【2019年版】男子100mの世界ランキングと注目選手をご紹介
陸上競技の花形である男子100m。
日本国内でも大いに盛り上がっているこの種目ですが、世界ではどういう状況なのでしょうか?
今回は、
男子100mの現状(2019年版)
をご紹介します。
更新:10/1世陸ドーハが終わった段階でのランキングをまとめました。
200mの2019年ランキングはこちら
400mの2019年ランキングはこちら
世陸ドーハの注目選手はこちらの記事でもご紹介しています
ドーハのエントリー選手と男女100mのみどころについてはこちら。
男子100mは群雄割拠の新時代!!
男子100mといって誰を思い浮かべるでしょうか?
カールルイス、モーリスグリーン、ウサインボルトなど、時代ごとに陸上に興味がなくても名前だけは知っていると言う選手がいるのが男子100mのすごいところ。
しかし、絶対王者ウサイン・ボルトの引退から2年。今誰が強いのかなんて知っている人はほぼいないと思います。陸上やっていても知らない人がほとんどではないでしょうか?
今、男子100mは新時代に突入するまさにその瞬間なのです。
2019年男子100m世界ランキング
まずは2019年の世界ランキングを見て下さい。
位 | 選手 | 国籍 | 記録 | 生年月日 | 記録日 |
1 | Christian COLEMAN クリスチャン・コールマン |
USA | 9.76 (+0.6) |
96.3/6 | 9/28 |
2 | Noah LYLES ノア・ライルス |
USA | 9.86 (+0.9) |
97.7/18 | 3/18 |
2 | Divine ODUDURU ディビネ・オドゥドゥル |
NGR | 9.86 (+0.8) |
96.10/7 | 6/7 |
4 | Justin GATLIN ジャスティン・ガトリン |
USA | 9.87 (-0.1) |
82.2/10 | 6/30 |
5 | Cravon GILLESPIE クラボン・ギルスピー |
USA | 9.93 (+0.8) |
96.7/31 | 6/7 |
6 | Akani SIMBINE アカニ・シンビネ |
RSA | 9.93 (+0.5) |
93.9/21 | 7/20 |
6 | Arthur CISSÉ アーサー・シセ |
CIV | 9.93 (+1.9) |
96.12/29 | 7/24 |
9 | Zharnel HUGHES ツァーネル・ヒューズ |
GBR | 9.95 (+0.5) |
95.7/13 | 7/20 |
10 | Yohan BLAKE ヨハン・ブレーク |
JAM | 9.96 (+0.4) |
89.12/26 | 6/21 |
10 | Aaron BROWN アーロン・ブラウン |
CAN | 9.96 (+1.7) |
92.3/27 | 7/26 |
10 | Raymond EKEVWO レイモンド・エケヴォ |
NGR | 9.96 (+1.6) |
99.3/23 | 8/27 |
13 | Reece PRESCOD リース・プレスコッド |
GBR | 9.97 (+0.9) |
96.2/29 | 3/18 |
13 | Abdul Hakim SANI BROWN サニブラウンアブデルハキーム |
JPN | 9.97 (+0.8) |
99.3/6 | 6/7 |
13 | Michael RODGERS マイク・ロジャース |
USA | 9.97 (+1.6) |
85.4/24 | 8/25 |
16 | Roberto SKYERS ロベルト・スカイヤーズ |
CUB | 9.98 (+1.0) |
91.11/12 | 2/22 |
16 | Mario BURKE マリオ・バーク |
BAR | 9.98 (+0.3) |
97/3/18 | 6/5 |
16 | 小池祐貴 | JPN | 9.98 (+0.5) |
95.3/13 | 7/20 |
19 | Isiah YOUNG イサイア・ヤング |
USA | 9.99 (+1.8) |
90.1/5 | 7/6 |
2019年10月1日付ランキング
アメリカ勢が調子いいのが良く分かると思います。逆にジャマイカ勢が全然ダメ。
見所と世陸への期待をいくつかご紹介します。
ポストボルトはどっちだ!? コールマンvsライルス
今回の世陸ドーハはボルトが引退して初めての大規模大会です。世陸ロンドンで引退したボルトの後釜が誰になるのか、この大会で優勝した選手が次世代の短距離ヒーローです。
その筆頭がランキング1.2位のふたりのアメリカ人選手。
クリスチャン・コールマン
と
ノア・ライルス
このふたりが、ポストボルト候補です。
コールマンはポストボルト筆頭。日本で言えば桐生選手と同学年です。
身長は175cmと小柄でずんぐりしたルックス。ボルトの引退試合である世陸ロンドンでガトリンに続く2着に入った選手で、PBは2018年にマークした9秒79。この記録は世界歴代7位タイで、モーリス・グリーンの記録と並んでいます。世代ナンバーワンの実力をもち、今シーズンはすでに9.81とPBに迫る速さを見せている。
室内60mでは2019年冬に6秒34の世界記録を樹立。前半が得意な選手と言えます。
初めて9秒台に入った2016年が9秒95、2017年が9秒82、2018年が9秒97と年次ベストもハイレベルで安定している。まだ23歳のため、この先10年近くトップ選手として君臨するであろう期待の若手。
ライルスはコールマンの1年年下(日本で言うと2学年下)にあたる若手。
身長180cmでスマートな見た目の選手で、200mを得意としており、19秒65の世界歴代8位タイのPBを持っている。後半が得意な選手と言えます。
このふたり、ハイレベルなのも面白いのですが、走りのタイプが全然違うのもまた見所です。
前半型で弾丸のような体のコールマンと、長身でグングン伸びるタイプのライルス。
全然タイプ違うこのふたり、直接対決ではおもしろいことに同タイムでした。それが2019年ダイヤモンドリーグ上海大会の100m。
超絶スタートダッシュを決めて前半で思いっきり抜け出したコールマンと、それにラスト30mで一気に追いつくライルス。
最近は前半型とか後半型とかそんなのは無いって言う人もいますが、このレースを観るとそれぞれの選手の個性が観られておもしろい。
アメリカには他にも有力選手が揃っていますが、この二人はドーハに出て来るはず。
どちらがどんなレースで勝つのか、追いかけていると楽しめると思います。
オドゥドゥルがすごい!!
テレビのニュースでも散々流れたサニブラウン選手の9秒97の映像がこちらです↓
当然ニュースではサニブラウン選手に注目しているのですが、このレースでぶっちぎって優勝しているのがテキサス大学のオドゥドゥル選手。前半から後半まで隙のない走りで全米学生選手権を制したこの選手は、アメリカ人ではなくナイジェリア人です。
今季劇的な成長を遂げた選手で、100m9秒86、200m19秒73というPBをマーク。200mはナイジェリア記録。
オドゥドゥルが勢いでいえば世界一。この勢いでいけば世陸優勝もあり得る?
ガトリンとブレークのベテランも強い!!
ガトリンが82年生まれ、ブレークが89年生まれ。
37歳のガトリンがまさかの9秒87で走っています。まあ、この人はドーピング歴があるので普通の選手と並べて比べるのもフェアじゃないんですが、それでも9秒87は信じられない。また薬やってんのか?
ブレークは9秒69の世界歴代2位タイの記録を持つ選手。今シーズンは9秒96でベストからするとちょっと物足りないものの、それでもこのタイム。ギリギリ29歳で迎える世界陸上のではどれだけの走りをするのだろうか。
この両ベテラン選手はまず代表に入れるのだろうか。負ければ引退も見える年齢だけに生き残りをかけた走りに注目。
サニブラウンもほんとうにすごい!!
9秒97の日本記録保持者であるサニブラウン選手は99年生まれの20歳。
9秒97っていうといまいちピンとこないというか、ボルトとかに比べると遅くすら感じるかもしれないですが、サニブラウン選手がこの記録を出したのが20歳3カ月のとき。
U20の世界最高記録はアメリカのブロメルが出した9秒97のため、3カ月違えばU20世界最高記録だったかもしれないとんでもない記録なんです。
9秒97は2017年ランキングで11位相当、2018年ランキングで15位相当の記録で、このレベルの選手は世界陸上の決勝レベルです。
ちなみに、U20世界最高のブロメル選手は2015年世陸北京(当時21歳)で3位、2016年リオ五輪(当時22歳)で8位になっています。サニブラウン選手もそれに匹敵する結果を出す可能性は十分にあります。
っとまあ、これが現状の100mの世界ランカーです。
日本選手権がおわったので今度は世界陸上に切り替えて行きましょう。
陸上は選手を知っているか知らないかで観戦のおもしろさがまるっきり違う競技です。いまのうちに色々情報収集しておくと世陸がたのしくなります。
世陸直前のランキングはこちらの記事で紹介しています
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