【レビュー】『マックスフライ2』は意外にも走りやすい!!硬いけど反発を受けやすいから中盤で足が良く回る!
ナイキが厚底マラソンシューズの「ヴェイパーフライ」で革命を起こし、短距離でも東京五輪で初代「マックスフライ」が登場。以降は他社からも厚底スパイクがリリースされ、2024年現在では短距離スパイクはほぼすべてが厚底に…
厚底スパイクの元祖にして雄であるマックスフライは長いこと品薄が続いていたのですが、2024年の『マックスフライ2』へのモデルチェンジをきっかけに供給が追いついた!
ってことで今回は
【レビュー】マックスフライ2はやっぱりすごい!!
トップモデルだけど扱いやすくて「速く走れる(気がする)」スパイクだ!
厚底なら買うならこれが最適解でしょう…
をテーマにご紹介。
超ザックリいうと
思った以上に走りやすい!
タイムを出したいならマックスフライを買っておくのがたぶんベスト!!
走る性能はピカイチ。3万の価値はあると思いますよ!
「SP3はどうなの!?」とか「NBは!?」って話は…知らん!!
専門的なことはyoutubeで日本選手権出てるような人が出してるんじゃない?
今回は競技性の高いスパイクではあるけど、いつもと同じようにあくまでスパイク談義として楽しんでほしい。
ちなみに、管理人は中級者向けスパイクとしてはアディダスの『フィネス』をべた褒めしています。(フィネスのレビューはこちら)
練習で使うならフィネスが一番良いと思いますし、マックスフライ購入後もフィネスはいつもカバンに入ています。
ただ、1発のタイムを出したいならマックスフライでしょ!!
練習用にフィネス、試合用にマックスフライで決まりだ!
ってことで、中級者でもマックスフライを履くべきか?ってお話はまた別の記事でまとめようと思ってます。今回はマックスフライ単体のレビュー。
【ザックリ総評】
マックスフライは『速く走れる!!』という気に一番させてくれるスパイク
画像:「ブループリント」っていう特別カラー。バツグンにかっこいい…
今回の記事も長いので、最初にザックリとした総評から!
管理人がマックスフライを履いて感じたのは…
エアで弾むし硬くて進むから『速く走ってる!!』っていう気にさせてくれるスパイク!
トップモデルだけど反発を受けやすくて速く走れる!(気がする)
マックスフライと他のスパイクとの一番の違いは『速く走っている感覚』だと思います。
管理人は無駄に数十足のスパイクを履いてきましたが、いつも感じるのは
「履きやすい履きずらいはあるけど、どれを履いてもタイムはほぼ変わらないよね」
っていうこと。
走りやすさや反発感はそれぞれに違うんだけど、じゃあ実際に走ってタイムが変わるような感触があるか?っていうと、どれも大差なくて、結局はフラットだの硬さがどうだのっていう【好み】の範疇で、『自分に合うスパイク』を探す感じになりがち。
そこにきてマックスフライ2は
他のスパイクより明らかに速く走れる(気がする)!!
マックスフライ2を履くと速く走れてる気になるから、もうこれでいいやってなる。
そんなわけで管理人としては…
「エアが~」とか「硬さが~」っていう具体的なことよりも、もっと抽象的な「速く走ってる~」っていう印象が強い!
もちろん、エアがどうとか硬くて足が…っていう話もこのあとのレビューで詳しく書いていくんだけど、そういうことが後回しになるくらい『走る性能』は高いと思います。
なんにせよ、短距離をやるなら一度はマックスフライは履いておいた方がいいんじゃない?
買えるようになったから買っておくべきスパイク。高いけど。
合う合わないを超えた『期待』がある!
そもそものところで、たぶんだけど、
初見で「マックスフライが合う!」って人はいないんじゃない?
だって、エアが付いてんだよ…そんなん合うわけなくない?誰もが最初は未知の違和感があると思う。
それなのにこれだけみんなマックスフライを履いてるのはやっぱり何かあるんでしょう…
『合う』っていう尺度で選ぶなら間違いなくクロノインクスとかアシックスの方が上のはず。カーリーだってアシックスに行ったときに「アシックスでシューズを合わせてもらったらフィット感すごくてびっくりっス」みたいなこと言ってたからね。
なのに多くの選手がマックスフライを使うのは、それだけマックスフライが『期待できるスパイク』だったからだと思う。
『期待』でいえばピンレスのメタスプリントもかなりのロマンがあったのですが、あれは扱いが難しすぎてさすがに厳しい。それに対して、マックスフライ2は期待できるだけじゃなくて実際使うと速い感じを体感できるのがいいところ。
一般の部のレースをみてても、12秒台の組でもマックスフライ履いてる人が一番多いんじゃないかな?
ってことで、ここからレビューが始まります!!
マックスフライ2のサイズ感からはじまり、実際に履いた感じをご紹介していきます…
【レビュー①サイズ感とかアッパーとか】
足入れはタイトだけどサイズはミズノと一緒で大丈夫!
カーボンプレートは硬さを感じないけど硬い
画像:アディダスと比べるとつま先が丸いかな?
まずは、ネットで買うときに一番心配であろう【サイズ感】をご紹介。
管理人が履いた感触では…
マックスフライ2はのサイズはミズノと一緒で多分大丈夫!
でもアッパーが硬くて足囲がタイトでだから甲高や幅広の場合は注意
だと思います。
ミズノと比べると広くも狭くもないかな。ダイナラップのアシックスよりはルーズだけど、メタSP世代のアシックスとは一緒のサイズでいいと思う。
アッパーが硬いからフィット感はキツ目ではあるけど、サイズを上げちゃうとゆるくなる気がする。
他スパイクと比べたサイズ感はこんな感じ↓
メーカー | モデル | サイズ | サイズ感 | 実測重量 |
アディダス |
フィネス(厚底) | 28.0 | ジャスト | 189g |
アンビション | 28.5 | ちょいゆる | 178g | |
アクセラレータ | 28.0 | ジャスト | 182g | |
アディゼロLJ | 28.0 | ちょいゆる | 250g | |
アシックス |
メタスプリント | 28.5 | ゆるい | 144g |
ジェットスプリント2 | 28.5 | ジャスト | 154g | |
サイバーブレード | 28.5 | ゆるい | 168g | |
LJプロ3 | 28.5 | ちょいキツ | 245g | |
ソニックスカイプロ | 28.0 | ジャスト | 235g | |
ミズノ |
クロノインクス9 | 28.0 | ジャスト | 164g |
Xブラストネオ | 28.0 | ジャスト | 194g | |
Xレーザーエリート2 | 28.0 | ジャスト | 170g | |
ナイキ |
マックスフライ2 | 28.0 | ジャスト | 193g |
ドラゴンフライ | 28.0 | ジャスト | 145g | |
ビクトリー | 28.0 | ジャスト | 143g | |
スーパーフライエリート2 | 28.5 | ゆるい | 170g | |
JAフライ3 | 28.0 | キツい | 160g |
アッパーの印象としては、タイトでパンパン系のフィット感です。伸縮性が低いのとかかとのホールド性が高いのでけっこうタイト。
ですが、スプリントスパイクはタイト目に履くのが正解なので、圧迫で痛いとか足が入らないってことじゃなければサイズを上げないてもいいとは思います。
足を入れたときにはきつく感じても、数本走ったら慣れるようであれば問題なし。ナイキってサイズ感微妙なので、迷ったらキツ目が良いんじゃないかな?
形としては他のナイキと同じで足先が丸いです。ドラゴンフライを履いてる人なら形がそのままでアッパーが硬い分タイトになると思えばOK。
アディダスと比べるとつま先の「捨て寸」がないので短いです。
【重量】
28.0cmで193gなので結構重い!だけど重さは感じない
画像:28.0cmの実測で193g
193gってのは重量的にはそこそこ重い部類です。
が、履いていて重いと感じることはないので別に問題はないです。
ほぼ同じ重量の「Xブラストネオ」は重くて回転が上がらない感じがするのですが、マックスフライ2はバウンドして足が回ってくれるので重さは感じない。
ちなみに、左右で1.5gの誤差がありました!(逆脚は192g)ナイキめっ!!
っと思ってインクスを測ったらインクスも2g誤差があったぞ。ミズノめっ!!
【アッパー】
伸縮性は低い!履き心地も良くはないけどホールド性が高くてブレない
画像:昔の「JAフライ3」と似た硬い系のアッパー
アッパーは『Nike Flyweave構造』とかいうやつです。詳しいことはわからんけど硬くてパリパリした紙っぽい感触の素材です。
履き心地自体はあんまり良くはないですが、力をかけてブレないのでキツ目のフィット感が好きな人なら文句ないと思う!
ダイナラップみたいな異物もないので、足さえ入ればどこかが当たって痛いってことはないと思います。硬いからサイバーブレードとかインクスから履き替えると最初は違和感あるかもしれないけど、まあすぐ慣れるでしょう。
伸縮性は低くてキツ目ではあるけど、強く踏み込んでも広がらないのでホールド性が高く、コーナーで踏んでもブレやロスは感じません。アッパーの性能自体は高い印象で、プレートやエアとの相性は良くてスパイク全体としてもバランスは良い感じ。
スーパーフライエリート1やJAフライ3を履いてた人ならあの系統の進化系と言えばわかるかも。初代はもっとJAフライ3に近い質感でしたが、2になってだいぶ改良されているそうです。
かかとまわりはクッションがあってフィット感◎!靴擦れもしにくそう
画像:かかとまわりのクッションは厚め。スッポ抜ける感じはなくフィット感◎
かかとまわりはクッションが厚めになっていてフィット感は高いです。
アディダスの『かかとが抜ける』感覚が嫌いな人でもマックスフライなら大丈夫。アシックスに比べるとヒールカップ自体は小ぶりではありますが、コーナーでも全然問題ないので管理人はこれくらいの方が好きですね。
また、クッションのおかげで当たりが柔らかいので靴擦れはしにくいはず。
かかとのガッチリ感が強いので力が集中してアキレス腱が痛くなる可能性はありますが…
まあこれは想定しているのが超上級者だから割り切るしかないでしょうね。硬いスパイクだからアキレス腱にくるのはしょうがない。アキレス腱痛を持っている人は練習用と試合用を分けた方が良いかも。
【プレート】
ガッチガチ!しかもプレートが2枚!?硬さは正義だ
画像:チラ見えしている黒い部分が『カーボンプレート』。クソ硬いぞ!
硬ければ良いってものではないのですが、硬さは正義です。
マックスフライはアウトソールだけでなく足裏直下にフルレングスカーボンプレートが内蔵されていて、屈曲は最強クラスで硬いです!!
しゃがんだときにパキっと割れちゃいそうなくらいには硬い!!
っとはいえ、メタスプリント以降は市販でもガッチガチなスパイクは珍しくないので今さら驚くほどでもないでしょう。話はもう硬いとかそういう段階ではなくて、マックスフライのアウトプレートもPebaxのフルレングスプレートで硬いプレートが2枚搭載されています!!
ダブルプレートよ。2になって外側のプレートがブランドものである『Pebaxプレート』になりました。
ちなみにルール的には
プレートは1枚だけ!でもピンを取り付けるためならもう1枚追加してもOK!!
ってなってます。外側のプレートはピン取付用の扱いなのでOKなんですねぇ。
詳しいルールはルールブックを参照していただくとして、マックスフライは実質的には2枚のプレートで空気バネを挟んでいる構造なわけですが、ルール的には問題なし(当然ですが)。
意外と『硬さ』は感じない?硬くても扱いずらくはない
マックスフライ2の屈曲が硬いのは疑う余地はないのですが、走ると意外と硬さは感じない!!
厚底スパイクのメリットは『クッション材のおかげでプレートを硬くしても履き心地が硬くならない』ことにもあって、その恩恵を最大限活用しているスパイクがマックスフライだと思います。接地に至ってはエアによってむしろ柔らかさすら感じる。
スパイクは硬すぎると扱いが難しくなって、ピンレスの『メタスプリント』のように「10秒台の技術が必要」みたいな注釈がつきがち。
そこにきて、マックスフライ2は接地時に『エア』のプニンがあるからそれほど硬さを感じない!!
屈曲自体はガチガチではあるんだけど、エアのおかげで当たりが柔らかいから弾かれる感覚はなくて普通に走れる。
「扱いやすい!」と言うと語弊があるけど、スパイクなりに走れば推進力を得られるからそれほど難しくはないと思う。
そりゃ何本も走ると足底筋が痛くなるし、ポテンシャルを引き出すためには硬さに負けない体躯が必要ではあるとは思いますが、硬さのわりには普通に履ける。
マスターズとか一般の12秒台の組でもマックスフライ着用率が高いところをみても、いわゆる「扱いにくさ」はあんまりないと思う。薄底のクロノインクスで違和感なく走れる選手ならマックスフライ2も普通に扱えるんじゃないかな?
【レビュー②走った感じ】
マックスフライ2は接地が一瞬!!
切り返しが早くて推進力も大きい!
画像:エアユニットこそがマックスフライの肝
走りの部分の印象としては…
エアのバウンドで接地が短い!!
硬いプレートの推進力でグイグイ進む!
クセはあるし上級者向けなのは間違いないのですが、『扱いにくい』って感じはあんまりしないです。感触は従来のスパイクとは別モノ。
エアのところでプニンと弾めばそれだけですぐ足が返ってきて回るから短い接地でリズミカルに走れちゃう。
プレート自体はガッチガチなんですが、薄底のように硬いプレートをしならせて…っていう感触とは違って、腰を高くしてちょうどいいところで接地できればあとは勝手にスパイクが走らせてくれる感じでスピード感が非常に高いです。
そして、エアの存在感はあるけど思いのほか安定感が高い。
同じくエアユニットを搭載した『ビクトリー』は不安定過ぎてどうやって走ったらいいのかわからない(マックス1もそんな感じ?)のですが、それと比べるとマックスフライ2は安定感が高くて踏みやすい。歩いただけだとエアはあんまり感じないので「案外普通だなぁ…」てちょっとガッカリするかもしれません。
でも大丈夫!スピードを出すとポニンポニンは弾んでくれてちゃんと期待に応えるバウンド感を発揮してくれます。
『エア』のバウンドがマックスフライ2の生命線
画像:エアのユニットは100均で売ってそうな質感
マックスフライ2は初代と同じく『エアユニット』が最大の特徴ですが、走った感じもエアによる恩恵がかなりデカい!
エアによるバウンド感は【チート感】があってマックスフライ特有の走り心地です。
①エアが弾む
②弾むから足が前に戻ってくる
③足が前にくるからタメが作りやすい
④タメが作れるからいい姿勢で乗り込める
⑤良い姿勢で踏めるから①エアが弾む
っていう感じで、エアによるバウンドが走りの好循環を生んでる印象。
逆に言えば、スパイクなりにエアで弾む走りをしないとマックスフライを履く意味がないかも。エアの弾む感じを受け入れられないとダメだと思う。余計なことをせずにスパイクなりに走る割り切りが必要かな。
接地で叩くとカチカチ変な音がして壊れちゃいそうな感じすらあるからそれなりのスキルは必要ではあるものの、このクラスのスパイクを履く選手ならスパイクに任せて走ればたぶん大丈夫。
ラグはあんまりないしコーナーでブレることもないから、エアの感触が受け入れられるなら履く価値あり。
意外にも『安定感』は高い!
これが物足りないと感じるかはあなた次第
画像:見た目そっくりなビクトリーは超グラグラ!安定感は全然違う
マックスフライ2は思ったよりも安定感が高くて踏みやすいです。
最初に履いた時の印象としては「意外と普通」でしたね。エアあっても全然グラグラしません。
ビクトリーはどうやって走ればいいのかわからないくらいグラグラですが、それと比べると明らかに走りやすい。踏むポイントがわかりやすいからスタートやコーナーでも全く問題なく走れます。マックスフライ2は不安定さを感じる局面はほぼないですね。
唯一、トップスピードでタイミングを外すとエアのポニンが潰れすぎることがなくはないかもしれないけど、それは技術の問題でしょう。
安定感が高くて『勝手に転がる』感じはほぼないので、初代ユーザーにはこれが物足りなく感じるかもしれません。フラットスパイクのように自分で転がす必要があるのは好き嫌いが分かれるポイントかも。
エアが弾むから切り返しは一瞬!リズムを掴めば走りやすい
マックスフライ2のエアはボインボイン弾む!!
安定感が高いとか1より弾まないとは言うものの、走れば期待するくらいには十分弾みますよ。弾むおかげで接地が一瞬で終わるからトップスピード付近ではリズムを掴めればかなり走りやすいと思います。
この『バウンド感』は他のスパイクにはない独特な感触。これが嫌いだったらもうマックスフライは無理でしょう。管理人の陸上仲間でも200m以上ではSP3を使ってる選手がいますが、100m以外だとマックスフライ2はタイミングが微妙にずれちゃって「なんか違う」んですって。
反発力はかなり強い!中盤からもグイグイ足が回るのが特徴
画像:カーボンスパイクなら反発自体は似たようなもの。中盤からの踏みやすさがマックスフライの特徴
マックスフライ2は反発がかなり強いです。
まあ、カーボンとPebaxのダブルプレートにエアまでついてるんだから当然ですよね。踏んだ時の推進力は最強クラスと言って間違いないでしょう。ですが、他メーカーのトップモデルでも『反発の強さ』自体は似たようなものなので、ここではもうちょっと細かいお話を。
マックスフライ2の反発感の特徴としては…
トップスピード付近でも反発を受けやすいから中盤からも足が回る!
ってところだと思います。
『反発の強さ』自体はトップモデルならどれでも大体一緒な気はします。そのなかでマックスフライ2は見た目とは裏腹に意外にも扱いやすくて走りやすい。
反発が強くてもメタスプリントみたいに硬すぎると接地が難しく、スタートはもちろんですがトップスピード付近でもバラバラになって中盤から伸びないことがあります。だから反発だけじゃなくて『扱える硬さ』のスパイクを選ぶ必要があるわけですね。
マックスフライ2はプレートが硬くてもエアのおかげで接地の当たりが柔らかくて、トップスピード付近でも弾かれずにしっかり踏むことができます。プレートが硬くて反発が強いわりには扱いやすいので、特に中盤でスピードが出ている局面では他の高反発スパイクよりも反発を受けやすい印象です。
同じく厚底で硬いけど扱いやすいフィネスの場合は(SP3は知らんけど)、中盤ではプレートの硬さ+傾斜によって体を前に押し出してくれる感覚があります。これは傾斜の強いスパイク特有の感覚なんですが、マックスフライ2にはこの押し出され感はあんまりない(だからフラットに感じる)。
マックスフライ2はバウンドを使って自分でうまく重心移動して行く感じで、硬いプレートを使ってエアを前向きにバウンドさせているような感覚。トップスピード付近でもタイミングさえ合わせればよく弾むので足がグイグイ回ってくれます。
ただ、初代マックスフライを履いていた人は2になってちょっと物足りないって言う人もいますよね。もっと前に転がる感覚が欲しいなら1の方がいいのかも?
フラットか?フォアか?よくわからんけどフラットではない
画像:構造的にフォアではあるよね。
『フォアか?フラットか?』ってのはスパイク談義で欠かせない話題です。
管理人的にマックスフライ2がどうかと言うと…
接地も押すポイントも間違いなくフォア!!
だけど重心移動はフラットな感じがする!
逃げるような書き方だけど、接地自体は間違いなくフォアです!っていうか接地は『エア』です。前述の通りエアの部分で接地しないとバウンドしないからフォアで接地するのが自然だと思う。
一方で、フラットという人の気持ちもわかる。
マックスフライ2は重心を自分で転がして前向きに推進力をもっていく必要があって、これはメタスプリントや幅スパに近い『フラットな感覚』と言えると思います。
短い接地の中でも重心を前に転がす必要がある。アディダスに代表される『フォアのスパイク』はプレートの硬さと傾斜を使って体を押し出してくれる感覚があるんだけど、マックスフライ2にその押し出され感はないですね。
傾斜は「フォアなスパイク!」って言うほど強くはないし、フォアのスパイク特有の押し出し感はないからフラットって言う人の気持ちもわからなくはない。
マックスフライ2がフォアなのか?フラットなのか?ってのは難しい所があって、接地自体はフォアだけど乗り込みはフラットな感じがします。
基本的にフォアではあるけど、支え台がないからフラットでいきたい人でも履ける。
フォアと感じるかは何と比べるかによる
画像:傾斜自体はそこそこでフラット気味ではある
当たり前だけど、マックスフライ2がフォアかフラットかは何と比べるかによる!
初代を履いてた人は口をそろえて「フラットになった」って言ってますから初代と比べたらフラットになったんでしょう。
ただ、いわゆる『フラットスパイク』である旧世代のアシックスと比べるたら明らかにフォア。単純に傾斜角の話だけでなく、『足裏全体で…』っていう感覚的な意味でのフラットな感はマックスフライ2にはないです。
構造的にエアの部分(フォア)で接地するスパイクなのは間違いないので、そこを切り出せば『フォアのスパイク』と言えるはず。
ただ、接地してから重心を前にもっていく必要があるので、その重心移動の感覚を切り出せば『フラットなスパイク』と言えるでしょう。
じゃあ、管理人的な印象はどうかというと…
「これがフラットならほぼ全てのスパイクがフラットだわ!」
フィネスでも同じようなこと書いた気がしますが、極端なフォアではないだけでフラットではない。むしろどっちかといえばフォア。プレートが押してくれる感じがないから重心移動する必要はあるけど、フラットと言うほどの転がす感じはない。
マックスフライ2を履く層っていわゆる『上級者』が多いから、海外スパイクに慣れているユーザーも多いはず。そういう選手からしたらマックスフライ2は特徴が薄いというか、尖った所がないからフラットに感じるとは思うし、それはそれで正しい。そこを否定するつもりはない。
ただ、部活生でこれまでSPブレードを使っていたような選手からしたらマックスフライ2はかなりフォアに感じるはず。
2-2-2の6本ピンは特に問題なし!だけどグリップ感は薄い
画像:ピン配置はドラゴンやビクトリーとほぼ同じ感じ。
左からフィネス、薄インクス、マックス2、ビクトリー1、ドラゴンフライ1。
マックスフライ2は後列ピンが2本しかない!
ナイキは中距離スパイク(右の2つ)が同じピン配置だし、6本ピン自体はアディダスと同じではあるんだけど、スプリントスパイクで後列2本はかなり思い切ったなぁって感じ。エアをうまく使うための配置なんだと思うけど、従来のスパイクとは設計思想が色々と違うんでしょうね。
まあ、後列2本の6本ピンだからと言って走った感じはどうということはないです!
グリップ感は特にないですが、だからといって6本グリップ不足を感じることはないし、スリップしてパワーをロスすることもない。
そもそも、マックスフライ2はエアのせいでピンの感触がほぼないからピンが7本だろうが6本だろうがあんまり関係ない気はします。
ただ、薄インクスと比較すると『グリップ感』は全然違う!!
マックスフライ2単体で見ればグリップに何の不満もないんだけど、インクスと比べるたらタータンを喰う感触は明らかに違います。これをピンによるロスと捉えるか、グリップ感と捉えるかで好みが分かれるところでしょう。
インクスは地面をグっと捉えてパワーを地面に伝えている感触がすごくあるんだけど、マックスフライ2にはその感触は皆無。喰う前にバウンドしてる。
インクスの走りやすさは特にスタートとか加速局面で顕著で、前半に限って言えば管理人もインクスの方が好きです。が、中盤からの伸びはやっぱりマックスフライですねぇ。(中盤はグリップ関係なく単純に硬さかな?)
後列ピンが少ないと力を加えにくいのは間違いないと思いますが、マックスフライ2をはじめとする厚底スパイクはあんまり蹴り出さないで走るからこれで特に問題はないと思います。
【まとめ】
エアのバウンドとプレートの反発がすごい!
それを受け止められる『扱いやすさ』もあるから中盤のスピード感が◎
今回は、マックスフライ2のレビューをご紹介しました!
まとめると…
エアによる独特な走り心地とカーボンによる高反発のハイスペックモデル!
その性能を『扱えている』感覚があるから速く走れてる感じがする!
これがマックスフライ2です。タイムが出るかはわかりませんが、タイムが出そうな期待が持てるスパイク。
トップモデルとして性能が高いのは他メーカーも同様ですが、マックスフライ2はエアの恩恵で当たりが柔らかいので接地しやすく『扱えている』気になれます。
本来の性能を引き出し切るには9秒台のレベルが必要なのでしょうが、マックスフライ2を履くと速く走ってる感じになるってのはこれまで履いてきた数多のスパイクとは別格の感がある。
実際、タイムも結構出ます。
走った感触としてはやっぱり『エア』の印象が大きいですね。
歩いただけだとあんまり感じないんだけど、走ればエアがポニンポニン弾む。スピードを上げていくと走りとバウンドのタイミングが合ってきて、切り返しがポニン!の一瞬に感じられる。接地して弾んで引き付けて、タメて踏んだらまた弾むという一連の動きがエアのバウンドによってうまくかみ合う感じがして、タイミングをとるだけでグイグイ推進力を得られます。ただ、スパイクなりにエアのタイミングに合わせないといけないから、それが嫌な人はいるかも。
反発はカーボンプレートの恩恵で他の高反発スパイクと比較しても高いと思います。中盤でも反発感が高いからスパイクに頼って走れる。
マックスフライ2が他の高反発スパイクと違うところは、エアによって接地の当たりが柔らかいから弾かれることなくしっかり踏める!ってところでしょうか。
『扱いやすい』というと語弊があるかもしれないけど、メタスプリントみたいに弾かれちゃう感覚はなくて、特にトップスピード付近でうまく体重を乗せられる印象。
ただ、『扱いやすい』一方で、初代からする性能がと丸くなったらしい。安定感が高いので履く人を選ばないスパイクではあると思いますが、もっとグイグイ押し出ししてくれる感覚が欲しい人はSP3に流れるのかも。確かにマックスフライ2は『転がる』感じは薄いです。踏めば踏んだだけ進むっていう感じではなくて、自分で重心をもっていかないといけないからそこの難しさはあるかも。
それを『フラット』と呼ぶかどうかはこれまでのスパイク遍歴によるところですが、旧世代アシックスのフラットスパイクや幅スパを履いていた人からしたら余裕でフォアなので楽に進む感じがすると思います。それほどフォアなスパイクではないですが、フラットを求めるなら別のスパイクの方が良いと思いますよ…
ってことで、マックスフライ2は…
スプリントやってるなら買うべきスパイク!
3万は高いけど期待を裏切らないスペックと『速く走れる感』で満足度は高い!!
こんなところでしょうでしょう?
初代はガチ勢だけが買うべきスパイクだったけど、2になって流通量が増えたおかげで時期を逃さなければ金さえ出せば誰でも買えるスパイクになりました。
3万は高いけど、どうせ買うならマックスフライ2でしょ!!
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