【陸上スパイク】ピンの長さは何ミリがいい?短距離も7mmの時代!?

スパイク, スパイクピンいろいろ

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スパイクにこだわる陸上選手は多く、トップ選手ともなればプレートの硬さやアッパーを特注することもできます。しかし、一般の選手はさすがにそこまではできません。
そこで、ピンの長さを変えてスパイクをカスタマイズすることでスパイクを自分好みに調整することで自分の走りとスパイクを合わせるのが一般的です。

ってことで、今回は
ピンの長さは何ミリがいいのか!?
というテーマでご紹介。

ピンの長さを変えるとスパイクの特性も変わるため、何ミリピンを使うかでタイムも多少変わるはず。
では、何ミリピンを付ければいい?ってのが今回のお話。
かつては『アタッチメント』をつけることで傾斜をつけてみたり、つま先に『Vピン』をつけてグリップを上げるようなカスタムもあったのですが…現在はそんなことをやっている人は絶滅しました。
最近の主流は短いピンで接地時間を短縮!!です。

 

 

【結論】
短距離は7mmピン!初心者なら8mmピンを使え!

長くなるので最初に陸上ch的結論を伝えると…
短距離なら7mmピン、初心者なら8mmピンを使っておけ!!

異論はあるでしょうが、管理人がおすすめするのは7mmか8mmです!跳躍なら9mm。
今回の記事はこの結論にたどり着くっていうことを頭に置いて見ていくと言いたいことが伝わりやすいと思います…

ちなみに、平行ピン(シルバーピン)はメーカー問わず互換性があるため
アシックスのスパイクにミズノのピンを入れて使えますし、ナイキ・アディダス等の海外メーカーでも使えます!(ただし、カラーピンはアタッチメント用なのでネジ山が合わないので注意!!)。
また、今回は『ピンの長さ』に注目していますので、形状についてはあえてあまり触れません。

ピンの形状は「二段平行」、「グリップ(ツリー形と錐形)」、「ニードル」がありますが、形状についてはこちらの記事で紹介しています↓

 

【ピンの長さの基本】
『長いほどパワフル』『短いほど抵抗が少ない』

まずは、ピンの長さを選ぶときの基本情報からご紹介。
・長いピンはパワーがかけられる→【短距離向き】
・短いピンは負荷・抵抗が少ない→【中・長距離向き】
これが基本中の基本です。
当然、ピンが長いほどグリップ力が上がります。
そのため、長いほど大きな力がかけやすくなるけど疲れやすい。逆に、短いほど力がかけにくいけど疲れにくい。

基本としては…
9mm⇒『反発』重視のストライド型
8mm⇒バランス型
7mm⇒『抜け』重視のピッチ型
5mm⇒中距離向き
3mm⇒長距離向き
こんな認識で良いと思います。
ピンが長いほどスピードが出やすいけど疲れやすく、ピンが短いほどスピードは出にくいけど疲れにくいっていうのがピンの基本的な考え方

また、ピンが長いほど刺さっている時間も長くなるのでパワーを加えやすくなりますが、それが抵抗にもなります。

「距離」が短いほどピンは長くなる?

100mと400mを比べた場合には、100mだと長いピンを使って400mだと短いピンを使う場合が多いです。
いほど高反発・高負荷=ショートスプリント向き
短いほど低反発・低負荷=ロングスプリント向き
っと考えて問題なし。

そのため、もし7mmか8mmかで迷った場合には100mなら8mmを、400mなら7mmを選べば大丈夫。

また、特にこだわらないのであれば距離に関わらずスパイクの出荷時に付いているピンと同じ長さを使えば問題ありません。(短距離用は8mmが多い。最近は7mmのスパイクもあります。)
基本的には出荷状態で付いている長さのピンがそのスパイクと一番相性が良いはずです。

跳躍なら9mm二段平行がおすすめ

跳躍種目の場合は『1歩だけでどれだけ大きなパワーを出せるか』が重要なため、長いピンを使うのが普通です。高跳びでは11mmの使用が認められているほどで、ピンはできるだけ長い方がいい。
跳躍であればピンが長いほど刺さる部分も増えるのでグリップが良くなり、大きな力を加えてもロスなく反発を受けることが出来ます。
そのため、跳躍・ハードルの場合は9mmの二段平行を使うのがおすすめ

短いピンだとたしかに助走はスムーズにはなるものの、踏み切りが弱くなりがちです。また、幅跳び跳三段跳びは踏み切り板が木でできているため短いピンだと滑ることがある。
ちなみにミズノの「フィールドジオLJ」は9mmピンでアシックスの「ロングジャンププロ3」は8mmピンが標準です。
ハードルも9mm二段平行を使うのが良いと思う。

 

 

硬いスパイクなら長いピン、軟らかいスパイクなら短いピンが相性○

プレートの硬さによってピンとの相性も変わります。基本的にはショートスプリント向けのスパイクは硬く、ロングスプリント向けのスパイクは軟らかくできていますので、ピンもそれに合わせて長さが変わる。
たとえば中級者向けでみると…
エックスブラストネクストは8~9mmピンと相性が良い
SP/サイバーブレードは7~8mmピンと相性が良い
っと思います。

硬いエックスブラストなら9mmでも違和感なく走れますが、プレートが柔らかいサイバーブレードに9mmの2段平行を付けると『ピンの突き上げ』が気になって走りにくくなります。
プレートが硬ければスパイク全体でピンを押しこむことが出来るのですが、軟らかいプレートだとプレートが負けて突き上げちゃう。
逆に、硬いプレートに短いピンを付けると接地感が変わったり反発感が減るので物足りなくなったりもします。
上級者になると乗り込みがうまいので硬いプレートに短いピンでも正確にパワーを出せるのですが、中級者レベルまではスパイクに合わせてピンを選ぶのが無難です。

 

「筋力」があるほど長いピンを使える?

ピンが長いほど強い力を受け止めることが出来ます。
そのため…
100m・200mなら男子は9or8mm、女子は8or7mmが多い!

筋力がある選手はパワーを伝えるために長いピンを使った方が速い場合が多いです。
逆に言えば、筋力がない選手の場合は長いピンを使う必要がない。そのため、男子より女子の方がピンが短くなります。
なんていうか体重80kgの男子と体重40kgの女子なら押しこむことのできるピンの長さも変わるのは当然ですよね。

また、400mは大きな力を出さないので男子でも7mmが多く、跳躍は1歩にかかる力が大きいため女子でも9mmを使う場合が多いです。

 

 

最近は「短距離でも7mmピン」が主流!

ピンの長さについての陸上ch的結論の1つ目は…
短距離なら7mmピンを使え!!
ここでは7mmピンを使うべき理由をご紹介して行きましょう。

最大のポイントは『フラット走法』の一般化です。
フラット走法っていうのは超ザックリ言うと『蹴らない走り』で、フォア接地に比べると接地が短くなる走法です。
で、短い接地を目指すのであればピンが長いと刺さったり抜けたりする時間が邪魔で抵抗になる!!
っということで、最近はスパイク自体がフラット化してきており、それに伴って短いピンを使うのが主流になってきています。

「短い接地」には7mmピンが最適か?

かつての『蹴る走り』では地面を強くキックするためピンが長い方が力を加えやすかったのですが、「フラット走法」に代表される『蹴らない走り』では足は置くだけで、できるだけ素早く切り返すことが大事です。
キックよりも乗り込みが大事で、乗り込んだらすぐ切り返す意識の走り。
この「切返し」に注目するとピンが長いと抵抗が増えて回転が落ちるため、短いピンを使って接地のロスを少なくした方が理にかなっているといえます。
ってことで、一般レベルの選手がフラット走法を目指すなら7mmピンが最適!!だと思います。

とはいえ、ピンが短いと不安定になって力がうまく伝えられないため走るのが難しくなります!
ピンの抵抗で言えば5mmの方がいいのでしょうが、力を伝える高い技術がない選手は短いピンだと速く走れない。
これ大事。

で、普通の選手がパワーをしっかり伝えつつも接地のロスを少なくできるベストなピンの長さは7mmだ!!
接地時間を考えるとピンは短い方が良いけど、短すぎると安定感が無くなる。そのバランスをとって行きつくのが7mmピンです。

サイバーブレードも7mmピンに変更された!

中級者向けスパイクの代名詞と言える『サイバーブレード(SPブレード)』ですが、2021年モデルからは従来の8mmだったピンから7mmへと変更されました。

だからなんだ?って思うかもしれませんが、中級者モデルのピンを短くするってことは「蹴らない走り」が中高生の間でもスタンダードになりつつあることを意味します。多分。
SP・サイバーブレードはそもそも傾斜のあるスパイクだしピンは8本もあるのでピンを短くしたところで…って感じはするのですが、メーカーはこれによってスムーズな移動が可能になると言っています。
そもそもサイバーブレードはロングスプリント向きなので短いピンとの相性は良いと思います。
プレートが軟らかいので8mmだとかなり突き上げ感があったので、むしろ7mmの方が合うかも?
ピンを短くすることで時代に合わせたというのはちょっと強引な気もしますが、たしかに7mmを付けただけでピンの存在感が減って走りやすくなる感じはします。
ただし、反発感も減るので100mだとタイムは落ちるかも。

技術がある上級者は「ピンレス」「5mmピン」がいい?

アシックスのフラッグシップである「メタスプリント」ピンレスです。
フラットモデルの代名詞である「ジェットスプリント」5mm固定ピン4本を採用しています。

ピンによるロスを最小限に!!
っという思想が行きついたこのような極端なモデルは上級者には支持を受けていますが…
ピンが短くても力を伝える技術を持つ選手にしかこういうスパイクは扱えません!!
つまり、初・中級者は7mmピンを使った方がいいですよ。

技術のある上級者であればジェットスプリント2は最適なスパイクに成り得ると思います。
ただ、習熟度が低いとどうしても地面を蹴ってしまうため、5mmピンを扱うのは多分厳しいかな?っとも思います。好きなら別にいいと思いますが、サイバーブレードに7mmピンを組み合わせた方が走りやすいはず。

 

 

接地時間で考えれば「ニードルピン」もあり

海外メーカーのスパイクは「ニードルピン」が標準で付いています。
今回はピンの『長さ』がメインですのであまり触れませんが、接地を短くしたいならピンを短くするよりもニードルピンにした方が手っ取り早い!!
ただし、日本メーカーのスパイクは平行ピンで開発しているのでニードルピンとの相性は×。
今回は長さの話なので形状については詳しく触れませんが、ニードルピンを使いたいならスパイクも海外メーカーに変えた方がいいと思う。

ニードルピンについては別の記事で紹介していますのでご参照ください。

 

 

 

初心者には8mmピンがおすすめ!!

陸上ch的結論2つ目は…
初心者には8mmピンがおすすめ!!
です。
一般には「ピンが長いほど負荷が高いので初心者は短いピンを使うのが良い」っと言われています。また、前述の通りで接地時間を短縮する為には短いピンの方が合理的です。

それでも陸上chが初心者におすすめしたい長さは8mmです!!

その理由は大きく2つあって…
①8mmピンは力を加えやすいから
②初心者向けスパイクに短いピンは合わないから
それぞれ詳しく紹介します。

8mmピンは初心者でも地面に力を加えやすい!!

一番最初で説明した内容は「ピンは長いほど力を加えやすい」っというもので、やはりこれがピンの基本です。
たしかにピンを短くすれば抵抗が減ってピッチを速くすることが出来るかもしれませんが、速く走る為に一番必要なのは『地面から大きな反発をもらう』ことです。
地面に正確に力を加えていなければピッチを上げても速く走れるようにはなりません。
つまり、初心者が最初に目指すべきなのは強い力で地面に力を加えることで、力を加えやすいピンの長さは8mm!なのです。

7mmピンでも力を加えることはできます。しかし、初心者のうちは蹴り出しの方向がズレたりしがち。ピンが長ければ雑に蹴って力の向きがブレたとしても高いグリップによって地面にしっかりと力を加えてくれます。

短い接地は大事ですが、それよりもまずは一歩で大きな力を出すことが必要です。これは別記事で紹介した「敗者のゲーム」的な考え方ですが、トッププロ以外は細かい技術を気にする前にもっと基本的な事をおさえるべきです。

そもそも初心者向けスパイクは「長いピン仕様」の構造をしている

エフォートのような初心者向け兼用スパイクには12mmの土用ピンが標準で付いています!!
ってことは、プレートの形状やソールも長いピンを使うことを前提にした設計になっています。
初心者向けスパイクは「兼用スパイク」と言われるように土で使うことが前提なので、土(アンツーカ)用ピンを付けたときにちょうど良くなっています。もちろんシルバーピンを付けても問題はないのですが、兼用スパイクにはアタッチメント用の凹凸があるので短いピンだとタータンに全然刺さらない!!
そのため、実質的に1mmくらいピンが短くなると思って使った方がいいです。

実際、エフォートみたいなプレートが厚いスパイクに5mmピンを付けるとけっこう滑る感じがします。まあ、もともと12mmピンが付いているようなスパイクに短いピン付けたら相性悪いってのは考えればわかるでしょう。

ってことで、初心者向けスパイクをタータンで使う場合には8mmピンがおすすめ!!
7mmでもいいのですが、初心者向けスパイクは重くてソールが厚いのであえて7mmを選ぶメリットはないと思います。
また、9mmを付けても大きな反発がもらえるわけでもないので8mmがベストかな?

 

 

「ピンなんか気にならない」なら8mmで良い!!

まず、ピンが短いことで得られる最大のメリットは抵抗が減ることです。
ここが非常に大きなポイントで
『ピンに抵抗なんか感じたことないけど…』っていう人はそもそもピンを短くする必要はありません!!
ピンを短くすることには『反発が減る』のと『安定感が無くなる』というけっこう致命的なデメリットもあります。
100mの場合はトップ選手になると1秒間に4.5歩以上の超高速なピッチとなるので、「ピンによる抵抗」も気になるでしょう。しかし、部活レベルの選手がそこ気になるかね?
一般の選手でもピンを短くすれば足運びはスムーズになるかもしれませんが、それによって1歩1歩が弱くなってしまうなら本末転倒。
基本的には長いピンでしっかり地面を蹴った方がタイムが出るはずです。
接地がどうこうなんて気にならないなら標準の8mmピンのまんまで強い反発をもらえるようになりましょう!!

 

 

今回のまとめ

今回は『ピンの長さ』について紹介しました。
基本としては…
長いピン=高反発=短距離向き
短いピン=低負荷=中・長距離向き
となります。
短距離では7mm~9mmを使用するのが一般的で、パワーがあるほど長いピンが使えます。
で、管理人のおすすめは短距離なら7mm、初心者なら8mmです!!

こだわらないならメーカー出荷状態でスパイクに付いている長さのピンを使えば大丈夫。それがそのスパイクに一番合ったピンのはずです。
ただ、サイバーブレードのついては標準のピンが7mmに変更されるなど、短距離スパイクであっても最近はスムーズな動きを目指して短いピンを使う傾向があります。
一昔前は100,200mなら8mmか9mmを使う選手が多かったのですが、最近は100mでも7mmを使う人が多く、時代によってスプリント技術の流行も変わっていることがわかります。
特に、「フラット走法」は短いピンとの相性が良いため、行き着くところは「ジェットスプリント」の5mmピンからの「メタスプリント」のピンレスです。

ただし、トップ選手がピンを短くしているからと言って一般の選手でもそれが有効とは限りません。
そのため、一般レベルの選手であれば短距離なら7mmピンがおすすめ!

7mmであれば接地時間を短くしつつも力をロスしない走りが出来ると思います。

また、初心者なら8mmピンがおすすめ!

ピンは基本的に長い方が地面に力を伝えやすく、接地や蹴り出しが雑であってもしっかりと地面を押してくれますので、技術が未熟な初心者なら7mmより8mmの方が速く走れると思います。
また、使っているスパイクが初心者向けの兼用モデルでればピンが短いと滑っちゃうかも!?兼用スパイクをタータンで使うなら8mmピンがおすすめです。

ピンについては「長さ」以外にも「形状」もいろいろあってそれぞれの選手にこだわりがあったり、あるいはまったく気にしていなかったりします。
まあでも多分記録にはあんまり影響ありません。実際の長さより気持ちの問題の方がデカイ。
管理人もいつも通り試合を終えてスパイクを見たら1本ピンが抜けてたことがあります。

ピンの『形状』については別記事でまとめてるのでそちらもどーぞ↓






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