【スパイクレビュー】アディゼロLJをレビュー!アディダスの幅跳びスパイクはどうなのか?

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国際大会を見ているとアディダスとナイキのスパイクがほとんどのシェアを占めています。三段跳びのトップ選手であるクリスチャン・テイラーもアディダスを履いています。

海外スパイクは外れがあるのでなかなか手が出にくいかと思いますが、ナイキズームLJ4は実際に履いてみてもなかなか良いスパイクでした。

アディダスの幅跳びスパイクはどうなのでしょう?

アディダスのスパイクって、気になるけど日本ではほとんど売られていないのが現状です
ネットでもレビューは全然なさそうですね…

私は競技ではなく趣味として陸上をやるようになったので、こういう意味不明なスパイクにも手を出せるようになり、アディダスの短距離スパイク『アクセラレータ』も履いています(レビューはこちら)。

今回も私が人柱としてアディダスの幅跳びスパイクをレビューします。

ていうことで、今回はアディダスの幅跳びスパイクである『adizero LJ』を評価してみます。

使用していたのがちょっと前になるのでちょっと古いモデルになりますが、モデルチェンジはしていないので現行型でも変わらないはずです。
若干素材がかわったのかな?

幅跳びスパイクは他にミズノとナイキもレビューしています。
ナイキズームLJ4をレビュー
フィールドジオLJをレビュー

 

 

 

 

アディゼロLJはこんなスパイクだ!!

まずは外観からみていきましょう…

ルックスはスニーカー!?

スパイクとは思えないおしゃれなルックス。
ミズノのフィールドジオLJのようなダサさは一切ありません。
ナイキのズームLJのような無駄な装飾もありません。

締めつけの弱そうなアッパー

普通の跳躍スパイクにはベルトが付いていてブレないような工夫がされているのですが、アディゼロLJ にはそんなもんついていません。
普通のスニーカーのようなアッパー形状で、締めつけるのは紐だけです
実に不安。

これで踏み切りの衝撃に耐えられるとは到底思えませんが、テイラーはこのアッパーで三段跳び17m以上の跳躍をしているんだから悪いものではないんでしょう。

スクエアな2-2-3のピン配置

ピン配置はかなり独特です。
普通の陸上スパイクは足の形に沿った感じのカーブしたピン配置になっていますが、アディゼロLJは直線基調のピン配置

どう考えてもこのピン配置で踏切り板で滑らずにグリップ出来るとは思えません。ていうか、人間工学的にこの四角い配置はあり得ないんじゃないだろうか?
色々と疑問が湧く配置ですが、アディダスはこれがベストだと考えたのでしょう…

ソールが妙に厚い

幅跳び用のスパイクってどれもカテゴリー的には上級者向けなので、いわゆるクッションは最低限しかはいっていません。
アディゼロLJに関して言えば例外です。ソールがやけに分厚い
他メーカーの倍くらいの厚みがあるんじゃなかろうか?

実際は白いところがちょっと多めに外側にはみ出ているので、履くと見た目ほど分厚くはありませんが、それでも他のメーカーに比べれば全然厚い。
この厚みは妙です。なにか理由があるに違いありません。わかりませんが。

履いてみるとどうでしょう…

なんかゆるいぞ!!

跳躍って踏み切りで大きな力がかかります。
跳躍用スパイクはその力に耐えるためにガッチリ締めつけるのが普通です。

アディゼロLJはそういう常識を打ち破るゆるさ!!

アディダスの名に恥じず、なかなか個性的です。

前足部がゆるい

上から見ると紐の部分は細いというか普通ですが、指の周りの方がちょっと膨らんでる感じです。

見た目にたがわず履いてもそんな感じ。前足部がゆるい
紐を締めるとサイドはしっかりとフィットするので、走る分には問題はないものの、やっぱり前足部はゆったりしています。
締めつけ感がなくて動きやすいって言う考え方も出来るけど、踏み切りではやっぱり頼りない

ソールがフッカフカでワイド!!

他のメーカーよりも全然クッション性があります。とはいえ、三段跳び用としてはクッション足りないくらい。
そしてなんだかソールが平たい。
ソールがデカイというか、クッションがワイドな感じで、他のメーカーがアッパーを固めて安定感を出そうとしているのに対して、アディダスはソール自体に安定感がある感じ、と言えばいいだろうか?

ピン配置のせい?踏み切りは不安定

ソールがワイドおかげで走ってるときの安定感は相当高い。ただ、これが踏み切りになると全然ダメ。
ピンが2-2-3の7本で、特に後列の3本が適当に配置していあるせいなのか踏切板を踏むとけっこうブレる。これは見た目で感じる不安がそのまんまでてる。
他のメーカーでは雑に足を置いてもガチっと固めてくれるところが、アディゼロLJだとグリっとブレちゃう。
踏切り板を慎重に真上からしっかり押す感じで踏み切らないといけないので、スタイルが合わないと跳躍が安定しないと思う。

かかとが低い

アディダスのスパイクはみんなそうですが、これもかかとが低いです
アクセラレータもそうでした(レビューはこちら)。
かかとが低いこと自体でどうということは個人的にはあまり感じないのですが、アディゼロLJにはベルトが付いていないので、足首まわりの頼りなさはやっぱりあります。

ヒールカップはミズノやアシックスのような硬いタイプのものがついているので、アクセラレータと違ってかかと自体は硬いです。
ただ、高さがない感じがします。
かかとまわりにガッチリ感が欲しい人にはちょっと物足りないかも?

なんでベルトがついてないんだろう?

ベルトがないとダメでしょ!!
スパイク自体の足入れは特に問題はないのにベルトがないせいでブレがすごい。ベルトをつけるだけで2ランクくらい良いスパイクになると思うのに、なぜ付けないんだろうか?
まあ、ガッチリしてないスパイクの方が良いって言う人にはこれしかないからいいのかもしれないけど。そんな人いるのかな?

 

走りやすさはピカイチ

変なスパイクですが、助走はすっごく走りやすい。

独特な反発感

反発の強さに関してはもしかすると最強かもしれない
クッションが強いので、一瞬グニョっとした感覚がありながらもそこから思いっきり押し出される感じの独特な反発感
これだけのクッションがありながらそれをぶっ飛ばすほどの強烈な反発で、他のメーカーのようにかってにピョコピョコ跳ねるのではなくて、踏めば踏むだけグイグイ来る反発。
反発の感じは短距離スパイクに近いかもしれない。短距離スパイクの延長で幅跳びにも対応したスパイクだと考えることもできるかも?

7本ピンは走りやすい!!

ナイキも7本ピンで走りやすいのですが、アディゼロLJのほうが上だと思います
跳躍スパイク特有の押し戻される感じは全くなく、力が上に逃げていく感じもほとんどありません。
フラットな短距離スパイクを履いているような感覚で、スプリント速度はたぶんこれが一番でしょう
安定感を犠牲にして助走のスピードを求めたスパイクなのかも?

フォアで走るスパイクだと思う

スパイク自体はかなりフラットですが、他のメーカーの幅跳びスパイクと比べるとピンが前の方に付いている感じがします。
そのせいか、土踏まずの下で押して走るとイマイチ反発感がありません。
接地をちょっとフォアな感じ、ピンの下くらいにして走るとプレートが曲がってくれて抜群の反発が返ってきます
フラットで使えますが、フォアで使った方が本領を発揮するスパイクかも。
アクセラレータほどの露骨な超フォアではないけど、やっぱりアディダスは全体にフォアなのかな?

 

 

 

 

アディゼロLJは良い?悪い?

なかなか個性のあるアディゼロLJ
使いこなすにはそれなりの習熟度が必要だと思います。

アディゼロLJの○と×

サクっと○×です。

×ブレすぎ

これにつきます。
幅跳びでブレるって致命的です。どんなに速く助走ができても、踏み切りで力が分散してしまったら無意味です。
スパイクに頼らずにガチっと踏み切れるだけの技術がないと、性能を最大限に発揮することは出来ないと思います。

○スピードは凄い出る

とにかく助走重視のスパイクです
フラットな短距離スパイクにクッションを入れて頑丈にしたらこういう感じになるんじゃないでしょうか?
助走で出来るだけスピードを稼ぎたいという人にはこれ以上にないスパイクだと思います。

×足首が痛くなる

やっぱり幅跳びスパイクにはベルトが必須だと思います
アディゼロLJで跳躍をすると足首がもちません。ベルトさえあれば諸々の問題は解決できるような気がするのですが…

○案外履きやすい

アディダスの陸上スパイクって履きにくいイメージがすごいありますし、実際アクセラレータはめちゃくちゃ個性的です。

アディゼロLJに関しては思ったほど変なスパイクではないと思います。
反発の感じとかクッションの感じとかガッチリしない感じとか、他のメーカーとは明らかに特性が違いますが、それが悪いとは思わない
足入れも細いけどそこまで極端ではないし、変な出っ張りとかもない。アッパーも普通。
個性はあるけど、思い切って履いてみたら意外にも普通に履けるスパイクだと思います。

 

 

アディゼロLJの特徴は?

他のメーカーと比較した場合のアディゼロLJの特徴とは?
ずばり、強烈な反発とブレ!!

走り心地が気持ちいい

クッションが強いスパイクって反発が全然ないのが普通です。
反発があるスパイクってクッションなんかほとんどないのが普通です。
このスパイクは、クッションが強いのに反発も強い
幅跳びスパイクだからそうなのかというと、他のメーカーの幅跳びスパイクはここまでではありません。
やっぱりこのグニュっとしてバーンと来る感じアディゼロLJの特徴だと思います。

スピード系の選手には良さそう

力強い踏み切りをするにはそれなりの技術と筋力が必要だと思います。
スパイク自体は反発があるので、この反発を踏み切りで出せるかどうかが、このスパイクを使う上でのポイントかと思います
現役時代ならともかく、少なくとも今の私にはこのスパイクのスピードを踏み切りに繋ぐことはできません。
助走で感じる反発感が踏み切りでは感じられないというか、スパイクの良いところを使った踏み切りが出来ていない感じになってしまいます。
スピード系で、踏み切りをガチっと止めないタイプの選手にはいいかも
そういう意味ではミズノとは逆のタイプのスパイク。

踏み切りはブレやすい

他の幅跳びスパイクはどれも踏切でガチっと止めることを最重視しているように思いますが、アディゼロLJだけは踏み切りでブレます。
真上から踏むスムーズな踏み切りができる人であればこれでいいと思いますが、踏み切りが少しでも斜めになったりずれるとブレると思います。
これがどの程度記録に影響するのかは実際のところわかりませんが、踏み切りのフィーリングはあんまり良くないかな?
ただ、反発は相当強いのでうまくはまれば良い跳躍が出来る

 

 

アディゼロLJはおススメか?

結論から言えば
これはこれで悪くない!!

スピード感はピカイチ!
反発感もかなりある!
ブレない人なら使いこなせるかも!?

幅跳びスパイクとしては個性的ではありますが、短距離スパイクの延長にあると思えばこれはこれで良いのかも。

初めの1足でこれを買うのはちょっときついかも

他のメーカーのスパイクに比べて上級向けな印象はあります。

ある程度のレベルに達して、もう一段スピードレンジを上げたいとかそういうことを考えるようになってからでないと、スパイクの良さを引き出せないかも。
踏み切りは他のスパイクのようにスパイクが勝手に跳ばせてくれる感じは無い半面、バチっとはまればスピードと反発を生かした跳び出しも可能です。スパイクに頼らない跳躍技術があれば、このスパイクでもブレずに跳べるかもしれません。

このスパイクであればスピードを殺さない跳躍を意識するようになるので、これを選んだから失敗ということはないはず。
無難ではないけど、これはこれで悪くないと思います。

 

幅跳びスパイクのレビューはこちら







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