【幅跳び】技術を身に付ける夏の1か月の集中練習!~②空中動作と着地~

幅跳び集中練習, 幅跳びのポイント

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前回に引き続き、今回も夏の集中練習でザックリと幅跳びの基本技術を一通り身に付けようというお話。

ってことで今回は
【集中練習】夏の1か月で身に付ける幅跳びの基本技術②
をテーマにご紹介。
順番に3ステップを集中して身に付けることで、1か月後にはそれなりの専門技術が手に入る!?
そんな1か月の集中練習です。
①踏み切りとブロックを極めろ!!編
②空中動作と着地を極めろ!!編
③全助走のリズムを極めろ!!編

今回は第2ステップとして、『空中動作と着地』の技術をサクっと身に付けましょう!!
幅跳びは跳び出してしまえばもうその段階でだいたい記録が決まるのですが、あと5cm、あるいは10cmが勝負を分けることもあるでしょう。そんな「あと数センチ」伸ばす技術が空中動作と着地。
踏み切りとブロックがちゃんとできるようになったら次のステップとして今回紹介する空中動作と着地に進みましょう!

ちなみに今回は、「反り跳び」「はさみ跳び」「かがみ跳び」のやりかたではなく、全部に共通している部分を解説します。
それぞれの空中動作のやりかたが知りたい方は↓の記事でどうぞ!

 

 

【ステップ2】空中動作と着地編

ステップ2で目指すことは…
適切な『空中動作』がとれて、ロスの少ない『着地姿勢』が作れるようになれ!!
『空中動作』ってのは「反り跳び」とか「はさみ跳び」ってやつで、今回はどのフォームであっても共通している部分の紹介です。
考え方としては、空中動作は余裕をもった着地をするための技術です!そのため、どんなに空中動作がうまくても1m伸びるようなことはありません。
そして、空中動作は『有利な着地姿勢』に繋がります。一連の動きがうまく繋がれば順位が一つか二つあがるかも!?
派手でカッコいいので練習にも力が入るのが空中動作ですが、見よう見まねでやるだけでは本質的なポイントを見逃してしまう可能性も。
ってことで今回も管理人的に重要な「3つのポイント」を絞ったので、これさえおさえておけばそれぽい空中動作とそれっぽい着地姿勢がとれるはず!
大事なのは『最後にお尻をうまく滑り込ませる』ことです。

それっぽい空中動作~着地姿勢をつくるための3つのポイント


③ではOKな着地とNGな着地をわかりやすいように書いてみました。

今回の3つのポイントは…
①リードレッグの引き付けはしっかりと!!
②空中動作はゆっくり大きく!!
③着地は足を投げ出してお尻を滑り込ませろ!!
これを意識すれば空中動作の目的を見失うことなく、有利な着地を実現できるはず!
空中の局面の前半、中盤、後半でそれぞれ1つずつ意識すればOKです。

①リードレッグの引き付けはしっかりと!!

空中動作最大のポイントは『空中動作をはじめるのはリードレッグをしっかりと引き付けて体が浮いてから!!』ってところ。
空中動作じゃないじゃん…っと思うかもしれませんが、ステップ1のブロックができていないのであればその時点で空中動作もダメ。まずはしっかりと跳び出しとブロックの姿勢を作り、体が完全に浮いてから空中動作に入るようにしてください。
当ブログを見ている方はさんざん目にしたであろう「リードレッグを引き付ける」ですが、多くの選手がこれができていないので体が浮かず、そのせいで空中で忙しくなって結果的に空中動作が十分に取れずに着地で刺さってます。
基本中の基本なのですが、これができるだけで滞空時間が伸びるので余裕をもって空中動作を行うことができるようになるはず。
とにかく、空中動作はブロックのあとです!!
ただ、頭でわかっていても跳び出すと体が勝手にバタバタと動いてしまうもの。
後で紹介する「ロイター板」を使って高く跳ぶ練習を繰り返すことで、空中感覚を身に付けることをおすすめします。

②空中動作はゆっくり大きく!!

踏み切ってから着地するまでって本当に一瞬で、たぶん0.5秒くらいだと思います。(測ってないけど)
空中動作では、その極短時間のなかであっても空中でどれだけ大きく伸びることができるか?っていうのが重要なポイントになります。
実際にはスピードディな動きが必要なのですが、感覚としてはゆーーったりと動く必要があります。大きく動いたときとチマチマ動いた時の違いは、特に「反り跳び」の場合には感じやすいと思います。
なんで?ってのは『角運動量が…』っていうややこしい話なので今回は省略します。
ザックリ言うと…
大きく動くほど前方回転力が消えてつんのめらなくなるから着地で有利!!
この認識は大丈夫だと思います。

空中ではどうしてもバランスをとろうとしてバタバタと小さく細かく動いてしまいがち。意識的にのんびりゆったりと動くようにしてみましょう!
おそらく最初は大きく動こうとしても体が勝手にチマチマと動いてしまうはず。
空中フォームの記事ではもうちょっと詳しく書いていますが、反り跳びの場合にはぶら下がる感覚で、はさみ跳びの場合には足を下にビンビン伸ばす感覚で跳ぶと大きく動けるかと思います。

③着地は足を投げ出してお尻を滑り込ませろ!!

最後は着地の瞬間のお話。この局面のために空中動作があると言っても過言ではないのですが、ここでどれだけ有利な姿勢がとれるかが記録に直接影響します!
理想的な着地は…
投げ出した足が接地した瞬間に膝を曲げてお尻をできるだけ遠くまで滑り込ませる!これですよ。

ポイントとしては、
1.そもそも足を前に投げ出せないとダメ
2.刺さるのではなくて滑り込む!
当然のことながら、着地ではとにかく遠くに着く!ってのが大事ですよね。そして足を着いたらそこに向かってお尻を滑り込ませる必要があります。
そのためには足を遠くに投げ出す必要があるので、まずは足を投げ出した姿勢をとれるようになりましょう!絵の一番左の状態が一瞬でもあればOKなので動画に撮って自分の着地姿勢をみてみましょう。
このときの手の位置はもっと前側でもいいですし、真下におろしてもいいです。(トップ選手でも2パターンあります)

とにかく、『前のめりでつんのめった着地になっていたらダメ!』です。これが空中動作の重要な点。
前のめりになっているってことは適切な空中動作が取れていない結果ですので、着地でつんのめる場合には②で紹介した『大きくゆっくり動く』ことで回転を抑えましょう。

っとはいうものの、やってみればわかると思いますが滑り込ませるのはけっこう難しいです。たぶん、意識してお尻から着こうとしても足が先についてしまって「刺さった着地」になってしまうと思います。
まずは足を投げ出したまんまお尻で着地することから始めましょう!
お尻から着地できるようになればとりあえず着地としては合格点だと思います。お尻をスライドさせるのはその次の段階で大丈夫。

 

集中練習!空中動作と着地はこれでオッケー!!

『空中動作』『着地』は適当に練習してもけっこう身に付きます。っとはいえ、効率的に練習をすればより高い技術が身に付くはず。
ってことで、集中練習でやり込むべき空中動作と着地の練習方法をご紹介!!
これさえやっておけばけっこうすぐそれっぽい跳躍動作ができるようになるはず!?

ロイター板跳躍で空中感覚を覚えろ!


まず最初に紹介するのは、幅跳び選手なら誰もがやるであろう基本練習である『ロイター板』を使った練習です。
ロイター板ってのはこんなやつ↓

とはいえ、普通の学校だとロイター板なんか持っていないので、競技場の『踏み切り板のフタ』(踏み切り板をはめるところを外したやつ)を使う場合も多いと思います。
フタを使う場合には、1つだと踏み外して致命的なケガをする可能性があるので、できれば2つ並べて使うことをおすすめします。あるいは、助走は3歩くらいまでにして踏み外すリスクを極力小さくしましょう。

ロイター板を使うメリットは、力を使わなくても高く跳べること。(実際高い位置から跳んでますから当たり前ですね…)
なので助走スピードは不要です。
力を使わずスピードが低くても高く跳べて空中で余裕ができるので、ロイター板は空中動作を反復練習するのに最適です!
最後の着地までやらなくてもいいので、空中で大きく伸びてゆったりと空中動作をとってそのまま足から着けばいいと思います。っていうか、スピードがないのに高く跳んでいるのでお尻から着くとドスンときて結構痛い。
とにかく、高く跳んでもバタバタせずに空中で自分の動きをコントロールできるように反復して練習しましょう。

砂場のフチからの立ち幅跳びで「足を投げ出してお尻から着地」ができるようになろう!


いわゆる『立ち幅跳び』です。ただ跳べばいいってわけではなく、着地姿勢を作る練習としての立ち幅跳び
やることは非常にシンプルで、フチから跳んで砂場に着地するだけなので小学生でもできるし、負荷が非常に少ないのでケガのリスクもないためいつでもやりやすい練習です。汚れるけど。
このシンプルな動きの中で、意識するのは着地の直前に一気に足を前に持ってくること。スピードがないので滑り込ませるのは無理だから着地はお尻からでいいです。
滞空時間が非常に短いのでやれることはほぼありませんが、その中でも緩急をつけることを意識すると一気に足を持ってくる感覚が掴みやすいと思います。

高跳びのマットで足を投げ出すのもあり


高跳びをやっているチームメイトがいる場合には、高跳び用マットで足を投げ出す練習も有効です。
砂場だとどうしても落下しながらなので足から着地したくなってしまうのですが、マットであれば高い位置に着地することになるため、自然と足を投げ出すことができるはず。
スピードをだすと痛いので、1歩とかで軽く跳んで着地姿勢をつくれればそれでOKです。

 

 

まとめ② 空中動作は大きく!!着地は足をしっかり投げ出せ!!

全3回の集中練習として今回はその第2回。
空中動作はできるだけゆっくり大きく!着地は足を投げ出すこと!
っていうのが今回のお話のポイントでした。

あくまでステップ1で跳び出しとブロックができた後の段階で、空中に浮いてからやるべきなのが空中動作。
空中ではなにをやっても飛距離を伸ばすことはできないのですが、ロスを少なくすることはできるっていうのが空中動作の大切なところ。
空中動作はできるだけ大きな動きをすることで、着地の局面で有利な姿勢をとることができるのです!

「空中でゆっくり大きく」っていうのは簡単そうに思えますが、実際にやってみると、空中に投げ出されるとなぜか体が勝手にバタバタと動いてしまうもの。そのため、ロイター板などを使って長い滞空時間に慣れて、その中で動きをコントロールできるだけの『空中感覚』を身に付けると良いと思います。

また、最終的には着地局面が記録に直接影響する部分。
有利な着地姿勢っていうのは着いた足の位置にお尻を滑り込ませることができる姿勢。この姿勢をとるためには、足をできるだけ遠くに着くことを意識しましょう。
そのためには、『足を投げ出す』という動きが大事。立ち幅跳びでお尻から着くことができれば大体OKだとおもいますが、マットがあるならマットに向かって跳んでみるもの良い練習になります。

ってことで、第2回の今回は『空中動作と着地』に注目した内容でした!
ステップ1と合わせれば、ここまでで踏み切りから着地までが大体それっぽい動きができるようになったはず!!
夏の1か月でこれだけ反復しておけばもはや幅跳びの専門技術の大部分が完了したような気がします…
残るは『助走』ですね!
基本的には「速きゃいい」わけなので練習の優先度はあんまり高くありません。しかし、助走も1か月の集中練習の最後の仕上げとして取り入れるべき項目でしょう。
『足が速い』のと『助走がうまい』のは似て非なるもの。そんな微妙な違いについて紹介していこうかと思います…

もう夏が終わりそうですが。






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