【25mm以下】試合で使える!ルール適合のシューズはどれ?

スパイク, 厚底問題, ランニングシューズ

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【2023年5月更新】
陸上競技は基本的にはルールが非常に分かりやすいのですが、『靴底の厚さ』に関する規程に関してはちょっと厄介でトップレベルの選手でも失格者が出ました。
内容自体はそれほどややこしいわけではないのですが、一般に薄底だと思われているシューズでも使用できなかったりと、ほとんどのシューズがトラックでの使用できず、これまで「薄底」の認識だとアウトになる感じ。
中・長距離は25mm以下なのですが、短距離はさらに厳しい20mm以下なので実質的にスパイクが必須となっているのが現状。

ってことで今回は
【25mm】厚底ルールに適合のシューズはどれ?
をテーマにご紹介。

高校生や中級者以上ならほとんどの選手がスパイクを履くのであんまり気にしなくてもいいのですが、中学生や初心者だと練習も試合もシューズだけで全てをこなすこともあるでしょう。
そんなときに要注意なのがこの厚底のルール。もしかすると、スパイクやレース用のシューズをもっていないと試合に出ようと思っても失格になっちゃうかも。

 

 

【最初に結論】25mm以下のシューズをリストにしました!

この記事はあーだこーだと8000字を超えますが、最初に一番知りたいであろう『25mm以下のシューズリスト』をつくりました。
ただ、WAのリスト自体もちょいちょい変わるので、この表にあるのが実際には使えなくても責任取りません。

陸上chがおすすめする20mm/25mm以下のシューズ
厚さ規程 モデル メーカー
20mm以下
(短距離OK)
Delta TRI OP(参考) デサント
Genten RC  デサント
Genten-EL デサント
ウエーブクルーズ ミズノ
ウインドスプリント2 アシックス
25mm以下
(800m~OK)
ソーティマジック(LT,RP) アシックス
ウエーブデュエル
(2,3、GTZ,GTX2、NEO2,NEOelite)
ミズノ
ウエーブエンペラー ミズノ
デュエルソニック ミズノ
アディゼロJAPAN6 アディダス
アディゼロ takumi sen(7まで) アディダス

この表の掲載以外でも海外メーカーで使えるシューズはあるでしょうが、全然おすすめできないのでここで紹介するのは買って後悔しないであろうシューズだけ。

 

 

【25mm規程】靴底の厚さに関するルールとは?

かつてはシューズの厚さに関してのルールはあってないようなものでした。
そのため、中学生の1500mでは市民大会レベルだとスパイクの方が少数派なくらいで、シューズで出場する選手は珍しくありませんでした。また、薄いシューズほど上級者向けというのがかつての常識で、中学生が履くシューズはライトレーサーくらいのちょっと厚めのクッションモデルというのがかつての常識。
しかし、ナイキのヴェイパ―フライ登場によって世界は「厚底シューズ」に溢れ、厚底競争が激化してどんどん厚みが増していったのです。
そこで出てきたのが厚底を制限するルールで、使える厚さが以下の表のように制限されてしまったのです。

靴底の厚さに関するルール(2024年10月31日まで)
種目 厚さ制限
800m未満の種目(短距離) 20mm以下
800m以上のトラック種目 25mm以下
フィールド種目(除三段跳) 20mm以下
三段跳 25mm以下
クロスカントリー スパイクは25mm以下
シューズは40mm以下
ロード 40mm以下

ザックリと言えば…
短距離・フィールドは【20mm以下】
中・長距離は【25mm以下】
マラソンは【40mm以下】
この認識でだいたいOKです。これによって厚底シューズでトラックを走ることが出来なくなりました。
また、スパイクはほぼすべてが20mm以下なので大丈夫なのですが、三段跳び用だけは注意。

女子三段跳び世界王者のロハスが三段跳び用スパイクで幅跳びに出たところ、厚さが20mm以上あったため記録が認められずに世界陸上に出場できないって事がありました。
また、国内ではマラソン日本代表の川内選手が800mにシューズで出場した際に、薄底の「ソーティマジックRP」と間違えて25mmオーバーの「ターサーRP」を持ってきてしまい、レース後に失格になった事件もありました。カラーリングが同じだとぱっと見では区別つかないですからね…
そんなわけで、マラソン選手がトラックに出る場合にも注意した方がいいルールです。

厚底ルールのいろいろ

このルールに関してザックリと、細かい事を羅列して紹介します。

  • WA承認のリスト」(23年5月版)ってのがあり、WAが計測してOKとNGが載ってる。
  • 20年以降発売されたOKなシューズはメーカーの責任で「WA承認のリスト」に記載されている。
  • リストでOKでも招集所で計測してNGならそれはNG。
  • 19年以前発売でリストにないシューズでも厚さの規程値をクリアしていれば使用できる。
  • サイズはEUR42(26cm)で計測していて、サイズが大きくてオーバーするのは誤差の範囲なら認められる。(概ね1mm?)
  • 厚さの測定は招集所でノギスを使って計る。目視で明らかにOKならそれでもOK。
  • ソールを改造したシューズは「カスタム」としてメーカーがWAに申請してリストに掲載する。(市販のソールなら申請は不要)
  • そもそも、【20mm以下のシューズ】はほぼ存在しないから短距離だと実質スパイクが必須。
  • 【25mm以下のシューズ】は超薄底の上級者向けしかないからトラックだと多くの場合スパイクが必要。
  • 小学生は公認記録じゃないからルールの適用外(厚底でもOK)。だけど、要項による。
  • 中学生以降は初心者だろうがルールが適用される。
  • 駅伝は公認じゃないからルールの適用外(40mm以上の厚底でもOK)。
  • 24年11月からは25mmじゃなくて全て20mmまでに統一される!!
  • 24年11月以降は適用範囲が限定されて中学生は厚底でもOKになるかも?

ポイントとしては、リストでOKかNGかだいたいわけるけど実測次第ってところでしょうか。
また、このルールは暫定的なもので、2024年11月から『トラック・フィールド種目は20mm以内』っていうさらに厳しい新ルールに切り替わります。

24年11月以降は規制がゆるくなる!!

2022年現在だと、中学生だろうが趣味のおじさんだろうがプロだろうがみんなルールの対象です!ルールはルールだから。
でも、初心者の中学生が1500mでスパイク履かなきゃいけないのはおかしいし、かといってソーティマジック履かせるのもおかしい。管理人のみならず多くの人がこれはやっぱり問題あると思っていました。
ってことで、新ルールになるとトップカテゴリー以外にはこのルールが適用されない場合があります。
要項次第ではあるんでしょうが、具体的に言うと、アマチュアの大会(市民大会とか)や中学・高校の大会では厚底のルールが適用されない場合がでてきます。まだ具体的にどうなるかはわからないのですが、インターハイとかは適用なのかな?
とにかく、2025年シーズンからは適用外の大会が多くなるずです。24年までは現行ルールなので頑張れ。

 

 

【20mm以下】短距離・フィールドでも使えるシューズ

まず、【20mm以下】で短距離(800m未満)とフィールドで使えるシューズからご紹介。
しかし、そもそも【20mm以下のシューズ】ってのはほとんど存在しません!!
そのため、わざわざ20mm以下のシューズを探して買って試合に出るくらいなら、エフォートかエックスファースを買うべきだと思います。その方が安いし、むしろ脚にも優しい可能性あります。
ってことで、短距離の試合に出るならスパイクを履け!!

ただ、20mm以下で現実的に使えるシューズは5モデルだけ存在します!!(管理人調べ)
・Delta TRI OP(デサント)
・Genten RC (デサント)
・Genten-EL(デサント)
・ウエーブクルーズ(ミズノ)
・ウインドスプリント2(アシックス)

ウインドスプリントはドリルシューズなのでこれ1足だけじゃジョギングすらできませが、2足持ちでスパイクの代わりとして使うならありかと思います。シューズとして買うならデサントのGenten RC かウエーブクルーズがいいと思う。

デサントの『Gentenシリーズ』は【20mm以下】で使える!

なぜかデサントから20mm以下のシューズが3種類出ています。
そのなかで狙い目は『Gentenシリーズ』で、その名の通り『原点』的なコンセプトのシューズで、厚底を現代的な「ハイテク」とするならば、これは「ローテク」でシンプルな薄底シューズです。(Delta TRI OPはトライアスロン用です。)
「RC」カーボン搭載の「EL」の2種類があり、脚への負担を考えてスパイクを回避するのであれば『RC』を選ぶのが良いと思います。

管理人はちゃんと履いたことはないですが、店頭で触った感じだと瞬足とかに近い?っていう印象で、特に高反発素材が使われているわけでもなく、昔ながらのシンプルな薄底シューズ。安くてシンプルな超薄底を求めるならこれで十分だと思います。
ただうーん、スパイクを履けないレベルの中学生がこれほどの薄いシューズを履く必要があるのか?
そして陸上においてあえてデサントを履く必要があるのか?

正直、『中学生でスパイクが不安』っていう場合に選ぶシューズではない気がしています。
っとはいえ、安くて20mm以下のシューズはこれくらいしか選択肢がない!!
「試合で失格にならないために安いのを1足欲しい!!」っていうならこれで良いと思います。ただ、
多分エフォートの方が安いです…
でマラソンをやっている大人が「夏場のスピード練習のためにトラックレースで使う」にはかなり良い選択肢になると思います。っていうか、多分それがメインターゲットの商品かな?

名器『ウエーブクルーズ』も短距離で使用できる!

マラソンシューズの代名詞的存在の「ウエーブクルーズ」も20mm以下なので短距離での使用OK!

多くのトップランナーが履いてきた上級者向けシューズで、超薄底といえばコレ。長距離スパイクとほぼ同じ構造です。ってことは、レース用にこれ買うくらいならスパイクを買うべき?
実売価格で1万5千円くらいするので贅沢品ですが、近年はシューズの相場がアホみたいに上がっているせいでむしろ安くすら感じますね。
日本製で履き心地が最高な「高級シューズ」なので品質自体は最高レベルです。
ただ、超薄底でクッションなんてほぼないので『足への負担』で考えるならエフォートやエックスファーストを買う方が良い気がします。

ただ、おすすめできるシチュエーションもあって…
中学生が【スパイクのかわり】としてスピード練習と試合用に使う
っていうなら良いと思います。スパイクを履かずに、クッションシューズとレースシューズの2足持ちっていうことです。まあ、そんな人あんまりいないと思いますけどね。

ちなみに、ライバルである「ソーティマジック(asics)」は20mmを超えているので短距離ではNGです!

投擲に出てみたいなら『ウインドスプリント』がいい!

ドリルシューズの代名詞である「ウインドスプリント」も【20mm以下】です。

スパイクに近い履き心地で、クッションなんてほぼゼロなのでジョギングやアップでは使用できません。そのため、ウエーブクルーズと同様に、スパイクのかわりにこれを履いてスピード練習をしたり試合に出るならアリ!だとは思います。

ウインドスプリントはクッションがほぼないので地面の感覚だ非常にダイレクトに伝わるため…
投擲に出たいけど投擲シューズを買うほどではないならウインドスプリントがおすすめ!!
実は、管理人もウインドスプリントで砲丸投げに出ました!

投擲に出てみたいけど、投擲もフィールド種目なので20mm以下のシューズでないと失格になります。そんなときに使えるのがこのウインドスプリントです。
っていうか、投擲シューズ以外で投擲に出ようと思ったらこれくらいしか選択肢がない!
そりゃあ投擲なら投擲シューズがベストですが、1回でてそれ以降出なかったらもったいないですから、ウインドスプリントで試しに出てみるのはありです。もし投擲を続けなくてもスプリントの練習でつかえますから。

 

ってことで、まずは短距離でも使える【20mm以下のシューズ】を紹介しました。
まあでも短距離はスパイクでしょ。ってことで、ここから先が本題の【25mm以下のシューズ】です!!

 

 

【25mm以下】800m以上で使えるシューズ6選

25mm以下で管理人が選んだ現実的に使えそうなシューズは6つ!!
アシックスで使えるのはソーティマジック系だけなので注意!

  1. ソーティマジック(LT,RP)【アシックス】
  2. ウエーブデュエル(2,3、GTZ,GTX2、NEO2,NEOelite)【ミズノ】
  3. ウエーブエンペラー【ミズノ】
  4. デュエルソニック3【ミズノ】
  5. アディゼロJAPAN6【アディダス】
  6. アディゼロ takumi sen (7まで)【アディダス】

ミズノで使えるモデルが3つもあるため、実質的にこのどれかになると思います。
そもそもメーカーとしてもこのカテゴリーに合うシューズはほとんど作っていないようで、薄底のマラソンシューズがたまたま25mm以下で使えると言う感じ。まあ、いまさら適合させても24年にはダメになりますからね。
また、ナイキはズームストリークLT以外はダメ。ストリークLT自体がほぼ出回っていないので省略します。

①ソーティマジック(LT,RP)【アシックス】

ウエーブクルーズと並ぶマラソンシューズの代名詞的シューズ。レーススペックのRPと、ちょっとだけクッション性のあるLTの2種類あります。
値段はスパイク並みかそれ以上にしますが、シューズのスペックは最高クラスです。ただ、クッションは非常に薄いのでロードや練習で使うのはそれなりに負荷は高いです。
シューズ自体はウエーブクルーズと並ぶ日本メーカー最高峰マラソンシューズなので買って損のないモデルではあるのですが、今回のテーマからするとこれを履くならスパイクで良いと思います。

②ウエーブデュエル(2,3、GTZ,GTX2、NEO2,NEOelite)【ミズノ】

ミズノのプレート内蔵シューズがこの「デュエル」シリーズ。
スパイク的な反発感と、硬めのクッションによってスピードを出しやすく、短距離選手に人気のモデルです。管理人も初代を使ってます(初代は厚さNG)。
ただ、ラインナップが多いのと、年式によって25mmを超えているものがあるので注意。詳しくは別記事でまとめていますのでそちらをどうぞ↓

③ウエーブエンペラージャパン【ミズノ】

ウエーブクルーズと双璧をなすミズノの最上級シューズ。
クルーズとだいたい同じなのですが、こちらはかかと部分が厚くなっているため20mmを超えています。その分、クッション性が高くて足への負担も少なめ。ロードで使ってもギリ大丈夫なレベルのクッション性と耐久性がありますので、これ1足で練習やジョグもできて普段のランシューとして使えるのでコスパは良いです。
履き心地は軟らかくて最高。

④デュエルソニック3【ミズノ】

一度廃盤になったけど23年に復活した初心者・部活生向けシューズ初心者がこれ1足でなんでも出来るシューズで、練習から試合までこれ1足あれば大丈夫!!
部活生向けに耐久性とクッション性が非常に高いシューズで…
今回の『スパイクを履かないけど試合に出る』っていう観点では一番おすすめ出来るシューズです!!
薄底のカテゴリーではあるものの、クッションが厚くて安定感も高いので足への負担は非常に軽く、練習メインで使用して試合もそのまま出るようならこれがベストと言えると思います。
また、高反発素材は使われていないものの、デュエルシリーズなのでプレートが内蔵されていてスピードが出しやすいのもこのシューズの特徴です。

⑤アディゼロJAPAN6【アディダス】

リストには「Adizero Adios6」とありますが、日本ではjapan6として売っているモデルです。厚そうに見えても測定箇所は25mmに収まっているはずですが、実測で弾かれるリスクはあるので注意。
ちょっと重いけど耐久性があって安いっていうベーシックなシューズ。シューズ自体はどうということはないですが、こだわらないなら全然これでいい。
ガチなランナーというよりもサブ4とか3.5くらい向けな感じで、耐久性も確保してあるので、練習メインとして試合でも使うことができます。
良くも悪くもないっていうか、あんまり特徴がないのですが、安売りしていればコスパはいい。

⑥アディゼロ takumi sen (7まで)【アディダス】

『匠』の名前の通り、元アシックスの日本の靴職人がデザインしたシリーズです。その『戦』なのでレースモデルという位置づけ。7まではそのコンセプトだったのですが、8からはコンセプトが崩壊しては厚底になっています。25mm以下なのは7まで。
同じような位置づけのウエーブクルーズやソーティマジックと比べると硬くて安っちいですが、それでも海外メーカー特有の安っぽさはあんまりなく、割としっかりしたつくりの薄底シューズです。セールで安いこともあるのでタイミングによってはお買い得。

 

 

結局買うならどれ?おすすめは『デュエルソニック3』!!

今回は、スパイクで試合に出るのに不安がある初心者や中学生が、シューズで中・長距離のレースに出るという場合を想定としています。
その前提からいくと、管理人が一番おすすめするのはデュエルソニック3です!!

日々の練習でガンガン使えて、それでいてそのまま試合にも出られるっていうのは高い評価ポイント。今回のテーマに一番合うのはデュエルソニック3だと思います。
一番大事なのは「まだスパイクを履くには不安がある」っていう選手でも安心して履けるシューズであること。
25mm以下のシューズって基本的に上級者向けのレースモデルなので、試合で使えても練習では使えないシューズがほとんどです。その中において、デュエルソニック3だけは練習に主眼を置いたモデル。部活でガンガン使えるように足に優しいのが特徴です。

また、デュエルソニックは安っちいからもうちょっと良いのが欲しいなぁ…
って言う人にはウエーブエンペラーがおすすめです!!

エンペラーは非常に軟らかくて接地感覚がバツグンなシューズでありながら、それなりにクッション性があって練習で使っても1シーズンは持ちます。
薄いシューズなのでアスファルトで走ると衝撃が大きいですが、土の校庭やタータンでの練習であれば大丈夫です。このシューズは前足部が柔らかくて地面を掴む感覚に優れているため、厚いシューズよりも練習効果は高いと思う。

ウエーブエンペラーの一番のおすすめポイントはシューズとしての質が最高レベルであること。管理人は高校時代にこれの前身のウエーブスペーサーってやつを履いて感動してからミズノしか使いませんでした。
もちろん、ウエーブデュエルでもいいです。エンペラーよりデュエルの方が耐久性が高いのでコスパはウエーブデュエルに分がある。管理人は今は初代のデュエルを使ってます(初代は25mmをオーバーなので注意)。






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