【11秒台で走る①】腰を使って走る技術で劇的に走りが良くなる!!
才能さえあれば11秒台で走ることは簡単かもしれませんが、陸上選手として100mを11秒台で走ることは最初の目標であり、11秒台で走れるかどうかは素人と経験者の壁でもあります。
11秒台で走るために必要な技術についてシリーズでご紹介します。
今回はシリーズ第1回。
11秒台で走るための腰の使い方
についてご紹介。
足だけを使って走るのと腰を使って走るのとでは出力がまるっきり変わってきます。これができなければ速く走るのは無理。逆にこれさえできれば素人の域を脱することができるでしょう。
第2回はこちら↓
11秒台で走るための腰の使い方
走る技術というのはいろいろありますが、『腰の使い方』はタイムに非常に大きな影響を与える要素です。
足の速い人と遅い人の差が腰が使えるかどうかだといっても過言ではないくらい重要。
頑張って練習していてもなかなか12秒の壁を破れないという選手は、もしかすると腰の使い方が間違っているのかも?
腰の入ったフォームとは?
『腰が抜けている』とか『腰を乗せろ』とか言われたことがある人も多いと思います。
これは腰の使い方が悪くて力が逃げてしまっているフォームのことを抽象的に表現した言い方です。そんなこと言われても意味不明だと思いますが、下の絵を見たらなんとなくイメージできると思います。
腰が折れてしまっていたり、体幹が弱いと反発力を腰でクッションしてしまうことがあります。つまり、腰が抜けたフォームは効率が悪いフォームだと言えます。このような状態では、せっかく強く地面を蹴って反発をもらっていてもその力が推進力になりません。
素人走りと陸上走りの差は反発を使えるかどうかの差だ!!
足の速いサッカー部と陸上部員の違いは『反発を使って走れるかどうか』です。もちろんサッカーや野球でも反発を使える人もいますが、プロをみてもほとんどが足の力を使って走っています。
反発を使わない走りは足の力で推進力を生みだす走りです。
反発を使う走りは地面からの反発力を推進力にする走りです。
地面が土や芝生の場合は反発力がほとんどないため、地面を蹴った方が速い場合もあります。しかし、陸上はタータンのため反発を使った方が速く走れます。
そのため、反発を使うための『腰の高いフォーム』のが陸上の走りで、これができるかどうかが陸上選手として良い成績を残せるかどうかの分かれ目です。
腰の高いフォームで接地が改善する!!
『腰が高いフォーム』をとることができると接地時間を短くすることができます。
足の回転半径は足の長さによって決まりますので、腰の位置が高いほど設置する時間を短くできます。もし腰が低い位置にあると接地が長くなるだけでなく、ひざや股関節が曲がってしまうためパワーを発揮することもできなくなってしまいます。
また、腰が高い場合には接地位置を体の真下に持ってくることができるようになります。
体の前に接地してしまうことを『迎えに行っている』と表現することがあるのですが、これは腰が低いことが原因です。そうなってしまうと接地でブレーキがかかり速く走れません。
接地位置を意識するだけでは迎えに行っている状態を改善することは難しいのですが、腰を高くすることを意識することで接地位置を改善することができ、ブレーキの少ないフォームで走ることができるようになります。
たいていの問題は腰を高くキープできれば改善する
悪いフォームは『潰れた』とか『流れた』とか『落ちた』という表現で表すことが多いのですが、悪いフォームの大半は腰の位置が低いことが原因の根源です。
具体的には以下の通り…
- 潰れる(反発が使えていない)→腰が高くなれば反発を使える
- 流れる(接地が長い)→腰が高くなれば接地が短くなる
- 落ちる(関節でクッションしている)→腰が高くなれば上がる
っていうことで、腰の位置を変えるだけでほとんどの問題が解決します。
腰の位置をうまくコントロールすることで速く走ることができるようになり、これは陸上競技をするうえで非常に大切な技術なのです。
股関節で力をクッションしないように注意!!
反発力のロスは足首、ひざ、股関節、体幹などいろいろな部分で起こります。このうち目に見えにくいのが股関節でのクッションで、映像ではいいフォームに見えるのにスピードが出ていない場合には股関節のクッションを疑いましょう。
股関節はつまりは腰のことで、足から伝わってきた力が頭まで伝わらない場合には腰が悪さをしているのかもしれません。せっかく反発をもらってもそれを使えなければ意味はありません。
改善する具体的な方法は…
接地の瞬間に体をグッと固める
ことです。腹圧を一瞬だけ高めるのがやりやすいと思います。
腰回りの筋肉を使って走ろう
足の力でもそれなりに速く走ることはできますので、身体能力が高ければそれでも11秒台は出ると思います。しかし、多くの人にとって足の力だけで11秒台を出すのは難しいでしょう。
足だけでなく『腰の筋肉』を稼働させることで、より大きな力を発揮できるようになります。速く走りたいのであれば腰回りの筋肉を使って走るようにしましょう。
足は胸から生えているイメージで腰を使おう
陸上はイメージが非常に大切な競技です。見た目には同じ動きに見えてもイメージが違うだけでタイムが大きく変わることもあります。
『足』を回すイメージで走ると小さな動きになりがちですが、『腰』を回すイメージではしることで足を鞭のように大きくしならせて使うことが出来るようになります。
実際には足は股関節から生えているのですが、胸から下が全部足のイメージをすることによって、腰の筋肉を使うことができます。
末端を意識するのではなく、体の根幹を使って走ることが出来ればワンランクレベルアップできるでしょう。
腸腰筋を使えると走りが変わる
腰回りで最も大切な筋肉が『腸腰筋』と言われる筋肉群です。細かくいえばいろいろあるのでしょうが、太モモを持ち上げるために骨盤と大腿骨をつないでいる筋肉です。
特に支持後半~スイング(足を前に持ってくる動き)に大きく関与してくる筋肉で、腸腰筋を使えるようになれば膝が高くあがり、スイングが速くなり、足が流れなくなり、つまりは速く走ることができるようになります。
私は『運動会で1番になる方法』で紹介されていたことで知りました。
この本は2004年に発行され、当時はまだネットで情報を得られる時代ではなかったため私にとっては非常にセンセーショナルな内容の本でした。っていうか今でもこれ以上の情報はない。
ざっくりと本の内容を紹介すると
- 股関節を使えれば運動会くらいなら一番になれる
- 肩甲骨も使えればもっと速く走れる
というもの。股関節を使うっていうのは腸腰筋などのインナーマッスルを使うということで、この本がでたあとにインナーマッスルブームが起こりました。
詳しいことは本を購入して読んでみてください。これさえ読んでおけば絶対に足が速くなります!!
この知識があれば運動会くらいならちゃちゃっと一番になれるだろうし、理解を深めれば県大会出場くらいまでいけるかも。
これだけ情報があふれる社会になった今でもなお、この本が一番わかりやすくて効果的な内容にまとまっていると思います。
骨盤の前傾で軸も傾斜できる
余談というかちょっとテクニック骨盤をが必要ですが、骨盤を傾けることで走りを変えることができます。
まず当たり前のこととして、骨盤が後傾しているのはダメです。ここではそのレベルはクリアしていて骨盤は直立させることができる前提で話を進めます。
そこからさらに骨盤を前傾させることができれば、見た目では体を直立に保ったままの状態でも軸を前傾させることができます。
『軸を前傾させる』というのはそれなりに高度なテクニックで、これができると強い推進力が得られます。11秒台と12秒台を隔てるものはまさにこういった技術でしょう。
つんのめるのは前傾ではない!!
前傾を意識すると状態がかぶさってつんのめった走りになってしまう場合があります。そのようなフォームは見た目には前傾しているように見えますが、軸は前傾できていません。
軸の前傾は見た目には直立しているように見えるのに体の重心が前にある状態のことで、不安定な状態のことを言います。
軸を前傾させるのは技術が必要ですので、もし骨盤を意識したせいでつんのめってしまうようであれば、まだ早いのかもしれません。まずは直立を意識してまっすぐに軸を作れるようになりましょう。
今回のまとめ
腰がうまく使えるようになると11秒台に手が届きます。
腰の高いフォームで走ることが陸上選手として必要で、反発を使った接地の短い走りが理想です。
腰の筋肉を稼働させることで、足だけで走るのとはケタ違いの推進力を発揮できるようになりますので、11秒台を目指すのであれば腰の使い方を覚えるのが一番の近道です!!
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