【陸連登録のメリットは?】市民ランナーに陸連登録は必要か?

陸上のいろいろ, 雑記

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マラソンをやっていれば『陸連登録』という言葉を耳にしたこともあるでしょう。
読んで字のごとく、日本陸連に選手登録をすることなのですが、では、陸連登録すると何か良いことがあるのでしょうか?
わざわざお金を払って登録する価値があるものなのかわからない…って人も多いはず。

ってことで今回は
市民ランナーが陸連登録をするメリットは?
をテーマにご紹介。

陸連の公認大会であっても、マラソン大会のエントリーには陸連登録は不要な場合が多いので、登録しなくても大会に出られるならわざわざお金払って登録する必要なくない?」っていう認識の人も多いことでしょう。
たしかにマラソン大会だけなら登録は必要ないのですが、市民ランナーであっても陸連登録するメリットはありまぁす!!
せっかく走るなら陸連登録もしておくと、走る楽しさが広がるかも!?

 

陸連登録は誰でも簡単にできる!!

まず最初に、けっこう誤解している人がいるところから言うと、陸連登録は速さや実績とは全く関係なくて、申し込みすれば誰でも登録できます!チームに所属する必要もなくて、個人でHPから申し込めばOK。10分もあれば登録できます。
話を聞くと「陸連登録するようなレベルじゃないから」ということをいう人もいますが、レベルは全然関係ないので気にしなくて大丈夫。むしろ、初心者こそ陸連登録するメリットがあると思います。
登録してまで走りたくない…っていう気持ちはわかるのですが、せっかくマラソンをやるなら陸連登録もしておくと何かと楽しめるはずですよ。

登録の窓口は地域の都道府県や市町村陸協になる

【陸連】ってのは日本陸上競技連盟のことで、これは日本の陸上を統括する一番上の組織です。陸連登録の窓口は、その下部組織である各都道府県や市町村の陸協となります。例えば、東京に住んでいるなら『東京陸協』に申し込めばOKです。その場合、所属は【東京陸協】になります。

個人の陸連登録は陸協を通じて行うため、住んでるもしくは勤務地の陸協のHPから簡単に申込できます。
例えば東京ならここ(toriku.or.jp/pages/新規個人登録)から。最近システムが変わってわかりずらくなりましたが、何とかなる。
都道府県陸協以外にも、市町村の陸協で登録を受け付けていたり、クラブチームから団体登録することもできます。まあ個人なら都道府県の陸協から申し込むのが楽でしょう。

ただし、登録料っていうのが4000円くらい(場所によって微妙に違う)かかります
で、登録料を払ってでも登録するメリットはあるのか?っというのが今回のお話の肝です。
タダならみんな登録しておけばいいのですが、お金を払ってまで陸連登録するメリットは果たしてあるのか?ってことで、陸連登録するとできるようになることについてご紹介していきます。

 

 

陸連登録する最大のメリットは『公認大会』に出られること

陸連登録する最大のメリットは..
登録者しか出場できない『公認大会』にもエントリーできる!
登録しておけば、公認のマラソン大会はもちろん、陸上の大会でトラックを走ることもできるようになります。逆に言えば、陸連登録してないと出られない大会があるということで、陸連登録をしておくことで選べる大会の選択肢が広がります。

実は、マラソンや陸上の大会には『公認大会』『非公認大会』の2種類があります。公認大会は陸連がやっている大会で、非公認大会は有志が主催している大会と考えておけばいいのですが、公認大会に出るには陸連登録が必須です
非公認大会だろうとやっている内容はほぼ変わらないのですが、計測方法が手動だったり、審判員の人数がちょっと足りなかったりするため、非公認大会で出した記録は公認記録とは認められません。そのため、公認記録が欲しければ陸連登録が必要ということになります。

んん…公認記録とは!?
陸連登録のメリットその1は、この『公認記録』が取れるところです。マラソンでも、トラックレースでも、登録者が公認の大会で出した記録は公認記録として残ります。

公認大会に出ると『公認記録』を残すことができる

公認大会でマークした記録は『公認記録』として扱われ、このデータはずっと残ります。
「記録証」の有無にこだわる人もいますが、記録証がもらえるかどうかと公認かどうかは関係なくて、記録証が出ない大会でも記録のデータは陸連のデータベースににちゃんと残っています。(記録証がないと記録の証明が面倒くさいので、そういう意味では記録証がちゃんと出ることは重要ではありますが。)

で、そもそも『公認記録』が残るとなにかいいことあるの?っていうと…
公認記録があれば大きな大会のエントリーに使える!あとは自己満足!!です。
大きなマラソン大会に出たいなら公認記録は持っていた方がいいです。あと、「非公認だけどサブスリー」だとなんかもったいなくない?どうせなら公認でしょう。

公認記録をもっていないと大会にエントリーができないことも!

大きな大会だと、「標準記録」が設けられている場合があって、そういう大会に出場するにはこの標準以上の記録を持っていないといけません。
つまり、公認記録を持っていないと『○○国際マラソン』みたいな大きな大会にはエントリーできないことがある!!
これは公認大会の中でも上位の大会に限ったことですが、公認記録が必要=陸連登録が必要な場合があります。これが「陸連登録が必要なのはレベルが高い人だけ」っていう話に繋がっている感は否めないのですが、どうせ走るなら大きな大会も走りたいでしょ?

参加標準記録がある大会で有名なのは『別府大分毎日マラソン』ですかね。(執筆次点の情報)
この大会では申し込みのレベルごとにカテゴリーが分かれていて、「カテゴリー1~3」に出場するには陸連登録に加えてフルマラソンで3時間切りの記録が必要で、標準を切っていれば全員出場できます。登録者でなくても出られる「カテゴリー4」であっても、公認のコースで参加資格記録(3時間30分)を切っていることが条件です。
(ただ、別府大分ではネットの記録でもOKなので公認記録ではないんですが…)
また、東京マラソンでも2時間55分以内の記録があると「準エリート」で一般とは別でエントリーできたりもします

そんな感じで、足切りのために公認記録が使われることがあります。
自己申告の記録だと信ぴょう性があやしいので、人数制限の足切りにはる公認記録を使うのが一番公平なわけです。そのため、いろんなレースに出たいなら陸連登録して公認記録を残しておく意味はけっこうあると思います。
まあ、このメリットを享受できるのは、標準を突破するレベル(サブスリーレベル)の選手だけかもしれませんが…

登録者は前列からスタートできる?

こればっかりは大会によるのですが、登録者は前列からスタートできる場合もあります。
最近は登録に関係なく申告タイムでエリア分けされる場合が増えたようですが、登録者のレースは『競技』なので、できるだけ同じ位置からスタートさせる必要があります。
「エリートの部」とか「準エリートの部」っていう風に、登録者の中でも持ち記録によって優劣をつける場合もありますが、登録者と非登録者では扱いがまた別になります。
ちなみに、マラソンのタイムには号砲から計測する『グロス』と、スタートラインの通過から計測する『ネット』の2つのタイムがありますが、公認される記録はグロスだけです。そのため、競技の選手(登録者)がファンランの選手よりも前の位置からスタートするのは合理的な理由があると言えます。
まあ、最近は登録してれば前からスタートできるってことはない感じなので、そのために登録する必要はないと思いますが、前からスタートできる可能性はあります。

 

陸連登録しておけば『陸上大会』で1500mとか5000mにも出られる!

『マラソン大会』だけを考えると、サブスリーレベルまでは陸連登録のメリットはあんまりないと言えます。しかし、マラソン以外にも目を向けると市民ランナーでも陸連登録のメリットはあるのです。

なんといっても、陸連登録しておけばトラックレースに出られる!
春から秋にかけては各地の陸上競技場で大会が開催されています。陸上の大会はほとんどが公認大会なのですが、陸連登録さえしておけば、こういう陸上大会にもエントリーできます。
マラソンの練習でも「ポイント練習」や「スピード練習」で1500mくらいの距離を走ることはあると思いますが、せっかく走るなら大会で走った方が楽しくない!?
ちなみに、陸上の大会には『記録会』と『選手権』の2種類があるのですが、同じと考えて問題ありません。やってることは一緒です。

トラックレースはエントリー費用が安い!人数が少ないから入賞して賞状がもらえるかもよ!?

陸上の大会のいいところは…
トラックレースはマラソンと比べるとエントリー費がかなり安い!
マラソンのエントリー費って安くても1万円くらいすると思いますが、トラックレースのエントリー費用は1600円くらいなので比較するとかなり安いです。
ただ、トラックではルールで厚底が使えず、20mm以下のシューズでないと失格になるため、トラック用に20mm以下のシューズかスパイクを買う必要がありますのでその費用は掛かります。っといっても、長距離スパイクは安いので7,000円とかで良いやつが買えます。

また、陸上の大会は出場者がかなり少ないので、出さえすれば入賞だから賞状ゲット!ってこともあります。
特に一般女子はひとりも出場者がいなかったりするのでねらい目です。出れば優勝かも。

トラックレース(陸上大会)の申し込みは大会のだいたい1か月半まえくらいに締め切りになるので、マラソンよりかなり余裕があると思います。「来月何かでようかなぁ?」っと思って検索すれば何かしらある。こまめに陸連のHPをチェック!

 

 

【デメリット】陸連登録することで何か不都合はあるの?

陸連登録するデメリットは登録費用が掛かることだけ!!
っといいたいところですが、ここではもうちょっと掘って考えてみます。

費用のほかにデメリットがあるとすれば、公認レースに出ると競技としてルールを厳守しないといけないことかもが挙げられるかもしれません。競技としてのルールの話なので、登録するかどうかとは直接は関係ありませんが、真面目な人ほどルールを破る(とまではいえませんが)ことに抵抗があるかもしれません。

いやいや、非公認レースでもルールはちゃんと守ってるよッ!

っと言う人がほとんどでしょうが、陸連のルールではカメラや携帯電話の携帯が禁止されているので、レース中に写真を撮ったりするのも本当はNGなんです!
あとは厚底のルールでロードレースでは40mmを超えるシューズはNGです。例えば、2024年に出たマジックスピード4は厚さが40mmを超えているので、本当はマラソン大会で使うことはできません。一般ランナーはシューズチェックなんかされませんが、ルールではダメ。
まあ、一般ランナーがこういうので失格になったっていうのは聞いたことないんですが、厳密に言えばダメなことは色々ありますね。陸連登録をすることで、【縛りプレイ】になってストレスを感じるかも?

公認レースでは「助力」が禁止だから私設エイドや通信機器が使えない!!

登録をしてレースにエントリーするということは、【公認のレース】に出るということです。これはつまり、競技のルールの中でレースをすることになります。
特に注意しないといけないのは..公認レースでは『助力』が禁止されています!!

は?『助力』って何よ?
って感じだと思いますが、わかりやすい例で言えば、私設エイドや通信機器を使用すると失格になります!!
実際のところそこまで審判は見ていないというかマラソンだと黙認されているのですが、ルール的にはアウトです。

公認大会は公平のためにルール(競技規則)が設けられていて、これは国際陸連が決めたことを日本陸連も同じように使っています。その中にあるのが『助力』という項目。
そのなかの禁止事項には「ビデオ装置、レコーダー、ラジオ、CD、トランシーバーや携帯電話もしくは類似の機器を競技区域内で所持または使用すること」という記載があります。つまり、レース中に携帯を使ったら失格!っていうか、所持するだけでもダメです。
携帯は当然ダメだとして、走りながらカメラで写真を撮るのも全然アウトです。また、スマートウォッチも通信機能がついていてもアウトです。コーチからのアドバイスがレース中に届いたらずるいですからね。例外的に、GPSや心拍系はOKになっています。

エイドもオフィシャル以外は全部NG!

『エイド』をマラソンを走る楽しみのひとつにしている人も多いと思いますが、主催者が設置した供給所以外で飲食物や水を受けることはルール違反なんです。
オフィシャルの用意したエイドとスタートから所持しているものだけで、それ以外を貰うのはNGです!
つまり、お父さんを応援する子供が沿道からゼリーをあげるのもダメ!私設エイドだってルール的にはアウトです。厳しすぎる?

「競技」としては当然のことかもしれませんが、「趣味」で楽しく走りたい選手にとっては登録して公認レースでルールを厳密に守って走るっていうのは、地味にストレスかもしれません。失格にはならないものの、罪悪感を覚える人もいるかも。
そういう意味では、市民ランナーレベルであれば陸連登録なんかいらない!という意見もわかります。公認レースでなければ補給はなんでもOKですから。

しかし、これは登録するかどうかっていうよりも公認レースのルールの話なので、ちょっと分けて考えた方がいいとは思います。非公認大会でも公認に準ずるルールを適用していれば、非登録者でも同じルールになりますので。

 

登録料は高い!?税金と思えば安い!

陸連登録にはお金がかかります…4000円くらい。これはデメリットでしょう。
しかし、登録料は陸上競技発展のためとして用途の限られた税金と思えば安いもの!!

陸上競技やマラソンはほとんどがボランティアで成り立っているスポーツです。小さな大会でもたくさんの審判・役員の方が来て運営してくれているのです。そしてそんな人たちは弁当代くらいしか支給されていません。いやむしろ、審判登録するのに登録費を払っているのでマイナスです。
大会の運営費用自体はエントリー代とか登録料から出ているのですが、陸上の大会はどう考えてもやればやるほど赤字になっていると思います。マラソン大会は年々エントリーフィーが上がっていて金儲けに走ってる感のある大会もありますが、トラックの大会は1500円くらいで出られるうえに超本格的に写真判定もしてくれます。市場原理としてはあり得ない構造のはず。誰かの好意によって成り立っているのがマラソンや陸上競技。

高いと思った登録料も、大会運営に使われていると思えばあり得ないほど安い!?
このお金が陸上のために使われているのであれば、毎年払ってもいいと思えるかも?
マラソン大会の参加費はボッタクリじゃね?って思うこともありますが、大会って金がかかるんですよね。

 

 

今回のまとめ~陸連登録のメリットは?~

今回は
市民ランナーでも陸連登録するメリットはあるの?
をテーマにご紹介しました。

陸連登録というのは日本陸連に選手登録することなのですが、登録は各地の陸協が窓口になっていることが多いです。
わざわざお金を払って登録するメリットはあるの?っという疑問もあるでしょう。

陸連登録する最大のメリットは『公認大会』に出られることでしょう。
公認大会は国際的な規則のなかで行われる大会で、ここでマークした記録は「公認記録」として扱われます。公認記録は上位の大会のエントリーにも使われるため、市民ランナーであっても公認記録をもっていればエントリーできる大会の選択肢が増えます。
また、陸連登録しておけば陸上の大会(トラックレース)にも出ることができるため、オフシーズンのスピード練習に1500mや5000mをトラックで走ると楽しいはず。1500円くらいでエントリーできますよ。
昔は「登録者は前列からスタートできる」なんて話もありましたが、こればっかりは大会によります。

逆に、陸連登録するデメリットは『登録費がかかる』ことと『ルールに縛られるようになる』ことでしょう。
これは陸連登録するかどうかっていうよりも公認レースでは競技として守るべきルールが増えるっていうことなのですが、これをデメリットととらえることもできます。
実際には失格にならなくても、携帯や音楽プレーヤーを使ったり沿道から差し入れをもらうことはルール違反です。実際には黙認されていますが、ルール的にはNGなので負い目を感じる人もいるかもしれません。あと、40mmを超える厚さのシューズだって本当は失格です。
トップ選手の競技であれば当然守るべきルールでも、ファンランだったらそこまで気にしなくてよくない?って気はしますが、ルールはルール。

まあ、税金だと思って毎年3月に登録しましょう!!
登録費用は陸上競技の発展に役立っているはずです。






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