【レビュー①前編】アディダス『プライムSP4』~紹介編~サイズ感・重量・特徴・どんな人におすすめ?

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短距離スパイクは【厚底】の時代になりました。
二大巨頭はやはりナイキ・アディダス。ナイキ「マックスフライ」に対して、アディダスのフラッグシップモデルが「プライムSP」です。どちらがいいか?は人によるのですが、トップスパイクがどんなものなのかは、陸上ファンなら誰もが気になるところでしょう。

ってことで今回は
【レビュー①前編】アディダス『プライムSP4』~スパイク紹介編~
サイズ感・重量・特徴・どんな人におすすめ?
をテーマにご紹介。

全2回のレビュー記事の1回目です。2回目では実際に履いたレビューをご紹介します。
今回はまず、『アディゼロ プライムSP4』がどんなスパイクなのか、その概要を写真多めで細かいところまでチェック!
重量やサイズ感、特徴などをみていきます。

プライムSP4を詳しく見てみよう!

まずは、プライムSP4(以下SP4)がどんな感じのスパイクか見ていきましょう。ちなみに、生産国は中国です。

全体的な見た目は最近のアディダスのデザインそのままです。遠目に見ただけではよほど詳しくないと他のモデルと区別が付きません。

プレートは内蔵カーボンと樹脂アウトプレートの2枚。フルレングスで縦溝が彫ってあることからも硬いことが見て取れます。

かかとには穴が開いてカーボンがチラ見え。
樹脂プレートの中足部あたりには溝に沿って4本の穴が開いています。折れそう。

前足部の高反発材は「LIGHTSTRIKE PRO」。規定上限の20mm入っていて、つま先までキッチリ入っていて、後ろも従来モデルよりもちょっと長めに入ってる。

かかとはアディダスとしてはかなり高めでしっかり。グルっとクッションも入っているのでホールド感〇。『100』の文字から100m用特化モデルであることが伺えます。

【重量】実測で214g(28.0cm)は最重量級!

28.0cmでピンを付けた状態で実測214gです。これは管理人の持っているスプリントスパイクでは最重量記録!
兼用の『エフォート』よりも3g重く、ライバル『マックスフライ2』より21gも重いことになります。
幅用で9本ピンの『フィールドジオLJ』と比べても15g軽いだけ。ピン1本が約1.5gなのでスパイク自体の重さは10gくらいしか変わらないことになります。
跳躍スパイク並みの重さのスプリントスパイクかぁ…

旧型と公称値(27 cm片足重量)を比較すると
SP2:177 g(27 cm片足重量)
SP3:195 g(27 cm片足重量)
SP4:195 g(27 cm片足重量)

となっていて、SP3からの重量増はないらしいですが、実際に走った印象でも重量はそれなりに感じます。
このあたりは後編で紹介します。

ちなみに、STEPのソックスが片足で約15gだったので、ここまで重いと裸足で履くことも現実的に考えたくなります。

だけど、ソックス派なんだなぁ。

【サイズ感】普段通りでOK。ちょっと細めで先が長い

気になるサイズ感は、『普通』です。
幅は若干細めなので、幅広甲高の人は試着推奨ですが、サイズが変わるほど特殊な足形ではないと思います。管理人は他もだいたい28.0cmを履いていますが、SP4も28.0cmでぴったりでした。
マックスフライ2(同じ28.0cm)と並べてみると、マックスフライはつま先が丸くなっているのに対してSP4は尖っているというか長くなっています。アディダスはこの捨て寸が他のメーカーより多い印象。
管理人はいわゆる「ギリシャ型」で人差し指が長いので、つま先が尖っている方が指が当たりにくい気がするので好きです。

参考までに、管理人の他のスパイクのサイズ感と重量はこちら↓

メーカー モデル サイズ サイズ感 実測重量

アディダス
フィネス(厚底) 28.0 ジャスト 189g
アンビション(厚底) 28.5 ちょいゆる 178g
アクセラレータ 28.0 ジャスト 182g 
【幅】アディゼロLJ(旧) 28.0 ちょいゆる 250g
【幅】アディゼロLJ(新) 29.0 ゆるい 275g
アシックス

メタスプリント 28.5 ゆるい 144g
ジェットスプリント2 28.5 ジャスト 154g
エフォート13 28.0 ゆるい 211g
サイバーブレード(薄底) 28.0 ジャスト 167g
サイバーブレード(厚底) 28.0 ジャスト 195g
【幅】LJプロ3 28.5 ちょいキツ 245g
【幅】ソニックスカイプロ(厚底) 28.0 ジャスト 235g

ミズノ
クロノインクス9 28.0 ジャスト 164g
Xブラストネオ(厚底) 28.0 ジャスト 194g
Xレーザーエリート2 28.0 ジャスト 170g
【幅】フィールドジオLJ-B 27.0 キツい 243g
【幅】フィールドジオLJ-JAPAN 28.0 ジャスト 229g
【三段】フィールドジオAJ 29.0 ゆるい 270g

ナイキ

マックスフライ2(厚底) 28.0 ジャスト 193g
ドラゴンフライ(厚底) 28.0 ジャスト 145g
ビクトリー(厚底) 28.0 ジャスト 143g
スーパーフライエリート2 28.5 ゆるい 170g
JAフライ3 28.0 キツい 160g
【幅】zoomLJ4 28.0 ちょいキツ 249g
【三段】zoomTJエリート 28.0 ジャスト 248g
【幅】LJエリート(厚底) 27.5 改ジャスト 262g

 

【特徴】支え台が大きく、極端なフォア設計。かなり特殊なスパイク

プレートが浮いた「中空構造」がSP4の最大の特徴です。こりゃ奇抜。
他にもいろいろと特殊なスパイクなので、チェック!合わない人は履いた瞬間にダメだと思います。

重心が前よりでヤジロベーみたいに前後が浮く

つま先とかかとが浮いてます…これが良くも悪くもSP4最大の特徴でしょう。
最近あまり聞かなくなった「ロッカー構造」になっていて、『支え台』で点で立っているだけなので前後にグラグラ。他のスパイクよりも重心が前寄りにあるのでスパイク自体が起き上がってきます。歩くだけでもコクコク動き、「なんだこれ」と思うくらい独特です。
最近の支え台のないスパイクに慣れている人は、履いた瞬間に「合わない」と感じる人もいるでしょう

管理人はこのアディダス特有の『支え台』の存在感「カクンってするライン」って呼んでいますが、SP4のカクン感は想像以上にすごいです。

フラット?なにそれおいしいの?
中足部でフラットにつこうとしてもプレートが硬くて曲がらないのでフォアを強制されます。フラット志向の人は絶対に選んではいけないスパイクでしょう。
支え台のところを軸に前後でカクンカクンしているがわかると思いますが、走って大きな力がかかっても、このカクン感は変わりません。カクンより後ろで接地すると走っている最中でも引っ掛かるような違和感があります。

SP4はアディダスの中でも特に支え台の張り出しが大きく、歩く時からハイヒールのようにずっとつま先に体重が乗っています。

【アッパー】『エンジニアードメッシュ』の改良版でフィット感は普通。ちょっと滑りやすい

前作SP3では『ストラングアッパー』っていう不織布みたいなアッパーだったのですが、不評だったようでSP2で使われていた『エンジニアードメッシュ』に素材が戻りました。改良版なので2よりも破れにくくなっているように思います。
・伸縮性はないけど硬さはない。
・柔軟性はないからフィット感は高くない。
・摩擦が少なくて足が滑って動く。
という感じで、メッシュアッパーとしては良くも悪くもない普通の性能だと思います。滑りやすいのはコーナーを走ると気になる人は気になると思いますが、100mなら問題はないでしょう。

伸縮性のあるベロが足底から生えていて、中足部のフィット感はけっこう良いです。
前足部は滑りを感じますが、中足部はズレないのでアッパー全体としては特に問題はないと思います。ゴムっぽいベロをフィットの悪いメッシュと組み合わせることでアッパーの弱点を補えていると思います。
SP2やアンビションではベロは伸縮性の低いものが紐の穴の横あたりから生えていて、履き口が狭くなっていて履きずらかったのですが、SP4のベロはビローンと伸びるように改善されているので履きやすいです。

ちなみに、5年くらいまえにアシックスもこれと同じようなベロ構造を『モノソックデザイン』ていう名前で出していたことがありますが…

アシックスのあれはダメでした。

フィネス(24年モデル)はたしか「セラーメッシュ」といったかな…素材は微妙に違えど、SP4の履き心地は旧型アンビション(SP2の世代)フィネスと大差ないです。

SP4のメッシュはちょっとだけ耐久性が高そうで、ピンがひっかかって裂ける事故も多少は防げるかも?つま先周りの補強もちょっと大きくなっています。

昔のアディダスはかかとが柔らかくて脱げそうな感覚があったのですが、SP4はかかと周りにグルっとクッションが入っていてフィット感は高いです。
壁の高さも高く、このかかとまわりなら何か不満が出ることはないと思います。

【プレート】ガッチガチに硬くて傾斜がすごい!接地面は広い

SP4最大の武器のひとつが、この『ガチガチに硬いプレート』です。硬さを求めるならこれ以上のものはないはずです。
足底にカーボンプレートが内蔵されている2枚構造で、屈曲は最強クラス。屈曲自体がマックスフライより全然硬いし、支え台によって中足部ではプレートがほとんど曲がらず、接地位置は自然と前になります。

 

フルレングスカーボン内蔵。屈曲はめちゃくちゃ硬い!

『フルレングスカーボンプレート』は足底に内蔵されているため見えませんが、かかとにカーボンを見る用の穴が。よく見ると『9:XX』って書いてありますので、9秒台の選手用です。
屈曲自体は硬いのですが、マックスフライ2の方が硬さが足底にダイレクトにくる感じがします。

プレートには縦溝が掘ってあって、縦の屈曲はとんでもなく硬い。横方向は手で無理やり捩じれば曲がらないことはない程度には柔軟性があるものの、走っていてスパイクが捩じれることはないです。ガッチガチ。
アウトソールは全体に幅が広く、これが効いてか意外にも安定感はかなり高いです。特に前足部はアッパーからはみ出るくらいの広さがあって、厚みがあるにもかかわらず強く踏み込んでも横ブレはしません。

「傾斜の強さ」も最強クラス

傾斜はとんでもなく強いです。
プレートだけを見るとフィネスやマックスフライ2とそれほど変わらなく見えます。しかし履くと全然違います。普通のスパイクなら母指球付近で踏みますが、SP4はさらに2〜3cm前。ほとんど指で立っている感覚です。
小学校のころ、「手をチョキにしてめっちゃつま先で走ると速く走れるよ!」って教えてくれた佐藤君ってのがいたのですが、彼はこのスパイクを履けばもっと速く走れると思います。

支え台のところでカクンッとカーブして角度が付いています。履き心地はこの見た目から想像する通りです。
プーマには「バーサーカー」っていう名前からしてやばいのがあるので、世界一やばいのはバーサーカーなんだろうと思います。しかし狂戦士を除いた現実的に選択肢になるスパイクの中ではトップクラスです。

『中空構造』は独特だけど、よくみるとほかのスパイクも中空だったりする

SP4はミッドソールが分離していて、プレートがちょっと浮いた『中空構造』になっています。
奇抜な構造ですが、よく考えたらマックスフライもプーマも浮いていますので、見た目ほど珍しい構造ではありません。プレートの接着面積が減るのでかかとが剥がれてきそうなのが心配です。

中足部の浮いている部分はプレートに縦長の肉抜き穴が開いています。ここは手で押しても曲がるくらいの硬さなので、コンクリを歩いたり石を踏んだりしたらプレートが真ん中で割れるかもしれません。
軽量化の努力は随所に見えるのですが、そのくせ214gもあるのは困ったものです。

【ミッドソール】20mmギリギリに「LIGHTSTRIKE PRO」が入っていてかなり分厚い

ミッドソールにはアディダスおなじみの「LIGHTSTRIKE PRO」という張りがあって硬い感触の反発材が使われています。厳密には、「LIGHTSTRIKE PRO SPEED WEDGE」という素材らしいのですが、旧型との違いはよくわかりません。
スペック上の厚さは前足部20mm、ヒール10mmのドロップ-10mmで、反発材の入り方としては、「フォア全体に分厚く入っている」印象です。
SP3やフィネスではつま先に行くにつれて薄くなっていたのですが、SP4ではつま先までぎっしり入っている感じです。
反発材の沈み込みはほとんどないので、バウンドするというよりも硬さで押し出すタイプの反発感が特徴。ラグはほぼないので、スタートから踏みやすいと思います。
ただ、厚みを感じて地面が遠いので、接地感は高くはありません。

ライトストライクプロはコシがあってあんまり潰れない

よくわからないと思いますが、体重80kg弱の管理人が跳ねてもミッドソールはあんまり潰れません。
新品だから潰れにくいというのもあるのかもしれませんが、ライトストライクプロはマックスフライのようなポニンと潰れてバウンドするような感じはなく、かなりコシがある反発感。
走った感覚は詳しいことは後編で紹介しますが、間違いなく『パワー系』です。これぞ、アディダス。

【まとめ】プライムSP4はこんな人におすすめ

ここまでの内容をまとめると、プライムSP4は

  • 強いフォア接地が好き
  • 硬いプレートが好き
  • 「弾む感覚」よりも「押し出される感覚」が欲しい
  • アディダスの感じが好き

そんな人におすすめのスパイクです。
大きな支え台がかかとの落ち込みをサポートしてくれるので、スタートからゴールまで強いフォアを維持することができます。

逆に、

  • フラットに接地したい
  • 接地感を重視したい
  • リズムよく走りたい
  • 自然な履き心地を求める

という人には絶対に合わないです。
スパイクに走りを合わせる必要があるので、フラットで…という思いが少しでもあるならば、違うスパイクのほうがいいでしょう。

プライムSP4は、多くの人におすすめできるスパイクではありません。
でも履いた瞬間、
「これはヤバい」
と分かる。この感覚は、『プライムSP』という名前にふさわしい個性だと思います。

今回見ていただいたように、

支え台の存在感。
極端なフォア設計。
ガチガチのプレート。

という個性的な特徴が与えられたスパイクで、実際に履いても普通じゃありません。これほど癖の強いスパイクは珍しい。

これこそアディダス。

気になるのは、その強烈な個性が実際の走りでどう感じるのか。

そして、その独特な構造は本当に速さにつながるのか。

次回は実走レビューとして、

  • 実際に走った感想
  • マックスフライ2との違い
  • スタート〜中盤〜後半の感覚
  • SP4が「ハマる人・ハマらない人」

を詳しくご紹介していきます。






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