【25mm以下】試合で使える!ルール適合のシューズはどれ?

スパイク, 厚底問題, ランニングシューズ

Twitterもありまぁす↓

【2023年までのルールです】
陸上競技は基本的にはルールが非常に分かりやすいのですが、『靴底の厚さ』に関する規程に関してはちょっと厄介でトップレベルの選手でも失格者が出ました。
内容自体はそれほどややこしいわけではないのですが、一般に薄底だと思われているシューズでも使用できなかったりと、ほとんどのシューズがトラックでの使用は出来ません。これまで「薄底」の常識だとアウトになる感じ。
中・長距離は25mm以下なのですが、短距離はさらに厳しい20mm以下なので実質的にスパイクが必須となっているのが現状。

ってことで今回は
【25mm】厚底ルールに適合のシューズはどれ?
をテーマにご紹介。

高校生や中級者以上ならほとんどの選手がスパイクを履くのであんまり気にしなくてもいいのですが、中学生や初心者だと練習も試合もシューズだけで全てをこなすこともあるでしょう。
そんなときに要注意なのがこの厚底のルール。もしかすると、スパイクやレース用のシューズをもっていないと試合に出ようと思っても失格になっちゃうかも。

 

 

【25mm規程】靴底の厚さに関するルールとは?

かつてはシューズの厚さに関してのルールはあってないようなものでした。
そのため、中学生の1500mでは市民大会レベルだとスパイクの方が少数派なくらいで、シューズで出場する選手は珍しくありませんでした。また、薄いシューズほど上級者向けというのがかつての常識で、中学生が履くシューズはライトレーサーくらいのちょっと厚めのクッションモデル。
しかし、ヴェイパ―フライ登場によって世界は厚底シューズに溢れ、厚底競争が激化してどんどん厚みが増していったのです。
そこで出てきたのが厚底を制限するルールで、使える厚さが以下の表のように制限されてしまったのです。

靴底の厚さに関するルール(2024年10月31日まで)
種目 厚さ制限
800m未満の種目(短距離) 20mm以下
800m以上のトラック種目 25mm以下
フィールド種目(除三段跳) 20mm以下
三段跳 25mm以下
クロスカントリー スパイクは25mm以下
シューズは40mm以下
ロード 40mm以下

ザックリと言えば…
短距離・フィールドは20mm以下
中・長距離は25mm以下
マラソンは40mm以下
この認識でだいたいOKです。これによって厚底シューズでトラックを走ることが出来なくなりました。
また、スパイクはほぼすべてが20mm以下なので大丈夫なのですが、三段跳びだけは注意。

女子三段跳び世界王者のロハスが幅跳びで三段跳び用のスパイクを使ったところ、厚さが20mm以上あったため記録が認められずに世界陸上に出場できないって事がありました。
また、国内ではマラソン日本代表の川内選手が800mにシューズで出場した際に、薄底の「ソーティマジックRP」とを間違えて25mmオーバーの「ターサーRP」を持ってきてしまい、レース後に失格になった事件もありました。カラーリングが同じでぱっと見は区別つかないですからね…
そんなわけで、マラソン選手がトラックに出る場合にも注意した方がいいルールです。

厚底ルールのいろいろ

このルールに関してザックリと、細かい事を羅列して紹介します。

  • WA承認のリスト」ってのがあり、WAが計測してOKとNGが載ってる。
  • 20年以降発売されたOKなシューズはメーカーの責任で「WA承認のリスト」に記載されている。
  • リストでOKでも招集所で計測してNGならそれはNG。
  • 19年以前発売でリストにないシューズでも厚さの規程値をクリアしていれば使用して大丈夫。
  • サイズはEUR42(26cm)で計測していて、サイズが大きくてオーバーするのは誤差の範囲なら認められる。(概ね1mm?)
  • 厚さの測定は招集所でノギスを使って計る。目視で明らかにOKならそれでもOK。
  • ソールを改造したシューズは「カスタム」としてメーカーがWAに申請してリストに掲載する。(市販のソールなら申請は不要)
  • そもそも、20mm以下のシューズはほぼ存在しないから短距離は実質スパイクが必須。
  • 25mm以下のシューズは超薄底の上級者向けしかないからトラックだと多くの場合スパイクが必要。
  • 小学生は公認記録じゃないからルールの適用外(厚底でもOK)。だけど、要項による。
  • 中学生以降は初心者だろうがルールが適用される。
  • 駅伝は公認じゃないからルールの適用外(40mm以上の厚底でもOK)。
  • 24年11月からは25mmじゃなくて全て20mmまでに統一される!!
  • 24年11月以降は適用範囲が限定されて中学生は厚底でもOKになるかも?

ポイントとしては、リストでOKかNGかだいたいわけるけど実測次第ってところでしょうか。
また、このルールは暫定的なもので、2024年11月から『トラック・フィールド種目は20mm以内』っていうさらに厳しい新ルールに切り替わります。

24年11月以降は規制がゆるくなる!!

2022年現在だと、中学生だろうが趣味のおじさんだろうがプロだろうがみんなルールの対象です!ルールはルールだから。
でも、初心者の中学生が1500mでスパイク履かなきゃいけないのはおかしいし、かといってソーティマジック履かせるのもおかしい。管理人のみならず多くの人がこれはやっぱり問題あると思っていました。
ってことで、新ルールになるとトップカテゴリー以外にはこのルールが適用されない場合があります。
要項次第ではあるんでしょうが、具体的に言うと、アマチュアの大会(市民大会とか)や中学・高校の大会では厚底のルールが適用されない場合があります。まだ具体的にどうなるかはわからないのですが、インターハイとかは適用なのかな?
とにかく、2025年シーズンからは適用外の大会が多くなるずです。24年までは頑張れ。

 

 

【20mm以下】短距離・フィールドでも使えるシューズ

ハッキリ言って、20mm以下のシューズなんてほぼないからスパイクを履け!!
20mm以下のシューズを買って短距離の試合に出るならエフォートかエックスファースをを買うべきだと思います。その方が安い。

ただ、中距離で使うならシューズもあり!もちろん、このシューズは25mm以下でもあるので800m以上でも使えます!
20mm以下で現実的に使えるシューズは…
・Delta TRI OP(デサント)
・Genten RC (デサント)
・Genten-EL(デサント)
・ウエーブクルーズ(ミズノ)
・ウインドスプリント2(アシックス)

ウインドスプリントはドリルシューズなのでこれ1足だけじゃジョギングすらできませが、2足持ちでドリル用をレースでも使うっていうならありかと。買うならデサントのGenten RC かウエーブクルーズがいいと思う。

デサントの『Gentenシリーズ』が使える

なぜかデサントから20mm以下のシューズが出ています。(厚底に乗り遅れた?)
Delta TRI OPはトライアスロン用のランニングシューズ。まあ、あえて選ばないと思います。
狙い目は『Gentenシリーズ』で、その名の通り『原点』的なコンセプトのシューズ。つまり、現代的な「ハイテク厚底」に対して、「ローテクな薄底」のシューズです。
普通な「RC」エリートでカーボン搭載の「EL」の2種類。

ミッドソールに高反発素材が使われている訳でも、雲のようなフワフワクッションもない昔っぽい薄底。とはいえ、ELはカーボン搭載でレースシューズとしても使えそうなスペックではあります。ただ、値段も高い。
RCはカーボンこそ入っていないものの、非常にシンプルで「こういうのでいいんだよ」って感じのシューズ。安くてシンプルな超薄底が欲しいならこれで十分です。
ただうーん、スパイクを履けないレベルの中学生がこれほどの薄いシューズを履く必要があるのか?
そして陸上においてあえてデサントを履く必要があるのか?
っていうと微妙なところですが、安くて20mm以下のシューズはこれくらいしか選択肢がない!!
とはいえ、多分エフォートの方が安いです…
でマラソンをやっている大人が夏場のスピード練習やトラックレースで使うにはかなり良い選択肢になると思います。っていうか、多分それがターゲットの商品かな?

名器『ウエーブクルーズ』も短距離で使用できる!

マラソンシューズの代名詞的存在の「ウエーブクルーズ」も20mm以下なので短距離での使用OK!

多くのトップランナーが履いてきた上級者向けシューズで、超薄底といえばコレ。長距離スパイクとほぼ同じ構造です。ってことは、レース用にこれ買うくらいならスパイクを買うべき?
実売価格で1万5千円くらい。日本製で履き心地が最高な「高級シューズ」だったのですが、近年はシューズの相場がアホみたいに上がっているせいでめちゃくちゃ安く感じます。コスパでいえば多分最強。

スピードに特化しているのでこれでロードを走ると関節どころか足の裏すらも痛くなるほどのクッション性の低さのため、上級者以外がロードで履くのはほぼ無理。しかし、トラックのゴムの上で使うなら接地感覚が良くて軽いのでけっこういけます。
短距離のレースで使うにはもったいない気がしますが、スパイクのかわりとしてアップからスピード練習まで全てこれ1足でやり、たまにレースも出るっていうならアリかと思います。
ただ、耐久性はかなり低い。
ちなみに、ライバルである「ソーティマジック(asics)」は20mmを超えているので短距離はNGです!

スパイクがわりや投擲に出てみるなら『ウインドスプリント』もあり

ドリルシューズといえばこの「ウインドスプリント」です。

スパイクに近い履き心地で、走りの感覚を磨くのがこのシューズの本来の役目。クッションなんてほとんどないのでロードでジョグをしたら関節がいかれると思う。
スパイクのかわりにこれを履いてスピード練習をしたりしているなら、これでそのまんま試合に出るのもアリだと思います。
そして、実は管理人もこれを履いて砲丸投げに出ました!!
普段使っているシューズは20mmを超えるので投擲出は使えないし、かといって投擲用シューズを買うのは無理。そんなシチュエーションならこれを履いて出るってのはありです。
っていうか、投擲シューズ以外で投擲に出ようと思ったらこれくらいしか選択肢がない!

 

 

【25mm以下】800m以上で使えるシューズ6選

25mm以下で管理人が選んだ現実的に使えそうなシューズは6つ!!
アシックスはソーティマジック系だけです。

  1. ソーティマジック(LT,RP)【アシックス】
  2. ウエーブデュエル(2,3、GTZ,GTX2、NEO2,NEOelite)【ミズノ】
  3. ウエーブエンペラー【ミズノ】
  4. ウエーブソニック【ミズノ】
  5. アディゼロJAPAN6【アディダス】
  6. アディゼロ takumi sen (7まで)【アディダス】

そもそもメーカーとしてもこのカテゴリーに合うシューズは作っていないようで、薄底のマラソンシューズがたまたま使えると言う感じ。まあ、いまさら適合させても24年にはダメになりますからね。

①ソーティマジック(LT,RP)【アシックス】

ウエーブクルーズと並ぶマラソンシューズの代名詞的シューズ。レーススペックのRPと、ちょっとだけクッション性のあるLTの2種類。

②ウエーブデュエル(2,3、GTZ,GTX2、NEO2,NEOelite)【ミズノ】

ミズノのプレート内蔵シューズがこの「デュエル」シリーズ。
ただ、ラインナップが多いのと、25mmを超えているものがあるので注意。詳しくは別記事でまとめていますのでそちらをどうぞ↓

③ウエーブエンペラージャパン【ミズノ】

ウエーブクルーズと双璧をなす、ミズノの最上級シューズ。
クルーズとだいたい同じなのですが、こちらはかかと部分のソールが厚くなっているためそれなりにクッションがあり、ロードで使ってもギリ大丈夫なレベルのクッション性と耐久性があります。
これ1足で練習もジョグもできて、ついでにレースで使っても高いパフォーマンスが期待できます。
履き心地は軟らかくて最高。

④ウエーブソニック【ミズノ】

初心者・部活生向けでありながら薄底に仕上げられている珍しいシューズ。『初心者がこれ1足でなんでもやる』っていうなら最高の選択肢になる可能性が高いです。
ただ、既にカタログ落ちしているので在庫限り。

⑤アディゼロJAPAN6【アディダス】

リストには「Adizero Adios6」とありますが、日本ではjapan6として売っているモデルです。厚そうに見えても測定箇所は25mmに収まっているはずですが、実測で弾かれるリスクはあるので注意。
ちょっと重いけど耐久性があって安いっていうベーシックなシューズ。ガチなランナーというよりもサブ4とか3.5くらい向け?な感じで耐久性を確保してあるので、練習メインとして試合でも使うことができます。。
良くも悪くもないっていうか、あんまり特徴がないのですが、安売りしていれば中級者向けモデルとしてコスパはいい。

⑥アディゼロ takumi sen (7まで)【アディダス】

『匠』ってことで、元アシックスの日本の靴職人がデザインしたシリーズです。その『戦』なのでレースモデルという位置づけ。途中からコンセプトが崩壊して8代目からは厚底になっていますが、7までは25mmに収まっているので使えます。
海外メーカー特有の安っぽさはあんまりなく、サブ3向けくらいで割としっかりしたつくりの薄底シューズです。ソール素材はエンペラーよりも反発感があるため反発重視ならこれを選ぶのもアリ。

 

 

結局買うならどれ?おすすめは『ウエーブエンペラー』!!

今回は、スパイクで試合に出るのに不安がある初心者や中学生が、シューズで中・長距離のレースでそれなりに走るという場合を想定としています。
その前提で言えば、ウエーブエンペラーがおすすめです!!

おすすめな理由としては…
・それなりにクッション性がある
・屈曲性が良くて接地感覚がバツグン
・超軽量だからレースで良い結果が待できる

・履き心地が凄く良い
・普段の練習でも使えるレベルの耐久性はある
・シューズとしてかなり質がいい

こんな感じ。
普段の練習で使えてレースでも高いパフォーマンスを発揮出来るというのがエンペラーのおすすめポイント。
また、JAPANと名のつくだけあって現行品は日本製で、明らかに作り込みが丁寧で質感が高いです。陸上部であれば引退までに一度はミズノの日本製モデルを履くべき!!履き心地がケタ違いです。
欠点として耐久性の低さはある程度の諦めが必要だと思います。とはいえ、管理人は高校時代にこれの前身である『ウエーブスペーサー』を1年間毎日ガンガン使っていたので気にしなきゃ大丈夫。アッパーに穴が空いたりソールがツルツルになったらさすがに寿命です。

 

 






Twitterで更新をお知らせしています↓