厚底ルールに新展開!!ソールが25mmまでに制限されてスパイクバブルがくるぞ!!

厚底問題

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ヴェイパ―フライの好記録連発に端を発した厚底規制論
一応は決着がついたように思えたこの問題ですが、当ブログではこのルールがスパイクに影響を与えるのではないかと考えていました。


なんと、またこの厚底騒動に新展開がありました!!

今回は
トラックでは実質シューズ禁止に!!
800m以上でもソールは25mm以下に規制!!

っていう問題についてご紹介。厚底規制が短距離のスパイクに影響が出て来るかと思っていましたが、まずはトラック長距離種目に大きな影響がでそうです。

 

 

短距離20mm、長距離25mmまでの厚底ソールに規制されるぞ!!

今回、世界陸連から延期された東京五輪に向けてルールの明確化が発表されました。
事の発端はヴェイパーフライがロード種目で好記録を連発したことによる『行きすぎた厚底シューズ』の規制です。
おさらいすると…
2020年4月30日からは
・ソールの厚みは4cmまで
・プレートは1枚まで
・4か月以上前からオンラインや店舗で購入可能なこと
これがヴェイパー騒動によるルール変更を受けた新ルールで、一応これで一件落着した感じになっていました。
つまり、延期前の東京五輪では新型のヴェイパーであるアルファフライの39.5mmというソールの厚さに合わせ、とりあえずこれ以上の厚底化にクギが打たれた形になっていたのです。

トラックでの厚底が禁止になったぞ!!

一方でスパイクについての厚みの規制は適当なものでした。
それが以下
走高跳と走幅跳における靴底の厚さは13㎜以内、走高跳の踵の厚さは19㎜以内でなければならない。本条13項により、その他の種目における靴底と踵はどのような厚さでもさしつかえない。
(13猶予の項 靴底は最大厚さ40㎜以下でなければならない(スパイクを含む靴は、靴底の厚さは最大30㎜以下でなければならない)。)
日本陸上競技連盟競技規則/第2部競技会一般規則靴底と踵の項より引用

つまり、これまでのルールだとスパイクは30mmまでで、アルファフライはスパイクじゃないので39mmでも使用okってこと。1500mとかだとスパイクを履くのが普通ですが、10000mとかだと厚底で走る選手もいることでしょう。

で、今回はトラック種目におけるソールの厚みに言及するルール改正が行われることになりました。
その新しいルールが以下の表(英語のやつを管理人が編集したもの)

種目 最大の厚さ さらなる条件
三段跳以外の
フィールド競技
20mm 前足の中央のソールは踵の中央のソールよりも
高くてはならない。
三段跳 25mm 同上
トラック
(800m含まない)
20mm リレーは選手の走る距離に応じる。
800m以上のトラック
(3000mSC含む)
25mm 競歩はロードの場合と同じ
クロスカントリー 25mm  
ロード 40mm  

まとめると
・短距離とフィールドは20mm
・三段跳は25mm
・中長距離は25mm
・ロードは40mm
これが今回新しく定められた規制の厚さです。

これがなにを意味するのかというと…
トラック種目では厚底が禁止された!!
ということです。それどころか普通の厚さのシューズでも規制に引っ掛かるので、シューズを履くならいわゆる『超薄底』を履くしかなくなりました。

これからはトラックではスパイクをはくことになる?

25mmという厚さがどれほどの厚さかというと
ターサージャパンでもたぶんアウト!!
ウエーブデュエルNEOがギリギリセーフ!!
中敷きを含めると25mmをオーバーしていてアウトでした!!!
厚底シューズに対抗する薄底として発売されたウエーブデュエルでさえ23mmのかかとの厚みがあり規制ギリギリ→アウトでした!!ちょっとクッションのあるシューズは全てアウトです。
これはつまり…
トラックを走るならスパイクを履け!!
ということ。
実質的にスパイク以外のシューズでトラックを走ることができなくなります。これはトップ選手にはほとんど影響ないと思いますが、一般市民ランナーにとってはけっこう大きな影響があるかも。

市民ランナーでもスパイクを履かないとトラックを走れない!?

現状、市民大会なんかでは中距離以上だとシューズで走っている選手も多くいました。
っていうか、中距離以上だと学生たちのガチ勢と市民ランナーの2派がいて、ガチ勢以外はスパイク履いていない人の方が多いくらいな気がします。市民ランナーだと5000mなんかだとスパイク履かない方が速い人もいるでしょう。
しかしスパイクを履かないとトラックを走れない時代が到来!!
今回のルール改正の後からは800m以上では厚さが25mmまでに規制されることになります。シューズでトラックを走る場合にはエリートランナー向けの超薄底以外はダメということになり、実質的に市民ランナーであってもトラックではスパイクの着用が義務付けられたようなものです。
わざわざトラック用に超薄底シューズを買うなら別ですが、それならスパイク買う方が賢明でしょう。
まあ、正直私個人的にはトラック走るならスパイク履けよと思っていたので特になんともなんですが、スピード練習の一環でトラックの1500mとかに出ていた市民マラソンランナーにとっては結構致命的かもしれません。

中・長距離スパイクバブルがくる!?

当ブログは短距離専門なので中・長距離についてはあまり詳しいことはやっていません。しかし、今回の『ヴェイパー(厚底)禁止騒動』はスパイクに大きな影響を与えるであろうことが考えられるため、わりと積極的に紹介しています。
で、今回トラック種目に規制が及んだことによってこれからの陸上界にちょっとしたバブルがくるかも。
それが『中・長距離スパイクバブル』です。

ナイキが最強スパイクメーカーになる!?

そもそも今回の騒動はナイキのヴェイパーが強すぎることが事の発端。
ルールは世界陸連が決めるものですが、当然ながらそこには政治的なやり取りがあることでしょう。今回の改正も陸連が勝手に決めたものではなく、シューズのワーキンググループとやらがあってその中で議論されて決定したものです。そのなかにはシューズメーカーが含まれ、当然ナイキもいることでしょう。知らんけど。
細かいことはすっ飛ばして、つまりは
ナイキを筆頭に中・長距離スパイクの新型が続々リリースされるはず!!
というのが今回のルール改正によって起こるであろう変化です。

ナイキが2種類の中・長距離スパイクを発売した!!

現状、中・長距離は世界レベルの大会ではほぼすべての選手がナイキのスパイクを履いています
リオ五輪ではカラフルなナイキのスパイクが画面を埋め尽くし、それ以降他のメーカーは土俵に上がれない状態。本来であればミズノかアシックスが頑張って抱え込むべき日本の大迫選手もナイキと契約しています。
ナイキはマトゥンボというスパイクで画面を埋めていますが、次世代スパイクとして超残新なモデルを4月29日に発売しています。
それが
『エア ズーム ヴィクトリー』



(画像:ナイキHP)

『ズームエックス ドラゴンフライ』



(画像:ナイキHP)


この2モデル。
どちらも800m~1000mに対応した中・長距離スパイクで、構造は違うものの1メーカーから用途のかぶるスパイクが出てきたことになります。
短距離のズームスーパーフライエリート2と一緒に3モデルを同時発売したわけですが、発売の時には『ナイキ頑張ってるなぁ』くらいにしか思っていませんでしたが、これから来るスパイクバブルによる大きな需要を見据えたモデルだったのです!!
トップランナーが世界大会でナイキ一色に画面染め、その宣伝効果で一般ランナーもナイキのスパイクを買う。この構図は今回のルール改正で確立されることでしょう。

ミズノ・アシックスは長距離スパイクに強くない?

短距離と違ってあまりスパイクの存在感がないのが中・長距離です。これまでミズノもアシックスもあまりやる気が感じられませんでした。
ミズノはクロノディスト

アシックスはコスモレーサーLD

短距離用は初心者向けから中級者、上級者向けまでラインナップが充実しているのに長距離向けはラインナップとしては非常にスッキリしていて各メーカー1足だけ。
そもそも、1500mや長距離だと、ある程度のレベルに達していないとシューズで試合に出る場合も多く、スパイクを履かない選手も多くいます。ゆえに高校レベルの選手ではスパイクを履かない選手が多く、学生をメインターゲットにしているミズノ・アシックスはあまり力を入れていない印象。トップ選手向けのスパイクだけを細々と作っているのが現状だと思います。
アシックスは最近コスモレーサーを投入してちょっとやる気をのぞかせているし、世陸メインスポンサーだけに今回のルール改正にも噛んでいるはずなのでもしかするとこれからラインナップが拡充されるかも!?
ミズノは知らん。

 

厚底スパイクがでてくる!?

当ブログとして気になるのは『厚底短距離スパイク』が出て来るかどうかというところ。これまでは極力薄いスパイクが使われていましたが、超厚底のスパイクが出て来るのも時間の問題でしょう。
従来は厚さは自由だったものがやっと上限を30mmに規制されました。これによって厚底ブームをきっかけにして今までに例のない超厚底スパイクが出現することを抑制した形になります。
しかし、ナイキが前足部にエアクッションを入れた厚底の『ズームスーパーフライエリート2』を発売。これによって厚底短距離スパイクの歴史が始まったかもしれません。

幅跳用スパイクは劇的に進化する!?

いままでもソールが高いと有利になる跳躍種目にだけは厚さの規制がありました。
高跳び用と幅跳び用はソールが13mm以内に規制されていたものが、今回の改正で20mmにまで緩和されたことになります。
個人的な感触では、ソールが薄い方が幅跳びもし易いのが現状。しかし、厚いソールに合わせたプレートを搭載した『次世代型幅跳びスパイク』が開発されれば話は別。たった数ミリであっても厚みがあった方が記録はよくなるはずです。
20mm規制によって幅跳びと高跳びについてはこれまでのスパイクよりも有利なスパイクが誕生sるうかもしれません。
2021年のスパイクラインナップに注目!!

 

 

英語の文章を読んで書いたので間違っているところあるかもしれませんが、とにかくトラック種目では厚底というかシューズの使用が実質禁止されるようになります。
市民ランナーに非常に大きな影響を与える可能性があるこの改正は今年の年末から施行。2021年野東京五輪に向けたルールとなります。

 






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