<ランニングシューズレビュー>ウィンドスプリントをレビュー

ウインドスプリントをレビュー

ウインドスプリントというシューズをご存じだろうか?
たぶん1999年に発売されたモデルで、30歳以上の陸上経験者であればおそらくその名前は知っていることでしょう。いつごろまで売ってたんだろう?おそらく2013年か14年ごろまでは細々と販売されていたと思いますが、いつのまにか廃盤になっていました。
わたくしはこのウィンドスプリントの廃盤前のモデルを2足ももっているのです。なぜならば近所のお店で700円で売っていたから。ナナセンエンではありません。ナナヒャクエンです。目を疑い、1回買って次の日にもう1回買いました。

このウインドスプリントがどんなシューズなのか、買っていいものなのか迷っている方に向けてレビューで紹介。

 

ウインドスプリントはこんなシューズだ!!

簡単に言えばソールがゴム板のスパイクです。見た目も履き心地も普通じゃない!!

ウインドスプリントとは?

超薄底、超フラット、超硬いこのシューズは、スプリントドリル用シューズというかなりニッチなシューズでそれなりにファンも多いシューズでした。しかし、ただでさえ数が出ないスプリント系のシューズの中でも超マニアックなこのシューズは時代と共に忘れ去られて行きました…そして廃盤。
フラット接地なんてことはまだ言われていなかった時代に、『裸足感覚』っていう超大雑把な触れ込みが一部の人にはドストライクだったわけですが、逆にそれがわからない人には検討の土俵にも上がらないようなシューズだったかと思います。最近(?)では武井壮さんが愛用していることが話題になり、それで廃盤を知った人も多いはず。
そんなこんなで廃盤になったはずのウインドスプリント。フラット全盛ともいえるこの現代に、陸上競技者なら誰でも知っているショップ『Step』が蘇らせたのです。

外観でもわかる特異さ

まずは外観から見て行きましょう。明らかに普通のシューズとは違います。

ベルトフィッティング

見ての通りベルト式のものです。これはアシックスがサイバーゼロなんかのスパイクで使っていたもので、今でもサイバーブレードがベルト式のスパイクとして残っています。一般的には締めつけが甘く、あるいは局所的に締まるので違和感を感じやすいので敬遠されがちですが、サイバーゼロの時代に生まれたこのシューズはベルト式なのです。パッと見はスパイク。

なつかしのエナメル

最近あんまりエナメルって言葉自体聞きませんが、2000年代のスポーツグッズはなにかとエナメルでした。このエナメルアッパーはただの布と違ってめちゃくちゃ耐久性が高い。ウインドスプリントはソールが死ぬまで使えます。スプリントドリル用ってこともあってハイパワーに耐えられるいいアッパー。
一方で、通気性なんてほとんどないため長時間履くと蒸れます。

ソールは超フラット

ランシューのソールは様々な工夫がされていますが、ウインドスプリントはいスポンジにゴムを貼っただけと言っても過言ではないでしょう。さすがにつま先までいくと若干上がっていますが、踵から土踏まずまではフラットどころか真っ直ぐ。フラット接地がどうこう謳っているランニングシューズがバカバカしくなるほどのフラットさ。
良くも悪くもこのソールこそがウインドスプリント最大の特徴なのです!!

靴底は硬いスポンジとゴム

普通のランニングシューズでも一部ゴムを使っていますが、グリップ部分はツブツブとかスポンジなものが多いです。ウインドスプリントは全面がハニカム的な形をしたゴム。黒くて硬いスポンジとゴムがエナメルにくっついたシューズです。

スパイクのような履き心地

特異な見た目にそぐわない特異な履き心地。個人的感想です。

もはや反発のないスパイク

ソールが超薄型の硬いゴムなので、接地はほぼスパイクです。接地した瞬間の感覚はスパイクとほぼ同じ。反発がないのでスパイクに比べれば接地が長く、ちょっと蹴る感じはありますがこれはもうスパイクの粋。
スピードはでないけどスパイクとほぼ同じ動きが可能。冬季にスパイクを履きたくない人にはこれしかない!!

接地感覚は抜群

タータンの軟らかさすら感じるほどの足裏感覚。『裸足感覚』というのは誇張表現ではないでしょう。今は本当に裸足で走っている一派がいますので裸足感覚っていうとそういう人に文句言われそうですが、当時のボキャブラリーで『裸足感覚』って表現したその意図は履けばわかります。現代だったらフラットがどうのこうのっていう言い方になっていたことでしょう。接地のポジションを変えればそれがダイレクトに反映されるこの感覚は他のシューズとは一線を画すものがある。本当に抜群の接地性。

フラットなんてもんじゃない

いわゆるフラット接地は意識してするものなのでしょうが、ウインドスプリントを履くと自然とフラットになります。っていうかフラットじゃないと踏めません。違和感あるっちゃ違和感あります。良いんだか悪いんだかはわかりませんが、走りに影響を与えることは間違いない。

意外にも高い攻撃性

ほぼスパイクのこのシューズ、スパイクのようなダメージがきます。足底、アキレス健はある程度大事にしてやらないと痛める可能性あり。

 

 

ウインドスプリントのここが良い

まあ、接地感覚こそ全てのこのシューズ。具体的にどう良いのか?

ドリルに最適

スプリントドリル用シューズということで、ドリルで使うには本当に良い。まず、かかとが非常に低いため、足を引く動作の邪魔にならない。当然、接地の時にかかとが先に付いてしまうこともない。
これは別にかかとが付くのが悪いというわけではなくて、スパイクを履いている感覚でドリルが出来るのが良いのだ。出した足が地面に付くその瞬間までシューズが邪魔してこないため、ドリルで動きを作るにはこれ以上にないシューズだと思う。

ほぼスパイクの感じで走れる

走った感じは本当にスパイク。反発がないだけ。アップしてランシューで流しをしたあとにスパイクの前にこれで流すとびっくりするくらい良い感じ。スパイクの感じで走りたいけど負荷をかけたくないときには最高。

めちゃくちゃ頑丈

エナメルアッパーは伊達じゃない。バウンディングしようがちょっと引きずろうが全然問題なし。アッパーもさることながら、ソールもクッションなんて最初からないのでへたりようがないためいつまででも使える。シューズは壊れるという思い込みを吹き飛ばしてくれる耐久性。

 

 

ここがダメだよウインドスプリント

いいことばかりではありません。だからこその廃盤です。

履くシチュエーションを選ぶ

もはやこれはランニングシューズではなくてスプリントシューズ。移動の時には履く気になれません。別に履いても問題ないんでしょうが、なんか嫌。ジョグにも使えそうにないので、本当にドリルのときだけしか履かない。ドリルするためだけに1足買うか?

めっちゃかさばる

ランシューの代わりにはならないため、ランシューとスパイクに加えてこれを持ち運ぶとなると3足だ。それだけでバッグ1つになってしまう。跳躍選手なら4足。最近はリュックの人も多いのでなんとかなるとは思うけど、昔のボストンバッグとかだったら最悪だと思う。

必須ではない

欲しいか欲しくないかでいえば欲しいが、必要か必要でないかで言えば必要ではない。もともと趣味性の高い陸上競技グッズのなかでも特に趣味の領域のニッチ商品だと思う。

値段が高い

結局これ。700円だったから2足買ったけど、もしこれが15,000円だったらスパイク買う。中高生が中心の陸上でこれだけの値段を出してオプションでこれを買える人ってどれほどいるのだろうか?
製造については全然知らないけど、これ作るのってそんなに金かかるのか?

 

ウインドスプリントはオススメか?

結論から言う。

買えるなら迷わず買っておけ!!
迷うならスパイク買え!!
スパイク買っても未練があるなら買え!!

結局はシューズなのでこれを買ったからと言ってレースでタイムが良くなるとは思えない。練習道具の一つとして考えるならおおいにありだが、単純にシューズとして考えればなかなか無理のある商品だと思う。
ただ、いつ永久に廃盤になってもおかしくないので、買えるお金があるなら迷う必要はないし、迷っている猶予もない。買えるうちに買えるだけ買っておくことをオススメする
一方、必要性に疑問を感じていたり、お金がもったいないと思うのであればこんなもの買ってないでインクスかジェットスプリントを買った方が幸せになれるはずだ。その後にまだ未練があるなら今度は迷わずに買っておいて損は無い。
っていうか、買っても買わなくても損は無い。気になるなら買うべきだし、触手に触れないなら検討する必要は無い。

ただ…

廃盤になってから泣いても遅いぞ!!






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