ニードルピンと平行ピンを比較!ピンの形状はどれがいい?

スパイク, スパイクピンいろいろ

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※ミスって『並行』になってますが、『平行』です。

今回は『スパイクピン』のお話。
ミズノ・アシックスのスパイクにはもともと「平行ピン」がついた状態で売られています。しかし、海外メーカーのスパイクには最初から「ニードルピン」と呼ばれる針状のピンが付いています。
平行ピンはさらに「二段平行ピン」と「グリップ(ツリー形や円錐型)ピン」に分かれるので、どのピンを付けるか?っていうのは陸上選手であれば避けて通れない問題。

ってことで今回は
【ニードル・二段平行・グリップ】
ピン形状はどれをえらべばいいの!?

をテーマにご紹介。
ピンを変えることでスパイクを自分好みにカスタマイズ出来るのですが、ピンは形状はいろいろあってどれを選べばいいのかわからない…
そんなあなたも今回の記事を読んでおけばもう大丈夫!!
スパイクピン形状それぞれの特徴とおすすめな使い方についてご紹介します!!

「長さ」については別記事でまとめていますのでそちらも合わせてどうぞ↓

 

 

ピンは『刺さりやすさ』別に4種類ある

まず、ピンは大きく4種類に分けられます。
①ニードルピン

②細い平行ピン
③グリップピン
④二段並行ピン

前知識としてスパイクピンについてザックリと説明すると…
ルール上はピンは11本以内で長さは9mmまで(高跳びは11mmまで)と決められています。ピンは長くて多いほうがグリップが良くて力を伝えやすいから速く走れるとされていて、基本的には、長くて多いほど短距離向きで、短くて少ないほど長距離向きとなります。
かつては短距離ではピンが多くてグリップが良い方がいいとされていたため、つい
10数年前くらいまでは短距離スパイクは9mmや7mmピンを使って大きな力をかける構造のものが主流でした。ちなみに、カール・ルイスが履いていたミズノのスパイクは10本ピンでした(プラスチック製のピンなので当時はスパイクレスという扱いだった)。
近年では、ピンが長くて多いと「抜き差しによる抵抗」によるロスが大きくなるという考え方が広まり、短距離スパイクであっても6本や7本でかつ短いピンを使ったスパイクが主流です。
フラット走法に代表される『蹴らない走り』が普及したこともあって、それに合わせてスパイクも傾斜がゆるくなり、ピンは短く少なくなっています。アシックスに至ってはピンをなくした「メタスプリント」というピンレススパイクを開発して話題になりました。

そんなわけで、最近のトレンドは「ピンによる抵抗を減らす」です!!
最近のスパイクは昔に比べるとピンの数は少なく長さは短くなっています。これは、ピンによるロスを減らすことを重視した結果です。

で、上の写真の①~④のピン形状を『ピンによる抵抗』に注目してみてみると…
のニードルが一番抵抗が少ない(刺さりやすい)
④の二段平行が一番抵抗が大きい(刺さりにくい)

っと言うことが出来ます。スパイクとの相性や走り方にもよりますが、ニードルピンを使う選手が多いのが現状です。

ちなみに、ニードルピンだろうが並行ピンだろうが、メーカーごとに違いはなく互換性があることを確認済みです↓

海外スパイクに日本の並行ピンを付けることもできるし、日本のスパイクにニードルピンを付けることもできます。ただし、ナイキの『マックスフライ』等のエアユニット搭載モデルはネジ山がショートタイプになっています。

 

 

①サクサク刺さって抜けやすい『ニードルピン』

【SPIKES】スーパーニードルピン 陸上スパイクピン オールウェザー用
スーパーニードルピン 7mm 50本 陸上競技用ピン

厚底スパイクや海外メーカーのスパイクで主流なのが『ニードルピン』。その名の通り針状になったピンです。
針形状なので抜き差しに全く抵抗がありません!!
また、ニードルピンは平行ピンと違ってタータンに深くささるので、プレートが地面にベッタリ付くのを感じます。軟らかいプレートのスパイクだと裸足で走っているような感じになり、硬いプレートのスパイクであっても足裏全体でプレートを踏めるのでちょっと軟らかく感じます。

突き上げ感はまったくなく、ただタータンに刺さっているだけ。抜ける時もいつ抜けたのかわからないくらいスムーズ。刺さるだけなのでピンによる反発は全くなく、グリップのためのピンと考えていいと思います。
平行ピンしか使ったことがないと最初は違和感があるしれませんが、地面を近く感じることが出来るため、地面からの反発を感じて走りやすいのもメリットです。
特に厚底スパイクとの相性が良くて、ミッドソールの反発材をプレート全体で押しつぶすことが出来るため、反発を受けやすいです。

なぜかミズノとアシックスからはタータン用のニードルピンが出ていないので店舗ではほとんどみかけませんので買うならネットが良いと思います。謎のメーカーではあるもののピンの性能には関係ないので大丈夫。

どうしてもミズノ・アシックス製のピンを使いたければ、土用シルバーピンもニードルピンとして使えます。

これを試した記事はこちら↓

ネットでピンを買った場合には、ネジ回しが上手くハマらなかったり、削れて回しにくくなったりする可能性はあります。管理人もペンチで回したことがあります。そんなときのために、ネジザウルスを一緒に買っておいた方がいいと思います。ネジザウルスさえあれば折れてもねじが回せますし、スパイクピン以外のネジもまわせるし一生使えるので1本もってて損はないはず。

 

②刺さりやすい『細い平行ピン』(AS-A)

平行ピンなのにサクサク刺さるのがこの【細いやつ】です。

何て呼ぶのかわかりませんが、一段並行ピンとでも呼べばいいのか?先端がとがっていないけど細い特殊な形状のピンで、アシックスにしかなくて、『AS-A』ってやつです。
刺さったり抜けたりする感じがわかるのでニードルピンほどのスムーズさはありませんが、グリップピンや二段平行ピンと比べるとかなり刺さりやすいです。
レースで使っている人はほとんどいませんが、ローカルルールでニードルピンが禁止されている競技場や大会でニードルピンの代用として使うならこれが一番オススメです。
管理人もニードル禁止の競技場で海外スパイクを履くときにはこれを付けています。
アシックスの製品なのでそう簡単には折れないとは思うのですが、一応、長距離向けのピンっていう位置づけみたいですので短距離で使うにしても短めの5mmが良いと思います。

使ってみた感じは別記事でも紹介しています↓

③-1ちょっと刺さる『ツリー形グリップピン』(アシックスAS-F)

アシックスのグリップピンは『AS-F』という商品。たぶんだけど、平行ピンの中ではこれが一番シェアが高い気がする。
「三段ピン」とか「ツリー形」って呼ばれていて、昔は「
リバースピン」って名前だった気がします。クリスマスツリーのようにギザギザになっているのが特徴で、二段平行よりも刺さりやすいピンです。

二段並行よりも刺さりやすいけど、ピンからの反発も多少はあるあるのが特徴で、足への負担は二段平行より少ないのに、ちょっとだけピンからの反発が得られるといういいとこどりの形状です。
9mmになるとちょっと刺さりすぎる感じがして抜くときに抵抗感がありますので、使うなら5~8mmがおすすめ。だいたいみんな7mmを使っていますね。
抵抗感は少なくて刺さりすぎないけどグリップがあって力を加えやすいので、迷ったらこれを選んでおくのがおすすめ!
アシックス製ではあるけど、互換性があるのでミズノのスパイクでも普通につきます。

③-2 けっこう刺さる『円錐形グリップピン』(ミズノグリップタイプ)

ミズノのグリップピンは『グリップタイプ』と呼ばれる「円錐形」のピンです。
アシックスのツリー形よりも深く刺さってタータンをグッと噛む印象で、刺さる時にプツプツなるくらいには抵抗があります。

抜き差しはねっとりした抵抗感がけっこう大きいですが、グリップ感が高くて地面を捉え走る感覚があるのが特徴で、他のピンに比べてグッと刺す感じがします。
形状はニードルピンに一番近いものの、ニードルピンと比べるとかなり抵抗感があるから、ニードルピンの代用として使うのはちょっときついかな?
8mmより長くなるとタータンにくっついて引っ張られるような抵抗感があるため、おすすめは5~7mmです。
「グリップ力」はかなり強くて力を加えやすいため、抵抗感さえ気にならなければ扱いやすいピンだと思います。
また、初心者向けオールラウンドスパイクはプレートが分厚くてピンが刺さりにくいので、このピンが一番合っていると思います。

④ぜんぜん刺さらなくて高反発『二段並行ピン』(AS-B)

二段の階段状になっているピンで、「刺さる」のではなく「点で押す」構造をしているため、ゴムの反発によってピンが押し返されて反発を得られるピン形状がこれ。ピンの平たい部分でゴムを押すので抵抗感はありますが、反発は得やすい。
ミズノ・アシックスそれぞれから出ていますが、混ぜて使っても見分けがつきませんので好きな方をどうぞ。ミズノだとビニールの小さい袋が付いているので保管が楽です。

タータンを押すことで大きな反発をもらえるのですが、押し込むために大きな力(抵抗)が必要なのが特徴で、現代的なロスを減らすっていう方向とは合わないと思います。いわゆるパワースプリンターに向いていて、筋力を使って大きなストライドで走るタイプには合っていると思います。
ロスはあると思うけど、1歩1歩での反発が大きいため管理人は跳躍でこれを使っています!

9mmピンだと全然刺さらないので、ピン数が少ないスパイクやプレートが柔らかいスパイクだと突き上げが大きくて走りずらいです。体重がある選手やパワーをかけて走りたい選手が硬いプレートのスパイクと組み合わせると一番反発が出ると思います。
ただ、厚底スパイクに付けるとミッドソールが局所的に潰れちゃうから本来の性能が出ないと思う。厚底ならニードルがおすすめ。

 

ってことでそれぞれのピンの特徴が分かったと思います。
では、どのピンを選べばいい!?

 

 

ニードルピンと平行ピンどれを選べばいい!?

刺さりやすいほど抵抗は少なく、刺さりにくいほど反発が大きくなるのがピン。
では、あなたはどのピンを選ぶべきなのか!?
明確な正解はありませんが、陸上chがおすすめの選び方をご紹介!!
気持ちの問題っちゃ気持ちの問題なのであんまり気にしすぎず、これと決めたらそれで行っちゃった方が良いとは思います。
もし迷ったらそんなに高いものじゃないから両方買え!

海外スパイクなら『ニードルピン』がおすすめ!!

海外メーカーのスパイクにはニードルピンが標準で付いています。
ってことは、開発もニードルピンでやっているはずですので、海外スパイクなら本来の性能を引き出すためにもニードルピンを使うのがおすすめです!。
実際に管理人が履いた感覚で言うと、ニードルピンを使うと地面との距離が近くなるので踏み込みでプレートが曲げやすくなって、海外スパイク特有の「硬いプレート」もニードルピンであればちょっと軟らかく感じる
海外スパイクにあえて平行ピンを付ける必要もないと思いますので、こだわりがなければニードルピンが良いと思います。

短い接地で切り返すなら「ツリー形」がおすすめ

いわゆるフラット接地のような走りを目指すのであれば「ツリー形」がおすすめです。

ツリー型は短い接地時間でも十分なグリップを発揮しそれでいて刺さりすぎないので抵抗感が少ないため、接地で乗り込んだらすぐに切り返すような走りにはツリー形が合っています
ツリー型はタータンを押して刺さるタイプなので抜き差しの抵抗感が少なく、特に離地の際にスムーズな動きができます。それでいて強く踏み込まなくても十分なグリップが得られるので、ニードルピンだと刺さりすぎるけど二段平行ピンだと抵抗が大きすぎるっていう場合にはこのツリー型がおすすめ。

ピッチ型なら「円錐形」、パワー系なら「二段平行」がおすすめ

いろいろあるけどやっぱり「パワー感」って大事です。円錐型と二段平行は踏み込んだ時に地面にパワーが伝わる感覚が大きくいです。そのなかで、ピッチで回すなら円錐型、もっと踏み込んで反発を貰いたいなら二段平行っていう選び方が良いともいます。

地面を掴んで足の回転でスピードを上げていきたいなら円錐形のグリップピンとの相性が良いと思います。

円錐形は小さい力でも深く刺さってタータンを噛んでくれるので、強く地面を蹴らなくても推進力が得られます。踏んだらすぐに次の足を出してピッチを高めていくタイプの選手はグリップピンが合うはず。切返しのスムーズさではツリー型に分がありますが、地面にパワーを加える感覚はこちらの方が上。

一方で、いわゆるストライド型と言われるようなパワーをかけて走るタイプの選手はグリップピンだと刺さりすぎる感じがするでしょう。
強い力をかけて地面を押していく走りには二段平行が一番合うと思います。

パワーをかけたときにピンが刺さりすぎないのでより大きな力をかけやすく、反発が返ってくる感覚はこの二段平行が一番強いです。強く踏み込まないといけないので抵抗感はあるものの、跳躍では1歩1歩の踏み込みが強いので二段平行の反発感が一番しっくりくると思います。

 

ピンはどれでも互換性がある!!

ピンをそれぞれ真上から見てみると…

上から見るとミズノだけ土台の〇いところがちょっと大きいけど、基本的に全部一緒です
ピン回しはミズノ・アシックス・ナイキ・アディダス・ニューバランスのどれでも同じように使えますので、使っているスパイクとピンのメーカーを合わせる必要はありません!!
ミズノのスパイクにアシックスを付けても良いので、ミズノスパイクにツリー形を使っても大丈夫だし、ナイキにミズノのピンを付けても問題なし。
二段平行ピンに関してはミズノとアシックスから出ていますが、ごちゃまぜにしても問題ないです。

 

 

抵抗感を重視するなら「ニードルピン」を選べ!!

管理人がいろいろ比べてみた感想からすると…
ニードルピンと平行ピンの最大の違いは抵抗感の有無です
管理人は平行ピンで育ってきたのでニードルピンで走るまでは「ピンの抵抗」なんて言われても全くピンとこなかったのですが、一度ニードルピンを使ってしまうと平行ピンがネチャネチャと引っかかっているのが気になるようになりました。
結論的にいえば、ピンの抵抗を気にするならニードルピンが最強です!!
ピンの抵抗を気にするなら、平行ピンなんて検討の余地なくニードルピン一択です。

ってことで、なじみがないかもしれない「ニードルピン」についてちょっとご紹介します。

ニードルピンはスパイクが地面に近くなる

ニードルピンつけるとスパイクの性能がモロに出る感じがします。
ニードルピンだとピンによる反発とか引っかかりがないので、プレートの反発感をよりダイレクトに感じることができ、感覚としてはウインドスプリントにプレートを入れた感じにの走り心地になります。
また、ピンが刺さる感触も抜ける感触も全くないため、ピンの抜き差しによる抵抗なんてものは体感的にはゼロ
スムーズな足運びを追求するならニードルピン以外の選択肢はなし!!

ニードルピンの注意点は?

いままでずっと並行ピンを使っていた選手にとって、ニードルピンに変えることはメリットことだけでなくデメリットもあります。

固定ピンとの相性が最悪

国産スパイクには固定ピンが付いているモデルがありますが、固定ピンとニードルピンを組み合わせるとめちゃくちゃ走りにくいので注意
本来、固定ピンは取り換え式ピンよりも軽くて刺さりが良いことが売りなのですが、ニードルピンと組み合わせると固定ピンからの突き上げが強くなってしまいます。足裏に違和感があるだけでなく、確実にブレーキになるので固定ピン付きのスパイクには平行ピンを組み合わせた方がいいと思います。

国産スパイクとの相性は悪い?

ミズノ・アシックスのスパイクは出荷状態だと並行ピンが付いているので、開発も並行ピンで行っていると思います。
ナイキやアディダスに並行ピンを付けても違和感ないのですが、国産スパイクにニードルピンをつけると走りにくく感じます
その理由はよくわからないのですが、プレートが厚いスパイクにニードルピンは合わないのかと思われます。海外のスパイクって高反発でもペラペラっていうかプレートが薄いのですが、それに比べると国産スパイクはプレートが厚い感じがして、この厚さのせいでピンが刺さりにくいのかも。
たぶん、ニードルピンは薄いプレートのほうがマッチングが良いんだと思います。

 

 

今回のまとめ

最近話題のニードルピン。国産スパイクしか履いたことがないとニードルピンに触れる機会はほとんどないと思いますが、海外スパイクには最初からついてきます。
ピンには4種類あるので好みによって使い分けることでちょっとだけタイムが良くなる可能性があるのですが、ニードルピンだけは別格。ほかのピンとは全然走り心地が変わります。いいか悪いかは好みと組み合わせるスパイクにもよるのですが、地面との距離が近くなってスパイクの性能を引き出せるかも!?
どのメーカーのピンでも互換性があるので適当に買っても問題はないのですが、ニードルピンは店舗での取り扱いがほとんどないのでが欲しければネットで買うしかありません。ネットでも楽天には見当たらないのでアマゾンで。
試しに買うなら18本入りとかでいいのですが、ちゃんと使うなら削れやすいので50本あった方が安上がりです。ちなみに、3mmや5mmもありますが抜き差しが軽くてほとんど抵抗がないので7mmで良いと思います。

ニードルピンの購入はネットで出来ます!!↓

ニードルピン 7mm 18本 陸上競技用ピン


スーパーニードルピン 7mm 50本 陸上競技用ピン






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