び出しまでできるだけ膝を曲げないようにするため、このローリングの感覚こそががブレーキをかけるかスピードで跳ぶかの調整方法です。
ローリングを固くすればブレーキが大きく高く跳び出せ、ローリングをスムーズにすればスピードが落ちずに速く跳び出せます。腰は高めに維持しましょう。
で、この感覚を磨くのがローリングの練習。早歩きくらいのスピードで膝を伸ばして接地し、グリっとやったらまた歩くを繰り返します
ブレーキをかけたりスムーズにやったりといろんな感覚でやることで、実際の踏み切りの感覚が鍛えられます。

接地の練習

ローリングの練習と同じようなもので、早歩きで足を出すだけの練習ですが、特に接地~ローリングのはじまりまでを意識してやります。
つま先を上げて膝を伸ばしてかかとから頭までが一直線になるように接地をしますローリングで地面からの強烈な突き返しが頭までくればいい接地です。この感じの突き上げが全助走でも出来るようになれば踏み切りは完璧
膝、腰、首などでクッションしてしまっていると突き返しが頭まで伝わってきませんが、これは踏切で潰れるのと同じです。
接地はガツンといくのではなく、かかとをそっと置く感じでやれるようになるといいでしょう。しかし、足を伸ばしつつもそっと置くって言うのはかなり難しい。初めのうちはガツンと接地しても良いと思いますのでとにかく足や体曲げないことを大切に。
歩くスピードでこれが出来なければ走ったら絶対にできません。この動作が完璧に出来るようになるまではずっとこれをやっておいた方がいいくらいの練習です。
見た目的にはウォーキングのおばちゃんみたいな感じに見えるかも。腰は低い位置で接地して高いところまで移動させるようにすると良いかもしれません。

尻ジャンプ

踏み切り練習に含めていいのかわかりませんが、踏み切りに必要な上半身の動きを身に付けるための練習ですのでここで紹介します。
足を伸ばして地面に座って、その場でジャンプするだけ!!
出来ない人も結構います。
ポイントは背筋を伸ばして上半身を一気に中心に寄せながら肩をギュっとすぼめること。鎖骨をあごに当てるくらいな感じでギュっとやるとお尻が浮きます。
お尻の収縮で浮くのではなく、上半身のギュっで上げられるようになると良いと思います。この上半身の動きは踏み切りでの動きと同じです

跳び出しの練習

ロイター板やボックスを使って踏み切る練習がこれです。接地はあまり意識せず、跳び出しを意識して踏み切る練習です。地面を押しきる跳躍を意識して踏み切りましょう。
地面を押す感覚が足りないと、足を巻いてしまって高く跳ぶことができなくなります。
ロイター板などを使うと跳躍が高くなりますので、全助走で跳んだときのような浮遊感が出ます。ここでブロックができるようになれば全助走で跳んでもブロックできます
跳び出しの練習の際には、着地動作は入れずにテレマークで砂場に着地するのが普通です。
また、余裕がでてきたら重心を持ち上げる感覚も意識するようにしましょう。準備動作で下げた重心を斜め上に打ち出す感覚で跳び出せるようになると跳躍が高くなります。

 

着地練習とは?

走って跳んだら最後は着地が必要です。着地練習では着地動作の練習をすることももちろん大切なのですが、それと同時に空中での体の制御を習得しましょう。空中でバタバタしてしまうのはダメ。

着地練習で大切な事

何のための着地なのかを考えて練習しましょう。かっこよく着地したいからでもいいと思います。
どんな空中フォームで跳ぶにしても、踏み切りをしっかり行ったあとに動作をするのがポイントです。

着地は着地直前まで意識するな!!

跳び出した後すぐに着地動作に入ろうとする選手がけっこういますが、着地動作に入るのは頂点を過ぎてからにしましょう。頂点まではグーっとブロック動作で耐えて、頂点を過ぎて落下し始めてから反ったりはさんだりするくらいの意識です
反り跳びで言えば、反りながら跳ぶのではなくて跳んでから反る。これ大事。
着地を意識しながら跳ぶと絶対に跳躍は低くなります。着地動作はオートマチックで勝手にできるので、意識は踏み切りと跳び出しに集中した方が跳べます。

反り跳びか?はさみ跳びか?

6mを目指す選手の多くは反り跳びかはさみ跳びでしょう。正直どっちでもいいと思います。私は6m80くらいまでは反り跳びでしたが、かっこよく跳びたいのではさみ跳びに変えました。フォームを変えても跳躍距離に変化は無いように思います
反り跳びとかはさみ跳びの跳び方はそのうちまとめようと思います。
個人的にはメンコフ選手の地味なフォームが6mレベルのジャンパーには理想的なんじゃないかと思っています。地味ですが。

前方回転力だ!!

前方回転力なんです。
着地動作を全くしないと空中で前転して頭から砂場に刺さるような回転する力が働きます。これを前方回転力と言います。
スタントで車がジャンプをすると必ず前から着地するのもこの前方回転力だと思って下さい。映画『スピード』でバスが跳ぶシーンではなぜか前輪が浮かび上がるので笑えます。
空中動作はこの前方回転力を打ち消すために行う動作ですので、前方回転力を感じない程度の5mくらいの跳躍であれば不要です。本当は6mくらいまでならかがみ跳びでも十分です。

とりあえずお尻で着地しよう

反ろうがはさもうがかがもうが、足で着地したらダメです。
なんだっていいからとにかくお尻で着地できるように練習をして下さい。それだけを意識すればあとはなんだったいいです。
前の方に足を投げ出して足から着地するやり方はハイレベルですし6mなら必要ありませんので、そんなこと練習する時間があるならバウンディングでもやったほうが良いと思います。

着地練習のバリエーション

一応着地練習にもいろいろあります。シャカリキにならずに、踏み切り練習で跳び出した後にどうせ着地するならくらいの感覚で楽しんで練習すると良いと思います。

マットに着地

高跳び用のマットなんかに着地する方法です。低い場所から高いところに着地するため、自然と足を前に投げ出すフォームが取れます。高跳びの練習が長そうだったら合間を見てこれを補強でやっておくと着地がうまくなります。

鉄棒に飛びつく

2m50くらいある高い鉄棒が学校にはありますので、それに飛びつきます。このとき、足は4の字というか跳び出した時のブロックを維持するようにしましょう。
特に反り跳びはこのぶら下がり姿勢が肝になりますので、鉄棒に飛びついてブラーんと振られる練習をするとうまくできるようになります。

足を思いっきり投げ出す

砂場に向かって跳び出した後、着地ギリギリのところで両足を思いっきり前に投げ出します。意外と難しいと思いますが、これが着地の基本です。これができなければ反ってもバタバタしても無駄です。
ポイントとしては、投げ出すのが速いと足が砂場に刺さって前のめりにつんのめります。これはダメ。ギリギリまで粘って、いっきり投げ出すようにしましょう。
膝を伸ばすと刺さってしまうようであればちょっと曲げてもいいです。とにかくお尻から付きましょう。

こういう姿勢でお尻から着地できるようになればオッケー。つんのめるのはダメ。

 
 
 
 
 
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全体練習とは?

総合練習のことです。助走から踏み切って着地まで、一回の跳躍で最初から最後まで全部を行います。全助走で跳ぶことが多いですが、中助走でもいいと思います。
総合練習なのでこれができれば幅跳びが出来ると言ってもいい練習なのですが、とにかく疲れる。ポイントを絞れないので「ああ、今あれやるの忘れてた…」ってことがけっこう起こります。

全体練習で大切な事

あくまで練習は練習です。全体練習では跳躍の確認が基本的な目的であって、練習で遠くまで跳ぶこと自体はそれほど重要ではありません。自分が目指す跳躍が形になっているかどうかを確認する為の練習が全体練習です。

不思議と試合の8割くらいしか跳べないぞ

なぜだか分りませんが、6mのベストを持つ選手でも練習ではどんなに頑張っても5m80しか跳べなかったりします。7mジャンパーが練習でバッチリはまっても6m80くらいってこともあります。なぜだろう?
アドレナリンとか色々あるんだともいますが、練習の集中と試合の集中は丸っきり別物です。

助走距離は当てにならない

練習での助走距離は試合とは違います。これも不思議で、やっぱり試合の方が速く走れるんでしょうね。
考え方は2つあって、『試合も練習通りにやる』と考えるのも良いとは思いますが、『試合は練習よりも動く』と思っておいた方が良いかもしれません。サッカーなんかでは練習で出来ないことは試合でも出来ないって言われますが、陸上の場合は試合と練習のスピードは全然別物です。
練習で助走距離を詰めすぎると試合で合わずにパニクって終わります

全体練習のバリエーション

バリエーションもなにもありません。

全助走か中助走か

全助走でやれば助走もチェックできますが、1本跳んだら5分は休憩が必要です。疲れた状態でいっぱい跳んでも無駄です。
中助走であれば本数は出来ますが、全体の流れは掴めません。
基本的には、練習をいろいろやった最後に2本くらいだけ全助走で跳んでみるっていうのが良いのではないかと思います。
その日にやったことを跳躍に落とし込むイメージです。

全体の流れをチェック!!

ビデオに撮って跳躍をチェックしましょう。
助走のスピードの上げ方は適切か?準備動作はとれているか?踏み切りは潰れていないか?跳び出しでブロックできているか?空中動作はかっこいいか?着地は足が前に出ているか?
全体を繋げて自分のイメージと齟齬がないかチェックしましょう。

 

 

 

 

 

さすがに長いな…
文字多いので太字以外読みとばしても良いと思いますが、5m50くらい跳べていて基礎がある程度出来ている選手なら、ここまで書いたことだけやっておけば6m跳べると思います。
が、もうちょっと書こう…

 

 

 

フィジカルトレーニングも大事!!

ここまで紹介してきた練習はいわゆる技術練習です。ここからはフィジカル系のトレーニングを紹介します。
幅跳びは基本的にはスプリントと同じレベルのフィジカルが必要ですが、特にバネが必要になってきます。
ここではバネを鍛えるトレーニングを中心に紹介します。

跳躍選手はとにかく跳べ!!

走ったって跳べるようになりません。跳びまくっていれば跳べるようになります。一般人と格が違うレベルになるまで跳びまくってこそ跳躍選手です。跳躍選手であれば、跳躍系のトレーニングで他のスポーツの選手には絶対に負けてはいけません。

ハードルジャンプ

ハードルジャンプはジャンプトレーニングの基本です。いろいろありますが、ハイハードルで出来るくらいのジャンプ力を身に付けましょう。
一番基本は、ハードルを等間隔に並べて両足の連続ジャンプで5台くらい跳ぶ方法。これはスプリント選手のトレーニングでもよく行われるものです。跳躍選手ならハイハードルでも余裕で跳んでおきたい
また、棒を付けてさらに高くしたハードルを片足跳びで跳ぶ練習も有効。ハイジャンの選手なんかはよくやっています。

 

垂直跳び

跳躍のトップ選手やプロバスケ選手は70cm跳ぶそうです。陸上に必要な『伸脚バネ』ではなく『伸展バネ』を使う垂直跳びですが、基礎的なジャンプ力や上半身の使い方など、ジャンプの基本が詰まった練習です。
バスケのダンクができたり、ラグビーのポールにタッチ出来るくらいのジャンプ力が身に付けば7mも遠くない。

 

ボックスジャンプ

最近フィットネス界でも人気があるボックスジャンプ。跳躍選手であれば誰よりも高く跳びたいところ。
高く跳ぶだけじゃなくて、ボックスを何個か置いて連続で跳べばプラオメトリクス系トレーニングとして最高の練習になります。ボックスジャンプと聞いて血が騒げばもうあなたは跳躍選手。

 

立ち五段跳び

ジャンプ系トレーニングの基本が詰まった立ち五段跳び。ピットから砂場に向かって行い、最後は着地までやりましょう。
やり方はいろいろありますが、個人的にオススメなのはパワーをかけまくるやりかた。接地しそうなところからあと1足分先に接地して、思いっきり乗り込んで跳びます。こうすると接地時間は長くなりがちですが、潰れずにバネが使えて上半身も稼動させるようなハイパワーなバウンディングができるようになります。これで15mくらい跳べれば三段とびでも14mくらいは跳べる気がします。
もちろん、短い接地で跳んでいくやりかたもありますので、跳躍距離にこだわりすぎずに自分の目指す跳躍を考えて跳びましょう。ちなみに私はダブルアームでやっています。
15mくらい跳べると理想的ですが、最低でも13mは跳べるようにがんばりましょう。最低限の脚力さえあれば、ボディバランスで13mは跳べるようになります。

 

強靭な背筋が必要だ!!

中学生ならまだ筋力は気にしなくていいと思います。
跳躍種目に必要な筋力は脚力、背筋力、体幹でしょう。脚力はバネなので跳んで付けましょう。体幹も跳んでりゃつきます。
問題は背筋です。背筋力は踏み切りでかかる衝撃を背筋が受け止めて弾くことで体が浮き上がるので、跳躍選手に最も必要な筋力かもしれません。その衝撃は体重の15倍とも。
つまり、自重トレーニングなんかじゃ負荷が足りません。ウエイト入れましょう。

軽めのデッドリフトが有効

バーベルを使ってデッドリフトをするのが一番手っ取り早く背筋に刺激が入ります。
必ずしも重たいウエイトを入れる必要はありません。グッと力を入れて上がる程度、40キロ程度で十分です。重くても100キロくらいでいいと思います。
背筋~ハムストリングスまで、体の裏側の筋力を総合的に鍛えることが出来ます。ベルトを巻いて腹圧をかけるなど、腰へのケアは必須です。無理せず軽いのでやりましょう。

クリーンがベスト

これもバーベルを使った種目で、地面あるいは膝くらいにあるバーベルをポイっと肩まで挙げるトレーニングです。
これも軽い重さで、瞬間的に挙げるようにしましょう。陸上の動きに一番近いウエイトトレーニングかもしれません。多くの選手が取り入れており、大学生では定番のメニューだと思われます。
単純に筋力がつくだけでなく、体全体のバネを使う動きを習得することも出来ます。そのため、軽い重量で十分です。

踏切で潰れない脚が必要

脚力は跳んで鍛えろと言うものの、踏み切りで膝が曲がってしまうような脚力ではダメ。
前モモの四頭筋を鍛えておくと踏み切りのガッチリ感がでます。
ただし、これは通称ブレーキ筋とも呼ばれるもので、スプリントには悪影響を与えることもありますので極端に鍛えすぎるのはダメ。バランス良く鍛えましょう。

脚はやっぱりスクワットだ

スクワットをすると前も後ろも大腿(モモ)を鍛えることが出来ます。膝を出し気味にすれば特に前モモに効果的。
深くしゃがみすぎると膝を痛めるので、浅めで切返しを意識したスクワットをすると跳躍につながりやすくなります。軽めのウエイトを乗せてやるとより効果が実感できると思いますが、腰には気を付けましょう。

 

そもそも幅跳び以前にちゃんとやっておくべきこと

専門的なことをやるまえにちゃんとやっておくことあるんじゃない?

なんでもいいから踏み切れ!!

踏み切らない選手っていうのが結構います。中学の市民大会なんかだと半分以上が踏み切っていません。踏切板から大股で跳んでるだけ。桐生選手が6m80を跳んだことがありますが、あれは踏み切っていません。踏み切らなくてもそれなりに跳べることは跳べるんですが、それじゃあダメ。
ぴょーんって跳んでる?走って来てバーンって跳ぶのは踏み切ってないんだよ!!
ぴょーんって跳べるようになって初めて幅跳びです。

顎引け!!反るな!!脚流すな!!

顎、出すぎじゃない?
背中、反りすぎじゃない?
脚、流れすぎじゃない?
技術の前に極端なフォームは治しましょう。それは個性ではなくて悪い癖です。個性がでてくるのは一定のラインを越えてから。

筋力ある?体力ある?

幅跳びが専門でも1500mは5分台では走って下さい。基礎体力っていうのはどんな競技をやるにしたって必要です。幅跳び選手だからって技術練習ばっかりやっていたらだめ。

スパイク買えば?

6mを跳ぶ最も簡単な方法は幅跳用スパイクを買う事です
5m50跳べるなら幅スパを履けばそのまんまでたぶん6m跳べます。練習するよりスパイク買った方が早いっス。

長かった。
とりあえず通常の練習についてはこんな感じで良いと思います。長くなったので冬季練習とか、試合前の練習とかそういうところはまた別の機会に…






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