asics『ロングジャンププロ3』レビュー!!超フラットなスパイクはクセがあるけど高反発!!

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アシックスの幅跳びスパイクは大幅なモデルチェンジをおこなったものの、ネジ山の強度不足で回収となっていました。
そしてもろもろの問題を解消してやっとでてきたのが『ロングジャンププロ3』です。
このモデルは世界唯一の「フラットな幅跳びスパイク」で、スパイクにフラットさを求めるなら第一候補になるはず。

でも、最大の特徴である「フラット構造」は他のスパイクと感触が大きく違うから失敗したらいやだなぁ…
大丈夫!!管理人が人柱になって良いところ悪いところをチェックします!!

ってことで今回は
アシックス『ロングジャンププロ3』レビュー
をご紹介。

フラット+硬いプレートの組み合わせによってクセの強いモデルとなったロングジャンププロ3ですが、扱いやすさはどうなのか?
そして結局、フィールドジオLJと比べてどっちがいいのか!?

ロングジャンププロ3はクセはあるけどとりあえず買って損はないスパイクだ!!

 

 

ロングジャンププロ3はこんなスパイクだ!


まずはロングジャンププロ3(以下LJプロ3)の特徴をご紹介。
公式HPなんかではイマイチ分かりにくいところ管理人目線でみていきましょう。

「極端なフラット構造」は唯一無二の特徴


ここまで超フラットなソールは他にない!!!

これは一目瞭然なんですが、極端にフラットなソール形状がLJプロ3最大の特徴でしょう。
「フラットなスパイクがほしい」ということなら一瞬も迷うことなく買うべき。
他メーカーも幅跳び用スパイクはどれもけっこうフラットなので中足部あたりは他モデルでもこんなもんなのですが、LJプロ3は「前足部の反り上がり」がほぼない!!
裸足よりフラットじゃね?ってくらいフラットです。
前足部の先までフラットになっている幅スパはLJプロ3だけで、良くも悪くもこれがLJプロ3の性格を決めています。
この「極端なフラット形状」が合うか合わないかで評価も変わるでしょう。
詳しいことは後述するのですが、「フラットだから足裏全体で…」という単純なものではなく、かなりクセがある特性のスパイクになっています。

ピンレス「風」の8本ピン


ピンは後列4本の8本ピンで、まあ普通です。配置的には1-3-4かな?
旧型(LJプロ1)は小指側にもう1本あって9本でしたので1本減ってはいますが、だからどうということもありません。
ピンの特徴としては…
メタスプリント風の凹凸がある!!
ピンレスであるメタスプリントは六角形の凹凸によってグリップしているのですが、LJプロ3もそれっぽい凹凸が一応あります。まあ、これがグリップに寄与するとは思えませんのでデザインでしょう。
ちなみに9mmではなく8mmが標準装着されています。その分だけ突き上げは少ないです。
実際のピンの感触は、他メーカーの幅スパと同じく前ではなく上に跳ねる感じで、幅スパとして特に変わった感じはありません。普通。

 

ソール(かかと)の厚さがかなりある!!


アウトソールは実測で約1.5cmもある!!

ソールに関する特徴は「フラット」だけではありません…
LJプロ3のアウトソールは実測で1.5cmとかなり分厚い!
ナイキの「zoomLJ」、ミズノの「フィールドジオLJ」はかかとのクッションが1cmくらいなので1.5倍くらいの厚みになります。履いた感じでも厚さを感じて、ちょっと背が高くなる感じ。跳躍は重心が高いほど有利なので1cm高ければ記録も微妙に良くなるはず?

最新のルール的には「かかと部分のほうが前足部よりも厚くなっている」必要があるのですが、実際には他メーカーのスパイクはピンの突き上げによって「前上がり気味」になっていて、助走のスピードを踏み切りで上方向に変えて跳びやすくなっています。
しかし、フラットであるはずのLJプロ3は意外にも
このかかと部分の厚みによっても前下がりの「ドロップ」を一番感じます
これも詳しくは後述しますが、他の幅スパより助走でスピード感が出やすいぞ!

ちなみに…
実際のドロップが何mmかは知りませんが、前足部のアウトソールの実測はクッション約1cmでプレートのネジ山まで含めると2cm弱くらいでした↓

 

「クッション」はかなり硬くて全然クッションしない!!


アディダスの「アディゼロLJ」はさらに厚い驚きの約2cm!!

「クッション」は厚みこそあるのですが…
LJプロの分厚い黒いクッションはかなり硬い!!
LJプロ3のクッションは非常に硬くてほとんどクッションしません。スポンジなのにとっても硬い。
管理人はフィールドジオLJの薄いかかとで育ったのでLJプロ3の厚いクッションには結構不安がありました。しかし、実際に履いてみると安定性』という点ではクッションによるデメリットは感じません。

分厚い幅跳び用スパイクといえば「アディゼロLJ」で、アディダスの厚みはLJプロ3を上回る約2cm。このアディダスの分厚いクッションは見た目の通り軟らかさで、一瞬沈み込む感じがあるためわりと不安定です。
それに対して、アシックスのクッションはかなり硬い素材のため沈み込みはほとんどありません
そのため、厚いクッションのせいでブレるのでは?という心配はほぼいらない!!
厚み自体はあるので踏み切りではLJプロ3特有の独特な感覚はありますが、クッションのせいでどうこうというデメリットは感じません。さすがアシックス!

 

 

プレートの「硬さ」は最強クラス!


プレート自体はちょっと長め。

見た目でわからないのですが…
LJプロ3のプレートはビックリするほど硬い!!
実際に履くとフラット形状や分厚いソールと並ぶかむしろそれよりも気になるのが『プレートの硬さ』です。
幅跳びスパイクはスプリントスパイクと比べるとどれもかなり硬いのですが、そのなかで比べてもLJプロ3はかなり硬い。購入の際には要チェックなポイントです。
最近は海外スパイクが普及によって硬いスパイクに慣れている人も多いと思いますが、LJプロ3の硬さは間違いなく最強クラスです!
曲がりにくいっていうよりもプレート全体が硬い感じで、前から後ろまで全部硬い。

LJプロ3は「硬いプレート+フラットソール」の組み合わせによって強烈な反発を生みだすという特性のスパイクで、うまく乗り込めば足をバツンバツン弾き返してくれるのでスパイクに反発を求める人にはかなり嬉しい硬さでしょう。
一方で、反発が強すぎたりプレートが硬すぎると感じる人も多いはず。これは高反発なモデルならある程度はしょうがない部分で、扱いやすいスパイクを求める人には合わないかも。
しかし、これまた詳しくは後述ですが、LJプロ3は硬いわりにはそこそこ扱いやすい印象ではあります。軟弱ではないけどハードコアすぎるわけではない。

 

「モノソック」アッパーの締め付けがかなりキツイ!!


モノソックデザインでホールドはかなり強い!

LJプロ3のアッパーは「HL-0メッシュ」が注目されがちですが…
モノソックデザインによる締め付けが合うか合わないかでこのスパイクを履けるかどうかが決まると言っても過言ではありません!!
HL-0メッシュなんてマニア以外には「なにそれ?」って感じだと思いますが、モノソックの部分は嫌でも気になります。足幅が広い人はそもそも足が入らないかも!?

モノソックデザインっていうのはいわゆる「シュータン一体構造」のことで、ベロの部分がアッパーと一体になっている「足袋(タビ)」のような構造のこと。
LJプロ3は伸縮性のある布(?)がかかとから中足部までをぐるっと包んでいる独特な2重構造アッパーになっていて、前足部以外は足に当たるのはHL-0メッシュではなくてモノソックの素材。
実質的にこのスパイクのフィット感を左右しているのはモノソックデザインです。

モノソックデザイン自体はニューバランス(以下NB)のスプリントスパイクもを採用していて、高いフィット感は管理人もお気に入り。ナイキなんかも一部モデルでは使っています。
【参考】NBスパイクのレビュー↓



で、アシックスのモノソックはどうなのか?っていうと…
締めつけが冗談みたいにキツイので要注意!!
LJプロ3は硬いプレートによる高反発を受け止めるためとはいえ、ここまでやる?ってくらいギューギューに締めつけています。履いているうちに伸びてきて緩くなるとは思うのですが…
足幅が広かったり甲高な人はかなりキツイっていうか、脱ぎ履きが面倒だと思います。

また、このモノソックは砂が入り込むのを防ぐ意味もあるらしいですが、どんなアッパーでも砂は異次元空間から進入してきますのでそこは無意味です。


HL-0メッシュのおかげ?指へのストレスはない!


アシックスユーザーにはおなじみのHL-0メッシュ

アッパーに関しては基本的にはモノソックの締めつけがトピックなのですが、それは中足部メインのお話。
前足部はHL-0メッシュが伸縮するおかげでちょうどいいフィット感をもっていてストレスがありません!!
つま先部分は樹脂で補強されているものの、HL-0メッシュのアッパーはかなり快適です。これはけっこう革命的っていうか、LJプロ3は前足部だけをみれば幅スパのなかで一番フィット感が良いと思います。
従来の幅跳びスパイクにおける前足部っていうのは硬くてガッチリしているのが普通で、跳躍を重ねると指の皮がむけたり爪が剥がれたりするのも珍しくありませんでしたが、ちょっと使った感じでは指への負担はかなり少ない感じ。
耐久性についてはまだわからないところはありますが、LJプロ3のアッパーは「指が死んでる系ジャンパー」にやさしい設計だ!!

昔のフィールドジオLJは指にやさしかった
ちなみにのお話ですが、
過去にはミズノの「フィールドジオLJ」がつま先にも軟らかいメッシュを採用したことがありました。

管理人は大学時代にこの軽量アッパーを使っていてかなりお気に入りだったのですが、穴が空きやすくて不評だったのかすぐに補強されてしまい現行モデルは当時より固くなってしまいました。

 

 

ゴツすぎるベルトと無駄っぽいダイナラップ


ベルトの内側は土踏まずをサポート!!

幅スパにはベルトが付くモデルが多いのですが…
LJプロ3のベルトは土踏まずをサポートするタイプです。
フィールドジオLJは足首ベルトでアシックスの旧型も足首ベルトでしたが、LJプロ3のゴッツいベルトは中足部をグルッと回って土踏まずをサポートするタイプ。

ベルトの正直な感想としては…
幅跳びスパイクにこんなにゴツいベルトいらなくね?
ベルトによって接地時の足の内傾、いわゆる「オーバープロネーション」を防いでくれる感じがするので、ゴツイだけあって踏み込んだ時の安定感はかなりのものです。ブレとは無縁といっていいくらいベルトによってしっかりと足が支えられますので、安定感が欲しい選手にとってはかなり頼もしいアッパーになっていると思います。
ただ、個人的にはもうちょっと自由度が欲しい感じがします。LJプロ3はモノソックがあるのでホールドが過剰気味かな?
三段跳びはベルトがあると安心ですが、幅跳び用ならベルトはもっと細い方がよかったかも。

ちなみに、津波選手の2022年モデルは細い足首ベルトになってました…

津波選手のスパイクは他にも変更点がありそうな感じですが、足首ベルトだけでシンプルなアッパーになっていて最適解に近い形な気がします。

幅跳び用には過剰?三段跳スパイクのようなサポート感


三段跳び用のTJエリートに似てる?

LJプロ3のアッパーの感じはナイキのTJエリート(旧型)と似ています。
特にベルトは位置が一緒でサポート感もかなり似ているのでLJプロ3は幅跳び用としては必要以上のサポートを感じます。もうちょっとアッパーの自由度があった方が楽だったかも。
他にも前足部のゆったり感とかかかとのホールド感なんかも似ているので、TJエリートをベンチマークにして開発したのかな?って感じがするぞ…名前も似てるし。
ゴツいベルトは幅跳び用としては厚底なので倒れ込むと足首を痛めるかもしれないため、三段跳びと同じような安定感を求めた結果なのかも。

「ダイナラップ」ってこれ意味あるの?

最近のアシックスは「ダイナラップ」という小さいベルトを付けています。

シューホールがベルトになっていて、紐を引っ張ると足底のほうからベルトが締まってくるというクロノインクスのスケルトンアッパーと似たような構造になっています。ただ、インクスと違ってダイナラップは2本だけなので足全体を包むって言う感じではありません。

んー、これ多分あんまり意味ないと思います!
っというのも、LJプロ3は「ダイナラップ+モノソック+HL-0メッシュ」の3重構造になっているから。
スプリントスパイクではモノソックがないのでダイナラップも効果を発揮しそうですが、
LJプロ3ではのあの細いベルトが効果を発揮してるかは疑問です。
あと、履くときに紐を下まで緩めないとダイナラップが捻じれることがあって面倒臭いぞ!!
ってことでダイナラップは別になくても良かった気はします。

ここまでがスパイク紹介。長いなっ!!
ここからは実際に履いた管理人の感想とレビューです!!

 

 

ロングジャンププロ3を実際に履いてレビュー!!

LJプロ3の陸上ch的レビューは…
硬くてフラットなのは技術を要求されるけどその分「反発」はスゴイ!
重心移動は難しくて特に踏み切りにはクセがある。
助走からのリズムアップで跳ぶタイプの選手は合うと思う。
総合的にけっこうオススメ!アッパーさえ合えば一度履いてみる価値あり!!

ポイントをまとめると…

  1. クセがあり扱いやすいスパイクではないので技術がないならフィールドジオのほうが良いと思う。とはいえ、6mをコンスタントに跳べるジャンパーであればまあたぶん扱いきれるはず。
  2. 硬いプレートはフラットと組み合わさって強烈な反発を生み出す!!
  3. 助走は前に持ってくることができれば非常にスピードに乗りやすいものの、最初の数歩は弾かれる感じはする。
  4. 踏み切り感覚は独特。フィールドジオのようにスーっと出してガチっと止まる感じではなく、助走の延長でリズムアップから短い接地で駆け上がるような感覚で踏むとイイ感じ。
  5. アッパーの圧迫がキツイから覚悟は必要。2サイズアップでもいいくらい。

こんな感じ。5つのポイントに注目して実際に履いた感触を紹介します。

①LJプロ3はクセがあって扱いにくい?中級者ならフィールドジオかな…!?


LJプロ3の「フラット+超硬いプレート」はやっぱりそれなりにクセがあります。
端的に言えば、ロングジャンププロ3は扱いやすいスパイクではない!!これは間違いありません。
「フラットなソール」は踏み切りでの重心移動にけっこうな技術が要求されるし、「硬いプレート」は乗り込みが甘いと反発しきらなかったりフォームが悪いと反発を使えないと思います。
特に最初の3歩くらいはフラットによる重心移動の難しさでコントロールが難しい気はします。弾かれる感じは間違いなく最強レベルなのでアシックスだからと甘く見るとヤバい。

フラットなおかげで反発を引き出しやすい。問題は反発の方向?

とはいえ、LJプロ3が扱いにくいか?っというと決してそんなことはなくて…
LJプロ3はガッチガチなんだけど足裏全体で力を加えられるので反発を引き出すこと自体は難しくない!
多くの「硬いスパイク」はプレートを曲げるのに大きな力が必要だったり、変な踏み方をすると足が痛くなったりします。しかし、LJプロ3はフラット形状のおかげで硬いプレートでも反発を生み出すのはそれほど難しくありません。
そういう意味では硬いわりには扱いやすいスパイクだと思います。

ただ、LJプロ3は反発が真上に返ってくるから扱いやすくはない!!
LJプロ3はかなりフラットなので反発の方向がほかのスパイクよりも上向きな印象で、スイングを意識したりして前に進めないと推進方向に力が使えない印象があります。足が流れたり接地が前寄りになるとかなりブレーキがかかる感じで、そういう意味で言えば扱いが難しい。
まあ、スプリント能力が高い選手なら全く問題ないと思います。
反発を生み出すのは難しくないけど、反発を使うのは難しい!!
これがLJプロ3の印象です。
フラットの良さと悪さが両方ともモロに出ているので、フラットが合う選手には最高でしょう。一方で、スパイクに身を任せて重心移動していきたいタイプの選手には違和感があるかも。

LJプロ3のポテンシャルを最大限に引き出すには6m中盤くらいの技術力が必要!?
6mをコンスタントに跳ぶ選手であれば普通に扱えると思うけど初心者ならフィールドジオのほうがたぶん跳べる。

②「硬さ」による強烈な反発は他のスパイクを凌駕する!!


LJプロ3はとにかく硬いスパイクです!
①で言ったように硬い割には扱いやすいとは思いますが覚悟は必要。
硬さに注目すると…
硬いプレートによって非常に短い接地でバッツンバッツン強烈な反発が返ってくる!!
この反発感は他のスパイクでは味わえないレベルの強烈さ。高反発好きな人は買って損なし!!

そもそも『フラット走法』っていうのは「ベタベタ走る」わけではなく「足裏全体で地面をタンっとプッシュする」走りで、フォア接地に比べて接地が短くなる走法です。
で、LJプロ3はフラットと硬さによって『短い接地』ができるスパイクです。
っていうか接地が長くなるとうまく走れない感覚すらあります。
スパイク自体が極端にフラットなので走りもおのずとフラット走法に近くなり、そしてプレートが硬いことで沈み込むことなく一瞬で反発するおかげでその反発を逃さず使えます。
「フラット走法」っていう観点で考えればこのプレートの硬さは理想的です。

プレートはものすごい硬く、フラット走法と組み合わせることで他のスパイクでは味わえないような足が弾き出される強烈な反発が味わえる!!

 

 

③どっちかというと助走重視のスパイク?うまく走ればスピードが出やすい

これは比較してっていうことですが、LJプロ3は助走重視のスパイクと言えると思います。
特にフィールドジオLJと比べると顕著で、フィールドジオはピンによって押し返される感覚があってスピードが出しにくい一方で踏み切りではガチっとブロックできるので踏み切り重視のスパイクという印象。
対して、LJプロ3は見た目はフラットではあるもののピンの押し返しを感じにくいのでむしろ前下がりな感じがして、踏み込みに対して真上に反発してくれるのでブレーキがかかる感じが少ない。
そのため、両者を比較すると「踏み切りでガチっとしているフィールドジオ」「助走で踏んでいけるLJプロ3」っていう感じになります。

硬さとフラット形状に対応できればかなりスピードを出しやすい!

ナイキ・アディダス・ミズノ・アシックスの立ち位置はけっこう明確

管理人は無駄に4メーカーのスパイクを持っています。ナイキは旧モデルではありますが、その中で比較するとそれぞれの個性はあまりかぶっていないので使い分けはけっこう明確。
・踏み切り重視のミズノ「フィールドジオ」
・フラットで高反発なアシックス「ロングジャンププロ3」
・助走に全振りのアディダス「アディゼロLJ」
・バランスの取れたナイキ「zoomLJ」
どれが良いってこともないと思いますので、自分がどんな跳躍をしたいのかで選べばいいと思います。扱いやすいのはフィールドジオLJでしょうね。
LJプロ3を選ぶ理由としてはやっぱり「フラット」と「高反発」というワードにピンとくるかどうかでしょう。

 

④重心移動が難しくてローリングはしずらい。踏み切りは「真上から踏む」とイイ!


デメリットとして管理人が一番気になったのは…
フラットすぎて重心移動が難しい!!というポイント。
普通の幅跳び用スパイクはいわゆる『ロッカー形状』によってスムーズな重心移動ができるようになっていて、踏み切りでは自然とローリングができるのでスムーズな跳躍ができます。特にフィールドジオLJはかなり踏み切りがしやすい。
LJプロ3はというと「極端なフラット形状」のため、意識的に重心をグイっと前に持ってこないと跳び出しが上に向きすぎる感じがします。
つまり、LJプロ3は踏み切りでの重心移動にクセがある!!
「挟み込み」や「リードレッグの引き付け」っといった幅跳びの専門技術ができていれば対応できるとは思いますが、何も考えずに跳ぶと反発を跳躍に繋げられずに浮きすぎたり弾かれたりするかもしれません。

フラットは走りやすいけど重心移動が難しくて跳び出しに技術が必要!慣れればなんとかなる。

真上から踏んで「駆け上る」踏み切りが合う?

LJプロ3はかかとが厚いので踏み切りでかかとを出すとひっかかる感じがするような気がします。また、「足離れが悪い」です。そのため、真上から踏まないと走りにくい。まあ、フラットってそういうものなんでしょう。
「フィールドジオLJ」の非常に薄いかかとに慣れている選手は最初のうちは違和感があるかも?膝を伸ばしてスーっと足を出す踏み切りはやりずらく、踏み切りでも真上から踏みつける方が合うはず。
ってことで、LJプロ3では「ひざを伸ばしてガチっとブロックする跳躍」ではなく、「リズムアップでタターンっと駆け上る感覚」で踏み切るのがおすすめ!
足を伸ばして跳ねるのではなく、足を回して重心を持ち上げていく意識で踏み切ると反発を逃さずに跳べると思います。

 

⑤アッパーの圧迫がヤベェ!!

サイズってなんだろう?っていうくらいLJプロ3は足入れがきついです。
LJプロ3のアッパーを端的にあらわすと…
全体をギューっと締めつけてブレを全く許さない!!
アッパー自体は「HL-0メッシュ」なので伸縮性があるんでしょうがモノソックがかなりキツく、「フィット」という感じではなく「締め付け」でうっ血する感じがあります。
もちろん、ベルトもあってブレとは無縁なので良いアッパーっちゃ良いアッパーなんでしょうが、長い時間履くのは厳しいレベルでストレスがかかるのは否めない
また、
モノソックデザインの宿命で、足幅が広い人はそもそも足が入らなくて履けないかも!?
あと、雑に履くとねじれたりシワができて当たるのでちゃんと紐を緩めないと履けません。脱ぎ履きするのにすっごい時間がかかるので試技の間にスパイクを脱ぐ派の人は要注意。
素材が伸びてくるとだんだん緩くなってくると思いますが、それもどうなんだろうなぁ…

LJプロ3のサイズは2サイズアップ?管理人のスパイクサイズは…
・サイバーブレード(27.5cmきつい)(28.5cmかなりゆるい)
・フィールドジオLJ(28cmでジャストかちょいキツ目)
・ナイキ、アディダス、NB(28cmでジャスト)
こんな感じです。
で、LJプロ3は28.5cmでもちょっとキツい。もう1サイズ上でも普通に履けるサイズ感です。

冗談みたいな締め付け!!ガッチリして安定感は抜群だけど圧迫感はある。

 

そのくせかかと周りは隙間があるぞ


モノソックなのにくるぶしまわりには隙間ができる…

モノソックによる圧迫がすごいのですが、かかとまわりには普通に隙間ができます。
っというのも、モノソックの構造は土踏まず周囲を締めているのでくるぶしの周りは低くなっていて普通のスパイクと変わらないのです。NBのモノソックはくるぶしまで伸びているのでもっとピチっとしているのですが…
まあ、隙間があったからといってホールドに影響はないので別にいいのですが、砂は普通に入ってくるぞ!!

ヒールカップの存在感がすごい


アシックスと言えばヒールカップだよね

アシックスはどのモデルでもしっかりとしたヒールカップがあって、いわゆる「かかとのホールド感」が高いのが特徴。アシックスとミズノのスパイクの違いはヒールカップの大きさだと思います。
LJプロ3もかかとがまるまるスポッとはまるくらい大きなヒールカップがついています。
で、このヒールカップがかかとをガッチリとホールドするので安定感はかなりあるのですが、引っ張られる感じもあるので管理人としてここまでのホールドはいらないかな?
まあ、これは好みの問題でしょう。多くの人がこのホールド感に好感を持つと思いますし、アシックス派の人はLJプロ3も引き続き安心して履けると思います。

 

「ロングジャンププロ3」レビューのまとめ

約1万字もの長すぎるレビューでしたが、簡単にまとめると…
フラットでめちゃくちゃ硬いのである程度の技術が要求されるけど、高反発で助走しやすいから跳べる人はすっごい跳べる!!
これがロングジャンププロ3の陸上ch的評価です。

見た目の通りクセがあるので、初心者ならフィールドジオのほうが跳べると思いますが、6m以上を跳べる技術があれば一発あるのはLJプロ3だと思う。フィールドジオはスパイクがうまいこと跳ばせてくれるのですが、LJプロ3は自分の技術を使って跳ぶ感じ。
とにかく、踏み切りが難しいのでそこをどう感じるか次第でしょう。
あとはアッパーがキツイからそれが許容できるかどうか。たぶん次期モデルはもうちょっとシンプルなアッパーになると思います。

ってことで、ロングジャンププロ3はおすすめか?っというと…
助走が走りやすくて高反発なので技術があるならかなりおすすめ!!
アッパーさえ合えば一度履いてみる価値あり!!
いろいろついてるわりに値段は高くないのでコスパは良いと思います。

まあ、とりあえず1足買っときましょう!!






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