【6m跳ぶ】幅跳びの助走 ピッチ×ストライドはどう意識する?助走のリズムで強い踏み切り!!

幅跳びのポイント, 陸上を始めよう, 選手の経歴

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陸上は速く走る競技で、幅跳びでも助走は速いほど有利。
そして、『スピード=ストライド×ピッチ』はもはや常識で、自分に合ったピッチとストライドを見つけるのが速く走るために必要!ってのも言われなくてもわかってるはず。
では、『走り幅跳びの助走』においてはピッチとストライドはどうコントロールすればいいのでしょう?

ってことで今回は
【6m跳ぶために】
幅跳びの助走でピッチとストライドはどう意識すればいい?

をテーマにご紹介。
助走の1歩目から踏み切り準備動作に入る直前までのいわゆる「助走」の走り方について、ピッチとストライドに注目してご紹介して行きます。

幅跳びの助走は速ければ速いほど有利です。これは大前提。
しかし、速ければいいってものでもないのが助走の難しいところ。トップ選手であっても助走では最大スプリントの90%程度のスピードしか出ていないのです。
『速く走る助走』では跳躍に限界があるため、6mくらいで頭打ちになって『6mの壁』を感じてしまうことも多いでしょう。
そんなあなたも、『強く踏み切るための助走』ができるようになれば6mジャンパーの仲間入り!!

 

 

助走ではストライドは一定!
『ピッチアップ』でスピードを上げろ!!

最初に今回の結論から。
助走は最初から最後までストライドを一定にして、『ピッチアップ』でスピードをコントロールをしろ!!
「助走」ではストライドは変えずにピッチでスピードを上げていくようにしましょう。
『スピード=ストライド×ピッチ』ですので、ストライドを変えなければスピードはピッチ変化と連動します。実際にはストライドも変わりますが、感覚的にはピッチだけでスピードを上げる意識。
足捌きの感覚としては『ミニハードル』が近くて、踏んだらすぐに足を前に持ってきて真上からフラットに接地。スピードが上がるとだんだん詰まってくる感覚です。

「最初は大股、だんだん詰まる」イメージで!

ストライドが一定ならスピードの変化はピッチ変化と連動します。
ただ、ストライドとかピッチを意識すると動きがおかしくなるので、
最初はかなりの大股で、スピードが上がるとだんだん詰まってくる
ような感覚で助走するのがいいと思います。
最初の5歩目くらいでほぼ最大ストライドを出してしまい、あとはピッチアップでスピードをコントロールしましょう。
見た目には最初の数歩はバウンディングみたいになります。大きなストライドで加速して、顔を上げたら(中間マークを踏んだら)そこからはピッチアップでスピードを上げていくイメージ。

意識としては…
前半は1歩1歩強く踏んでストライドで持って行って、後半は地面を軽く触るだけ。
あるいは…
最初はすごい大股で、後半はピッチの回転で走る
これくらい極端でいいです。後半はいわゆる「フラット接地」で、短い接地で回転させる感じ。

また、ラスト3歩(あるいは5歩)の踏み切り準備動作では、助走で前捌きの動きが出来ているかどうかで精度が大きく変わってきます。
次の項目で少し触れますが、前捌きの助走ができていないと、(つまりピッチアップができないと)踏み切りでリードレッグが遅れてしまい反発が使い切れなくなります。

ってことで、間延びした助走だと踏み切りが弱くなりますので、「詰まった助走」で大丈夫。
助走はスプリントからするとかなり詰まって違和感あるくらいが正解です!

ヘンダーソンとマニョンガをお手本にしよう!

色々言われてもイメージしずらいとと思うので、「最初は大股、だんだん詰まる」助走のお手本を2選手ご紹介。

まずはリオ五輪金のジェフ・ヘンダーソンの助走↓

独特なルーティンから、大きく強く1歩目を踏みだして10歩くらいストライドでグイグイ加速しながら体を起こし、後半の10歩は目にもとまらない程の超高速ピッチで刻むのがヘンダーソンの助走の特徴。
注目ポイントは後半のハイピッチ。
顔を上げてからの『リズムアップ』が完璧で、ハイピッチでスピードをコントロールしているため重心を落とす局面でもスピードが維持でき、助走の勢いを生かして飛行機が離陸するようにフワっと浮かび上がる跳躍に繋がっています。
ちなみに100mのPBは10秒18。

2人目はリオで銀のルヴォ・マニョンガの助走↓

1歩目から踏み切りまで前捌きでシームレスにピッチを上げていき、踏み切りで最大ピッチに達してスムーズに跳ぶのがマニョンガの助走の特徴です。
前捌きな助走からそのままの動きでダブルシザースにつながっている非常にスムーズな跳躍で、1歩目から着地までが全て1本に繋がった非常にリズミカルな跳躍ですね。
スプリントからするとやりすぎなくらいの前捌きですが、これが準備動作につながるので失速せずに跳ぶことが出来ています。これ以上リズムミカルな跳躍が出来る選手はいないのでは?

長い手足の動きが大きすぎて遅く見えるほどですが、100m10秒4くらいの走力を持っています。

 

 

ピッチアップで『強い踏み切り』ができるようになる!!

お手本動画を見ればピッチアップしているのが分かると思いますが、なぜこれが正解なのでしょう?

それは…
ピッチアップでリズムを作ると強い踏み切りができる!
からです。
今回は『助走』に注目するので踏み切り局面についてはできるだけ省略しますが、助走は全て踏み切りにつながっているのが幅跳びという種目。
うまく踏み切りをするために「助走のピッチアップ」が重要!!なんです。

助走は『スピード』と『リズム』が大事!

助走ではスピードが一番大事です!幅跳びの助走は速ければ速いほど有利で、これは前提です。
ただ、『幅跳びは速く走る競技』ではなく、『遠くに跳ぶ競技』だということを忘れてはいけません。
遠くに跳ぶために一番大切なのは強く踏み切る(踏み切りで最大の反発をもらう)こと。ですよね?
~参考~

12秒後半の走力でも踏み切りが強ければ6m跳ぶことは可能です。

わりと軽視されていますが、助走ではスピードと同じくらい『リズム』が大事です。
詳しいことは今回は省略しますが、助走ではスピードは最大スプリントの90%に抑えてでもしっかりと『リズム』を作るのが最適解です!!
(90%の根拠は省略!調べて下さい笑)

『助走のリズム』ができれば足が流れない!!→踏み切りで有利

スピードが落ちたとしても『リズム』を作るべきなのはなぜか?
そもそも『助走のリズム』ってなんだよ…
なんて思うかもしれませんが、お手本動画がお手本たるゆえんはここにあって、ヘンダーソンとマニョンガはリズムを作るのがとっても上手!
トップ選手の中にはスピード重視で突っ込んで踏み切り直前で刻むタイプもいます(マッソとか)が、そういった選手と比較するとお手本の2選手は、助走中盤ですでに強い踏み切りのための準備ができていて、助走から準備動作そして踏み切りまでの流れが非常にスムーズです。

この、序盤から踏み切りまでがよどみなくリズムアップしていく助走のおかげで踏み切りで強い反発を受けることができ、浮かび上がるようなロスのない跳躍ができているのです。
つまり、助走のリズムが良いから強い踏み切りができている。

「足が流れる」とリードレッグが上がらない!!

足が流れた状態だと足が遅れるので「踏み切り足の接地」と「リードレッグを持ってくる」のが遅れる!!
ただし、踏み切り足はややこしいのでまずはリードレッグだけ意識するのが良いと思います。

これが助走で足が流れちゃダメ!の簡単な説明。
ザックリいえば、足が流れていると前に持ってくるのが遅れるのでリードレッグが引きつけられずに跳躍が潰れます。

スプリントでは1歩が流れても全体がまとまっていれば良いタイムを出せますが、跳躍では踏み切りでロスがあったらもう致命的。
そのため、助走では多少スピードが多少落ちても足を流さずにリズムを作って前捌きであることが重要なのですが、それは『リードレッグを強く引きつける』ことにも大きく影響します。

もうちょっと具体的に言うと、
リズムアップによって「前捌きの助走」をすることで…
①踏み切り足の接地前に余裕があるので膝を伸ばしてかかとから入れる
②足が遅れないのでリードレッグを素早くしっかりと引きつけられる
この2つが重要なポイント。①は助走というよりも準備動作なので今回は説明を省略。
『助走』でいえば、リズムアップして前捌きのフォームがとれると、②のリードレッグをしっかりと引きつけてポーンと浮かぶ踏切りができるようになります。

特にマニョンガの助走は「助走から踏み切りの繋がり」がとってもスムーズなのが分かると思いますが、これが助走のリズムが良いということ。
リズム良く前捌きの助走が出来ているおかげで、強い引きつけができ、体がポーンと浮かんでいます。

 

 

「足の裏」を見せてリズムをつくろう!

「なるほど最初はストライドを大きくすればいいのか!」ってことでストライドを伸ばそうとすると足が流れがちなので気を付けましょう。
「じゃあリズムを作ればいいのか!」って弾んでいるとストライドが出ないのでスピードが出ません。

そんなこといわれてもどうすれば…
そんなあなたに、管理人がおすすめする助走のリズムの作り方をご紹介!!
それは…
助走は『足の裏』が前にいる審判から見えるように走れ!
これを意識して助走するとストライドを出しつつリズムが作れるのでおすすめ!

トゥアップ!これ、基本中だよ!!

助走で色々考えすぎていると基本を忘れがち。
ストライドを出そうとして1歩1歩を強く踏む意識をすると、どうしても足が流れがち。ここでもう一度基本をおさらい。
トゥアップさえできていれば足は流れないはずでしょ!!
そう、足が流れるのはトゥアップが出来ていないってことです。

お手本のマニョンガの動画を『足の裏』に注目してもう一回0.25倍速で観て下さい。
1歩1歩の接地の直前には足首が上がっていてリード足の裏が前の人から見えそうなのがわかると思います。
これはいわゆる『トゥアップ』を強調した動きで、スプリントからするとちょっとやりすぎなくらいやってますが、これがマニョンガの助走の真髄。

トゥアップした助走のやり方は、助走を正面や真後ろから見てもらって、足の裏がピョコピョコ見えるか確認する!これだけ!
イメージとしては、ファールを見ている審判に足裏をみせる意識で助走するとできるようになります。あるいは、後ろの人に足の裏が一瞬しか見えないように走る。
やりすぎなくらい極端な意識でやっても、実際に映像で確認したらまだちょっと流れてるくらいだと思います。

トゥアップさえできればピッチアップもできるはず!

「最初は大股、だんだん詰まる」助走は聞くだけなら簡単そうですが、実際にやってみるとピッチがうまく上がらずに間延びした感じの助走になってしまう人もいるかと思います。
ピッチアップ出来ないのは足が流れてるのが原因です!
足が流れた状態だと足を前に持ってくるのに時間がかかる(リカバリーが遅れる)のでピッチを上げることが出来ず、ピッチアップができません。
ピッチアップが出来なきゃリズムが出来ずに潰れます。
ヘンダーソンのような最後までピッチアップしたリズミカルな助走をするためには、足は流しちゃだめなんです。

で、トゥアップで足の裏を見せて走れば足が流れないからピッチアップ出来る!!
「ピッチが上がんねぇなぁ」っと思ったら足が流れている可能性があるので、トゥアップして短く接地するように意識してみましょう。

 

結局、助走は『速さ』のが一番だけどね…

ここまでをまとめると、
ピッチアップでスピードを上げてリズムをつくれば足が前捌きになるから強い踏み切りが出来る!!
っという内容でした。
実際、世界のトップ選手であっても助走スピードは100mを走る時の90%くらいに落ちています。

ただ、助走は速ければ速い方が有利です!これは真理。
トップ選手ですらリズムを作ると10%も減速してしまうわけですから部活レベルの我々がリズムをつくれば減速幅はもっともっと大きくなってしまうことは想像に難くありませんよね…
そのため、リズムを作るからといって遅いのはダメ!!これは肝に銘じておきましょう。

理論上は12秒後半の走力でも6mを跳ぶことは出来ますが、12秒後半の人が減速してしまったらそりゃあ無理。
踏み切り技術にもよりますが、減速まで考えると12秒5くらいのスピードでが助走を走りたいですね。

 

 

今回のまとめ

今回は
幅跳びの助走ではピッチとストライドはどうすればいいのか?
をテーマにご紹介しました。

ストライドは一定でピッチでスピードをコントロールしろ!!
ってのが陸上chとして言いたいことで、感覚としては…
・最初は大股、だんだん詰まってくる
・最初の3歩くらいで最大ストライドに達してあとはピッチアップ!!
・中間マークからはピッチを上げて踏み切りに向けて超高回転
これくらいの意識でやってもまだまだピッチが足りないくらいです。

~お手本でリズムの凄さを見てみよう!~
お手本としてヘンダーソンとマニョンガをご紹介。
ヘンダーソンは後半のピッチアップが凄まじく、重心を落としてもリズムが崩れないので助走の勢いをうまく跳躍に繋げています。
マニョンガはリズムの取り方がズバ抜けていて、1歩目から着地までが全てシームレスに1本に繋がっています。
どちらも『助走のリズム』がうまい選手で、リズムが良いことで踏み切り足の位置が良くなり、リードレッグを強く引きつけてポーンと浮かび上がるような跳躍になっています。

~助走ではスピードと同じくらい「リズム」も大事~
『助走のリズム』を作ることで前捌きの助走になり、それは強い踏み切りに繋がっています。
助走で一番大事なのはスピードを出す事は前提ですが、幅跳びは速く走るのではなく遠くに跳ぶ競技。
スピードを90%程度に落としてでも、しっかりとリズムをつくることが助走の最適解なのです!

~リズムを作れば足が流れず踏切りが強くなる!~
なんでリズムが大事なのか?っていうと、足が流れなくなるから。っていうか、足が流れているとピッチアップができないのでリズムも作れません。
前捌きの助走ができれば踏み切り姿勢に余裕ができるため
①踏み切り足が曲がらない
②リードレッグを強く引きつけられる
っという効果があります。今回はリードレッグに注目すると、前捌きだと足が遅れないため、踏み切りの一瞬の間にしっかりとリードレッグを高く持ってくることができ、その結果ポーンと浮かぶ跳躍が出来ます。

~足の裏を見せて走れ!~
リズムの取り方なんてわからない…そんなあなたも大丈夫!
助走で踏み切りの審判に足の裏を見せるように走ろう!!
は?って感じですが、これはトゥアップを強調した意識。「つま先を上げる」だと腰が落ちますので足の裏を見せるのがおすすめ。
トゥアップは基本だけどおろそかにされがち。ピッチアップができずにリズムが作れないのは足が流れているのがたいていの原因で、トゥアップさえできれば足はもう流れない!!
足が流れなければピッチアップできるのでリズミカルナ助走ができるようになるはず!

 

今回のお話は専門的っていうかマニアックな話で、教科書的なものには多分ほとんど書いてないと思いますが、なぜか跳躍選手のなかでは共通認識として語られることが多いです。
最初のストライドのところについては、「ファールしないため」って言う認識でルーティンの延長として捉えている選手もいます。実際、最大ストライドで走ると歩幅のブレは減るはずです。
しかし、管理人としては「強い踏み切りのため」の助走技術だと思っています。
まあ、どっちの認識でもやることは一緒。とにかくストライドは
初からでっかくいきましょう!!

 






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