9秒台は『まだ』3人!『もう』3人?過去5月段階の9秒台とシーズンでの9秒台の人数を比べてみた
5月4日時点で、男子100mで9秒台をマークした選手は3人です。
3人と聞いて多いと思いましたか?それとも少ないと思いましたか?
ってことで今回は
9秒台は「まだ」3人?「もう」3人?
過去の5/4時点の9秒台とそのシーズンで9秒台をマークした選手の数は?
をテーマにご紹介。
2024年は世界室内があった関係で、有力選手は室内シーズンから試合が続いています。それなのに9秒台は「まだ」3人だけ。
東京五輪から世界大会が続いていることもあって、有力選手は疲れがたまってなかなか調子が上がっていないのか?
あるいは有力選手はパリに合わせてまだスピードを出していないだけなのか?
どちらもあり得そうですが、過去の実績をみればその答えがあるかもしれません。
ってことで、過去の5/4時点の9秒台の数と、そのシーズンの9秒台の数を並べてみます。どんな傾向があるかな~
ちなみに5/4時点で9秒台をマークしている3人は
・ミラー(アメリカ)9秒93(+1.6)
・ヒックリング(アメリカ)9秒94(+1.7)
・アッシュ9秒99(ナイジェリア)(+0.7)
ミラーはまだ17歳の選手で、9秒93はU20世界歴代3位、U20エリア記録という今後に期待ができる記録。パリで代表に入れれば…
3人はこの数年と比べると少ない!でも過去からすれば多くも少なくもない
男子100mで9秒台をマークした人数を
【その年の5/4時点】と【シーズン通して】
それぞれカウントしました。
5/4時点で9秒台が『まだ』3人なのか?
それとも9秒台が『もう』3人なのか?
そして、40人もの9秒台が出た昨シーズンから、今シーズンでの9秒台の人数はどうなるのか考えてみます。
年 | 5/4時点 | シーズン | 主要大会 |
2024 | 3人 | ? | パリ五輪 |
2023 | 7人 | 40人 | 世陸ブダペスト |
2022 | 8人 | 30人 | 世陸オレゴン |
2021 | 10人 | 24人 | 東京五輪 |
2020 | 1人 | 4人 | |
2019 | 2人 | 19人 | 世陸ドーハ |
2018 | 1人 | 21人 | |
2017 | 4人 | 19人 | 世陸ロンドン |
2016 | 5人 | 25人 | リオ五輪 |
2015 | 0人 | 27人 | 世陸北京 |
2014 | 1人 | 16人 | |
2013 | 0人 | 14人 | 世陸モスクワ |
2012 | 2人 | 19人 | ロンドン五輪 |
2011 | 3人 | 20人 | 世陸テグ |
2010 | 1人 | 13人 | |
2009 | 0人 | 11人 | 世陸ベルリン |
2008 | 1人 | 14人 | 北京五輪 |
2007 | 1人 | 6人 | 世陸大阪 |
2006 | 0人 | 6人 | |
2005 | 0人 | 8人 | 世陸ヘルシンキ |
2004 | 0人 | 7人 | アテネ五輪 |
2003 | 0人 | 8人 | 世陸パリ |
2002 | 4人 | 9人 | |
2001 | 0人 | 5人 | 世陸エドモントン |
3人より少ない年を黄色くしました。赤字は最大数。
こうしてみると、2008年、2015年、2022年に9秒台の人数がグイっと伸びていてなにか革新があったことが伺えます。特に22年は顕著で、シーズン通しての9秒台の人数は22年に30人、23年にはまさかの40人と、異常なほど多くなっています。
これは明らかに厚底革命でしょう!
で、2024年は厚底世代となって3年目。おそらく、シーズンを通し少なく見積もっても25人以上の9秒台が出るはずで、35人は超えておかしくない。
5/4時点で9秒台3人は多い?少ない?
2024年は5/4時点で3人という数ですが、これが多いか少ないかでいえば…
厚底時代としては3人は少ないけど、薄底時代と比べたら多くはないけど少なくはない!
5/4時点でみると最も9秒台が多かったのは東京五輪イヤーである2021年の10人。22,23年もその勢いのまま8人、7人となっていますので、『厚底時代』においては3人という数は少ない。
2024年は近年稀にみる不調年と言っても良いでしょう。
7人8人からすると3人じゃあ半減ですからね。
じゃあ、3人という数字は絶対的に少ないか?というと全然そんなことない。
『薄底時代』の00年代と10年代と比較すると、特に00年代は0人の年も多く、この時代に3人も9秒台で走っていたらなかなかのレベルです。
オリンピックにピークを持ってくるためにまだスピードを控えているだけなのか?
大きな大会にピークを合わせるために、その年には5/4時点では9秒台が少なくなる傾向があるのか?っというと…
五輪イヤーでは、アテネから東京までの5大会の年で5/4時点で9秒台を出していたのは18人。5/4時点の9秒台平均は3.6人です。
世陸イヤーでは、エドモントンからブダペストまでの12大会で9秒台を出していたのは2人。5/4時点の9秒台平均は2.08人。もし22,23年を除けば平均で1人だけ!
ってことは、実際には五輪イヤーよりも世陸イヤーの方が5/4時点での9秒台数は少ないことがわかります。
また、世界大会のなかった6年(02,06,10,14,18,20)では計8人。平均1.33人。
ってーことは、五輪イヤーは世陸イヤーや何もない年よりも5/4時点では9秒台が出やすい!!
そんなわけで、2024年の3人という数字を「五輪イヤー」に注目してみると…
・24年の3人という数は近年の五輪イヤーの平均を下回っている
・本来、五輪イヤーは早めに記録が出やすいはず
っということで、やっぱり2024年は選手の出足が鈍い!!
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