初心者の陸上スパイクの選び方①
スパイクの善し悪しはタイムに直結するため、どのスパイクを選ぶかは非常に大事なことです。
しかし、初心者のうちは何を買えばいいのかわからないもの。まだ専門種目が決まっていなかったり、子供に初めてのスパイクを買ってやろうという親が選ぶべきスパイクはどれなのか?
今回は
初心者がスパイクを選ぶうえで知っておくべき基本
をご紹介します。
色々書きすぎてこの記事は長くなってしまいましたが、これさえみておけば陸上のスパイクがどういうものなのかわかると思います。
陸上スパイクの基本の基本
スパイクを買う前に、陸上用のスパイクがどういうものなのか知っておきましょう。
①スパイクの構造
普通の靴、あるいは別の競技のスパイクと陸上のスパイクとではどういったところに違いがあるのかでしょうか。構造的なところを簡単にご紹介します。
構造自体は初心者用でも上級者用でも基本的には同じで、素材や厚みによってスパイクの性格が決まります。
ソール(靴底)の構造
普通のシューズと陸上のスパイクとの最大の違いはソールです。
ピンがあることと、プレートが埋め込まれていることが陸上スパイクの特徴です。
↓これが陸上スパイクの裏です↓
まずみてわかるのはピン(針)がついていること。
陸上用のスパイクの裏にはスパイク(針)がついています。このピンは、サッカーや野球とちがって本当に針です。つま先に部分にはピンが着いていて、ピンが地面に刺さることでグリップする構造になっています。このピンは基本的に取替え式で、すり減ったらピン交換できるようになっています。
そしてプレートというプラスチックが埋め込まれていることも特徴です。
つま先に埋め込まれたこのプレートはバネのような役割をもっており、長い定規を曲げたときのようにビョ~ンと反発してくれるおかげで、普通のシューズよりも速く走ることができるというわけです。
プレートの長さはスパイクによってまちまちで、写真のように前足部分だけでプレートが終わっているものが初心者向きです。
アッパーの構造
スパイクのアッパーは基本的にはランニングシューズと同じです。
↓初心者向けスパイクの外観↓
引用:https://jpn.mizuno.com/
初心者向けのスパイクはパッと見ではランニングシューズも同じようにみえますが、履いても特に変わりはありません。上級者向けのスパイクになると軽量化のために穴があいていたり、素材が薄いものになっていたりしますが、初心者向けのスパイクのアッパーはランニングシューズと変わらないと言っていい思います。
アッパーの薄さは耐久性とも関係しますので、最初の1足を選ぶ際にはアッパーが薄すぎないモノ(上級者向けでないモノ)を選ぶと良いと思います。
②初めてスパイクを選ぶときの注意点
はじめてのスパイク選びでは、絶対にみておかないといけないポイントがいくつかあります。これを間違えると用途とはまるっきり違うスパイクを買ってしまう可能性もありますので注意が必要です。
土用(兼用)とオールウェザー用(専用)の2タイプがある
陸上スパイクは基本的には土で使えません!!
それは陸上競技場のほとんどがタータンだからなのですが、部活で中学校の校庭などで使う場合には土でも使えるスパイクを選んで買う必要があります。
スパイクには大きく分けて2つのタイプがあります。
土のグラウンドでも使える兼用タイプ
ゴムのトラックでしか使えない専用タイプ
学校のグラウンドで使うのであれば兼用のタイプを選ぶ必要がありますので気を付けて下さい。
初心者用のモデルはほとんどが兼用タイプですので、初心者用として販売されているスパイクであればほとんどが土のトラックにも対応しています。
初心者向けモデル以外は全てオールウェザー専用で、そう言ったモデルは土のトラックでは使えません。
専用スパイクは土での使用は出来ませんが、その分軽くつくられています。大会や競技場練習でしか履かないのであれば専用タイプを、土でも使いたいのであれば兼用タイプを選びましょう。
専門距離によってスパイクが違う
陸上のスパイクには跳躍など、種目ごとに専用のスパイクがあります。
そのなかでも短距離用のスパイクはショートスプリント向けとロングスプリント向けの2種類があり、見た目は似ていても特性が違いますので、タータン専用のスパイクを選ぶのであれば対応距離を考えてスパイクを選ぶ必要があります。
初心者向けのスパイクはオールラウンドと呼ばれ、どの距離にも対応しています。
ショートスプリント向けのスパイクは反発が強いため足への負担も大きく、ロングスプリント向けは軟らかくて足への負担も軽いのが特徴です。
100mが専門であればスパイクはショートスプリント向けを、400mが専門であればスパイクはロングスプリント向けを選びましょう。
初心者向けであれば専門種目は気にする必要はありません。
・初心者向け・中級者向け・上級者向けに分かれている
スパイクは反発の大きさや耐久性によって
・初心者向けのモデル
・中級者向けのモデル
・上級者向けのモデル
の3種類に分けられています。
基本的に初心者は初心者向けか中級者向けを選びましょう。
初心者が上級者向けを履いたって悪いわけはありませんが、上級者向けはクッションが最低限しか入っていないので、まだ体が出来ていない人が履くと怪我の原因にもなります。
中級者向けというのは中学~高校生の部活生をメインターゲットに開発されているラインナップで、耐久性やクッション性が高くできています。これであれば初心者が選んでもほとんど問題はありません。
・値段が安い
・乱暴に扱っても壊れない
・足へのダメージが少ない
・反発が弱いため速く走れない
・足入れがダル
・重たい
・見た目がダサい
・反発があってそれなりに速く走れる
・足入れがちょっとタイト
・足へのダメージが多少はある
・値段が高い
・土では使えない
③初めてのスパイクの選び方
お店でスパイクを試着したときにはこういうところをチェックすれば間違いないというポイントをご紹介。
ちょっと小さめくらいがベストサイズ!!
スポーツ用品店なんかだと『余裕があるほうがいいですよ』って言われることもあります。
サッカーや野球など、他の競技のスパイクはは若干余裕があるくらいがいいとされていますが、陸上ではこれは必ずしも正しくはありません。
陸上のスパイクはできるだけパワーロスが少なく、ブレがないサイズを選ぶのがベストですので、すこしだけきつめのサイズを選ぶのが基本です。陸上のスパイクを選ぶ時にはフィット感を何より大切にしましょう。
陸上のスパイクはピンが地面に突き刺さるため、ほかの競技と比べるとグリップが桁違いです。サイズが大きいスパイクを履いていると、靴のなかで足がずれて皮が剥けたり、捻挫や膝の怪我の原因になります。
大きめのサイズにしないと不安かもしれません、初心者向けのスパイクはあらかじめゆったり作ってあるため、ゆとりのあるサイズを選ぶとガバガバになります。スパイクは成長期であれば1シーズンしか履けないものですので、今シーズンだけ使えればいいという選び方が良いと思います。
初心者向けのスパイクは足型がゆるめに作られています。
鉄則!!ミズノ・アシックスから選ぶべし!!
とりあえずミズノかアシックスから選びましょう。
この両メーカーの製品であればなにを選んでも失敗はありあません。
ナイキやアディダスのスパイクは陸上界ではクセがあるものとされています。どうしても外国製が欲しければ2足目以降に考えましょう。
上級者向けは筋力がないと怪我する?
筋力が少ない初心者が上級者向けを履くと怪我の原因になると言われています。
実際のところちょっと履いたくらいじゃあまり関係ありませんが、上級者向けのスパイクは軽量・高反発に特化しているので、負荷が高いのは確かです。最初のうちはスパイクにそれほどのスペックは必要ありませんので、初心者~中級者向けのものを選んだほうが良いでしょう。
ただ、初心者用であれば怪我しにくいと言えるのかといえば全然そんなことはありませんので、ある程度の筋力がつくまではスパイクは履かずにシューズで練習してもいいと思います。
土での練習ではスパイクなんかいらないかも
土とオールウェザーでは走る感覚がまったくが違います。
そのため、土の練習ではスパイクを履いてもあんまり意味ありません。練習が土なのであればランシューで十分です。
スパイクを1足しか買わないのであれば、試合で使えるようにオールウェザー専用を買うことをオススメします。試合用と練習用で2足買うなら何でもいいと思います。
っていうか、兼用スパイクで走ってもぜんぜん速くならない!!
田舎で競技場も土なのであればしょうがないですが、今どきタータンじゃない競技場ってかなり少数です。
超基本的なスパイクの扱い方
スパイクは大切な道具です。扱い方を間違えると壊れてしまいます。
スパイクは大事に扱いましょう
精神論的にも道具は大事にしたほうがいいのですが、走ってる途中にプレートが割れたりすると怪我をする可能性もあります。
大切に扱いましょう。
・こまめに脱げ!!
陸上のスパイクは速く走ることに特化した装置です。そのため、他の競技のスパイクに比べると快適性は低く出来ています。
耐久性も低いため、走る時以外はできれば履かない方が良いくらい。ずっと履いていると足が痛くなることもあります。
アスファルトを歩くとすぐに削れてしまうので、水を飲みに行く時などは横着せずに脱ぎましょう。
初心者用はずっと履いていても大丈夫な造りをしていますが、最初のうちからこまめに脱ぐクセをつけたほうがいいでしょう。
セットが始まる前に履く、ゴールしたら脱ぐ、次のセットが始まる前にまた履く。くらいで良いと思います。
・かかとは絶対に踏むな!!
中学生なんかはよくかかとを潰してますが、スパイクは繊細な道具です。ちゃんと靴紐をほどいて脱着しましょう。
・2年くらいでダメになるぞ!!
スパイクはプレートがヘタってくると買い替えです。
たいていは2年くらいが限度でしょう。3年も使うとフニャフニャで終わってます。消耗品だと思って買いましょう。
・ピンもたまには替えたほうがいい
上級者向けのスパイクでは固定ピンのモデルもありますが、基本的にはどれも付け替えタイプです。
消耗品なので年に1回くらいは替えた方が良いでしょう。接地の感触がちょっとだけ変わります。あんまり長く使って削れ過ぎるとピン回しで外せなくなりますので注意。
800円くらいなのでケチらず替えましょう。
ピンの種類
ピンは買った時に付いているものをそのまま使えば問題ありませんが、消耗品のため1セットはストックしておいたほうがいいでしょう。
ついていたものと同じものを買えば問題ありませんが、一応は長さと形状の特徴や規程を知っておきましょう。
取替えにはピン回しを使いますが、これはスパイクに付属していますしバラでも売ってます。
土のグラウンドであれば土用のピンを、タータンであればタータン用のピンを使うのが鉄則です。中学校の大会なんかだと土ピンのまんま大会に出ている選手もかなり多いですが、これは本当はギルティ。
スパイクピンについてはこちらでも紹介しています…
スパイクピンに関するルール
以前はピンの先端が平たくなければなりませんでしたが、2013年度からは針状のピンが使用できるようになりました。ルール的には9mm以下(走高跳・やり投は11mm以下)であればおっけーですが、土ピンでタータンを走るのはご法度です!!
針状のピンは競技場や大会の規定で禁止されていなければ使用できますが、タータン用の土ピンはほとんど売っていないので、競技場では平行ピンと呼ばれるピンを使うのが普通です。
競技会一般規則
スパイクの数
3. 競技用靴の靴底および踵は、11本以内のスパイクを取りつけ
られる構造とする。11本以内であればスパイクは何本でもよい。
〔国内〕 靴底と踵には、スパイクの位置を変えることができるよう
な装置は11カ所を超えてはならない。
スパイクの寸法
4. 競技用靴の靴底または踵から突出した部分のスパイクの長さは
9㎜を超えてはならない。また走高跳およびやり投の場合は、12
㎜を超えてはならない。スパイクは先端近くで、少なくとも長
さの半分は4㎜四方の定規に適合するように作られていなければ
ならない。
引用:日本陸上競技連盟競技規則
平行ピン、土ピン、ニードルピンの3種類
ピンには平行ピン、土ピン、ニードルピンの3種類があり、並行ピンとニードルピンはタータン用で、土ピンは土グラウンド用となっています。
タータンでは平行ピン、土では針ピンと考えましょう。
また、それぞれに「シルバーピン」と「カラーピン」があって、色での違いはネジ山の長さ。
ピン自体は互換性があるのピンとスパイクのメーカーが違っても問題なく使えますが、カラーピンはアタッチメントをつけるためにネジ山が長くなっているのでアタッチメントを併用しなければ使えません。
ルール上は大会でもニードルピンの使用も可能ですが、日本ではまだあんまりニードルピンは流通していませんので買うならネットかな?海外メーカーのスパイクには最初からニードルピンが付いています。
また、ピン回しは土ピンだろうが平行ピンだろうが、現在のミズノ・アシックスのピンであればどれでも互換性があります。
・平行ピン(シルバーピン)
先っぽが平たくなっている銀色のピン。シルバーなのでこれはタータン用です。
国産の専用スパイクにはもともとこれが付いていて、ミズノ・アシックスの間には互換性があるのでミズノのスパイクにアシックスのピンをつけることもできます。2段になっている『二段平行』、タイプを基本として、『グリップ』タイプ(アシックスはツリー型、ミズノは円錐型)もある。
ミズノの名称は普通に平行ピン。
アシックスはパウピラという商品名で売られています。
とりあえず二段平行の7mmを買っておけば間違いない。ルール上は9mmまで使用できますが、長いほどヌケが悪くなるため最近は7mmが主流です。跳躍では9mmを使うことが多く、高跳びとやり投げでは11mmまで使うことができます。
・針ピン(土ピン)
初心者用のスパイクにもともとついている針状の尖がった色付きのピン。カラーピンなのでアタッチメント併用です。
ミズノは黒、アシックスはゴールドの色がついています。
注意点としては、シルバーピンとカラーピンでは「ねじ山の長さ」が違うので注意。カラーピンは「アタッチメント」というねじ山保護のパーツとセットで使わなければなりません!
(アタッチメントについては次の項目で説明します)
土ピンはグラウンドで使うことが前提なのでちょっとした小石なんかがあっても壊れないように頑丈にできていて、
タータン用よりも長い12mmくらいを使うのが普通です。
また、土ピンは本当に針なので、袋に入れるときには『ピンカバー』をつけておいた方がいいと思います。
カバーをつけておかないと袋が破れたり、スパイク同士が当たって穴が空いたりします。
アタッチメント
アタッチメントというのは、土ピンと一緒に使うネジ山の保護部品のことです。
カラーピンはアタッチメントを挟む分だけねじが長くなっているため、アタッチメントをつけないと足の裏まで突き抜けちゃうからスパイク壊れます。逆に、シルバーピンでアタッチメントを使うとねじ山が足りないのでそれもまた壊れます。
競技場に行くとアタッチメントが落ちてることありますよね…
また、アタッチメントは土ピン用のモノとは別に「チップ用」もあります。爪が付いてるタイプ。
最近はそもそもチップトラック自体がほぼ絶滅しているので使うことはないと思いますが、チップに爪が噛むようになっています。このアタッチメントは色のついた並行ピンと合わせて使うものです。
ニードルピン
ニードルピンとは読んで字のごとく、針状のピン。銀色のニードルピンはアタッチメントを付けずに使用します。
日本ではほとんど流通していませんが、海外製のスパイクを買うと付いてくる針タイプのタータン用ピンです。土用ピンとの違いは長さとネジ山。
店舗でがあんまり売っていないためネットで買うのがはやい。
また、かつては国内での使用は禁止されていたため、一部の大会や競技場では使用が禁止されたままになっていることもあります。ルール上は特に指定がなければ使用出来ますが、競技場ごとのローカルルールも確認が必要です。
また、軟らかくて削れやすい物が多いので、ネジが外せなくなったりもします。使うならそれなりの覚悟と準備が必要です。
ちなみに、各メーカーのニードルピンを比較したところ、同じ規格でできているっぽいことがわかりました。
スパイクの話全然でてこねぇ!!
とここまで読んだ方は思っていることでしょう。
この記事は初心者のオススメスパイクを紹介するための記事ではないのです。
初心者がスパイク選びで心がけることを説く記事だったのです。
まあでもここからはやっとスパイクの話になります。
スパイクの種類
サッカーの場合はポジションが違ってもスパイクは変わりませんが、陸上の場合は種目や成熟度によってスパイクの形や特性が大きく違います。大まかに知っておきましょう。
今回は、全くはじめてで知識のない初心者の方がスパイクってどんなものなのかがわかるようにご紹介していきます。
分類としては
・オールラウンド用
・ロングスプリント向き
・ショートスプリント向き
・上級者向き
という分け方ができます。それぞれに適正種目があって、筋力や走力によってどれにするかを選びましょう。
オールラウンド用①(初心者向けベーシックな『土兼用モデル』)
ターゲット:初心者、スパイクを始めて履く人、土でスパイクを使う人
・練習が土のグラウンド
・オールウェザーでの使用はあまり考えていない
・とにかく安いスパイクが欲しい
・試合はまだ考えていない
・まだ小学生や中学の初心者
安くて丈夫なので学校の貸出しスパイクとして使われているので、誰もが一度は履いたことがあるはず。
いわゆる『兼用モデル』で、土でも使える頑丈なスパイクです。
メーカーも初心者のために作っているため、店員や先輩や先生はこぞってこれを買わせようとすることでしょう。
このタイプは速く走るには不向きだけど足への負担が軽いのが特徴。
速く走ることよりも怪我をしないことやスパイクに慣れるための構造をしているため、レースを重視しない初心者に最適なのはこのタイプです。
代表的なのはアシックスの『エフォート』とミズノの『エックスファースト』の2モデル。
最初の一足ならどちらかを買っておけば間違いありません。
オールラウンド用②(初心者向け『土兼用モデル』じょう上級グレード)
ターゲット:100m13~14秒台くらいの初心者、専用スパイクはまだという早い人
・競技場でもスパイクを使いたい
・初めて試合に出る
・中級者向けモデルを履くのはまだなんだか怖い
・耐久性があったほうが良い
ラインナップはアシックスが2つ「ヒートスプリント」「ヒートフラット」でミズノが「エックススピリット」。
これも土兼用スパイクで、基本的には上で紹介したエフォートなどと似た構造のスパイクです!
エフォートなどとの違いは耐久性重視か、軽さ重視かというところ(例:エフォートはかかとがゴム)。
あくまで「初心者向け」枠のスパイクなので反発は少なくて足への負担が少ないモデルのため、速く走るためというよりも練習を積むためのスパイクという印象。
とはいえ、ちょっと微妙に軽量化されていたり、ベルトが付いてフィット感が上がっていたりと、初心者向けでありながら少しだけ走りやすくなっています。
エフォートなどとどっちを選べばいいのか?って迷ったら学校のグラウンドメインならエフォートなど、競技場メインならこちらを選ぶのが良いと思います。
ロングスプリント用(中級者向け)
ターゲット:100m11.5~12秒台、専門が200m以上のロングスプリンター、上級者の練習用
・どれを選べばいいのか良く分からない
・初心者向けを卒業したい!
・練習でも試合でも使いたい
・速く走れるスパイクが欲しい
・脚へのダメージをできるだけ少なくしたい
・長い距離が走れるモデルが欲しい
メーカーが200~400mでの使用をメインターゲットにしているスパイク。いわゆる「ロングスプリント」に最適なモデル。上級者でも使用できるだけのスペックを持っていますが、中高生が部活で使うことが想定されているので非常に扱いやすい。
特性として「柔らかい」ため、反発はそれほど多くないものの、クッション性が高くて柔軟なので足への負担が少なく、怪我のリスクを抑えることができます!
そのため、「初めての専用スパイク」で選ぶのもこれがおすすめ。タータンでスパイクを履くこと慣れていなくても、足が痛くなりにくいと思います。
また、筋力がなくてもプレートを曲げることができるので、女子選手や筋力が弱い選手なら100mでも十分使えます。
汎用性が高いので迷ったらこのクラスを選んでおけば間違いない。上級者でもこのラインのスパイクに文句を言う人はたぶんいません。
ショートスプリント用(中~上級者向け)
ターゲット:100m11~12秒台、高反発が好きな人、ストライド型の人
・そこそこ脚力がある
・ショートスプリントに特化したモデルが欲しい
・もっとパワーをかけて走りたい
・練習でも使えるモデルがいい
100mをメインンにするなら選びたいのはこのモデル。高反発でスピードが出やすい一方、足への負担は多くなります。
ミズノの「エックスブラストネクスト」はエックスレーザーと見た目はそっくりですがプレートの樹脂高度が違っていて、硬く高反発な特性になっています。
アシックスの「SPブレード」はサイバーブレードのアッパー違い。サイバーと同じなので柔らかいモデルなのですが、こちらの方がパワーをかけたときにブレにくいです。
このクラスのスパイクは上級者でも満足できるだけのスペックがあり、「速く走る」ことを最大の使命としています。そのため、スピードが出る反面、足や走り方がある程度出来ていないとバテやすく、疲労骨折やアキレス腱痛になりやすいといった感じである程度のケガのリスクがある。
っとはいえ、中高生が履くことを想定して作ってあるスパイクなので、初心者が履いても大丈夫ではあります。しかし、週に1回とかにして負担を減らす工夫は必要だと思います。
憧れの上級者向けスパイク
ターゲット:上級スプリンター
憧れのトップエンドモデル。
ミズノはなんといっても2022年に初代発売から25周年を迎える「クロノインクス」。
モデルチェンジしながらも基本コンセプトを変えずに長年トップスプリンターに愛されている上級者向けスパイクの代名詞と言えるモデルです。日本選手権をはじめ、インターハイでも着用率が非常に高く、多くの選手にとって憧れのスパイク。
一方のアシックスの最上位モデルは最新技術であるピンレスの「メタスプリント」。
そしてその思想を反映しつつ扱いやすくした「ソニックスプリント」と、フラットな「ジェットスプリント」。アシックスはいわゆるフラット走法で使いやすいのが特徴です。
両メーカーともプレートは硬く、非常に軽量にできているため速く走るには最適。ただし、その分足への負担が大きくケガのリスクも高い。
そんなことで、初心者のスパイクの選び方をご紹介しました。
なんにもわからないならとりあえず初心者用を買ってください。店員に聞いたら絶対に初心者用勧められますし、最初は初心者向けを買っても不満はないはうです。でも、そのうち初心者用だけでは足りなくなります。1シーズン初心者用を履いたら次のシーズンにはちょっといいスパイクを買ってみましょう。
そもそもスパイクはヘタってきますので消耗品です。2年に1回くらいは新しくした方が良いと思います。
上級者でもあえて練習用にオールラウンドを買う人もいます。
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