【スパイクレビュー】ジオスプリント、ジオサイレンサー、ジオストリーク、ジオバーサスの違いはどこにあるのか?

ジオシリーズの違い

ミズノの中級モデルであるジオシリーズには2019年現在短距離モデルが5つラインナップされています。

短距離向けのスプリントサイレンサー
中距離向けのトリークスプラッシュ
初心者向けのバーサス

5つのモデルの内、中距離用のスプラッシュは明らかに見た目が違うのですが、それ以外のスプリントサイレンサーストリークバーサスの4つのモデルは違いが非常に分かりにくいと思います。
特にジオサイレンサーとジオバーサスなんて見た目も一緒。

今回は
ジオシリーズはどこがどう違うのか
初心者が選ぶときにどこの違いをみて選べばいいのか
を中心に、初めてジオシリーズを選ぶときに見た方が良いポイントをご紹介します。

 

 

 

 

ジオシリーズとは?

ミズノのラインナップには
上級者向けの『クロノシリーズ』
中級者向けの『ジオシリーズ』
初心者向けの『シティウスシリーズ』『ブレイブシリーズ』
の4つのシリーズがあります。

ジオシリーズはミズノのスパイクのなかで主に中高生をターゲットにしたラインナップ群です。つまり、部活で陸上競技をやっている選手をメインターゲットとして開発されたスパイク。

今回は、このジオシリーズについて詳しく見ていきます。

ジオシリーズの歴史

正直昔のことは知りません。
調べればわかるのでしょうが調べるほどの事でもないので私の知りうる範囲でのジオシリーズの変遷についてご紹介します。
記憶によるものなので正確性は低いかも。

全盛は4モデル時代

私の知る限りの一番古いジオは『ジオスパーク』と『ジオコーチ』という2モデルです。
もっと古いのがあるのかもしれませんが知りません。
ジオスパークはかかとの丸いランドソールで短距離向け、ジオスコーチはかかとの平たいフラットソールでロングスプリントまで対応といった感じで、対応種目がわかれていました。
ピン配置は3-4の2列タイプで、支え台と言われる突起が付いていたのが特徴です。

そしてジオシリーズは4モデルに進化します。たぶん2005年前後。

  1. 短距離に特化した『ジオスパーク』
  2. 400mにも対応した『ジオサイレンサー』
  3. フラットソールで中距離まで対応した『ジオスナイパ―』
  4. 中距離モデルの『ジオスプラッシュ

ジオスプラッシュは中距離向けなので無視します。
ジオスパークは以前からあったものでプレートも継続して使用されていましたが、アッパーをマジックテープに変更したことで不人気モデルとなってしまいました。

実は、今ではロングスプリント向けのサイレンサーはもともとはもっと短い距離を想定していたモデルだったのです。

ジオスパークが自滅したので、短距離向けは実質的にサイレンサーとスナイパ―の2モデルとなります。
サイレンサースナイパ―は新設計の3列プレートとスケルトンアッパーを組み合わせたことにより大ブレイク。軽量でありながら適度な反発があるバランスの良いスパイクです。

この旧プレートは今でもミズノのオーダースパイクであるスペクトラで『グリップタイプ』として選ぶことが出来ます。
また、このプレートとクロノインクスのアッパーを組み合わせたいわゆる『インクスサイレンサー』と『インクススプリント』はいまだに超一級の人気とトップ選手からの支持を得ており、インターハイの400mなんかではこのプレートを履いている選手が非常に多い。

硬いスパイクが増えた今では軟らかい部類のプレートになりますが、日本の陸上スパイクの歴史において最も支持のあるプレートと言って過言ではないでしょう。
ジオシリーズが復権するならばこのプレートに代わる新プレートの開発が必要不可欠。

このプレートを採用していた時代はジオシリーズが最も人気のあった時代だと思います。

迷走して落ちぶれたマッハ時代のジオシリーズ

時代の変わり目には必ず駄作スパイクが出て来ます。
なかでもぜんぜんだめだったのがジオマッハ。異論は無いと思います。

末續慎吾のピークと共にピークを迎えたミズノはポスト末續の時代に大迷走を始めます。

まず、それまで人気だったジオサイレンサーのプレートを謎のグニャグニャプレートに変更し、さらにはジオスパークであれほど不評だったマジックテープ式を採用してジオサイレンサーの人気を地に落とします。

そして末續モデルの市販品としてあのジオマッハを発売してしまうのです。
発売前にはあの末續選手が履いている『プレートが短くカットされてフラット構造になっている特注スパイク』をついに市販してくれるのかと心躍ったものです。

本物の末續モデルはこちら

かっこいい…

実際に出てきたモデルは反発のないただただ平たいだけのスパイクでした。
まあ、末續選手の本物のスパイクはカーボンが入ってるでしょうから、形だけ真似してもダメですよね。

そんな感じで、ミズノ自体も暗黒期に入ってクロノインクスですら迷走してベルト式になったりしていました。
2010年前後はジオシリーズ暗黒期と言えるでしょう。

ジオサイクロンがなぜかジオの仲間入り

暗黒期末期の迷走です。
ジオシリーズの最下位モデルに『ジオサイクロン』というモデルが出て来ました。
今のジオバーサスの先祖です。
実質的にはかつて土兼用モデルとしてラインナップされていた『シティウススプリント』の後継モデルで、他のジオシリーズと比べて明らかにスペックが劣るスパイク。

それまでは中~上級者向けモデルであったジオシリーズになぜか初心者モデルが仲間入り
ミズノがシティウスシリーズを整理した時になぜかジオシリーズに繰り上げられたのですが、なぜこれをジオシリーズにしたかちょっと理解できません。

現在の短距離ジオシリーズは4モデル

スプラッシュは毛色が違うので無視します。

現在のジオシリーズは
ジオスプリント
ジオサイレンサー
ジオストリーク
ジオバーサス
の4つがラインナップされています。

  1. 短距離向けで硬いプレートのジオスプリント
  2. オールマイティーで軟らかいジオサイレンサー
  3. 長い距離で使えるグリップ重視のジオストリーク
  4. オールマイティーな下位モデルのジオバーサス

駄作ジオマッハはあっと言う間に廃盤になりましたが、短距離じゃ全然使い物にならなかったマッハプレートはグリップがあってフラットであるため、中距離向けとしてストリークに流用されています

ジオシリーズの対応距離

中級者向けのジオシリーズは基本的に短距離ならどれでも使えます
黒い棒が適正の高い種目、白い棒が対応している種目です。
ジオストリークでも元々は短距離用のマッハプレートを使っているので200mを走れない事はありませんが、物足りないと思います。
ジオバーサスはどれにでも使えますが、どれで使っても物足りないと思う。

 

 

 

ジオシリーズ4モデルを紹介

ジオシリーズを比較します。
メーカーのチャートではジオスプリントとジオサイレンサーは同じ適正距離になっているため、この2つの違いって初心者だと分からないと思います。
あるいはジオバーサスとの違いも分からないはず。
ぞれぞれを比較して検討出来るようにご紹介します。

ジオスプリント

ショートスプリント向けのジオで、2019年現在の現行モデルはジオスプリント4です。
メーカーの文句は『反発力にこだわった!脚力自慢のパワースプリンターへ。つま先接地向け』
反発性を高めているものの、スポンジもしっかりしているのでスプリント種目全般に使える。

 
[ミズノ]ジオスプリント4

特徴

硬いプレートが最大の特徴
ジオシリーズの中では脚力のあるスプリンター向けスパイクってことになっていて、高反発モデルという位置づけ。
傾斜が強くてプレートが硬いというスプリントスパイクの要素をしっかりとトレースしているため、今履いているスパイクに物足りなさを感じたならこのスパイクに変えてみるといいかもしれない。

硬いとは言うものの、まだ体の出来上がっていない選手を意識した設計も多くみられる。
ピンは安定性とスムーズな重心移動のできる
2-2-48本ピンで、プレートの硬さに反してスパイク全体としては安定方向に振ってある。

メーカーはつま先接地を謳っているが、本当のつま先接地向けであるアディダスなんかのスパイクと比べるとぜんぜん生ぬるいのでフラット接地でも全く問題無く使えるでしょう。
ハードルでの使用も想定されており、かかとはクッション性が高く出来ている。

良いところ

硬いスパイクでありながらクセがない
ショートスプリント向けのモデルではあるものの、クッションもそれなりに厚いので上級者向けのような負担はなく使えるのがこのスパイクのメリット。
ピン配置やプレートの感触、重心移動の感覚はオーソドックスで、これといって特別な走り方をする必要はない。
100m~400mまでどの距離で使っても不満は出ない汎用性の高いモデルといえる。
硬いとは言っても上級者向けに比べればたいした硬さではないため、ある程度体重がある選手であれば13秒台でもぜんぜん使えるはず。

悪いところ

中途半端でショートスプリント向けとしては攻撃力が低い
反発はあるものの、クッションがそれを邪魔している。
ショートスプリントに特化したモデルが欲しい人にはスポンジが邪魔だし、スポンジが欲しい人にはプレートが硬い。
硬いわりにスポンジのせいで反発が得にくいのは残念なポイント。もっと反発に特化したモデルであればよかったのに。

総評

硬めのスパイクが好きならこれがオススメ
男子でも11秒中盤まではこのスパイクで不満はないだろうし、女子であれば硬さに不満が出ることはまずないはず。
上級者向けまでは手が出ないという人にはこのスパイクを選ぶのもいいと思われます。
ショートスプリント向けではあるものの、ロングスプリントでも全然使えるので、専門種目にかかわらずこれを買って失敗するということはないはず。

ただ、短短特化モデルとしてはクッションが邪魔
本当はクロノインクスの替えピンバージョンを出してもらいたいところ。

 

ジオサイレンサー

ロングスプリント向けのジオで、2019年現在の現行モデルはジオサイレンサー10です。
かつてはショートスプリント向けだったサイレンサーですが、ジオスプリントの誕生によってグニャグニャスパイクになりました。
適正距離も伸び、かつてのジオスナイパーくらいの位置付けです。
メーカーの文句は
『キレのあるスタートダッシュやコーナーリングを生み出す柔軟性を追求!フラット接地向け』

 
[ミズノ]ジオサイレンサー10

特徴

とにかくプレートが軟らかい
ジオスプリントと差別化を図るためなのか、極端に軟らかく作られています。
軟らかいということは負担か少ないと言うことで、中学生や女子高生が履いてもスパイク負けするようなことはないはず。

使いやすいスパイクが欲しいならこのスパイクが筆頭候補だと思います。
ジオスプリントと対照的に、軟らかくてフラットな構造をしているため、チャートだけではジオスプリントと同じように思えても実際には対極にあるスパイクといえる特性を持っています。
男子選手が100mで使うには軟らかすぎるものの、コーナーリングはしやすいので200mでも活躍できるスパイクと言えそう。
9本ピンだけどそのうち6本が固定ピンで取替え式は3本だけ。刺さりやすくて抜けやすいためそれほど力をかけずに走る事が出来るのも特徴。
クッションが強く、ピン配置と相まって安定性はバツグン。

良いところ

とにかく軟らかくて優しいスパイクです。
安定性に全振りした設計で、誰が履こうとも負担なく使う事が出来ると思います。
リラックスしてロングスプリントを走りきる事ができるので、走力に自信がない人でもしっかりフォローしてくれる。
女子の400m選手にはピッタリだと思う。

悪いところ

スプリントスパイクとしては軟らかすぎる
反発は期待できないのでパワーのあるスプリンターには対応できない。
フラット接地向けとは言うものの、裏を返せばスパイクが走らせてくれる感じはほとんどないので頑張らないと速く走れないスパイクの一つ。
今どきのスパイクとしてはピンが多すぎるので、軟らかいわりにピンによる負荷がある気もする。どうせ3本しか固定ピンをつけないのであれば、思い切って5本ピンとかにしたほうが良かったのではないだろうか?
サイレンサーの本来の立ち位置は、短距離で使える反発がありながらもクッションのあるモデルだったはずだが、反発を捨てたせいで迷走している感がある。

総評

軟らかいスパイクが好きな人にはオススメ
女子選手であればこれくらいの硬さの方がが無難に使えるので、100mに特化した人でなければこれを買って失敗することは無いはず。
男子選手には軟らかいと思う。
ジオスプリントとの対立構造をつくるために無理に軟らかくし過ぎている感じがするので、やわらかさはストリークにまかせてサイレンサーではもっとスパイク本来の適度な反発を出して欲しいところ。

 

ジオストリーク

ロングスプリントから800mまで使えるジオで、2019年現在の現行モデルはジオストリーク4です。メーカーの文句は『ラスト勝負で競り勝つ為の、こだわりのスピード設計。中距離モデル』

 
[ミズノ] ジオストリーク 4

特徴

ジオマッハのプレートにフラットなソールを組み合わせた800m向けモデル。反発の少なさが短距離では致命的なマッハでしたが、中距離用としては踏み易くて負担が軽いことからうまい事800m用として生き残りました。
もともとは短距離用だったプレートなので、スピードを出そうと思えば出る設計。400m系の中距離選手のスピード感にも対応しています。

良いところ

800m特化スパイクであること。短距離用を無理して800mで使うと脚にきついし、長距離用ではスピードが出せないという微妙な距離に対応している珍しいスパイク。
反発は少ないもののグリップはあるので400mでも使える。

悪いところ

短距離で使えない。

総評

短距離用を検討していてストリークで迷う人はいないと思います。

 

ジオバーサス

初心者向けのジオ
これもスプリントとサイレンサーと同じくメーカーのチャートでは100~400mHまで対応となっている。
サイレンサーとバーサスはアッパーはそっくりだしプレートは見た感じだと同じで微妙にソールが厚いだけなので違いが全然わからないと言う人も多いはず。
2019年現在の現行モデルはジオバーサス2です。
メーカーの文句は
『初めてのオールウェザー専用スパイクに選んでほしい!柔軟&クッション性モデル』

一見するとジオサイレンサーとそっくりですが、イメージとしてはこちらはジオサイレンサーの廉価モデルです。

 

 
[ミズノ]ジオバーサス 2

特徴

初心者が初めて買うオールウェザー専用モデルとしてメーカーが位置づけているモデルで、つまりは初心者用。
パッと見はジオサイレンサーと同じですが、その違いは全体の分厚さ。
ジオサイレンサーよりもジオバーサスのほうが全体に分厚く出来ています。
実測ではジオサイレンサーと5g程度しか変わらないのですが、足入れは別物。バーサスは比較的ゆるく出来ています。
初心者が履いても足への負担が少ないように設計されているため、初心者でスパイク選びに迷っていると言う人にはオススメ。
一方で、筋力がある人が履くとかなり物足りないと思う。

良いところ

初心者用なのに軽い
初心者用のなかではある程度の走力であっても使えるモデルと言える。
あとジオサイレンサーよりちょっとだけ安い。
クッションが強烈なので速く走るには向かないけど、初心者がスパイクに慣れる為のモデルとしてはブレイブシリーズなどよりもちゃんとつくられているし、他のジオシリーズと同じような感覚で走れるので入門モデルとしては良く出来てる。
中学生用オールウェザー専用スパイクとして売ったらもっと売れそう。
シティウスシリーズなんか売るよりもこっちをちゃんと売った方がいいのではないだろうか?

悪いところ

ジオサイレンサーの下位互換。
安さ以外でサイレンサーに勝っている点はありません
サイレンサーでも十分すぎるクッションがあるにもかかわらず、さらに増やしたクッションは分厚すぎて走るには邪魔。
メーカー的には『軟らかくてクッション性の強い初心者でも安心のモデル』的な位置づけにしていますが、サイレンサーのクッションで負担を感じるのであればスパイクではなくランシューで走り込んだ方が良いレベルです。

総評

強烈なクッションが欲しいのであればオススメ
必要以上にクッションがあるのでこれでもクッションがたりないって言うならもう陸上に向いてません。

初心者が初めてのスパイクとして選ぶのにもオススメ。バーサスはスパイクとしての一定レベルの性能を持ちながらも脚への負担を最小限に抑えてくれるます。
ブレイブシリーズを買ってスパイクに慣れようと思っているならジオバーサスの方がいいと思います。

小学生や中学生が買うスパイクとしてはこれで十分だし、これだけクッションがあれば、うるさいコーチや保護者に文句を言われずに軽量スパイクデビューができると思います。

ただ、ある程度陸上を経験している人や高校生以上ならサイレンサーを買うべき
サイレンサーの方がスパイクとしては上だしクッションも十分以上ある。
練習用としてランシューレベルのクッション性をスパイクに求めるのであればベストチョイス。

 

ジオシリーズまとめ

4つあるジオですが、スプラッシュ意外の3つはチャート上はどれも同じ適正距離に分類されてしまっています。
ミズノはそういう宣伝が下手なので、自分で調べるかちゃんとしたショップで聞かないと間違ったシューズ選びをしてしまいかねません。
とにかく、

硬いのが欲しければ
スプリント

軟らかいのが欲しければ
サイレンサー

初心者なら
バーサス

サイレンサーとバーサスの違いは初心者用かどうかだと考えて問題ないです。
初心者用ってのは分厚くて耐久性を上げている代わりに速く走る能力が低くなってます。

 

 

 

ナイキのズームJAフライ3とアディダスのアクセラレータについてもレビューしています

 

2019年のスパイクラインナップについては別の記事でまとめています…

スパイク事情はこちら
2018年(ミズノアシックス
2017年(ミズノアシックスナイキアディダス
2016年(ミズノアシックスナイキアディダスその他
初心者(初心者のスパイク

ランニングシューズ事情はこちら
2019年(ミズノアシックス
2018年(ミズノ・アシックス
2017年(ミズノ・アシックス・海外メーカー
初心者(基礎編市民ランナー編陸上初心者編






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