2018年シーズンランキング
世界陸上もオリンピックも開催されない穴のとしだった2018年シーズンも終わりを迎えました。
結果として、屋外の世界記録が2つ(男子マラソンと男子10種)。
室内の世界記録が1つ(男子60m)。
今回は、男子の800mまでと跳躍の各種目のランキングをご紹介します。
2019年の春シーズンランキングもまとめています。
トラック種目
100m
1. 9.79(-0.3) Christian COLEMAN(USA)
2. 9.87(-0.1) Ronnie BAKER(USA)
3. 9.88(+1.1) Noah LYLES(USA)
4. 9.89(+1.4) Michael RODGERS(USA)
5. 9.91(+0.4) Zharnel HUGHES(GBR)
5. 9.91(+0.2) Bingtian SU(CHN)
5. 9.91(+0.8) Jimmy VICAUT(FRA)
とにかくコールマン
ボルトの次の第一人者であるコールマンが2017年に続いてランキングトップ。9.79は世界歴代7位タイの記録。コールマンは室内60mでも6.37の世界記録を更新しており、絶好調。
100mのタイムは9.79と、2016年以降では世界最高記録を残している。これは2015年にボルトがマークした記録と同じ。つまりボルトがいたとしてもコールマンはトップ。いつのまにか文句なしに一時代を築く選手になっている。1996年生まれで絶頂期に入った彼が2019年の世陸ドーハ、続く東京オリンピックでは優勝最有力候補となるはず。
それ以外では、中国の蘇炳添がまさかの9.91でランキング5番手。コールマンが世界記録を出した室内選手権でも6.42の室内アジア記録をマーク。これは世界歴代5位タイ。東京オリンピックまでは現役だろうから、もしかすると優勝もあるかも。
アメリカ勢はロニー・ベイカーが9.87でランキング2位、若手のノア・ライレスが9.88で3位、ベテランのマイク・ロジャースが9.89で4位と、層の厚さが目立つ。
ジャマイカ勢はヨハン・ブレイクが9.94、ティクエンド・トランシーが9.96と奮わなかった。
日本ランキングは…
1. 10.00(+0.8) 山縣亮太
2. 10.10(+0.4) 桐生祥秀
3. 10.12(+0.9) ケンブリッジ飛鳥
山縣選手は、6月に10.05、8月に10.00、9月に10.01と10秒0台を連発。
200m
1. 19.65(+0.9) Noah LYLES(USA)
2. 19.69(-0.5) Clarence MUNYAI(RSA)
3. 19.75(+0.3) Steven GARDINER(BAH)
4. 19.76(+0.7) Ramil GULIYEV(TUR)
5. 19.81(+0.1) Akeem BLOOMFIELD(JAM)
接戦の200m。
ボルトがいなくなり絶対王者が不在となった200mは1997年生まれのノア・ライレス(アメリカ)がかつての雄ウォーレススピアーモン(アメリカ)の記録に並んぶ19.65の世界歴代7位タイの記録でランキングトップ。
さらに、1998年生まれのクラレンス・ムニャイ(南アフリカ)が19.69の世界歴代11位の記録をマーク。若手の活躍が目立った。
日本ランキングは…
1. 20.23(+0.7) 小池祐貴
2. 20.34(+0.8) 飯塚翔太
3. 20.46(+0.8) 山下潤
慶應大学→ANAに就職した小池祐貴がジャカルタアジア大会で日本歴代7位の記録をマーク。桐生と同じ年であるためあまり注目を浴びていなかったが、彼は高校時代に100mを10.38で走っている。
3位の山下選手は、三段跳日本記録保持者の山下訓史さんのお子さん。お兄さんは三段跳の山下航平選手。
400m
1. 43.61 Michael NORMAN(USA)
2. 43.87 Steven GARDINER(BAH)
3. 43.94 Akeem BLOOMFIELD(JAM)
4. 44.07 Abdalelah HAROUN(QAT)
5. 44.13 Nathon ALLEN(JAM)
若手が育っている400m
上位5位ではガードナーだけが1995年生まれで、それ以外は1997年生まれと若い。ミハエル・ノーマンが43.61の世界歴代6位の記録でランキングトップ。
ちなみに、三段跳が専門のクリスチャン・テイラー(アメリカ)は45.07でランキング38位。
日本ランキングは…
1. 45.63 ウォルシュジュリアン
2. 45.79 伊藤利来也
3. 45.81 若林康太
ウォルシュ選手の世界89位が最高。
800m
1. 1:42.05 Emmanuel Kipkurui KORIR(KEN)
2. 1:42.14 Nijel AMOS(BOT)
3. 1:43.12 Clayton MURPHY(USA)
3. 1:43.12 Wyclife KINYAMAL(KEN)
5. 1:43.20 Brandon MCBRIDE(CAN)
E.K.コリルが世界歴代6位の記録でランキングトップ。2012年のロンドン五輪でジュニア世界記録である1:41.73を出し、ボツワナ初のオリンピックメダリスト(銀)になったアモスはランキング2位。
日本ランキングは…
1. 1:47.01 村島匠
2. 1:47.16 川元奨
3. 1:47.80 梅谷健太
村島選手が日本歴代7位の記録をマークしてランキングトップ。
跳躍種目
走幅跳
1. 8m68(+1.7) Juan Miguel ECHEVARRÍA(CUB)
2. 8m58(0.0) Luvo MANYONGA(RSA)
3. 8m47(+0.7) Jianan WANG(CHN)
4. 8m44(+0.5) Jeff HENDERSON(USA)
5. 8m43(+0.7) Yuhao SHI(CHN)
エチェバリア(キューバ)は6月のダイヤモンドリーグストックホルム大会で、+2.1mの参考記録で8m81の大跳躍をした。もし、風が.0であったら世界歴代5位に相当する記録。
3、5位には中国の若手2人が入っており、東京オリンピックでも優勝候補になりそう。
日本ランキングは…
1. 8m09(+1.2) 橋岡優輝
2. 8m01(0.0) 津波響樹
3. 7m98(+0.4) 城山正太郎
アジア大会では橋岡選手が8m05で4位、城山選手が7m98で5位でした。そのときの優勝が世界ランキング3位の王嘉男、潤優勝の張耀広選手は8m29で11位。中国の壁は厚い。
日本記録(8m25)を更新出来れば世界大会での上位入賞もあり得る。
走高跳
1. 2.40 Mutaz Essa BARSHIM(QAT)
1. 2.40 Danil LYSENKO(ANA)
3. 2.36 Dzmitry NABOKAU(BLR)
3. 2.36 Brandon STARC(AUS)
5. 2.35 Bryan MCBRIDE(USA)
5. 2.35 Mateusz PRZYBYLKO(GER)
王者バーシム(カタール)とリセンコ(ロシア)が同記録。
バーシムは2m40を2回(リセンコは2m40を1回)、2m38を1回、2m36を2回跳んでいて、地力はまだ上だろうけど、世界陸上とオリンピックではどうなるかわからない。
引き続き2m43の世界記録の更新に期待。
日本ランキングは…
1. 2m32 戸部直人
2. 2m28 衛藤 昂
3. 2m26 真野 友博
三段跳
1. 17.95(+0.6) edro Pablo PICHARDO(POR)
2. 17.81(+0.6) Christian TAYLOR(USA)
3. 17.53(+0.3) Almir DOS SANTOS(BRA)
4. 17.44(+1.1) Will CLAYE(USA)
5. 17.41(+1.0) Jordan Alejandro DÍAZ FORTUN(CUB)
今季のパフォーマンスランキングではテイラー(アメリカ)が2~5,8位の記録、ピカルド(ポルトガル)が1,6~7,10位の記録をマークしている。実質的にこの2強の時代。どちらかが世界記録を出してくれることを期待。
次の世代はキューバ勢に力があり、5位(17m41)のディアスが2001年生まれ、9位(17m34)のナポレスが1998年生まれ、10位(17m28)のマルティネスが1997年生まれ。
日本ランキングは…
1. 16.59(+1.0) 山下航平
2. 16.59(+0.7) 山本凌雅
3. 16.53(+1.6) 中山 昂平
1位の山下選手は日本記録保持者の山下訓史さんの息子さん。
投擲種目
砲丸投
1. 22m67 Tomas WALSH(NZL)
2. 22m53 Ryan CROUSER(USA)
3. 22m40 Darrell HILL(USA)
4. 22m08 Michał HARATYK(POL)
5. 22m00 Darlan ROMANI(BRA)
日本ランキングは…
1. 18m85 中村太地
2. 18m36 畑瀬聡
3. 18m00 佐藤 征平
円盤投
1. 69m72 Daniel STÅHL(SWE)
2. 69m67 Fedrick DACRES(JAM)
3. 69m59 Andrius GUDZIUS(LTU)
4. 68m98 Lukas WEISSHAIDINGER(AUT)
5. 68m85 Ehsan HADADI(IRI)
日本ランキングは…
1. 62m16 湯上剛輝
2. 57m24 堤雄司
3. 56m40 安藤 夢
2017年に堤選手が40年ぶりに更新した日本記録を、湯上選手が1年足らずで更新。
やり投
1. 92m70 Johannes VETTER(GER)
2. 92m06 Andreas HOFMANN(GER)
3. 91m78 Thomas RÖHLER(GER)
4. 89m75 Magnus KIRT(EST)
5. 89m02 Jakub VADLEJCH(CZE)
ドイツ勢が半端ない
フェッター、ホフマン、レーラーのドイツ人3人が別格。パフォーマンス11位まではこの3人で締めている。フェッターは歴代2位、ホフマンは歴代8位、レーラーは歴代3位の記録をもっており、現在が歴代で最高にレベルの高い状況になっている。
日本ランキングは…
1. 80m83 新井涼平
2. 80m18 小南 拓人
3. 79m44 石山歩
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません