関東インカレの標準は10年前からどれだけ上がった?

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2022年に第101回となる関東インカレ、通称『関カレ』が5月19日からはじまります。
関東の大学による対抗戦なのですが、関東勢にとっては全国大会である「全カレ」よりも思い出に残りがちな大会で、日体大の「エッサッサ」や東農大の「大根踊り」など、各大学の応援合戦も非常に盛り上がり、大学スポーツ特有のお祭り感があります。
関カレの特徴は日本トップレベルの超ハイレベルな選手(大学)が競う『1部』だけではなく、頑張ればギリギリ出られるくらいの参加標準が設定されている『2部』も一緒に開催されていること。トップ選手だけでなく、一般の大学生も参加しているのが関カレなのです!

ってことで今回は
第101回関東インカレの『参加標準』は10年前と比べてどれだけ上がった?
をテーマにご紹介。

強豪校の選手にとっては補助員に駆り出されるだけの大会かもしれませんが、2部校の選手にとっては「関カレに出場する」っていうのもひとつの大きな目標になっています。
関カレは標準を突破していれば各大学1名までは出られるのですが、この『参加標準記録』は時代によって変わるもの。
せっかく大学まで陸上をやっているなら一度は関カレに出場しておきたいところですが、10年前から比べると出場のハードルが結構上がっているのです!!

 

 

関カレの標準は種目によってけっこう上がってるぞ!

関カレは男子は「1部」「2部」があって、大学が属するカテゴリーによって参加標準が変わります。女子は実質1部だけで、男女ともに大学院が別にあります。
1部と2部は前年の関カレのポイントによって入れ替わるのですが、いわゆる『強豪大学』が1部で、普通の大学は2部と考えていいです。
また、A標準B標準があり、A標準突破者は最大3名、B標準突破者は1名が出場できます(「A,A,B」もOK)。そのため、出場を目指す場合はB標準が目標になります!
また、標準の期限は前年からなので、高校3年生の選手は今のうちに標準を突破しておけば翌年の大学1年でいきなり関カレに出場できるから頑張れ!!

関カレ標準を10年前と比較!!

とにかく…
第101回(2022年)と第91回(2012年)の関カレ標準を比較してみましょう!
標準が変わっていない場合は特に記載せず、変わっている場合には赤字にしてカッコ内に91回大会の標準記録を記載しました。

第101回関東インカレの参加標準記録
(カッコは第91回の参加標準記録)
  男子1部 男子2部・大学院 女子1部・大学院
A標準 B標準 A標準 B標準
100m 10.60 10.80 10.70
(10.80)
10.80
(10.90)
12.25
(12.30)
200m 21.50 21.80 21.75
(21.85)
21.90
(22.10)
25.20
(25.50)
400m 47.80 48.90 48.70 49.40 57.50
(57.80)
800m 1:53.00 1:55.00
(1:55.5)
1:53.50
(1:54.5)
1:55.00
(1:56.0)
2:16.00
1500m 3:51.50
(3.52.5)
3:55.00
(3.56.0)
3:51.50
(3.55.0)
3.55.00
(3.57.0)
4:38.00
5000m 14:10.00
(14.15.0 )
14:20.00
(14.25.0)
14:10.00
(14.15.0)
14:20.00
(14.40.0 )
16:55.00
10000m 29:15.00
(29.30.0 )
29:45.00
(29.50.0 )
29:15.00
(29.30.0)
29:45.00
(30.30.0)
5000m 17:10.00
(17.20.0)
10000m 35:30.00
(36.00.0)
ハーフ 10000m 30:00.00
(30.30.0)
20km  1:01:40
(1.03.30)
ハーフ 1:05:00
(1.06.30)
10000m 30:00.00
(30.50.0)
20km 1:01:40
(1.04.30)
ハーフ 1:05:00
(1.07.30)
 
100mH/
110mH
14.60 14.90 15.05
(15.50)
15.30
(15.90)
14.60
(15.00)
400mH 52.00
(52.30)
53.00
(53.50 )
53.90 55.50
(55.90)
1:03.00
(1.04.60)
3000mSC 9:08.00 9:18.00 9:12.00
(9.18.0)
9:25.00

11:10.00
(なし)

10000mW 1万mW 45:00.00
10kmW 45:00.0
20kmW 1:33:00

1万mW 48:00.00
(49.00.0)
10kmW 48:00.0
(49.00.0)
20kmW 1:39:00
(1.40.00)

1万mW 55:00.00
10kmW 55:00.0
20kmW 1:53:00
4×100m 標準記録なし 42.50
(42.80)
50.20
4×400m 3:20.00
(3.23.00)
4:05.00
(4.20.00)
走高跳 2.08 2.03 2.03
(2.00)
2.00
(1.95)
1.65
(1.63)
棒高跳 5.00 4.90
(4.60)
4.60 4.30 3.50
(2.50)
走幅跳 7.50
(7.45)
7.40
(7.25)
7.20
(7.10)
7.10
(6.90)
5.80
(5.60)
三段跳 15.15 14.80
(14.70)
14.40 14.20 12.10
(11.40)
砲丸投 14.50 13.50 12.20
(12.00)
11.00
(10.70)
12.20
(12.00)
円盤投 44.00 41.00 36.00 33.50 40.00
ハンマー投 54.00 48.00 40.00 35.00 48.00
(35.00)
やり投 65.00 61.00 59.00
(58.00)
56.00
(55.50)
44.00
(43.00)
混成競技 6700
(6500)
6300
(6000)
5800
(5700)
5500
(5400)
4600
(4300)

めちゃくちゃ上がってる種目もあれば、変わっていない種目もありますね。
100mでは1部と2部のB標準が同じ10秒80に設定されているのに注目!
いまや10秒台は当たり前なんですかね。スプリンターは中間層のレベルが上がっていることが伺えます。スパイクの進歩もあるのかな?
一方で、110mHでは2部のA標準より1部のB標準の方が厳しくなっていて、技術系の種目ではまだまだ環境(大学や指導者)によって競技力にも差が出るのでしょう。
特に投擲種目では1部と2部の差が結構あります。

幅跳びの標準はけっこうキビしい!!でも目標としてはちょうどいい?

当ブログは幅跳び専門ってことで、幅・三段の標準について改めてみてみましょう。
また、21年の記録から大学生と高校生の標準突破者数を出してみました(下位の数字には上位の数字も含む。卒業生を含むので実際の標準突破者数とは違います。人数は数えているので違うかもしれませんが参考までに)。

 カテゴリー 男子1部A 男子1部B 男子2部A 男子2部B 女子
走幅跳
標準 7.50
(7.45)
7.40
(7.25)
7.20
(7.10)
7.10
(6.90)
5.80
(5.60)
21年
突破者
大学:38名
高校:9名
大学:59名
高校:19名
大学:121名
高校:50名
大学:176名
高校:84名
大学:39名
高校:25名
三段跳
標準 15.15 14.80
(14.70)
14.40 14.20 12.10
(11.40)
21年
突破者
大学:19名
高校:12名
大学:74名
高校:37名
大学:133名
高校:68名
大学:202名
高校:95名
大学:47名
高校:19名

1部の幅跳びは59名しか標準突破者がいないほど高い標準となっていて、A標準突破は38名だけ。ほぼ日本トップレベルの選手しか出られない大会です。
2部のB標準も7m10と10年前からは20cmも上がっていて、今のB標準は10年前のA標準に追いついています。けっこうキビしい記録だと思うのですが、大学生では170名以上もB標準突破者がいるんですね。
三段跳びは1部2部ともA標準とB標準の間に選手が多いので翌年以降もB標準は上がるかもしれません。7m10と14m20を比べると三段跳びの方が狙えるかな!?

高校3年生は7m10、14m20を目指せ!!

高校3年生が標準を突破すれば翌年の大学1年目から関カレにエントリーできるぞ!
高校生の記録からみてみると、2部のB標準突破者は幅84名、三段95名となっています。
高校生の標準突破者は各県2名くらいなので、1年生で関カレにでるのはインターハイに出るのと同じくらいの感じっと言えると思います。レベル的には結構高いけど、目指すべきところでしょう。

ただし、標準を突破したからと言って必ずしも出られるとは限らないので注意。
1部校だと標準を切っていても日本トップクラスの先輩がいるので多分出られないし、そもそも標準を切っていないと部活に入れなかったりもします。
2部校でももB標準の先輩がいたらどちらか1人しか出られないので、たぶん出られません。
まあとにかく、「関カレ標準突破者」っていうのは大学陸上において一つのステータスになるので、高校生ならインハイを目指すのと同時に記録の目標として関カレ標準を設定するとちょうど良く頑張れると思います。
ってことで、幅なら7m10、三段なら14m20を目指して頑張りましょう!

 

 

中・長距離はもはや「箱根」が主戦場?

中・長距離に関しては1部も2部も標準が一緒になりました!
それもそのはずで、関カレは長距離だけでなく短距離・フィールドのポイントがあるため、駅伝だけが強い大学は2部になりがち。
あの青学も2部です。
そんなわけで、
「箱根駅伝」にスポットをあてるとむしろ2部校のレースが注目されることもあるほどで、駅伝選手が出る種目だと1部も2部もレベルは変わりません。
かつての駅伝はいわゆる伝統校の争いだったのですが、この10年で箱根駅伝に力を入れる大学が増えたってことなんでしょうかね。
とはいえ、10年前だって駅伝戦国時代とかいわれていたんですけどね…

 

 

今回のまとめ

学生スポーツの大会として非常に盛り上がる関東インカレ。2022年は第101回大会が5月19日から始まります。
今回はその「参加標準記録」に注目して、10年前からどれくらいレベルが上がっているかをご紹介しました。
関カレはトップ選手だけの大会ではなく、一般大学生も多くが出場する大会で、2部制にわかれていてB標準も設定されています。ゆえに、関カレのレベルが上がると言うことは、日本の競技レベルが底上げされているということが言えるのです!
そしてこの『関カレ標準突破者』になるというのは大学まで競技を続ける選手であれば誰もが目指すべきひとつの目標でもあります。

標準を見てみると…
100mではもはや『10秒台』では標準にとどかず、2部校であっても1部と同じ10秒80がB標準となっています。大学で100mをやるっていうのは10秒台ではなく10秒80を目指すレベルということ…!?
中・長距離種目に至ってはもはや1部2部関係なく標準が設定されていて、箱根で強い大学が必ずしも1部ではないと言うことがわかります。

また、幅・三段について詳しく見ると、10年前からだいぶレベルアップしていて、2部のB標準ですら7m10というかなりのハイレベル!
インターハイ出場レベルの力がないと1年生での関カレ出場は難しい状況です。

ってことで…
大学生ならとりあえず2部B標準の「幅跳び7m10」、「三段跳び14m20」を目指せ!!
高校生もこの記録をクリアしておくと大学に入って最初の大会に出られるかも!?

 

 

 






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