【レビュー】アシックス・マジックスピード2はまさに“中級者向け”なシューズだった!!
管理人は長距離はもちろん走るの自体があんまり好きじゃないので幅跳びを選びました。(幅跳びあるある)
しかし、そんな管理人がひょんなことからマラソン大会(駅伝)に出ることになってしまった!!
やる気をだすために管理人が選んだ方法は、『厚底シューズを買う』だったのです…
ってことで今回は
アシックスの厚底シューズ「マジックスピード2」をレビュー!!
をテーマに、シューズレビューをご紹介。
マジックスピードのレビューはランニング系の人が色々言っていると思います。管理人は短距離専門ですので、マラソン的な細かい話ではなく、日々のランニングで使ってみた感じをレビューしていきます。
ちなみに、管理人の長距離レベルは6~10kmをキロ4分半~5分くらいで走る感じ。体力維持目的で月に数回走っています。マラソンを走り切れる気はしないし、10km以上走りたいとも思いません。当時サッカーもやっていてそれなりには走れたはずの高校時代には駅伝の5kmでは20分05秒くらいでした。
マジックスピード2ってどんなシューズ?
アシックスの「マジックスピード2」はのスペックは…
- かかと31mm、前足部24mmの「厚底」
- ミッドソールは中級クラスの「FFブラスト+」と「FF」の2層構造
- フルレングスカーボンプレートを搭載
- 重量は約240g
- アッパーは厚めのエンジニアードメッシュ
- 定価は16,500円
マジックスピードシリーズはアシックスの中級者向け厚底シューズ。
2021年4月→初代発売
2022年9月→2発売
2023年9月→3発売
3では価格据え置きながらアップグレードがされていてもはや上位グレードのメタスピードと変わらないスペックになっています。ランニングであれば2でも性能的には十分すぎる。
最大の特徴は『高反発ソール』+『フルレングスカーボン』で安いこと
写真:厚底入門!高反発素材にカーボンプレートを内蔵したハイスペックモデル!
マジックスピード2は中級者向けながら高反発ソール+フルレングスカーボンプレートを搭載しています。
ちょっと前ならトップモデルとしても通用するスペックで、実際に履いても全体にシャープでけっこう本格的な印象です。
上級モデルのメタスピードの練習用としての役割もあることから、16,500円という厚底カーボンとしてはかなり安い戦略的な価格で販売されています。
メタスピードが27,500円もすることを思えばかなり安いのですが、薄底最上級クラスのソーティマジックRP6が1万ちょっとで買えるから決して安くはないぞ!!
ソーティマジックのレビューはこちら↓
実測で239g!けっこう重い!!だけど許容範囲ではあるかな?
写真:28cmの実測で239g
最近は200gでも軽いって言われることがあるので何とも言えませんが…
約240gという重さは大きな欠点になりえる重さです!!
基本的には上級レベルのハイスペックを誇るこのシューズですが、最大の弱点は間違いなくこの重さでしょう。
重さがネックになって絶滅寸前のターサージャパンも約200gですし、薄底レーシングシューズのソーティマジックRP6は150gしかありません。
実際に走ってみてもマジックスピードでは軽やかさは全くなくて、1歩1歩をしっかり乗せていく走りになります。
ただ、マジックスピード2は履いてみると実測値ほどの重さは感じません。
決して軽さを感じることもありませんし、ソーティに比べれば明らかに重いですが、ウエーブライダー(約290g)みたいに重すぎて嫌になるっていうほどではないです。反発があって足が回りやすいので、普通にランニングする分には重さがデメリットになることはないと思います。
5~10kmくらいのランニングで使うならこのくらいの重さは全然許容範囲でしょう。マラソンだとレベルによっては気になるかも。
許容範囲ではあるものの決して軽量ではないし、同じ値段で90gも軽い150gのソーティマジックが買えると思うと微妙。
【履き心地レビュー】
タイトで本格的な足入れだけどフィット感は微妙
ちょっと厳しいことも書いていますが、あくまでスパイクとか競技クオリティの中で比較した話です。
色々履いてきましたが、マジックスピード2のクオリティはランニングシューズの平均をかなり上回っているっと言えると思います。
ライトレーサーみたいな1万円を切るシューズと比べるとかなり質感は高いし、安いランシューばかり履いてきた人なら感動するレベルの質感はもっていると思います。ただ、オーダーシューズやmade in japanのシューズと比べると微妙。
アッパーは硬めでフィット感は微妙
:写真:アッパーのフィット感はイマイチ
『2』のアッパーは「エンジニアードメッシュ」っていうのが使われているのですが、これが硬めで”包み込む”感じはありません。
端的に言うと、アッパーは本格的な足入れではあるけど、フィット感はあんまりない!
通気性や耐久性は高そうですが、『3』ではメタスピードと同じ「モーションラップアッパー」に改良されていることからも、エンジニアードメッシュのフィット感は微妙と思う人が多かったんでしょう。
管理人が気になるところとしては、特に指周りが妙に緩くて、急カーブで力をかけると足がズレます。
紐を締めれば高周りは締まるものの、指周りは緩いままなので全体のフィット感は何をしてもよくならないです。短距離的なフィット感を求めたら全然ダメですが、長距離を走る分にはこれで十分とは言えるでしょう。
足入れはタイトでかなりレーシー!アシックス特有の「ヒールカウンター」搭載
写真:大きいヒールカウンターはアシックス特有の装備
フィット感は微妙ですが、足入れはレースを想定していることがわかるくらいにはタイトです!
スパイク的なレーシーな足入れで、これだけ本格的な足入れなら上級者が履いても不満が出ることはないと思う。人によっては履くだけでやる気が出るはず。一方で、鍛えていない人にとってはシャープすぎるから長時間履くと足が痛くなるかも?
また、アシックスの特徴といえるガッチリした「ヒールカウンター」も装備されていて、アシックスらしいホールド感があります。
このヒールカウンターはかかとがホールドする装備で、アシックスの履き心地が好きっていう人は、このヒールカウンターが好きっていう人が多いですよね。
管理人としてはこれがあんまり好きじゃなくて、くるぶし回りをもうちょっと低くして10g軽くしてほしいところです。
【走った感じレビュー】
プレートの「反発」よりもロッカー構造の「転がり」が強いぞ!
写真:前足部が反り上がったソール構造がこのシューズの肝!
ここからは管理人が実際に履いた感覚のレビュー!!
意外にもマジックスピード2は「カーボンプレートの反発」はあまり感じません…
マジックスピード2の走りの根幹はロッカー構造による転がりにある!!
このシューズは反発よりもロッカー構造によって重心が転がして走るシューズだと思います。
屈曲が硬いから足首の伸展を使わず「重心移動」で走れる!
管理人が感じるカーボンの硬さの恩恵は
ソールが硬くて曲がらないことで足首を使わないで走れる!!
マジックスピード2は屈曲が硬いことによって、接地後半でロッカー構造によって重心移動が前に転がる感覚を強く感じます。
「足首の固定」は速く走るために重要な技術ですが、マジックスピード2を履くと自然と足首を固めて弾むことができて、末端ではなく股関節や腰回りの大きな筋肉を使った走れる感覚が強いです。
また、接地後半で足首を使って蹴り出す必要がないため、足離れが良くて次の一歩が踏み出しやすいのもメリットでしょう。
『乗り込み』ができるレベルなら速く走れそう
マジックスピード2を履けば速く走れるのか?ってところで言うと…
蹴らずに乗り込みで走れるランナーなら薄底よりもタイムは出そう!!
マジックスピード2は屈曲が硬くて接地や蹴り出しの自由度は低いため、自然とミッドフットで乗り込む走りになります。
乗り込みさえできれば、足首を使わず重心移動で「推進力」を感じて走ることができるため、薄底で蹴って走るよりも楽にタイムが出るような気がします。
っとはいえ、ソーティマジックより90gも重たいことは影響がないとは言えず、スピード感は薄底に分があります。1歩1歩でしっかり乗り込んで推進力を得られる技術があればマジックスピードは結構いいんじゃない?
接地が長い「初心者」には向かないかも?
「乗り込み」がわかるレベルの選手ならタイムが出そうですが、初心者向きではない印象でもあります。
というのも、推進力を感じるには「乗り込んで転がす」ってのが出来ないとダメだから。初心者はどうしても蹴り出して走りがちで、蹴る意識だと乗り込んで推進する感覚は得られないはず。
マジックスピード2は中級者におすすめ!
管理人の見解では…
マジックスピード2は“乗り込み”で走れる中級者におすすめ!!
前述の通り、乗り込みさえできれば大きな筋肉を使って短い接地で走れると思います。
重さによるデメリットはあるものの、厚底のクッションと推進力による恩恵はそれ以上。厚底の反発を生かす技術がある、つまりは乗り込みで走る技術のある中級者であれば、薄底よりもタイムアップが望めるはず。
サブ4を目指すとかのレベルであれば必要ない。
ライトレーサーで不満が出たらマジックスピードに手を出すのが良いと思う
記録によって最適なシューズってあると思うのですが、キロ4分前後で走るのがマジックスピードの反発や重心移動のタイミングと一番合うと思います。
キロ5分30秒くらいのペースだと接地が長くなりすぎてちょっとタイミグがズレるので、ゆっくり走るならライトレーサーとかの方が自然に走れるはず!
基本的には好きなシューズで走ればいいとは思うのですが、ライトレーサーとマジックスピードだと倍くらい値段が違います。
正直、キロ5分半で走るとマジックスピードの良いところは一切出てこないのでもったいない。カーボンのわりに扱いやすいとは思うのですが、キロ5を切れないならマジックスピードは不要かな。
基礎的な走力を鍛える段階のランナーであれば、ライトレーサーを使って効率的に地面に力を加える感覚を養った方が結果的にタイムが伸びるはず。
マジックスピードは厚底カーボン入門モデルではあるものの、それなりに特殊なシューズなので、手を出すタイミングとしてはライトレーサーで不満を感じるようになってからでいいと思います。
【まとめ】
マジックスピード2は中級者にちょうどいい厚底カーボンシューズだった!
今回は、厚底+カーボンのマジックスピード2のレビューでした。
マジックスピード2の管理人的総評は…
乗り込みで足を回せる中級ランナーなら速く走れそう!!
厚底特有の走り心地で、乗り込んで重心を転がす感覚はおもしろい!
トラックや短距離も想定していた従来のシューズと違って、現代の厚底シューズは”ロード専用”として長い距離を走るための性能に特化しているということ強く認識しました。
接地感とか蹴り出しの強さみたいな感覚的な要素っていうロスに繋がりそうなものはもはや不要で、いかに効率的に足を回せるかっていう性能に振ってあるのが厚底シューズで、感覚は薄底の方が良くても実際のタイムは厚底の方が出ると思う。
で、マジックスピード2の場合は硬いカーボンプレートとロッカー構造を組み合わせることでキロ4分中盤のペースを楽に走ることを目指しているシューズっていう印象。
もっとスピードが上がると重さがネックになるだろうし、逆にもっと遅いペースであればこれほどのスペックは不要。
このシューズに一番合うペースはキロ4分くらいで、つまりはサブ3ペースなんだと思います。
ってことで、今回はマジックスピード2のレビューでした。
長かったですね。最後まで読んでいただいてありがとうございます。
試し履きじゃわからなくて、マラソンランナーがあんまり指摘しなさそうなポイントを色々書いたつもりです。管理人は短距離(っていうか跳躍)ですから長距離的なところに偉そうなこと言えませんし言うつもりもありませんからね。
管理人が思うにはやはり「乗り込み」ができるかどうかでシューズの印象も変わるはず。
多くのランナーにとってちょっとオーバースペックかもしれないけど、うまく履ければ速く走れるシューズってのがマジックスピード2だと思います。
そしてなによりフルレングスカーボン搭載でロマンがある。しかも厚底のわりには安い!!
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