川内優輝選手が800mをランシューで走って失格!!厚底でもないターサーRPでもトラックでは失格になる!

厚底問題, ランニングシューズ

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厚底規制によってほとんどのランニングシューズがトラックレースで移用できなくなったことは当ブログでもさんざんお伝えしているところです。
25mm以下のシューズでなければトラックでは使えず、25mm以下のシューズなんてほとんどありません。
っていう記事はこちら↓


そしてこの度
日本代表でもあるトップランナー川内優輝選手が800mで厚底規定で失格になりました

代表選手でもやらかしてしまうこのルール。インターハイ予選などの大事な試合でなんかでやってしまう中高生もきっといることでしょう
中高生が失格になると、もしかすると今後の人生を大きく変えてしまうかもしれません。そんなことがあってはいけない!!

 

 

ターサーRPとソーティマジックRPを間違えた?

川内選手はアシックスのメタスピードのプロトタイプを履くなど、アシックスの契約ランナーなんだと思います。知らんけど。
陸上ch調べではアシックスの25mm以下のシューズはソーティマジックLT,ソーティマジックRP,ソーティジャパンの3種類だけでした。
で、今回川内選手が800mで履いて失格になったのは『ターサーRP』というモデル。

ターサーシリーズは市民マラソンのカテゴリーではサブスリーレベルの中・上級ランナー向けのシューズで、トップランナーにもトレーニング用に使われるモデルです。いわゆる厚底ではなく薄底のシューズではあります。しかし、25mmを越えているためトラックレースでの使用は不可。

で、川内選手が使いたかったのは『ソーティマジックRP』です。

色が同じで『RP』という名前も同じなので、ぱっと見は区別付かないかもしれません。シューズ袋の穴からチラっと確認しただけだと間違えるかも。

最近のシューズは似ていてわかりにくい!!

先日発表されたメタスピードもそうでしたが、アシックスのシューズは全部似ていてわかりにくい!!


メタスピードに関しては全く区別付きません。

デザインを共通にすることでメーカーの色が出るのかもしれませんが、パッと見で区別付かないシューズが多すぎる。
ナイキのシューズについては管理人はほとんど区別付かなくて間違えそうなので当ブログでもほぼ紹介していません。やっぱりシューズもわかりやすさって大事。
今回のような事件は世界各地で人知れず起こっているのでしょう。

 

インソールを抜いて25mm以下になってもリストにないシューズは失格!!

今回、川内選手はスタート前にシューズ間違えに気づき、審判と競技の上でインソールを抜いて25mm以下にした状態で出場したそうです。
この時、審判員の方もインソールを抜いて25mm以下になった状態のシューズならば使用できると判断したようですが、レース後に審判長の判断で失格になりました。
これは厚底規定が2階建てになっているためで、
そもそもWA(世界陸連)のリストにないシューズは使用できません!!

使用できるのはリストにあるシューズでかつ測定をクリアしたもの

WAのストにあるシューズは『承認済シューズ』と言われます。ざっくり言えば、承認済みシューズは25mm以下の市販モデルで、契約選手以外でも買うことができるものです。
このシューズはメーカーから申請があって陸連がサンプルを測定しているため、競技会では計測ではなく審判による確認だけで大丈夫です。運用上、すべての選手のシューズを測定するわけであはありませんので、リストにあれば大丈夫という認識で良いでしょう。
リストでYESになっているシューズは簡単な確認だけで使用OK。
逆に、リストでNOのシューズはたとえ実測25mm以下で合っても使用できません!!

で、今回のターサーRPはそもそもリストでNGなので、たとえ中敷きを抜いて25mm以下にしたとしてもトラックレースでの使用はできません。

プロトタイプのメタスピードもリストに載ってる

この『承認済シューズ』のせいで、プロトタイプが使えなくなりました。 いままではトップランナーがプロトタイプを使って、それを製品化することもおおかったのですが、すべてのレースで承認済シューズを使用する必要があります。
では、先日のびわ湖毎日マラソンで川内選手が履いていたメタスピードのプロトタイプはどうだったのかというと…
ASD1~6の6モデル(プロトタイプ)がWAのリストに掲載されています。
これのどれかが川内選手が使用したシューズということになります。

ちなみに…
アシックスのC – LD 1~4というスパイクが2021年2月20日にリストに登録されています。
このうち1から3までは20mm以上25mm以下のスパイクのため、800m~10000m専用のスパイク(短距離は20mm以下じゃないと失格)ということ。この先、中・長距離専用の厚底(と言っても25mm以下)スパイクがアシックスから出るかもしれません。

 

 

中高生はトラックレースではスパイクを履こう!!

今回、川内選手は800mにシューズで出場して失格になりました。
厚底規定による失格を防ぐためのベストな方法はスパイクで出場することです!!
現状、スパイクであればどのモデルでも失格にはなりません。
逆に、800mでスパイクを履かないという選択はリスクがある!!
もしインハイ予選で失格になったら最悪。5000mならシューズでもいいでしょうが、800mでシューズを履くというのは失格のリスクがあるうえにタイムが落ちます。川内選手はマラソンランナーなので練習の一環での出場だったのでしょうが、普通の選手はガチで大会に出ますので、スパイクを履いたほうが良いと思います。

初心者であってもトラックレースではスパイクを履こう!!

今回のように、厚底規定はかなり面倒です。
ケガのリスクや足への負担を考えてトラックでもシューズを履いている選手も多いでしょうが、大会ではスパイクを履きましょう!!
初心者のうちはシューズで大会に出る人もいるでしょうが、むしろ初心者こそスパイクを履いたほうが良いと思います。
ルールがわかっていればシューズで出ても大丈夫でしょうが、初心者でルールがよくわかっていないと出走すらできずに失格になると思います。初心者が履いているようなランニングシューズは全部25mmオーバーなのでアウトです。
趣味のランナーにとっては厄介でしかないこのルールですが、ルールはルール。ルールのなかでできることをやるしかありません。
初心者にできることは、失格にならないためにスパイクを履くこと。

初心者であっても中・長距離で使える足への負担の少ないスパイクは別でまとめていますので、トラックではそういうスパイクを履きましょう。

 

 

今回のまとめ

日本のトップランナーである川内選手であっても失格になる厚底規制の25mmルール。
端的に言えば、WAのリストにあるシューズを履かないと失格になるというもので、川内選手は色と名前が似ているシューズを間違えて持ってきてしまい、失格になりました。
最近のシューズはどれも似ているので間違えるのはしょうがないかもしれません。特に練習用と試合用でシューズを分けている選手は同じメーカーのシューズを使い分けているでしょうから、間違えやすいでしょう。

人間、ミスを起こすことは防げません。
では、失格にならないためにできる最善策は何なのかというと…
トラックレースでは初心者でもみんなスパイクを履く!!
これがベストだというのが陸上chの意見です。スパイクを履いておけば失格になることはありません。

そもそも、25mm以下のシューズしか使えないのでトラックでは超上級者向けのシューズしか使えませんので、それならスパイクを履いたほうが合理的なんです。あえてシューズで走るというのはそれはむしろ高度なテクニック。
たとえ初心者であってもスパイクを履くべきです!!

 






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