【幅跳び】技術を身に付ける夏の1か月の集中練習!~①踏み切りとブロック編~

幅跳び集中練習, 幅跳びのポイント

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陸上は春シーズンにインハイ路線やインカレ、そして秋シーズンに新人生や国体があります。
そんなわけで、夏は意外にも練習を積む時期です。(勝ち進めば試合が続きますが)
春で勝てなくても夏の間に技術を見直すことで秋シーズンでリベンジしたり、夏の間に種目変更して秋シーズンから新種目に挑戦したりと、夏はその準備期間でもあるのです。
そして、気温の高い時期は『技術練習』をケガのリスクなく高いレベルで行うことができる貴重な時期。ガンガン跳んでもケガしにくい夏は幅跳びの技術を習得するベストな季節なのです!!

ってことで今回は
【集中練習】夏の1か月で身に付ける幅跳びの基本技術①
をテーマにご紹介。
順番に3ステップを集中して身に付けることで、1か月後にはそれなりの専門技術が手に入る!?
そんな1か月の集中練習です。
①踏み切りとブロックを極めろ!!編
②無意識の空中動作を極めろ!!編
③全助走のリズムを極めろ!!編

今回は第1ステップとして、『踏み切りからブロック動作』の技術をみっちり練習しましょう!!
踏み切りとブロックは幅跳びの基本でありながら一番重要な局面で、これだけ1か月やってもいいくらい大事な技術。そしてさえできれば6m中盤くらい跳べるはず。
次のステップに進むのはこれが完璧にできるようになってからです。

 

 

【ステップ1】踏み切りとブロック編

まず、ステップ1で目指すべきことは…
『踏み切り』と『ブロック』の形をしっかりととれるようになれ!!
『踏み切り』はまあ、わかるでしょう。ここでは、潰れない踏み切りの技術を身に付けることを目標にします。
『ブロック』っていうのは、姿勢をキープしたまま空中に跳び出す技術のこと。前方回転力を感じながら、反発を使ってポーンと浮き上がる技術を身に付けることを目標にします。
今回は管理人的に重要な「3つのポイント」を絞ったので、これだけを意識して1か月かけてでも踏み切りとブロックの形をマスターしましょう!!
大事なのは『体を1本の棒にしてポーンと弾む』ことです。

『3つのポイント』だけ意識して形を作れるようになろう!!


自分の動きを動画に撮ってみて、この絵と同じような形を作るようにしましょう。
砂場でやる場合にはリードレッグから足を着くようにしてください。踏み切り足はできるだけ伸ばしたまんま跳びましょう。そして逆足(ロードレッグ)はしっかりと引き付ける!
簡単そうに思えるかもしれないけど、6m跳べない選手はたぶん全部できてないゾ。

ポイントは3つで、
①踏み切り足を伸ばす(かかとで接地)
②踏み切り足を巻かない(足を伸ばしたまんま)
③リードレッグをちゃんと引き付ける
この3つだけできれば「ほぼ完璧な踏み切り」が形としてはできるはず。形さえできればあとはタイミングだけです。
踏み切り局面では1つ、ブロック局面では2つのポイントだけをしっかりおさえましょう。

①踏み切り足は伸ばせ!!

『踏み切り足を伸ばせ!!』これが管理人が一番言いたい幅跳びのポイント。
言い換えると、踏み切りの瞬間に膝が曲がっていると「潰れた踏み切り」になるのでNG!!
6m跳べない選手のほとんどがこれができていません。ていうかこれさえできて12秒前半で走れれば6mはいく。
とにかく、踏み切り足はピーンと膝をのばすのが最大のポイントです!!
細かいことを言うと、『伸脚バネ』を使うのが幅跳びの踏み切りで、これが『プライオメトリクス』の動きになります。反発を使った跳躍をするために最低限必要な技術。
幅跳びに限らず、跳躍種目はみんなこれが必要で、特に走高跳の踏み切りなんかをみるとわかりやすいかもしれませんね。やり投げの投げる瞬間の軸足も一緒でピーンと伸びてます。
簡単そうに思えますが、実際にやってみると伸ばしている意識なのに膝が曲がってしまうはず。
意識するポイントとしては、かかとから踏み切り板を踏むようにしましょう!!
たぶん、「膝を伸ばす」意識だとぎこちない動きになってしまうと思います。そんなときは「膝」ではなく「かかと」を意識。「かかとから踏み切り板に入る」感じで踏むとたぶん膝が勝手に伸びます。
上から踏むっていうよりも、かかとをスーっと出して踏み切りに
入るイメージ。
また、つま先が下がると膝は絶対に曲がるので、動画をとってみて「つま先が下がっている」場合にはまずはトゥアップを意識することから始めましょう。
速い動きだと難しい場合にはウォークでかかとを出す感覚を確かめながらやってみると良いと思います。

②踏み切り足は巻いちゃダメ!!

跳び出したら「ブロック」するわけですが、この局面では「前方回転力」が働くので、無意識に手足をバタバタしがち。
一番やりがちなのが踏み切り足を巻いちゃう現象。これがやっかいで、簡単に言えば、踏み切り足が巻いちゃうってことは、膝を使って跳んじゃっているということ
膝の力で跳んでいるということは「筋力」を使ってしまっているということで、「反発」を使えていないということ。巻きグセがついてしまうと、もし6m跳べたとしても反発を使えていないのでその先で伸び悩む原因になります。
ポイントとしては、ポーンと跳び出したら空中でそのままの姿勢で我慢!!
踏み切った瞬間には踏み切り足は伸びているはずで、その足をそのまんま伸ばしておきましょう。伸展させるべき関節は「膝」ではなくて「股関節」です。

③リードレッグは膝を開かずにしっかり引き付けろ!!

「リードレッグの引き付け」も跳躍で非常に重要な動きです。空中で「もも上げの姿勢」がとれていればとりあえずはOKですが、膝が全然上がらずにそのまま着地姿勢になってしまっている場合が非常に多い!!とにかく動画をとってみてみましょう。
ポイントとしては2つあって…
・ももをしっかり上げる
・膝は開いちゃダメ!!

まず、形としてももをしっかりと引き付けましょう。まあこれはわかるでしょう。タイミングよく膝を上げるだけでもポーンと体が浮きます。
そしてもう一つ重要なポイントが、リードレッグの膝は開いちゃだめ!!ってこと。
膝を上げるだけでもそれなりに浮くのですが、ここで膝が開くと力が逃げてしまいます。ポーンと跳ぶには、踏み切りで受けた「地面からの反発力」を逃さずに体ですべて受け止めるイメージが必要です。
リードレッグの引き付けを意識するとどうしても膝が開きがちなのですが、これだといわゆる「流れた跳躍」になります。
リードレッグを引き付けたときに膝は開かないように気を付けると踏み切りで受け力を跳躍力に変換できてポーンと浮くようになず!

こればっかりは、反復して練習することで我慢する感覚を身に付けるしかないんだと思いますが、これも最初はウォークや小さいギャロップで感覚を覚えるのがおすすめです。

 

 

集中練習ではこれをやれ!!踏み切りとブロックの練習方法

『踏み切り』と『ブロック』の形をマスターしようとはいうものの、なにをやればいい?
ってことで、集中練習でやり込むべき練習方法をご紹介!!
上で紹介した3つのポイントを習得するためにおすすめな練習を紹介します。
とにかくこればっかりやっておけば気付いた時にはそれっぽい踏み切りとブロックができるようになっているはず!!
何も考えなくてもオートマチックで体が自然と動くように繰り返し練習しましょう。
今回おすすめするのは
・ギャロップ走
・鉄棒ぶら下がり
・短助走跳躍(砂場)

とにかくこの3つ!!1か月こればっかりやっておけばいいと思う。
あとはドリルとして、「ひきつけを強調したニーアップウォーク」なんかを追加するとちょっと専門性がアップするのでおすすめ。

ギャロップ走(片足ハイスキップ)

タターンタターンタターン…のリズムでアクセントをつけてリズミカルに跳ぶのがギャロップ走です。
「踏み切り」にも「ブロック」にも有効な練習で、かかとをスーッと出して膝を伸ばして乗り込む動きを反復できるし、跳び出しで我慢する感覚も練習できます。
ギャロップ走ってのはこれ↓

1か月間ギャロップ走をやり続ければそれだけで踏み切りの入りとローリングが身に付くと思いますよ。
動画は普通のギャロップ走。意識によっていろいろ変わりますが、「踏み切り」に注目した場合にはもっとスピードを落として1本1本を丁寧にやるほうが良いと思う。
ポイントとしては、「かかとから入る」ことで膝を伸ばした踏めるようにしましょう!
『上から踏む』よりも『かかとに乗り込む』イメージのほうが踏み切りの練習になります。ブレーキがかかるのは今の段階では気にしなくていいと思う(ここでは「減速を抑える」ことよりも「大きな反発を受ける」ことを重視します)。
かかとから重心を通る一本の棒が力を受ける感覚で、力を入れなくてもポンポンと弾む位置があるので探しましょう。
もしここで膝や腰が曲がってクッションしてしまうと『弾む感覚』が薄くなるので、軸が弾む感覚を大事にして下さい!
反発をクッションすることなく、重心にダイレクトに反発を伝える感じを意識すると良いと思います。

アクセントを変えればバリエーションが増える!

アクセントの強さを変えることによってターゲットが変わるのもギャロップ走の特徴。
アクセントを強くした場合
・実際の踏み切りに近い動きになり、高く浮く。
・プライオメトリクスの感覚がよくわかる。

・負荷がかかるので膝が曲がりがち。しっかりと膝を伸ばす意識を磨ける!
・腹圧なども自然と身に付くので跳躍練習の一環として考えてもいいくらい。

アクセントを弱くした場合
・ゆっくりなので軸がズレると力が逃げる感覚がわかりやすい。
・かかとから入ってつま先に抜ける感覚がわかる。
・地面を押す意識がしやすい

実際の練習では強いのと弱いのを適当に組み合わせて、本数とか距離にはあんまりこだわらずに感覚重視で気持ちよく弾むのが良いと思います。50mとか80mを10本くらいやっておけば結構疲労するはず。

 

 

【ブロック】鉄棒ぶら下がり


まさか!と思うでしょうが、跳び出しの姿勢をキープしたまま鉄棒にぶら下がってぶらぶら揺れるだけ!!
これがとってもおすすめなんです。
ポイントは、「姿勢をキープしたまま」ってところです。跳び出してブロックする「形」を作るだけなのですが、実際にやってみると足を振り出しちゃったりして結構難しい!!しっかり我慢!!
これだけで「リードレッグを振り出さない」ってのと「踏み切り足を巻かない」っていうのを2つともいっぺんに身に付けることができます。
しかも、リードレッグを引き付けると腸揚筋がダイレクトに刺激されるので単純にいいトレーニングにもなる。ここで体を伸ばす感覚を知っておくとのちに出てくる空中動作でも非常に役立ちますので一石二鳥どころか三鳥四鳥な練習。
デメリットは、学校や練習場に高鉄棒がないとできないことでしょうか。

 

短助走跳躍(砂場)


1~3歩で踏み切って砂場に足から着地する練習
です。ギャロップ走の実践版て感じ。
踏み切り~ブロックができればいいので歩数は何歩でも良いです。スピードはいらないので1歩でも3歩でも、ゆっくりジョギングして踏み切ってもOK。
ポイントは、跳び出したらできるだけブロックの形をキープして「前方回転力」を感じる!!
膝を伸ばして踏み切れていれば(反発を使って跳べていれば)スピードが遅くても前方回転力が働くので空中でだんだん前傾してくるはずです。
もし、膝の伸展をつかって跳んでいると前方回転力は働きません。空中で前転してくる感覚がない場合は踏み切りがまだまだダメ。
膝を伸ばして踏み切って空中でブロックしたまま前足から砂場に突っ込む。これを繰り替えして感覚を覚えましょう!
6m跳べないなら助走練習やら空中動作なんかやってるないで短助走跳躍をやった方が絶対にいいです。夏の1か月だけでも騙されたと思ってこればっかやってください。

 

 

【まとめ①】なにはなくとも踏み切りとブロックが大事!!

全3回の集中練習として、1か月で集中的に幅跳びのレベルアップをする方法をテーマに幅跳びの基本技術をご紹介!
今回はステップ1として『踏み切りとブロック』が大事!ってお話でした。

おさえるべきポイントは3つで…
①踏み切りは足を伸ばすしてかかとから!
②踏み切り足を巻いちゃダメ!
③リードレッグをちゃんと引き付けろ!
これをみっちり練習しましょう。これさえできちゃえばあとはスピードさえあれば6m中盤はいけるはず。

具体的な練習としては
・ギャロップ走
・鉄棒ぶら下がり

・短助走跳躍(砂場)
これをやっておけばOK!!3つのポイントを意識しながらこの練習をしておけば1か月後にはかなりレベルアップしていることでしょう!

今回の内容はステップ1でありながら、これさえできればあとは枝葉の技術と言ってもいいくらいに大事な技術。幅跳びを志すなら絶対に身に付けておくべき基本です。
もしビシっと決まらないのであればずっとこれだけ練習してでも身に付けておいた方がいいと思います。

っとはいえ、これだけじゃあ不十分でもあるのです。
次回はステップ2として『空中動作』を、その次はステップ3として『助走のリズム』をテーマにご紹介予定。
今回と合わせればたった1か月の練習で助走から踏み切りそして空中動作まで、一連の幅跳び技術がザックリ身に付くはず!!






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