【2024アメリカ】全米選手権の“A”標準は10秒05!最低でも10秒20が必要だ!

雑記

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陸上の『本場』といえばアメリカ。
なかでも『聖地ユージーン』で行われ、場合によっちゃオリンピック決勝よりもハイレベルなレースが展開されるのが全米選手権です。
特にハイレベルだった22年に至っては決勝進出q2名はなんと9秒94と9秒95!!決勝では優勝が9秒77(カーリー)で、最下位の7位ベドナレクでも9秒98。4位5位は9秒90というとんでもない大会なんです。
アメリカやべぇ。

24年の全米選手権は6月21日~30日の日程で開催予定!!

ってことで今回は
『全米選手権』に出るにはどうすればいい?
最低足切りラインですら10秒20という超ハイレベルだ!!

をテーマにご紹介。

世界最高のスプリンターが集まるアメリカ。そのなかでナンバーワンを競うのが『全米選手権』ですから、当然、出場するだけでも世界トップレベルの競技力が必要です。

ちなみに、いつもは『USATF Outdoor Championships』という名前ですが、24年は『U.S. OLYMPIC TEAM TRIALS』なので厳密に言うと『全米選手権』とは訳せないかもだけど、陸連のカテゴリーでは『National Senior Outdoor Championships』になっているので全米選手権と呼んで問題なかろう。

全米の『“A”標準』は10秒05!
10秒20以内ならランキング順でチャンス有り!

全米選手権も五輪や世陸と同じく『参加標準』と『ランキング』の2パターンの出場権があります。
前知識として五輪標準の話を読んどいてもらえると話が早いです↓


ただ、全米選手権は五輪とはちょっと違って、全米は『“A”標準』と『MINIMUM標準』の2種類あるんです。

  • Automatic (“A”)→これを切れば“自動”で出場権獲得
  • MINIMUM→これを切っていてかつランキングがField Size(出場枠)内なら出場権獲得

いわゆるA標準B標準とはちょっと意味合いが違うけど、2種類の標準が設定されています。
例えば男子100mだと、“A”が10秒05でMINIMUMが10秒20に設定されていて、Field Sizeが36です。

まあ、もうこれ以上は説明しなくても解るよね!!
解るよね!?

全米選手権の各種目の標準と出場枠

とりあえず、標準を見て下さい↓

2024 U.S. OLYMPIC TEAM TRIALS “Qualifying Standards”
男子   女子
Automatic
(“A”)
MINIMUM Field Size &
Rounds
Event Automatic
(“A”)
MINIMUM Field Size &
Rounds
10.05 10.20 (36-3) 100m 11.07 11.30 (36-3)
20.30 20.60 (35-3) 200m 22.57 23.00 (35-3)
45.20 46.00 (35-3) 400m 51.20 52.50 (35-3)
1:46.30 1:47.50 (36-3) 800m 2:00.50 2:03.50 (36-3)
3:37.00 3:40.00 (36-3) 1500m 4:06.00 4:12.00 (36-3)
3:53.00 3:56.00   Mile 4:25.00 4:31.00  
13:25.00 13:38.00 (30-2) 5000m 15:10.00 15:45.00 (30-2)
27:45.00 28:50.00 (24-1) 10,000m 31:30.00 33:20.0 (24-1)
1:36:00 * (15-1) 20k RW 1:48:00 * (15-1)
3:30:00 *   35k RW 4:00:00 *  
13.50 13.75 (36-3) 110mH/100mH 12.90 13.25 (36-3)
49.75 51.00 (35-3) 400m Hurdles 56.20 58.00 (35-3)
8:30.00 8:43.00 (30-2) 3000m SC 9:41.00 10:12.00 (30-2)
2.23m 2.17m (24-2) High Jump 1.87m 1.80m (24-2)
5.72m 5.40m (24-2) Pole Vault 4.60m 4.30m (24-2)
8.05m 7.75m (24-2) Long Jump 6.60m 6.25m (24-2)
16.40m 15.75m (24-2) Triple Jump 13.50m 12.80m (24-2)
20.25m 18.90m (24-2) Shot Put 17.90m 16.50m (24-2)
62.00m 57.50m (24-2) Discus Throw 58.50m 53.50m (24-2)
72.00m 67.00m (24-2) Hammer Throw 70.00m 63.00m (24-2)
75.00m 69.00m (24-2) Javelin Throw 54.00m 49.00m (24-2)
7900 pts 7250 pts (18) 混成 6000 pts 5500 pts (18)

標準は2種類Automatic(“A”)MINIMUMあって、“A”突破なら自動で出場権獲得。MINIMUM突破の場合にはWAスコアリングテーブルを使用して採点され、降順で出場枠数まで出場権を与えられます。
一部種目を除いて、資格期間は2023年7月1日から2024年6月9日まで。

日本選手権と全米選手権では出場に必要なレベルはどれだけ違う?

全米選手権は男子100mでいえば出場枠が36人「しか」なくて、しかも10秒20を切らないと出場することができないのでかなり狭き門です。
一方、日本選手権男子100mは出場枠(ターゲットナンバー)56、申込資格記録 が10秒34です。

ちょっとわかりにくいけど…
アメリカ→10秒20までの選手が36人出れる。
日本→10秒34までの選手が56人出れる。
ってこと。

『出場』に必要レベルは全米選手権は最強クラスです。
例として、22年の日本選手権男子100mは10秒35までの58人がエントリー。このうち10秒20の資格記録を持っているのは10名だけでした。ってことは、全米選手権は出場するだけでも日本選手権決勝レベルの走力が必要!っと言えます。

ラウンドはどちらも予選・準決勝・決勝の3ラウンドなのに、アメリカは枠が少ないんですねぇ。なんでだろ?
ちなみに、200mは全米は35人で3ラウンドですが、日本選手権は42人で予選・決勝のみの2ラウンドに予備予選があります。

日程はアメリカはだいぶ余裕ある10日間、日本はギチギチの4日間

24年の日程は全米選手権は6/21~30の10日間で、DAY5,6に当たる25,26日はお休み。
そして、日本選手権は6/27~30の4日間

両種目エントリーが多い男子100m,200mでみると…

・全米(8日で6本)
DAY2 ①100m R1
DAY3 ②100m SF、③100m F
DAY7 ④200m R1
DAY8 ⑤200m SF
DAY9 ⑥200m F
100mと200mの間に3日間休養を挟んで8日で6本。200mは3ラウンドあるものの各日1本なのでだいぶ余裕あり。これなら100mと200mのダブルエントリーも出来そう。

・日本(4日で5本)
DAY1 ①200m 予選
DAY2 ②200m 決勝
DAY3 ③100m 予選、④100m 準決勝
DAY4 ⑤100m 決勝
4日間で5本ぶっ通しなので、よっぽど余裕がないと④で困憊しそう。このスケジュールで100mを狙うのは無理ポ。

どっちがいいか?っていやアメリカの方が選手は楽だと思います。日本で100m、200mの両種目っていう選手があんまりいなくなったのはこのスケジュールのせいもあるでしょうね。
選手が無理なく最大限の力を発揮できる環境を作っているってところでも全米選手権はすごい!
日本のスケジュールだと100mで優勝を狙うなら200mは捨てなきゃキツイわな。

 

【まとめ】
全米選手権は出るだけでも超ハイレベル!
スケジュールに余裕があるから力を発揮しやすいぞ!

今回は全米選手権の出場に必要な標準記録についてご紹介しました。

全米では自動で出場権獲得のAutomatic (“A”)と、足切りラインのMINIMUMという2つの標準を設定。
男子100mではMINIMUMでも10秒20という設定で、これは日本選手権出場者でもトップ10くらいのかなりのハイレベル!
全弁選手権は出場枠も日本選手権に比べると少なくて、トップオブトップ以外は出場することすら困難な狭き門なんです。

スケジュールもたっぷり10日間とられていて、ダブルエントリーの選手でも無理なく力を発揮できる環境があり、まさに陸上王国。
スポンサーにトヨタが付いていたりして、さすがアメリカですねぇ。

 

 






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