【マスターズ・市民大会】初心者の社会人におすすめな陸上大会は?
陸上は生涯スポーツです。
チームに所属する必要はなく、練習から試合まで全て自分ひとりだけで完結することができるため、自分の都合に合わせてマイペースに楽しむことができます。
また、目標も人それぞれで、「大会で1位になる」や「全国大会に出る」だけでなく、「自己ベストを出す」や「ケガせずに1年に3試合出る」を目標にしている選手もいます。
そんな陸上競技ですが、元陸上部以外の人にとっては大会に出るにはけっこうハードルが高い競技でもあります。「周りが速そうで恐縮する」とか、「学生と一緒に走るのは不安でしかない」みたいな声はとっても多く、速い遅いに係らず陸上選手って特有のオーラがあるので、たしかに初心者に対してあんまりフレンドリーな感じはしないのも事実。
ってことで今回は
【マスターズ?市民大会?】社会人から陸上を始めた初心者におすすめな陸上大会は?
をテーマにご紹介。
当ブログは「大人から始める陸上競技」を推奨しており、市民ランナーならぬ市民スプリンターを推しているんです。趣味として競技を楽しみ、健康的な生活をするために「陸上」が選択肢になるように、初心者が陸上に抱く不安を解消していきたいと思ってます。
そして今回は、一番不安に思うであろう『大会に出るのが怖い』というところをなんとかするべくいろいろとご紹介していくのです。
結論としては…
35歳以上ならマスターズが優しくておすすめ
手続きが面倒なら市民大会がおすすめ
陸上の大会は走るのが遅くても全く問題なし!!
まず最初に言いたいのはこれ。
陸上の大会は足が遅くても全然大丈夫です!!
「足が遅いのに大会に出るのは怖い」とか「高校生や大学生の速い選手と一緒に走りたくない」っていう不安は実際に話にも聞くし、メッセージで相談頂くことも多い案件です。
めっちゃわかる!
この不安は実は初心者だからってわけではなくて、陸上経験者は誰もが抱いたことがあるはず。管理人も幅跳びは余裕でも100mに出るときはいまだにソワソワします。
でも大丈夫。陸上はそもそも個人競技なので他の出場者が遅いとかあんまり気にしてません。
レースはレベル別になってるから速い人とは別の組になる
陸上って同じくらいの持ち記録の選手を組み合わせてレースするんです。
そのため、13秒台の選手と10秒台の選手が同じ組で走るってことはほとんどない!
だから「速い人と一緒だと怖い…」っていう心配はいりません。
陸上の大会は申し込みの時に自己申告した記録をもとにして、だいたい同じ速さの選手が同組になるようにしています。これを番組編成って言います。
もちろん、出場者が少なければ同組になる可能性はありますが、100mだと小さい大会でも3組くらいには分かれるから多分大丈夫。それにそもそも10秒台の選手なんてそんなにいません。
また、高校生と一般は別になっていることも多いので、高校生と年の差レースってこともあんまりありません。高校生と一緒になったとしても、同じくらいの走力なので大丈夫。
速い選手は「雑踏」に慣れてるもから他の選手を気にしてない
隣のレーンが速そうな人だったらビビる気持ちはとってもよくわかります。
しかし、速い人ほど他の選手や隣のレーンなんて気にしてません!!
だから「自分は遅い」とか「不慣れで邪魔になるんじゃないか?」って心配はいりません。
同じくらいの記録の選手が並んでいれば引っ張ってもらおうって気持ちにもなるでしょうが、市民大会では自分のレーンだけを考えているはず。
陸上の大会って中学生がいっぱいいる場合もあって、初心者がエントリーするであろういわゆる「市民大会」は中学生だらけで会場はかなりうるさいのですが、速い選手はそんなゴチャゴチャとうるさい大会を多く経験しているので多少の雑踏は気にしていない!!
人にもよるでしょうが、初心者がエントリーできるような市民大会で極限まで集中している選手なんていないと思う。高いレベルの大会になると自然とスタート前に静まりかえったりおしゃべりしてるとプレッシャーかかることもありますが、中学生がいる大会は全体がうるさいし子供がウロウロしてる。
管理人も助走しようとしたら中学生が横切ったことがあるくらいで、陸上経験が長い選手はそういうことにはある程度慣れてる。
つまり、市民大会では常識的に行動してれば邪魔になることはないし、遅かったりジャージがダサくても別に誰も気にしていません。
ただ、最低限のマナーは必要。マナーについては競技場のマナーをそのまま使えば大丈夫↓
初めての大会には不安が少ない「マスターズ」がおすすめ!
陸上の大会には大きく2つの系統があります。
・「陸連」系の競技会(市民大会・選手権大会など)
・「マスターズ」の競技会(マスターズ大会)
多くの人がイメージする陸上の大会は「陸連」の大会です。市民大会から日本選手権までほとんどの大会が陸連が統括しているやつです。
一方、陸連とは別組織の「マスターズ」の競技会ってのもあります。ザックリ言えば、35歳以上しかいない大会がマスターズ。(厳密に言えば18歳から登録できるしマスターズも陸連とつながってはいます。)
両者の違いについては別記事で紹介しているので詳しくはそちらを参照↓
ルールや基本的な運営は陸連に準じているので『陸上競技』っという点では陸連でもマスターズでも全く変わらないのですが、選手層が違うので大会の雰囲気は結構違う。
初心者で右も左もわからないならまずはマスターズで大会デビューしてみるのがおすすめです!
マスターズの方がフレンドリーで初心者に優しい!
言い方が難しいのですが、マスターズの方がフレンドリーです。
大会に不安があるような初心者に優しいのはマスターズとは言えると思います。
っというのも、マスターズは年齢層が高いからなのか雰囲気がとってもゆるい。ガチなひとでも節度をわきまえている選手が多いので普通の大会みたいにギスギスしていません。(レース自体は真剣です。)
長いことやってるからなのか知り合い同士みたいな人も多くて、大会は和気あいあいな雰囲気。
高校生や大学生と一緒に走るのが不安…っというならマスターズなら年代別なのでその心配はいりません。カテゴリーが5歳刻みなので、同年代とのレースになります。
速い人と一緒に走りたくないっとなるとなんともいえませんが、マスターズだと年齢が高いので速い人はあんまりいません。元10秒台とかはいるけど、「現役」ではなく第一線を退いて仕事の合間に練習している人や、そもそも練習はほとんどやらずに大会だけ出ている人など様々です。
マスターズなら「自分だけ浮いてる…?」っていう不安がない
マスターズの大会は言いかたが悪いけど「オジサン」と「オバサン」がいっぱいいます。っていうか、オジサンとオバサンしかいません。
そのため、「若者のなかに一人だけポツンと40代の初心者が混ざってる…!?」っていう恥ずかしさというか心配は全くいらない。
どのレースに出ても「自分だけ浮いている」っていう状況にはならないため、初心者にとってはマスターズの方が安心して出られると思います。
マスターズは初心者も多い!
語弊があるかもしれないけど、マスターズは趣味で陸上をやっている人がほとんど。
ガチでもゆるくでも、どんな姿勢で競技をしていてもとやかく言われないのがマスターズの良さです。
ガチの選手がマスターズに出るメリットもありますがそれはまた別の機会に。
そして、『ガチじゃない』ってところは初心者がマスターズに出るメリットになり得るでしょう。
実際、子供が手を離れて時間が出来たからっとか、マラソンやってたけどトラックに出てみたくなったっていう感じで、マスターズではじめて陸上を始める人もけっこういます。
そういう人を受け入れる土壌がマスターズにはあるので初心者でも安心。
マスターズは登録やエントリーがちょっと面倒でお金がかかる…
マスターズの欠点は事務手続きがちょっとだけ面倒くさいところ。
また、マスターズは選手登録が必要なのですが、これが8000円くらいかかります!
「マスターズ登録」は「陸連登録」とセットなのですが、陸連登録だけなら4000円くらいなのでマスターズに出るためには余分にお金がかかるってのはデメリットです。
さらに、地域によって登録はネットだけでは完結せずに書留を送らないといけない場合もあります。また、記録は自分で記録証をとって申請しないと公認されないことも。
これは年齢層が高いからなのかわかりませんが、ちょっと遅れている感じは否めない。
まあ、やりかたはHPみたり調べればわかるし、やってみればすぐできるので大した手間ではないのですが、マラソン大会みたいにお手軽に大会に出てみたいって人にはちょっと面倒かな?
お手軽に陸上大会に出るなら「市民大会」がおすすめ!
上では「マスターズの方が初心者に優しい」って話をしましたが、マスターズだとまわりがみんな40代とか50代なので、20代の人にとっては逆に陸連の大会の方が居心地がいいこともあるかも?
また、登録とか面倒くさそう…って人もいるでしょう。
そこで、年齢にかかわらず、登録しなくても、初心者でもお手軽に出場できるのが『市民大会』です!
厳密に言えば、『市民大会の市民の部』が初心者におすすめ!!
「市民大会」っていうのは市町村が開催している陸上大会の俗称で、いわば地域の運動会。それの超本格的バージョンです。
『○○市陸上競技大会』みたいな名前の大会で、競技場を持っている市町村なら多分年に1回は開催してるはず。市民大会は小学生から大人まで申し込みさえすれば誰でも参加できる大会ではあるのですが、陸上競技場を使ってちゃんとした審判がちゃんとしたルールで運営するちゃんとした大会です。
『市民の部』なら在住・在勤していればエントリーできる!
市民大会の『市民の部』をおすすめする理由は
市民の部は登録とかしなくても大会に申し込みさえすれば出場できるからエントリーが簡単!!
だからです。この誰でも出られるっていうのが市民大会が初心者におすすめな最大の理由です。
マスターズは『マスターズ登録』ってのが必要なのですが、市民大会ならそういう「登録」をしなくても、大会に申し込みするだけで出場できちゃうのでお手軽。
大会申し込みの方法は大会によって若干の違いはあるものの、ネットで申込書をダウンロードしてメールで送るだけでOKな場合が多く、本当にお手軽。
1点だけ注意が必要なのは、市内に在住・在勤・在学の人だけがエントリー出来ることが多いこと。
逆に言えば、在住・在勤じゃないとその大会には出られません。
また、大会によっては隣の市の在住者までエントリーOKだったり、後述しますが市民大会でも「登録者」じゃないと申し込めない大会があったりと、大会によって出場資格が違って細かい要件は要項次第です。
「登録者の部」と「市民の部」が分かれてることがある
市民大会には「登録者の部」と「市民の部」に分かれている場合があって、やることは一緒なのですが同じ大会のなかで2つのカテゴリーが同時に行われます。
市民大会の出場区分の例 | ||
区分 | 出場資格 | 記録の公認 |
登録者の部 | 日本陸連登録者 (市外でもOK) |
公認記録 |
市民の部 | 市内在住・在勤・在学者 (市外はNG) |
非公認 |
・登録者でも市内のみの場合もある。 ・市民の部がない場合もある。 |
登録者の部と市民の部の違いは“記録が公認されるかどうか?”だけ(開催種目は違うかもしれないけど100mはあるはず)。
そのため、「陸上の大会に出たい!」っていうだけなら登録しなくても簡単にエントリーできる市民大会の市民の部で十分です!
「公認記録」を残したいなら陸連登録して「登録者の部」に出る必要があるのですが、登録者だろうが市民だろうが競技のルールは変わりません(フライングが2回目までセーフだったり、フィールドの試技が3回だけだったりはします)。
市民の部で注意なのは、たぶん市の予算でやってるから市内在住・在勤じゃないと出られないことがあるところ。
「出場資格」は大会によって違う
出場資格は大会の「要項」ってのに書いてあります。
「市民大会」とひとことで言っても市によってやり方がまちまちなので、「市民の部」がある大会とない大会があります。
「○○市 陸上 大会」でググればその市の陸協HPがでてきて、その中の「大会情報」みたいなところに大会要項のPDFがあるはずなのでそこで「出場資格」をみて確認しましょう。
“出場資格”が…
『市内在住者・在勤者・在学者、日本陸連登録者』の場合
→登録者の部と市民の部があるので、市内在住なら市民の部に出場できる。登録者なら市外在住者でも出場できる。
『日本陸上競技連盟登録選手(市内外問わず)』の場合
→登録者の部しかないので市内在住でも陸連登録しないと出場できない。登録者なら市外在住者でも出場できる。
書き方が市によって違って数パターンあるので割とややこしいのですが、わからなかったら問い合わせてみましょう。登録者だと市外でもOKな場合が多いです。
もし、地元の大会に市民の部がないのであれば陸連登録するしかない。陸連登録はだいたい4000円くらいでできるので、マスターズ登録より安いです。
陸上大会の『質』はマスターズでも市民大会でも同じ
マスターズは初心者でも安心で、市民大会はエントリーが簡単という良さがある。
どちらでも初心者が「初めての大会」に選ぶメリットがあります。登録が手間でなければマスターズ、手っ取り早く出たいなら市民大会にエントリーするのがおすすめです。
しかし、どちらを選ぶにしても大事なのは陸上大会としてどうなのか?ってところです。
端的に言って、マスターズでも市民大会でも陸上競技大会としての質は同じでかなり高い!!
そのため、どちらの大会を選んでも本格的な陸上体験ができるでしょう。
少なくともここ日本においては、マスターズや市民大会でも県選手権とほぼ同じクオリティで競技が行われています。市民大会であっても超本格的に100mのレースをすることができる。
管理人は高校・大学でそれなりに大きな大会にも出ましたが、市民大会だからといって「質」が下がることはないと言い切れます。大学時代でも普通に市民大会にも出てました。
マスターズでも市民大会でも審判している人は同じだし、会場もルールも同じ。違うのは出場している選手と開催種目くらい。
マスターズにこそ「アスリート」がいる!
マスターズはゆるいって言っておきながら逆な事言うようですが、マスターズにはアスリートな選手が大勢います!
マスターズだからといって競技がゆるいわけではない。むしろ市民大会よりマスターズの方が元国体選手とかがいます。
マスターズにはものすごい体をした選手がけっこういてて、もはやアスリートと呼んでさしつかえないような、その辺を歩いてる同世代のオジサンやオバサンとは格の違う人達がゴロゴロ。
また、年齢の幅が広いだけあって、昔は有名だったような人も普通にいるので技術的に高い選手もけっこういます。さすがにタイムは13秒とか15秒とかが多いものの、60歳代でもムキムキな選手がいっぱい。
そういう選手は「ガチ」とはまた違うんでしょうが、趣味としての陸上を本気でやっているので楽しそう。そして優しいから尊敬する。
一方、市民大会は「小学生の息子が出るからせっかくだから一緒にエントリーしてみた」的な普段はほぼ運動していないお父さんもけっこういて、その敷居の低さこそが市民大会の良さです。
そして登録者の部には大学生や高校生といった「現役」がいて、選手権クラスの選手から、年に1度その日だけ走るっていう選手まで誰でも出られるのが市民大会。
~まとめ~
はじめての大会はマスターズが安心!簡単なのは市民大会!
今回は、社会人から陸上を始めた初心者におすすめな陸上大会は?をテーマにご紹介しました。
陸上の大会はわりと敷居が高いイメージがあるそうで、社会人から陸上デビューした初心者にとっては大会に出るっていうのはけっこうハードルが高いのが現状。
不安な気持ちは非常によく分かります。
そこで管理人がおすすめなのが
マスターズの大会か市民大会の市民の部
このどちらかを最初の大会に選んでみることです。
『マスターズ』っていうのはかつて陸上をやっていた人だけでなく、大人になってから陸上を始めた選手も多くいるカテゴリーです。
あんまり自信がなかったり、初めてで不安な気持ちが大きいのであればマスターズを選ぶことをおすすめします。
35歳から5歳刻みでエントリーが分かれているので同世代とのレースとなるため、「自分だけ浮いている…」ことがなく、それぞれが自分の目標で競技しているのでフレンドリーなのが特徴。
年齢層が高いので競技力自体はそれほど高くないものの、元国体選手みたいな人も多く、一般社会の50歳とマスターズにいる50歳は別モノ。マスターズといえどもかなり本格的な陸上大会です。
デメリットは「マスターズ登録」が必要なのでちょっと面倒なのと、それに1万円弱かかること。
『市民大会の市民の部』っていうのは、市民大会のなかで陸連登録をしなくても誰でも出られるカテゴリーのこと。在住・在勤なら誰でもエントリーが可能です。
面倒な事をせずにお手軽に大会に出てみたいのであれば市民大会がおすすめです。
エントリー費用以外かからないしメールと振込みだけで申し込みが完結するのでお手軽なのが最大のメリットで、登録者の部と併催が多いので大会数が少ないものの、自前で競技場を持っている市町村なら年に1回は市民大会を開催していると思う。
その大会が市民の部がなくて登録者しか出場できない場合には陸連登録(4000円くらいかかる)してエントリーしましょう。大会自体は市民の部だろうが登録者の部だろうがやることはかわりません。
どちらの大会を選んでも陸上の大会としての『質』は全くかわりません。参加者が違うだけ。
どっちにしよう…っと悩むなら…
中学生や高校生と同じ大会に出るのが恥ずかしければマスターズを選べばいいし、それに抵抗がなければ市民大会を選べばいいと思います。
総額はマスターズが1万円くらい(マスターズ・陸連の登録費用と大会申し込み費用)、市民大会が1500円くらい(大会の申し込み費用だけ)なのでお金で言えばマスターズは高いです。
とにかく、初めてだと色々と不安かもしれないけど、陸上大会は一回出てみたらどうということはありません。必要なら選手登録をして、大会に申し込みをすれば誰でも出場できます。
遅くてもジャージがダサくても全然問題ありません。ガチでも趣味でも大丈夫。
それでもよくわからなかったり不安なことがあるならメッセージくれればレクチャーしますので頑張れ。
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