<幅跳びのポイント>第2回:幅跳びで6m跳ぶ方法(助走の基本編)

6m跳ぶための方法(助走編), 幅跳びのポイント

第2回目では幅跳びで一番大切なのは踏みきりだっていうお話でした。
今回は、踏切が大事とは言え、助走も最低限は出来ていないとダメっていうお話です。

第1回はこちらから…

 

第2回:幅跳びで6m跳ぶ方法(助走の基本編)
今回は6m跳ぶために必要な助走の基本についてご紹介します。
6mは踏切り技術さえあればそれほど難しくなく到達できる領域ですが、ちゃんとした踏み切りをするために最低限必要な助走の技術というのはあります。幅跳びをやるうえで最低これくらいは押さえておきたいという助走の基本をご紹介。

 

 

助走の役割は2つ!!スピードと踏切りの準備だ!!

幅跳びにおける助走ってなんでしょう?トラック種目であれば走る速さがすべてですのでひたすら速く走ることだけを追求していけばいいのですが、幅跳びの場合はちょっと違います。
幅跳びにおける助走には2つの役割があるのです

スピードはエネルギー!!

助走の役割、まずはスピードがそのまま跳躍のエネルギーになることについて。
感覚的にもわかると思いますし、言われなくたって知っていると思います。単純に速く走れば速く走るほど、エネルギーが増えて跳躍距離が伸びます。

助走は速いほうがいい

当然ながら、助走はスピードですので速さの2乗でエネルギーが増えます。10キロで走る人と20キロで走る人がいれば、速さは2倍ですがそのエネルギーは4倍になっています。ってことは助走が速ければ速いほど、跳躍距離はぐんぐん伸びます。

スピードを跳躍につなげるのは難しい

ゆっくりやればうまくできる踏切り動作も、スピードが上がってくるとぜんぜんできなくなったりします。それはスピードが増えるとエネルギーも増えて、そのエネルギーを上手に使えないから。それゆえに、スピードが上がったからといって簡単に跳躍距離が伸びるものでもないのです。
スピードを跳躍に変換するだけの技術を身につけるのは練習を積むしかありません。

助走スピードを上げるのは大変

スピードを上げれば跳躍距離も伸びるので、スピードを上げさえすれば簡単に幅跳びの記録も伸びそうなものですが、そこには大きな落とし穴があります。そもそもスピードを上げるのは大変なのです。100mでは0.2秒上げるのに1年くらいかかったりします。ってことは1年がんばって助走練習したところで助走スピードなんてほとんど上がりません。
っていうか、足の速さは練習してどうこうなる問題ではないのです。

 

踏切り準備動作としての助走

助走の2つ目の役割は上手な踏切りをするための準備動作というものです。
第1回で話したように、踏切りさえ決まれば6mくらいなら跳べます
助走のスピードを上げるのは難しいけれど、踏切りをバッチリ決める程度の助走技術であれば身に付けるのはそれほど難しいことではありません。
6mを跳ぶための助走に必要なのはスピードではなく基本動作なのです!!

踏切りのための助走

考え方を変える必要があります。
どんなに速く走ったとしても踏切りが潰れてしまえば6mは跳べません。
ゆっくり走ったとしても踏切さえ決まれば6mは跳べます。
助走はすべて踏み切りのための準備だと考えます。必要最低限のスピードがあればそれでいいのです。幅跳びは助走のスピードを競うものではなくて跳んだ距離を競う競技です。助走というのは最初から最後まで、上手な踏切りのための準備動作なのです。そう考えましょう。

助走でもっとも大切なのは『ラスト3歩』

ちょっと幅跳びをやったことがある人ならば聞いたとこあるはずです。『ラスト3歩』『タン・タターン』とか言われる部分のことです。助走は結局はこのラスト3歩ができるかどうかが助走のほぼ全てです。
ラスト3歩というのは、
ブレーキをかけない
重心を落とす
踏切り足を前に出す
という、助走と踏切りをスムーズに繋ぐための動作になります。
どんなに助走にスピードがあっても最後にブレーキをかけてしまえば跳び出しは遅くなります。
重心をしっかり落とせないと跳び出しで体が浮きません。
踏切り足をしっかり出せないと踏切りで潰れてしまって流れた跳躍になります。
このラスト3歩ができるかできないかが、いい跳躍かどうかに直結します。このラスト3歩については後で解説します。

 

6m跳ぶためにはリズムを意識!!

助走の役割はスピードと踏み切り準備です。この2つをうまくバランスさせるために必要なのは、『助走のリズム』です。リズムっていうと抽象的すぎるので、具体的にリズムの作り方をご紹介します。

ピッチでスピードをコントロール

助走の基本は、ストライド変化を少なくすることです。ストライドを一定に保ったまま、ピッチを上げることでスピードをコントロールしていくのが基本です。世界選手権なんかを観たらなんとなくわかると思います。
スピード=ストライド×ピッチですので、ストライドが一定であればスピードの変化はピッチの変化に連動することになります。助走の出だしの数歩はあまり考える必要はありませんが、最初は大股でゆったりと走り、スピードが出るにしたがってピッチを上げてリズムアップしていくような動きになります。あまり難しく考える必要はありませんが、『最初は大股、最後は小股』になる感覚でリズムアップしてスピードを乗せていく感覚を身につけるといい助走ができます。

助走はダッシュではない

スピードは大切です。しかし、6mを跳ぶためにはスピードよりもリズムのほうが大切です
『最初は大股、最後は小股』という走り方はダッシュとはまったく違います。ダッシュの場合はむしろ逆だと思います。いろいろ細かいことはあろうかと思いますが、助走は全力疾走の8~9割くらいのイメージで走るようにしましょう。

すべてはラスト3歩のためのリズム!!

ラスト3歩で一番調子の良くなるリズムで助走できるのが理想です。それがいわゆる『タン・タターン』ってやつ。タンタターンができるということは、助走もタンタターンのためにリズムを取れているということです。
6mを跳ぶための助走にはスピードなんかいりません。タンタターンだけできればそれで跳べます

 

 

 

助走はラスト3歩だけできれば6m跳べる!!

前回の内容を含めてここまでの内容をまとめると、
リズムよく助走してラスト3歩をうまくまとめて踏切りが決まれば6mは跳べる。
ということです。
つまり、6m跳ぶための助走にはスピードはあまり必要ありません。ラスト3歩だけうまくまとまればそれでいいのです。

ラスト3歩を習得する方法

ラスト3歩は簡単そうで難しい。先生は『タンタターン』っていうけど、正直意味不明という人もけっこう多いと思います。音だけ聞くと『タンタターン』のリズムになっていても、本来の『タンタターン』の意図することが出来ていない選手もけっこういます。

タンタターンになる理由は?

なぜタンタターンになるのか、それは踏切り1歩前のストライドが極端に短くなるからです。
ラスト3歩を絵にするとこんな感じ。

タンでストライドを伸ばすことで、でその分ストライドが縮みます。それによって強い踏切ターンができるという理屈。
つまり、タンタターンをやること自体に意味があるのではなく、強い踏切をするためのタンタターンなのだと理解しておかないと本末転倒なことになりかねません。
助走を踏切りに変えるための動きを音で表現したのがタンタターンです。

大切なのはタターンの部分

タンタターンのリズムですが、本当に大切なのは最後の2歩です。つまり、踏切1歩前と踏切り。強い踏切のために、踏切り1歩前は極端にストライドを短くする必要があるのです。それがタターン。タターンをつくるためのタンです。

タターンはギャロップ走だ!!

タターンの動きはギャロップ走と一です。タンタターンを習得する為には、ギャロップ走をマスターすればそのままその動きがタンタターンに繋がります。
タターンタターンタターンとギャロップ走をしながら助走路を走って来て、最後の5mくらいだけ走ってタターンって踏み切って行くような助走練習をしていると、このタターンで浮く感覚が身に付くと思います。
その時、自然とタンタターンが出来ているはずです。

足が流れない踏切りのリズムがタンタターン

何のためのタンタターンか、それは強い踏切りのためです。
なぜタンタターンだと強い踏切ができるのか?

タンタターンのリズムだと体が浮く

ラスト3歩、つまりタンタターンを細かく見て行くと、
『タン』ではストライドが伸びます。つまりここでは若干足を流します。
『タ』ではタンでストライドが伸びた分、重心が下がって腰も落ちています。っていうことはこの足はいつもより若干曲がった状態で接地するはずです。タでは足は接地するだけ。この時に踏切足がスーっと踏切板に向かって伸びます。
『ターン』では足を伸ばして接地するため、下がっていた重心が一気に上がります。その勢いで体が浮きます。
タンタターンのリズムが出来ているということは、踏切がうまく出来ているはずです

体が浮けば足は流れない

なぜ足が流れるのか、状況を考えてみて下さい。『速く走ろうとして頑張って地面を蹴る』『高く跳ぼうとして地面を蹴る』という状況の時に足が流れやすいのは分かると思います。
幅跳びの踏切りが流れやすいのは、『速く走ろうと頑張りながら高く跳ぼうとして地面を蹴る』からです。つまり、普通に走る状況よりも足は思いっきり流れやすいのが幅跳び。
もし、体が勝手に浮いたとしたらどうだろう?
高く跳ぼうとして地面を蹴る必要が無くなるので足が流れなくなると思いませんか?
タンタターンができれば頑張って速く走ろうとしないうえに体が勝手に浮くので地面を蹴る必要もありません。
つまり、タンタターンが出来れば足の流れない強い踏切りができるのです
ってことは6m跳べます。

 

 

思いのほか長くなってしまいました。
今回は助走ではタンタターンが大事というお話を紹介しました。これは結局は1回目で紹介した幅跳びでは踏切りが大事と言うお話につながります。
助走練習も踏切り練習の一部分だと考えることで、跳躍の質が上がるはずです。
6mを跳ぶために必要な技術は、1回目の踏切り動作と今回のタンタターンだけ。これだけできれば6mは必ず跳べます。
12秒台で走れるスピードは欲しいところですが…

 






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